■平成28年 第二回定例会 代表質問
平成28年06月07日(火曜日)
質  問  事  項

【1】 知事の政治姿勢について
【2】 災害対策について
【3】 福祉施策について
【4】 環境施策について
【5】 中小企業対策について



動 画

※CHTV都議会中継映像より

都議会公明党
上野 和彦
都議会公明党を代表して質問いたします。
 まず、このたびの熊本、大分の震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早く平穏な日々を取り戻し、復興がさらに進みますよう、私たちも全力で取り組んでまいります。
 質問に入ります。

 初めに、舛添要一都知事をめぐる問題についてであります。
 舛添知事に関しては、海外出張経費、毎週の別荘への公用車使用、さらには政党交付金や政治資金の私的流用疑惑など、およそ一般都民の倫理観や金銭感覚からかけ離れた疑念が連日報道されています。
 もともと前猪瀬知事が、贈収賄の疑惑について都議会から追及を受けたあげくの果てに辞職した後であり、何より都政への信頼を取り戻すことが後任知事に託された大きな責務でありました。
 ところが、現実は、新たな都政課題を扱うべき毎週の会見だけでなく、知事就任後、ようやく実現した福島県訪問でも、記者会見は舛添知事による弁明の場と化してしまいました。
 リオ五輪を目前にして、都政の一層の前進を図るべきこの本会議においても、質疑の大半を知事問題に割かなければならないこと自体、遺憾のきわみであります。舛添知事の活躍に期待を寄せた多くの都民の心情を思えば、率直にいって、裏切られたという思いでいっぱいであります。
 知事は、本件を議会に初めて説明すべき機会がこの第二回定例会であることを十分に自覚し、誠心誠意臨むべきでありました。しかるに、所信表明は、真摯に都民に説明する姿勢が全く見られず、都民の理解を得ようとする意欲が伝わらないものでした。
 都政トップにある者が、公人としての説明責任を果たさず、かじ取りに欠くことのできない都民の信頼を失っている現状は、それ自体、都政の停滞であり、都民に重大な不利益をもたらすものであります。
 加えて、昨日、第三者による調査結果や公表後の記者会見も、新たに重大な疑念をもたらすものでありました。
 知事は、記者会見の場で三つのけじめを表明されましたが、都民の納得を得られるものではありませんでした。例えば、湯河原の別荘を売却するとされていますが、煙たいものから都民の目をそらすようなもので、何の解決策にもなりません。
 そこで、調査結果やこれまでの知事の説明を踏まえ、改めて知事の姿勢をただしてまいりたいと思います。
 調査結果は、疑念を抱かれる項目については返金を促し、そのほかは問題なしとしています。多くの項目で返金が妥当という指摘を受けたこと自体、極めて異例の事態です。そうした失態が発生した原因、責任を、第三者ではなく、舛添知事ご自身がどう認識しているのか、この点を明らかにすべきであります。大きな声での見解を求めます。
 調査結果では、指摘されている数々の公金の私的流用疑惑、公私混同の疑惑について、いずれも全て違法性はないと強弁。その上で、その一部について、違法とまではいえないが不適切であったとして、返金などの措置を求めるものでした。
 知事、今回、あなたが問われているのは、合法か違法かではありません。私たちが怒っているのは、知事の公金に対する麻痺した感覚であり、庶民の生活感覚からかけ離れた公私を混同した金の使い方であり、多くの方々から税金を払いたくなくなったとまでいわれているのであります。
 そもそも政治資金規正法の目的は、政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに行われるようにするためであり、さらに、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とするとしています。政治資金をどう集め、どこでどう使ったのかを有権者の前に明らかにし、その政治活動の是非を有権者が監視し、判断できるようにするための法律です。知事の政治資金の適切、不適切を決めるのは、あくまで都民であります。
 また、昨日、弁護士が違法性はないと調査結果を公表されましたが、元検事とはいえ、知事に雇われた弁護士にすぎません。違法か合法かを判断するのは現職の検事、検察など捜査機関であり、最終的には裁判所であることも指摘しておきたいと思います。
 今後、調査結果に基づき知事が返金を行ったとしても、道義的責任は残ります。知事は、返金さえすれば都民は納得するとお考えなのでしょうか。答弁を求めます。

 次に、事務所家賃についてであります。
 報告書では、事務所の土地建物の所有、賃貸について、適切であり、違法性はないとしております。
 そもそもこの事務所建物については、平成二年九月に舛添知事本人が購入したものを、夫人が社長を務める株式会社舛添政治経済研究所に売却をし、平成二十五年七月に舛添知事が買い戻すという不可解な所有権の移転が行われております。
 そして、舛添氏が舛添政治経済研究所に事務所部分を貸し、同社がさらに政治団体に貸すという利益を二重に生み出す形態をとっています。
 今回の報告書で明らかにされた家賃だけでも、自由民主党参議院比例区第二十八支部、新党改革比例区第四支部、舛添要一後援会、グローバルネットワーク研究会、泰山会と名称は変わるものの、舛添氏が代表を務める政治団体から七年間で三千七百万円もの家賃が支払われております。
 舛添政治経済研究所は、不動産売買、賃貸及び管理を主な目的とした企業であり、政党交付金を原資としたお金が家賃ビジネスに消えているといわざるを得ません。違法性はないとの報告が仮に正しかったとしても、道義的、倫理的責任から逃れられるものではありません。知事の見解を求めます。

