最新の活動報告 > 東京都が支援事業/大震災を契機にBCPへ注目集まる




東日本大震災を受けて今、注目されている事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan)。これは地震や水害、新型インフルエンザのパンデミック(大流行)など、大規模な災害や不測の事態が発生しても、企業や団体が重要な業務を、早期に復旧し、継続できる体制を整えるために策定されるものです。
BCPについて都議会で初めて取り上げたのは上野和彦です。2007年2月の本会議で、都庁のBCPについて「本腰を入れて取り組むべきだ」と訴え、中小企業におけるBCPの普及についても主張しました。石原慎太郎知事も「これは極めて重要な指摘」と重く受け止め、都の取り組みを加速させました。
その後も、本会議、常任委員会で粘り強く推進し、2008年11月には都政のBCP<地震編>が、2010年3月には同<新型インフルエンザ編>が策定されました。
このたび、上野和彦は平成23年5月12日、東京都が開催した中小企業・団体のBCP策定を無料で支援する事業の説明会を視察しました。
昨年度から始まった同事業は都内35社が参加し、2年目の今年度は、企業(約40社)だけではなく、同業者による協同組合など3団体も、新たに対象とする予定です。
当日は、都の委託を受けて支援を担うニュートン・コンサルティング(株)社長の副島一也氏が事業の概要を説明し、参加を募りました。
同事業は、基本方針の策定から、BCPの文書化、そして実際の演習やさらなる改善まで、3カ月間で五つのステップをキメ細かくサポートします。なお、各ステップごとの打ち合わせには、社長など組織の意思決定者が参画することを必須条件としています。
負担が増え、利益には直接つながらないと思われがちだですが、2010年度の参加企業からは、「社内教育、特に幹部の育成に抜群の効果を発揮した」との声が寄せられました。また、BCPの実施をアピールすることで、他社との差別化ができ、営業力のアップにつながったという企業もありました。
こうした実績を踏まえて副島氏は、「『守り』ではなく、競争力を向上するための非常に有効な『攻め』の施策」と強調しておりました。
一方、ある製造・販売業の社長は、仕上がったBCPがA4判15ページ程度のもので、「このくらいならば、すぐに使える」と話されておりました。分厚いマニュアルではなく、「事業継続の重点を絞り、やれることをまず実行する」ことに力点を置く“動くBCP”をめざしています。さらに、一度つくれば良いというものではなく、「動き」の中で改善を繰り返し、進化させるものです。
また、今年度から団体も事業の対象とすることについて副島氏は、同業者の協同組合は、共同受注したり、災害時の相互支援について自治体などと協定を結んでいる場合もあり、「一緒に動く必要がある」と説明しておりました。
都の事業に参加し、BCPを策定した企業では、東日本大震災でも、その効果が確認されました。
あるサービス業の会社は、「社長が不在であったが、BCPで代行を決定していたため、地震発生後30分で対策本部を立ち上げ、約1時間半後にBCPを発動し、約2時間後には、従業員の安否確認やクライアント(顧客)の情報を社内で共有するなど迅速な対応を取ることができた。」とのことでした。
また、卸売業の会社では、BCP策定を通して耐震補強を実施。地震発生のわずか2時間ほど前に、飛散防止シールによるガラスの補強工事などが終了していた。同社は「この工事を実施していなかったら被害がもっと大きくなっていた可能性がある、事前の備えの重要性を改めて感じた」とのことでした。
平成23年4月現在、事業継続計画(BCP)の策定予定をしていない区市町村が1095団体、66%にも及んでいることから、今後とも遅れている区市町村のBCP策定のさらなる普及へ尽力してまいります。


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