■平成二十七年度各会計決算特別委員会(港湾局)
 平成二十八年十月二十六日/水曜日

上野委員

私からは、まず東京港における海岸保全施設整備について質問します。
 ことしは、台風が近年になく多く日本に上陸いたしました。上陸数としては、一九五一年の統計開始以降、二番目に多いとのことであります。特に、八月末に上陸しました台風十号は、北海道、東北地方において死者、行方不明者が二十七名という大きな被害を引き起こしました。海岸保全施設においても堤防の損壊などの被害が発生したとのことでございます。
 区部では、ゼロメートル地帯を含め低地帯が広範囲に広がっております。この低地帯には多くの都民が生活するとともに、国内外から多くの方々が仕事や観光で訪れています。万が一、堤防などが被災し浸水被害が発生すれば、都民だけではなく、多くの人々の命が危機にさらされるという状況になります。加えて、高度に集積された首都中枢機能や業務商業等の都市機能に支障が生ずれば、国内だけではなくて、世界経済への影響もはかり知れません。
 現在、都は、東日本大震災を教訓に策定した東京港海岸保全施設整備計画に基づいて、施設の耐震対策などに取り組んでいるところであります。
 計画策定後、間もなく四年がたちます。計画期間も折り返しの時期に差しかかっていますが、改めて海岸保全施設整備計画の内容についてお尋ねします。

原港湾整備部長

津波、高潮等の水害から東京の沿岸部を守るためには、防潮堤等の海岸保全施設が重要な役割を担っております。
 都は、東日本大震災を踏まえ、計画期間を平成二十四年度から平成三十三年度までの十年間とした東京港海岸保全施設整備計画を策定いたしたところでございます。
 本整備計画では、最大級の地震による津波や高潮からの浸水を防ぐことを目的としまして、水門、防潮堤等の耐震化や排水機場の電気、機械設備の耐水化などを整備目標として定めてございます。
 具体的には、水門や排水機場の耐震、耐水対策を十六施設、防潮堤や内部護岸の耐震対策を約四十三キロメートルで実施することなどにより、この目標を達成していくこととしてございます。中でも、水門、防潮堤につきましては、東京の沿岸部を第一線で守る重要な施設でありますことから、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会までに完成するよう優先して整備を進めているところでございます。

上野委員

首都東京の安全・安心を確保するためには、この整備計画の推進が不可欠であると考えております。
 そこで、平成二十七年度までの海岸保全施設整備計画の進捗状況、どこまで進んでいるのか伺います。

原港湾整備部長

水門、排水機場につきましては、整備対象十六施設のうち二施設が完成し、平成二十七年度には、新砂水門や辰巳排水機場の再整備に着工するなど八施設で事業を推進しているところでございます。防潮堤につきましては、計画延長約十七キロメートルのうち約六キロメートルが完成し、約一キロメートルで事業中でございます。内部護岸につきましては、計画延長約二十六キロメートルのうち約一キロメートルが完成し、約四キロメートルで事業中でございます。

上野委員

今のご答弁では、水門、排水機場は十六施設のうち二施設で完成、八施設で事業中とのことでありますけれども、残りの六施設、この進捗状況についてお尋ねします。

原港湾整備部長

事業に未着手の水門、排水機場六施設の内訳についてでございますが、水門が五施設、排水機場が一施設となっております。今年度中には全ての水門で工事に着手し、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会までに整備を完成する予定としてございます。
 排水機場の一施設につきましては芝浦排水機場であり、現在、整備水準や施設配置等を含めた具体的な整備内容を検討しているところでございます。

上野委員

水門については今年度中に全施設で工事が開始される見通しであるということを伺いました。港湾局のその努力を私は評価したいと思います。東京オリンピック・パラリンピック大会開催までに対策が完了されますよう、工事を進めていただきたいと思います。期待しております。
 さて、先ほどの答弁では、芝浦排水機場は具体的な整備内容を検討中とのことでありますが、できるだけ速やかに内容を決定し、事業に着手していただきたいのですが、現在の詳しい検討状況を説明してください。