 次に、舛添知事が関係した政治団体の収支報告に関する疑惑であります。
 一つは、政党交付金の流用であり、もう一つは、公私混同であります。
 政党交付金の流用問題についても、本来、残金があれば国庫に返還しなければなりません。しかし、都知事選を前に、今は既に解散してしまっている政治団体を経由して、舛添知事の現存の政治団体に入っています。そもそも残金を国庫に返還すべき政党の責任者は舛添知事であり、その政党交付金を政治団体間の寄附を通じて受け取っているのも舛添知事です。
 さらに、政党交付金による借入金の返済疑惑です。政党交付金は、政党助成法第十四条において、借入金の返済に充ててはならないとされています。しかし、新党改革に入った政党交付金が、その都度、数日後に、政党支部を経て舛添知事の政治団体であるグローバルネットワーク研究会に流れ、そして、借入金の返済のタイミングを見て、新党改革に寄附として戻された後、銀行からの借入金の返済の一部に充当されています。
 この借入金の返済のための脱法行為は、昨日の弁護士の調査報告書でも触れられておりませんでした。このような政党交付金にまつわる疑念について、都民にどう説明するおつもりなのか、知事に見解を求めます。
 さらに、舛添知事は、新党改革の代表者であった当時、新党改革本部から平成二十四年に八百万円、平成二十五年に二百五十万円、舛添知事本人に組織対策費を支払っています。これについて、昨日の弁護士の調査報告書では、舛添知事が平成二十四年から平成二十五年にかけて、日程表には他党政治家との会合なども多数記載されていて、説明を裏づけるような状況もあり、不正に使用されたと疑うべき事情は存しないと記載しています。
 しかし、総務省のマニュアルによりますと、組織活動費は、項目別区分において組織対策費と記載した上で、支出の目的には支出ごとの形態別の費用項目の記載を求めています。
 舛添知事は、記者会見で、私はどんな買い物をしても領収書をとるのですと断言されています。そうであるならば、誰と会ったかは明らかにできないかもしれませんが、この一千五十万円を組織対策費として使った領収書を提出すべきであります。それができないというのであれば、個人的に着服したといわれても仕方ありません。知事の見解を求めます。

 次いで、公私混同についてであります。
 美術品や骨とう品、果ては私的な会食費や旅行代など、是非が問われている出来事が、収支報告書への記載年月日は知事就任以前であっても、その疑惑を指摘され、対処を求められているのは今の舛添都知事です。その対応のいかんは、知事の政治家としての真価が問われるものであり、都知事に対する信頼の問題として、都政に甚大な影響を及ぼします。
 例えば、美術品については、およそその品物を購入し、保有しなければ、そのことに基づく文化政策を語れないというものではありません。美術品や書の購入について、政治団体の収支報告書では資料だとしています。しかし、美術品は単なる資料ではなく、価値ある資産と見るのが一般常識です。これほど長期にわたり大量に購入した美術品などを資料であるとしたのは、資産隠しそのものであります。
 調査結果では、絵画、版画などの譲渡契約書等も存在しないことから、所有関係が不明瞭になっていることは否定できないとしています。複数の政治団体にまたがって購入されてきた美術品や書は、まさに脱法的に蓄積されてきた資産と断ぜざるを得ません。知事の見解を求めます。
 調査結果では、購入した美術品や書の一覧が明らかにされました。その中には、都庁に保管とわざわざ断り書きがされているのもあります。これは、美術品などを政治活動に活用しているという単なるアピールとも受け取れます。調査報告では、他の美術品や書は一体どこに保管されているのか明らかにされていません。どこにどういう形で保管されているのか、知事の明確な答弁を求めます。
 知事のファミリー企業である株式会社舛添政治経済研究所の登記簿を見ると、会社の目的の中に、絵画、陶器等美術品の販売と明記されています。政治資金で購入された美術品や書が本当に一つ残らず保管されているのか、転売や譲渡はなかったのか、疑念を持たれて当然と考えますが、知事の答弁を求めます。

 次に、宿泊費及び飲食費についても著しい公私混同の実態が明らかになりました。報告書に掲載された宿泊費全十九件のうち、約半数が家族を伴った宿泊であることが明らかになっています。このうち、政治資金からの支出が不適切で是正が必要とされたものが六件ありました。
 こうした私的な政治資金の使用は飲食費にも及び、六十五件の全支出中、家族での私的な食事、または私的な食事が約四分の一を占めています。これらの数字から全体として浮かび上がってくるのは、明るみに出なければ、まさに政治資金を家族との娯楽費に充てていたであろうこそくさであります。
 なお、これ以外にも、飲食費の中には支援者との会食も含まれており、場合によっては、有権者に対する飲食の提供を禁じた公職選挙法に抵触するおそれもあります。政治家には、一般有権者よりも高い見識と倫理観が求められるはずであります。知事は、これら一連の疑惑について、いま一度、都民に説明すべきであります。見解を求めます。
 調査結果については、今後もさらに追及の質疑を重ねたいと思います。

 次に、直接都政にかかわる知事問題について質問します。
 初めに、海外出張経費であります。
 改めて申し上げておきますが、我が党は、都市間交流自体は、異文化の尊重や大都市問題の解決を通じて、平和の創出など、世界への人道的な貢献につながるものと考えます。その上で、都議会公明党は去る三月十八日、海外出張経費について、その削減と公開を求める申し入れを行いました。
 これに対し都からは、申し入れ後に実施された米国ワシントンDC、ニューヨーク市への出張においては、随行職員四名の削減に加え、随行職員の宿泊施設や航空機座席のランクの格下げなどの経費削減に努めた旨、報告があったところであります。しかし、見直しは不十分なものでした。
 検討会を設置し会合を重ねているとのことでありますが、知事の海外出張経費の原資は、もともと都民の税金です。納税した税金を無駄遣いはしてほしくない、節約して大切に使ってほしいとの都民感情を真摯に受けとめるべきでした。
 そもそも検討会任せにしてしまった対処の仕方に、都民は、知事はまるでこの問題の責任が自分以外の誰かにあると考えているかのような印象を抱き、失望しているのであります。都の都市間交流の成果すらも薄めてしまった感のあるみずからの対応について、知事に見解を求めます。

 次いで、湯河原への公用車の使用の問題であります。
 これは単に公用車の問題にとどまらず、首都東京のリーダーとしての舛添知事の責任感の問題であります。知事は当初、強くその正当性を主張していましたが、世論の批判の高まりを受けて、その後、結局、湯河原には公用車を使用しないと表明しました。しかし、それだけでは知事が従前の自分の釈明の中でどんな点を反省し、何をどう改めるべきと考えるに至ったのかが不鮮明です。
 そこでまず、事の経緯を確認したいと思います。
 舛添知事は、昨年五月からことし四月までの約一年間において、ほぼ毎週末、都庁から百キロも離れた湯河原町にある株式会社舛添政治経済研究所が保有する保養所、いわゆる別荘に公用車で通い続けました。
 警視総監や都の消防総監は、特別な理由がない限り都内を離れません。各署の署長も、所轄管内を離れるには特別の許可が必要です。ましてや都民の命運を預かる最高ポストにある人物が、さほどの理由もなく、しかも毎週のように、負託を受けた地元東京都を離れること自体、思いもよらない発想です。
 特に首都直下地震が危惧される昨今です。危機管理上も、知事が東京を離れる際にはそれ相応の備えが必要です。舛添知事の全く問題ないとの発言は、その点でも疑念を持たれるものであってはなりません。
 知事は、知事公用車について、動く知事室と表現されました。知事は、公用車に乗車している間であれ、いずれかの場所で宿泊しているところであれ、私用の車に乗車しているときであれ、災害時にも優先的に使用できる公用携帯電話を常に所持していることになっています。しかし、車内からの知事の指示を都庁側がどう受けとめ、対応しているのかをつぶさに確認できなければ、動く知事室と幾ら強弁しても、絵に描いた餅にすぎません。
 災害時には、対応に追われる職員の士気を高めるためにも、都民に安心感を与えるためにも、知事は常に現場の最前線に立って陣頭指揮をとるべきであります。
 知事ご自身、我が党の質問に対して、危機管理で重要なのは情報であります、そして、強力なリーダーシップで、それに基づいて対応することでございますと発言されています。
 知事との連絡がとれない状況下であっても、都庁全体の対応に支障を来さぬよう職務代理を立てる仕組みや、災害発生時点や発生が予測された時点から、タイムスケジュール的に全ての職員がとるべき行動があらかじめマニュアル化してあるのです。だからといって、知事が毎週のように都内を離れ、温泉にいてよいわけがありません。
 例えば、かつて伊豆の大島町においては、共産党員の町長が、同行を予定していた他の首長が視察を取りやめる中、台風の接近を知りながら視察に出かけ、豪雨によって甚大な土砂崩れ被害が発生してしまったことは、まだ記憶に新しい事実であります。町長権限の委譲があらかじめ行われておらず、不幸にして避難勧告の発令がおくれるなどのそごが発生し、被害が拡大したとの報道もありました。
 伊豆大島の教訓は、災害の発生が予見されるときには、首長としてみずから守るべき地域を離れるべきではないということであります。
 昨年九月九日から十一日にかけて、北関東を中心に線状降水帯が発生し、十日には鬼怒川が決壊しています。また、足立区に隣接する草加市では、綾瀬川が危険水位を上回る中、堤防溢水を回避するため、国土交通省荒川下流事務所を中心に懸命の対応が行われていました。都内でも一部地域では避難勧告が発令されていました。
 こうした中、常総市などの被害を救援するため、都庁、警視庁、東京消防庁の職員が、知事や警視総監、消防総監の命により常総市などに緊急派遣されています。都内でも、九月十日までの時点で、軽傷一名、家屋の一部損壊一棟、床上浸水八棟、床下浸水十四棟などの被害が発生しています。
 しかし、舛添知事、あなたは九月十一日午後三時前、湯河原に向けて公用車で出発しているのであります。知事の命により職員が懸命に救出、救援に携わっている間、知事は湯河原に行っていたのであります。
 加えて、翌十二日の朝五時には、東京湾を震源とするマグニチュード五・二、最大震度五弱の地震が発生しました。交通機関の乱れのほか、負傷者やエレベーター停止、漏水などの被害が都内でも発生しています。そのときも知事は湯河原に滞在していました。
 災害時、道路が使えなければ、警視庁か東京消防庁のヘリコプターが知事を湯河原に迎えに行かざるを得ない状況に陥ります。しかし、知事さえ都内にいれば、そのヘリコプターは都内で活躍し、何人もの人命を救っていることでありましょう。
 このほか、我が党が立ち上げた調査チームの報告によりますと、知事の湯河原行きは、大雨や洪水の警報の発令後の解除前に何回も実施されております。暴風警報の最中の場合もありました。
 例えば、平成二十七年五月三十日は、小笠原の母島で震度五強、二十三区で震度四の地震が発生しました。その直後に湯河原に向かっています。
 七月三日は、大雨警報が発令され、その晩には都内に洪水警報が発令されていました。その最中、知事は湯河原に到着しています。
 九月十八日は、大雨、暴風、洪水の各警報が発令されていました。この日も知事は湯河原におりました。
 平成二十八年一月十五日には、都内在住の学生などが死亡したスキーバスの転落事故が発生しています。まさにこの日、知事は事故の発生後に湯河原に向かっています。
 都内を絶対に離れてはいけないとは申しません。しかし、こうまでして毎週のように湯河原に行かねばならない理由は何だったのか。知事はかねてから、東京を世界一安全な都市にすると発言されています。発言している内容と毎週末のように都内を留守にするという行動とでは、全く一致していません。知事の見解を求めます。
 知事の移動のあり方に関しては、警視庁のセキュリティーポリス、すなわちSPが同乗する公用車の使用という点も含め、要人警護の視点からの検討も必要です。知事の自宅近くには特設交番が設置されています。一方、別荘には特設交番は設けられておらず、SPも泊まりません。神奈川県警の立ち寄り警戒にとどまると聞いています。
 しかも、先ほど指摘したとおり、知事は復路に余り公用車を使用していません。それなら、湯河原に滞在中や都内に戻る際のセキュリティーはどうなっていたのでしょうか。そもそも、往路だけで対策が講じられていれば済むようなセキュリティー対策とは一体何なのでしょうか。身勝手な知事の毎週末の湯河原行きのために、都のセキュリティー対策は破綻に陥りかねなかったのです。この点も知事の見解を求めます。
 一方、報道を目にした都民からは、毎週のように湯河原を訪れることが可能なら、東京都知事にはおよそ週末の公務は存在しないのかと驚きにも似た疑問が聞かれました。多くの都民は、町会、自治会、消防団やさまざまなボランティア活動など、平日も週末も時間を割いて、とうとい社会貢献活動に従事してくださっています。毎週末、湯河原を訪れていて、知事はどこまで真剣に都民の負託に応える活動をしていたのか、全く理解できません。見解を求めます。
 一年間に五十回近くも公用車を使って都外の別荘に赴くことが違反にはならないようなルールは、都民の常識に照らせば問題であります。そんなルールに違反していないことを根拠に正当性を主張しても、都民の目には、こそくないいわけとしか映りません。
 そもそも都政資料を持っていこうがいくまいが、都外の温泉つき別荘で過ごすことを公務とすること自体に無理があります。現状の使用規定に照らしても、出発地か到着地かのどちらかが公務先でなければなりません。
 公用車の日報によれば、世田谷区内の自宅に二、三時間滞在した後に湯河原に向かった日もありました。
 さらに、平成二十七年九月一日と十一月二十七日には、公用車で湯河原に向かい、一晩、公用車を待機させた後、湯河原から世田谷区まで公用車で送らせています。この到着場所が自宅であれば、立ち寄りの域を超えており、完全なルール違反と考えられます。毎週のように湯河原に赴いていたことを誤りと認め、その経費をみずから算定し、進んで返却すべきであったのです。
 加えて、舛添知事は、被災地の復興なくしてオリンピック・パラリンピックの成功なしとみずからも発言を重ねていました。それゆえに、我が党は知事に対し、開催地の知事として一日も早く東北の被災地を訪問し、直接現状やニーズを探り、支援の一層の進展を期すべきと再三要請したのであります。しかし、そのたびに、日程がとれないと実施が見送られてきました。
 ところが、実際には週末ごとに湯河原に行っていた。そんな余裕があったのであれば、もっと早く被災地に行けたはずです。強い憤りを覚えます。みずからがかつて発言したことを忘れず、さまざまな進言にもよく耳を傾けていたら、今日のような事態は招かなかったはずであります。知事の見解を求めます。
 知事は、第三者に調査を依頼したとしています。元検事といっても、結局は知事が調査費用を支払う弁護士です。第三者とはいえません。結果の妥当性が疑われるのは当然です。本来、こうした内容は、当事者である知事本人が最も事情に精通した人物であり、第三者による調査検討など必要ないはずです。調査結果を待たなければ答えられない、第三者を間に挟まなければ信頼してもらえないようなら、そんな時点で知事はもう失格であります。
 今さら返金するのであれば、調査結果を待たずに謝罪し、みずから内容を明らかにし、速やかに都民への説明責任を果たすべきでありました。知事の見解を求めます。
 最後に、改めて申し上げます。都庁には二万数千件に及ぶ苦情や抗議の電話が届いていると聞きます。
 我が党にも、法に触れなければいいのか、庶民がいかに怒っているのかをわかっているのか、税金や政治資金を使い込んでいる、余りにもひど過ぎる、失格だ、調査といっても弁護士に丸投げではないか、責任逃れだ、会見を見てだまされた感でいっぱい、煮えくり返る思いだ、上から目線、法的にバツでなくても嫌悪感、もうだめなものはだめといった声が連日多数、都内だけでなく、都外からも寄せられています。紹介できないほど激烈な怒りの声も多く聞かれています。
 都民は、さまざま報道される一つ一つの疑惑だけでなく、あるいはそれ以上に、知事の釈明、会見の姿勢に怒りを感じています。会見を通し感じることは、知事としての過剰な自負心ばかりで、自己保身のみであるという強い印象であります。
 本来であれば、都民はこの夏のリオ大会の閉会式で、次回大会の開催都市の代表として五輪フラッグを受け取る舛添知事の姿を晴れがましい思いで見詰めるはずでありました。リオ五輪のみならず、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックへの期待感に水を差したのは、舛添知事、あなたご自身であります。
 五月二十七日の定例記者会見で、知事は、私は信頼を失っていますからと口にされています。都庁を束ねる最重要ポストにつく舛添知事は、信頼を失っていると開き直るべきではありません。政治家の出処進退は、みずからが決めるべきであります。
 しかし、昨日の記者会見により都民の怒りの声はさらに高まり、知事の辞職を求める声は広がりを見せています。知事は、これにどう応えるおつもりか、見解を求めます。