原港湾整備部長

芝浦排水機場につきましては、建設から四十年以上が経過しているため、老朽化に対応するとともに、整備計画に基づく耐震及び耐水対策を行うこととしてございます。また、より一層都民の安全・安心を確保する観点から、辰巳排水機場と同様、五十年に一回の大雨から百年に一回の大雨に対応できるよう排水能力の向上を図る考えでございます。
 こうした観点を含め、整備に当たりましては、工事中におきましても排水機場の機能を維持しつつ、必要な排水能力の確保や施工のしやすさ、コスト面などについて、新規に整備する方法や既存施設を活用する方法などについて比較検討を進めているところでございます。ことし中には整備内容を決定し、早期に事業に着手していく予定でございます。

上野委員

ご答弁にありました耐震及び耐水対策に加え、五十年に一回の大雨から百年に一回の大雨に対応できるよう排水能力を増強するということであります。一層の防災力向上を今後も期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に、内部護岸について確認したいと思います。
 内部護岸は、先ほどの答弁によりますとこれからという状況でありますが、工事を円滑に実施していくためには地域住民や水域利用者の理解と協力が欠かせません。
 そこで、地域の皆さんの理解を得ながら、内部護岸の整備を今まで以上に積極的に推進していくべきと考えますが、今後の取り組みについてお尋ねします。

原港湾整備部長

内部護岸の整備につきましては、委員ご指摘のとおり、護岸の前面水域を活用し、船舶事業等を営んでいる水域利用者や工事箇所に隣接して生活している住民に影響を及ぼすことなどから、工事に対する理解や協力をいただくまでに時間を要してございます。このため、設計段階からの綿密な調整、工事中の情報提供など、工事実施に当たりまして影響を受ける方々との信頼関係を構築していく必要がございます。
 具体的には、工事の目的や影響等に関する十分な説明、事業者への影響が最小限となる施工手順の選定、生活環境への影響を抑制する低騒音、低振動機械の採用等を行っております。また、工事中には、全体工程だけでなく、週単位の予定や日々の業務の内容のお知らせなど、きめ細かく丁寧な対応にも努めているところでございます。
 こうした取り組みをより一層精力的に行い、都民及び事業者との信頼関係を築き、平成三十三年度までの事業完了を目指し迅速に事業を推進してまいります。

上野委員

事業を円滑に推進するためには、技術力だけではなく、工事に対する地域の皆様の理解と協力が不可欠であります。引き続き、十分な説明によりまして地域との信頼関係を築いて取り組みを進めてもらいたいことを要望しておきます。
 水害への備えとしては、万一の際における住民の避難行動など、ソフト対策も重要になってくると考えておりますが、その基本となるのは水際を第一線で防護する施設整備であります。現在、整備計画は折り返し地点にかかりました。これまで以上に積極的に推進し、重ねて東京の防災力向上に努めていただきますよう期待しております。
 次に、海上公園事業の決算に関連しまして、葛西海浜公園における海水浴体験について質問します。
 葛西海浜公園の西なぎさでは、平成二十四年度に地元のNPOと指定管理者によりまして海水浴の復活に向けた二日間限定の体験会として、その活動が始まりました。翌平成二十五年度には十三日間に拡充されました。さらに、地元の期待の高まりを受けて、平成二十六年度からは本格的な海水浴の復活に向けまして、都も参加し、取り組みもさらに進めていったわけでございます。そして、平成二十七年度には社会実験として、夏休みの土日、お盆を中心に二十日間の海水浴体験を実施し、多くの新聞やテレビでも報道されるなど、延べ三万八千人の方々が参加されました。
 そこでまず、平成二十七年度の社会実験の実施を通して、海水浴を体験された方々からどのような意見や要望があったのか、そのあたりについてお伺いします。