 次に、当面する都政の課題について質問します。
 初めに、防災、減災対策についてであります。
 熊本地震は、今なお余震が続き、多くの被災者が自宅に戻れず、避難生活を余儀なくされています。都は、被災地の要望を踏まえて、被災者支援や今後の復興に全力で支援を行っていくべきであります。
 一方、今回の熊本地震を教訓に、都は首都直下地震などに備えて防災対策を強化すべきです。
 その一つが、危機管理体制の充実強化であります。都道府県レベルの災害対策所管組織は、平素から自治体全体の防災対策を方向づけ、みずから迅速に実施するとともに、発災時には県内外との調整を図る強力な司令塔となるものであります。そのためには、十分な人員確保と高い専門性を擁する部門が必要不可欠であります。
 現在、南海トラフ地震などを念頭に、愛知県は職員数百十人、神奈川県は職員数百二十四人、静岡県が百三十二人の防災部門を擁しています。
 しかし、昼間人口一千五百万人を超える巨大都市東京の防災部門の職員は九十三人、極めて脆弱といわざるを得ません。東京は日本の頭脳、心臓であります。災害によって機能不全に陥れば、その与える影響ははかり知れません。防災、減災対策を進めるための課題は、量的にも他の自治体の比ではないのであります。
 そこで、都は、首都直下地震などに備えるため、事前の減災対策や発災時の応急等の対策を一貫して所管し、技術的な課題にも対応できる総合的な危機管理体制を構築すべきと考えます。都の見解を求めます。

 二点目は、学校施設の非構造部材の耐震化についてであります。
 報道によると、熊本地震において、熊本県内の学校などの指定避難所七十カ所が被災により使用できず、うち六十二カ所は天井材や照明器具の落下、窓ガラスの破損など、非構造部材の損傷が原因であったとのことです。
 都内においても多くの学校が災害時の避難所に指定されていることから、とりわけ体育館は非構造部材の耐震化を着実に進めていく必要があります。
 非構造部材の耐震化については、東日本大震災を契機に、都教育委員会においても体育館を中心に都立学校施設の非構造部材の耐震化を進めてきておりますが、今回の地震を契機に、改めて都内公立学校における非構造部材の耐震化実施状況をチェックすべきと考えます。都の見解を求めます。

 三点目は、橋梁の安全対策であります。
 熊本地震では、国道三二五号の阿蘇大橋と九州自動車道をまたぐ県道の橋梁が落橋しました。阿蘇大橋は、斜面崩壊が原因で、これに巻き込まれたものと見られています。
 今回の被災の事例から、都は、例えば、山間部の橋梁が斜面崩壊で落橋するような箇所はないのか、橋梁及び斜面を含む周辺環境を三次元的に見た危険度調査を実施し、優先度の高い箇所から道路斜面の安全対策を講じるべきと考えます。見解を求めます。
 また、橋脚が倒れて橋桁が落下し、九州自動車道を塞いだ県道の橋梁は、ロッキング橋脚という特殊な構造でありました。古い橋に多く見られ、耐震対策を考える上で検証が必要であります。
 ロッキング橋脚の橋梁は、道路橋に利用されているだけではなく、都市内の鉄道橋においても、道路と交差する箇所などに用いられています。その中には緊急輸送道路もあります。都内では、東京駅や有楽町駅付近などの鉄道橋に見ることができます。
 鉄道橋の落橋による交差道路への影響の回避や、鉄道そのものの安全性を確保するため、鉄道事業者によるロッキング橋脚の鉄道橋の落橋防止対策を促進すべきと考えます。都の所見を求めます。

 四点目は、土砂災害対策への取り組みについてであります。
 都は、近年頻発する土砂災害を踏まえ、土砂災害防止法に基づく基礎調査を前倒しして進めており、昨年度までに約一万カ所の土砂災害警戒区域等の指定を完了しました。
 今回の熊本地震では、高齢者や障害者の避難先である福祉避難所の重要性が改めて明らかとなりましたが、都の多摩地域においても、老人ホームなどの要配慮者利用施設等から福祉避難所が指定され、その中には土砂災害警戒区域内に存在している施設もあります。
 都議会公明党は、このような福祉避難所を含む要配慮者利用施設や地域の避難所について、対策事業の早期実施を求めてきているところであります。
 平成二十七年の第四回定例会代表質問で、我が党の質問に対して都は、関係各局による検討会を設置し、年度内にハード対策の緊急性を評価する手法などを定めると答弁しました。その検討結果を踏まえ、これら施設を守る対策事業を早急に実施すべきと考えますが、都の見解を求めます。

 次に、待機児童対策について質問します。
 本年四月、我が党が緊急要望を行ったように、待機児童対策は待ったなしの状況であり、国が策定したニッポン一億総活躍プランでも喫緊の重要課題に位置づけられています。
 保育所整備の壁の一つは、都内の土地の価格にあります。この点、利用可能な都有地を低廉な価格で貸し付ける都の福祉インフラ整備事業は、我が党が強く主張してきたものであり、重要な推進策となっています。
 都有地活用による保育所整備で、新たに注目を集めている公共用地として公園があります。原則、公園内では用途目的以外の建造物が禁じられていますが、都は特区制度を活用して設置できるようにしました。特区を活用した公園内の保育所は、公園広場の十分の三を上限に保育所を整備するものであります。
 そこでまず、この推進状況と今後の活用方針について都の見解を求めます。
 事業主体が保育所整備をちゅうちょする要因として、需要のピークアウトへの懸念があります。賃貸物件の活用は、その点の対応策として効果的であり、我が党はその充実を求めてきました。この点、国も対策の充実を進めており、都の取り組みの一層の強化が必要です。見解を求めます。
 また、保育所とともに不足が指摘される学童クラブについても、賃貸物件の活用も含め、即効力のある整備促進策を講じるべきであります。都の見解を求めます。
 保育所整備のもう一つの壁は、保育士不足にあります。都が策定した子供・子育て支援総合計画では、今後四年間で待機児童を解消するために必要な保育士の数は二万八千人、うち半数を新規就職者、残りを潜在保育士の掘り起こしで賄うとしています。これは、労働可能人口の減少傾向を考え合わせるとハードルの高い数値であります。
 一方、この計画では、四年間の途中離職者を一万八千人と見込んでおり、可能な限り離職を防ぐ具体策を講じるべきであります。
 政府は先般、保育士の給与の二%相当、約六千円の増額方針を閣議決定しました。こうした待遇面の改善策や都独自の上乗せも含め、政策の総動員が必要です。
 都は、副知事をトップとした検討チームを設け、保育サービスの整備目標の引き上げや、さらなる施策の充実も検討していくとしています。この検討チームでは、ニッポン一億総活躍プランの内容も踏まえながら、保育サービスの整備促進や保育士の確保など、待機児童解消に向けた実効性のある対策を早急に検討すべきと考えますが、所見を求めます。