篠原臨海開発部長

平成二十七年度の社会実験では、海水浴体験にお越しいただいた方々に対しまして対面式によるアンケート調査を行っております。このアンケートでは、海水浴体験を知ったきっかけ、満足度、今後の実施に向けた要望などを伺いました。
 調査の結果、新聞やテレビなど、メディアを通じて海水浴体験を知った方が多いということが判明しましたほか、都区内でも海水浴体験が楽しめてよかったなど、九割以上の方々から満足したとの回答が得られております。また、平日を含めて開催日数をさらにふやすこと、あるいは遊泳エリアの拡大を希望する意見などが寄せられております。
 このほかにも、子供向けイベントの拡充やコインロッカーの設置、売店の充実など、さらなるサービスの充実を求める意見がございました。

上野委員

今年度の海水浴体験につきましては、私も海開きの日に訪れましたが、非常に多くの人でにぎわっておりまして、また、お子さんからお年寄りの方まで、さまざまな世代の方々が楽しんでいる姿を見まして、非常に感慨深いものがありました。
 今年度からの本格実施ということでありますが、昨年度の社会実験で得られた体験者からの要望をどのように生かされたのか、その実施状況についてお尋ねします。

篠原臨海開発部長

今年度の海水浴体験では、昨年度、皆様から寄せられた事業拡大に向けた意見をもとにいたしまして、開催日数を二十日から三十三日にふやすことといたしました。加えまして、遊泳ゾーンを拡張したほか、アカエイの侵入防止ネットを張るなど安全施設の充実を図っております。また、日曜日を中心にNPOが主催する里海まつりが開催されまして、さまざまなイベントが行われたという面でも要望が生かされました。
 ことしの夏は、台風や雷など気象条件の不安定な日が多かったため、休止した日や、途中で休止せざるを得ないというような日もございましたが、結果としまして、昨年度の一・四倍に当たる約五万三千人の方々に海水浴体験を楽しんでいただくことができました。

上野委員

いろいろ台風とか雨があったにもかかわらず、昨年よりも多くの方々が見えた、こういう状況でございました。平成二十七年度の社会実験で得られた都民の声を踏まえて実施されたことによって参加者が着実にふえたのではないかと、このように思います。港湾局の皆様方の努力、これについて感謝する次第でございます。
 江戸川区内だけではなく、見えている方にどこから来たんですかと聞いたら、やはりほかの都内とかあるいは近県、千葉からとか、そういうところからも家族で来られていると。結構遠いところからわざわざ来られている方もいらっしゃいました。そういった意味では、海水浴体験というのが定着しつつあるんだなと、このように思います。
 舛添前知事が、これはことしでしたか、まだ始まる前でしたかね、来られたときにも、いや、この首都で海水浴ができるところというのは世界でも珍しいのではないかと、このようにいわれていました。一つのやはりこれは魅力だね、観光の魅力ともなるねという話で、やはり非常に感動されたのは、ロケーションがすばらしいと。ちょっと右手の方にはゲートブリッジが見えるんですよ。ちょっと左の方を見ると東京ディズニーランドがおとぎの国みたいにあるわけですね。天気がよければ海ほたる、そこまで見えてくる。
 しかも、今度二〇二〇年には東京オリンピックのカヌースラローム競技場の会場になっていくという、こういう状況でもありますし、ちょっと後ろの方へ行くと東洋一の大観覧車がある。さらには、都道府県の中で唯一運営している葛西臨海水族園、ないんです、ほかの道府県でこんなのやっているところは、東京都しかない。その葛西臨海水族園も東京オリンピックが終わったらすぐ同時に改修に入りますけれども、すばらしい公園にそれぞれなっていくということでございまして、まさにすばらしいレジャー、レクリエーション施設となっていくと思います。
 今後は、これまで以上に多くの方が参加し、海水浴体験を通じて東京の海を理解し、海に親しめるよう積極的にPRを進めるとともに、利用者サービスの向上にも取り組むなど着実に事業を推進していくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。


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