 次に、食品ロス削減について質問します。
 先般、公明党は政府に対し、食品ロスの削減目標の設定やフードバンクの事業の支援など、具体的な政策を提言しました。食品ロスについては、国連が二〇三〇年までに世界全体で半減させる目標を掲げており、また、四月の先進七カ国農相会合でも、経済や環境、社会に影響を及ぼす世界的問題と明記されたところであります。
 都においては、昨年度、持続可能な資源利用に向けたモデル事業として、食品ロスの削減に都民が協力できるイベントを開催しました。これをきっかけに、現在、大手スーパーにおいて、賞味期限が近づいた商品にメッセージ入りの値引きシールを張って、食品ロスを減らす取り組みを全国展開していると聞いています。
 こうした工夫は、都民が食品ロスを身近な問題として捉え行動する機会となり、大変に意義あることだといえます。今後は、製造、流通、販売、消費といった各段階に対応した取り組みをさらに展開すべきです。
 昨年度の成果も踏まえ、食品ロスの削減に向けた新たな動きを支援するとともに、継続的に普及啓発を図っていくべきと考えますが、都の見解を求めます。

 次に、中小企業支援について質問します。
 ある大手就職サイトを運営する会社が行ったアンケートでは、仕事の内容次第では中小企業でもよいと回答した学生が約半数を占めたという結果が出ています。
 しかし、学生側からすれば、中小企業に関して、会社の情報や具体的な仕事の内容などを知る機会が少なく、知名度だけで企業を選択する学生も少なくないといった実態があります。
 都内には、大企業を凌駕する高度な技術力を有する中小企業や、働きやすい職場環境を持つ企業など、すばらしい魅力を持つ中小企業が数多くあり、こうした中小企業の姿を積極的に学生に対し発信していく必要があると考えます。
 都は、広報冊子等で中小企業を積極的にPRしておりますが、こうした優良な企業を掘り起こし、その魅力を学生や大学の就職担当者にしっかりと発信する取り組みをさらに進めるべきと考えます。
 都の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔知事舛添要一君登壇〕
知 事
(舛添要一君)
上野和彦議員の代表質問にお答えをいたします。
 今回の調査におきまして、多くの項目で指摘を受けたことについてでございますが、私自身が自民党に所属していたころは、政党助成金につきまして、党の内規に基づき厳しいチェックがなされておりました。
 しかしながら、新党改革を結成した後は、自民党のような政党助成金の内部チェックシステムがなく、また、自分が党の代表であると、そういう慢心もあったと思っております。
 このような状況変化の中、政治資金の使い方が適切ではないと指摘される支出が多くなったことにつきまして、みずからの責任を感じるとともに、心から深く反省をしております。
 また、今回、多くの方々から、他人には厳しいが自分には甘いのではないか、身銭を切っていないではないか、また、公私混同ではないか、そういう厳しい批判を受けております。これらのことについてもしっかりと反省をしたいと思っております。
 今回の調査結果に対します道義的な責任についてご質問がございました。
 今回の報告におきまして、私の政治資金の使い方に対して多くの不適切な点が指摘され、返金をすることとなりました。
 しかし、私自身、返金すれば全て解決する、都民の皆様からの納得が得られるというふうには思っておりません。まずは調査報告をいただき、是正を図るというけじめのつけ方として返金を申し上げた次第でございます。
 不適切というご指摘を受けました点はしっかりと改善しますとともに、失われました信頼に対しましては、生まれ変わった気持ちで、都政に全力を挙げ、都民の皆様のために努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、私の国会議員時代の過去の事務所家賃についての道義的、倫理的責任についてご質問がございました。
 今回の調査におきまして、事務所家賃の賃料水準や二重払いなどのご指摘をいただいている疑惑についても調査をしていただきました。その結果、賃料水準及び賃料支払いについて、相当である旨の回答を得ました。ご理解をいただきたいと思います。
 ご指摘いただいたようなご意見があることを踏まえまして、今後はご懸念を抱かれることのないよう、関係者などとも相談し、善処していくことを考えたいと考えてございます。

 次に、政党交付金による流用問題及び借入金の返済疑惑についてご質問がございました。
 新党改革支部から私の政治団体に対する寄附につきましては、今回の調査におきまして、政党助成法に違反しておらず、また、それらの寄附は支部報告書等に記載してあることから、政党助成法の罰則規定の適用もないことが確認されております。
 また、政党交付金が新党改革の借入金の返済に充てられていたのではないかとの疑惑につきましては、平成二十八年五月二十日、新党改革の荒井広幸代表が、改めて借入金返済に政党交付金を一切使用していない旨のコメントを出しているところでございます。ご理解をいただきたいと思います。
 続きまして、組織対策費として使った支出の領収書を提出すべきだとのご指摘がございます。
 ご指摘の組織対策費は、新党改革から支出され、他党政治家との折衝等にかかわる政治活動の資金として使用いたしたものでございます。
 この点につきましては、今回の調査におきましても、不正に使用したと疑うべき事情はないことをご確認いただいているところでございます。
 一方、組織対策費は領収書の提出が求められていないことから、これらの活動に要した費用の領収書を保存していないことをご理解いただきたいと思います。
 続きまして、絵画や書画が資産であるとの指摘でございますが、絵画等の購入につきましては、絵画等に関する知識や理解を深めることによりまして、海外の政治家との人的関係を緊密にすることができることなどで、そういう理由で購入経費に政治資金を充てたものでありまして、私は決して財テク目的で購入したものではございません。
 しかしながら、今回の調査によりまして、絵画等の購入は趣味的色彩が強く、多数多額の絵画等を購入したことは、政治資金としての支出としては不適切であるとの指摘を受けました。
 したがいまして、これらの絵画等を、今後、都立病院や福祉施設などで活用していただけるのであれば、展示等をぜひお願いしたいと考えてございます。そして、私が政治団体を解散する際は、美術館などに寄附したいと思っておりまして、資産として所有する考えは一切ございません。

 次に、絵画等の保管についてご質問がございました。
 新党改革支部とグローバルネットワーク研究会が所有しておりました絵画等は、現在の資金管理団体である泰山会が所有してございます。したがいまして、都庁で保管している分以外については、泰山会の事務所スペースで保管してございます。
 なお、今回の調査報告におきまして、政治資金を用いて購入した絵画等を私物化したとの批判を招かないような措置を講ずるべきとの指摘を受けておりますので、今後適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 それから、絵画等の転売、譲渡はなかったのかというご指摘でございますが、お話のとおり、私が役員を務めます株式会社舛添政治経済研究所の目的に、定款の中に、絵画、陶器等美術品の販売を掲げているのは事実でございます。
 一方、私が政治資金で絵画等を購入する場合は、あくまでも政治活動のツールとして活用するためでございまして、これらを転売や譲渡したことは、これまで一切ございません。
 それから、都民の皆様から指摘されている一連の疑惑でございますが、昨日公表になりました調査報告におきましても、違法な点についてはないとの結果ではありましたけれども、他方で、公私の区別が曖昧な支出がございまして、不適切であると、そういう厳しい指摘を受けました。また、多くの方々から、他人には厳しいが自分には甘いのではないか、身銭を切っていないのではないか、公私混同だと厳しい批判を受けてございます。
 私は、まさにそのような批判を受けるに値するような極めて恥ずかしい行動をとってまいりました。心から反省をしたいと考えております。
 そして、今後は公私の区別を明確にして、皆様方の信頼を少しでも取り戻すべく、粉骨砕身、都政の運営に努めてまいりたいと考えております。

 次に、海外出張の見直しについてご質問をいただきました。
 私の海外出張につきましては、姉妹友好都市との協力等を通じて、大都市問題の解決に資するべく行ってまいりましたが、一方で、多額の経費がかかったことについては深く反省をしております。
 アメリカ出張からの帰国後、直ちに海外出張経費見直しのための検討会を設置いたしまして、先日の所信表明において、検討会の結果を待つことなく、航空機のファーストクラス、宿泊施設のいわゆるスイートルームは利用しない、随行職員は最小限の体制にすることを申し上げました。
 現在、これに限らず、現地での車両や会議室の借り上げなど、あらゆる費用につきましても、そもそもの要否を含めて一から厳しい見直しを行っております。最終的には、私の責任で抜本的な海外出張経費削減の方策を取りまとめ、信頼を回復したいと考えております。

 次に、都内を留守にするという行動について厳しいご指摘をいただきました。
 湯河原の事務所での宿泊につきましては、衛星携帯電話による連絡手段やヘリなどによる移動手段など、大規模災害にも対応できる万全の危機管理体制を確保しているという認識のもとに行いました。
 しかしながら、都知事である私が都外にある湯河原の事務所に頻繁に滞在を繰り返したことにつきまして、危機管理意識が極めて甘かったとの批判は当然のことだと思っております。都民の皆様に多大なるご心配をおかけいたしました。深く反省をいたしております。
 湯河原行きにかかわる都のセキュリティー対策についてでございますが、湯河原での滞在中、危機管理上の緊急連絡として公用携帯電話のほか、緊急時に連絡がとれる衛星携帯電話を用意してございます。また、陸路で移動できない場合には、ヘリで都庁に向かうことになってございます。警備の関係につきましては、警備上の観点からお答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。
 湯河原からの復路につきましては、公用携帯電話を所持しているものの、移動元、また移動先のどちらかが公務であるという公用車の使用ルールに基づき公用車を使用していなかったわけであります。
 湯河原の事務所は、今回の一連の行動について、私みずからのけじめをつけるために売却することといたしましたが、今後、都知事として危機管理という観点を十分踏まえまして、みずからの行動を律してまいりたいと考えております。
 次に、都民の負託に応える活動についてご指摘がございました。
 毎週末のように湯河原を訪ねていたのは、公務について一週間のまとめと翌週の準備を行うことで、その能率を上げていくためでございました。しかしながら、厳しいご指摘のとおり、週末も都内で社会貢献活動に従事されている多くの都民の方々がおられる中で、例えばそうした現場を視察するといった活動が不十分であったことは、知事として反省しなければならないと考えております。
 このたび、湯河原の事務所を売却することを契機に週末の仕事のあり方を厳しく見直し、都民の皆様に一層寄り添いながら、その負託に応えてまいりたいと考えております。
 さまざまな進言につきまして、この一連の事態を招いたことでございますが、まずは、再三要請をいただいているにもかかわらず、結果として、東北の被災地訪問がなかなか実現できなかったことについて、深くおわびを申し上げたいと思います。
 毎週末のように湯河原を訪問していましたのは、公務の能率を上げていくためでありますが、しかし、そういう判断に固執する余り、都議会の皆様の声に十分耳を傾けることなく、一連の事態を招いたとのご指摘は真摯に受けとめまして、猛省をしたいと考えております。
 今回の事態を契機に心を入れかえ、都民並びに都議会の皆様と真摯に向かい合いながら、都政の発展に尽くしてまいりたいと考えております。

 次に、都民への説明責任を速やかに果たすべきとのご指摘についてでございます。
 今回の一連の問題が生じてから、私自身が承知している事柄でもありましたので、当初は事務所などに事実関係を調査させ、みずからが記者会見により都民の皆様へ説明をしてまいりました。
 しかし、身内による調査では納得できないという意見もございました。また、国会議員時代の事柄についても疑問を指摘されるなど、相当な過去にさかのぼりまして、多岐にわたる事実を調査する必要に迫られました。
 そこで、この際、私は事務所関係者とは全く無縁の第三者、そして、できれば政治資金の実務に精通した法曹の方に調査をお願いしようということになりまして、今回の調査を実施したものでございます。
 私といたしましては、都民への説明責任をきっちりと果たすためにも、丁寧に調査を行ったつもりでございますが、そのために時間を要したことについては率直に謝りたいと考えております。
 辞職を求める声についてご指摘がございました。
 ご指摘のとおり、そうした声が広がっていますことは大変重く受けとめております。それは、一連の問題が不適切であるということのみならず、都民の皆様、都議会の皆様と真摯に向かい合うべき知事としての態度が、いつしか不十分になった私の姿勢も一因であると深く反省をしております。そうした私の姿勢を都民の皆様が厳しく批判されるのは当然でございます。
 これらのご批判を真摯に受けとめ、まずは一連の問題に対して説明責任を尽くし、問題点にしっかりと対応していくとともに、改めて、都民、そして、都議会の皆様と真摯に向かい合ってまいりたいと考えております。
 このたびは多大なるご迷惑をおかけし、大変申しわけなく思っております。信頼の回復に向けまして、一歩一歩地道に努力をしていきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
   〔教育長中井敬三君登壇〕
教育長
(中井敬三君)
公立学校の非構造部材の耐震化についてでありますが、学校の体育館等においては、地震発生時、天井や照明等の落下物から児童生徒を守るとともに、避難所機能を確保するため、早急に安全対策を進める必要がございます。
 都立学校においては、本年度中に全体育館の耐震化を完了する予定であり、あわせて体育館以外の施設の耐震化も計画的に進めているところでございます。
 また、公立小中学校においては、国の補助制度に加え、都の補助により区市町村を支援してきており、平成二十七年度末時点の体育館等の非構造部材の耐震化率は約七五%となっております。
 都教育委員会は、今後も都立学校について、非構造部材の耐震化が必要な施設の対策を鋭意進めるとともに、引き続き区市町村を支援し、対策の早期実施を強く働きかけ、平成三十年度の対策完了を目指してまいります。
   〔総務局長中西充君登壇〕
総務局長
(中西充君)
総合的な危機管理体制の構築についてでございますが、都における防災対策は、総務局の総合防災部が中心となり、全庁を挙げて対応することとしております。
 具体的には、発災後、直ちに知事を本部長として災害対策本部を設置するとともに、自衛隊の方面総監経験者である危機管理監が知事を補佐することで、自衛隊、警察、消防等とも連携して迅速に救出救助活動を展開いたします。
 また、平時から総合防災部には、過去の災害等の経験も踏まえ、土木、建築職を配置することで各局等と連携を強化しているほか、防災関係機関の管理職を配置することなどにより、地域防災計画等の運用、訓練の統括など、首都直下地震等危機対応の具体化を図っております。
 お話の趣旨も踏まえ、熊本地震の教訓も検証しつつ、今後とも危機管理体制の充実強化を図ってまいります。
   〔建設局長佐野克彦君登壇〕
建設局長
(佐野克彦君)
二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、道路斜面の安全対策についてでございますが、震災時において、橋梁など道路施設の健全性を保持することは、安全な避難や緊急輸送を確保し、救命、復旧活動を迅速に行う上で重要でございます。
 このため都では、斜面の崩落や落石等による道路への影響を未然に防止するため、日常的な巡回点検に加え、五年に一度の定期点検などにより斜面の状況を的確に把握し、緊急度の高い箇所から、のり枠工や落石防護柵等の対策を計画的に実施しております。
 今後は、今回の熊本地震での斜面崩壊に伴う橋梁の被害状況を踏まえ、橋梁等重要構造物の情報も考慮した調査を実施するなど、優先度を評価しながら斜面の安全対策に取り組んでまいります。

 次に、土砂災害対策の取り組みについてでございますが、土砂災害から施設利用者の生命を守るためには、土砂災害警戒区域等の指定による警戒避難体制の整備を初めとするソフト対策に加え、砂防堰堤の整備など、ハード対策を推進していくことが重要でございます。
 都は昨年度、検討委員会におきまして、学識経験者などの意見を踏まえ、人命の保護を最優先とする基本理念のもと、ハード対策の緊急性を評価する手法などの検討を行いました。
 その結果、避難所や二十四時間滞在型老人ホームなどの要配慮者利用施設等の重要度を考慮した評価フローを取りまとめました。今後、警戒区域ごとに評価を行い、計画的にハード対策を実施してまいります。
 引き続き、土砂災害対策に全力で取り組んでまいります。
   〔都市整備局長邊見隆士君登壇〕
都市整備局長
(邊見隆士君)
鉄道橋の落橋防止対策の促進についてでございます。
 鉄道事業者にとって、安全・安心の確保は最も基本的な事項であることから、各事業者は、国が定める指針に基づいて着実に耐震対策に取り組んでございます。
 お話のロッキング橋脚による鉄道橋の多くは、明治から昭和初期までに建設されており、橋脚と橋桁との接合部などに可動式の部材を用いているという特徴がございます。
 このような鉄道橋は都内に約四十カ所あり、そのうち約三十カ所が緊急輸送道路と交差するなど、多くは主要な道路上にかかっております。これらについては、国の指針に基づく落橋防止装置の設置がおおむね完了してございます。
 都としても、熊本地震を受けた耐震対策に関する国の動向等を踏まえながら、鉄道事業者による対策が、より適切に行われるよう取り組んでまいります。
   〔政策企画局長川澄俊文君登壇〕
政策企画局長
(川澄俊文君)
特区を活用した公園内の保育所設置についてですが、国家戦略特区における本特例は、待機児童解消に向けて、特に保育所用地の確保が困難な地区においては有効なツールであると考えております。
 昨年十一月に、荒川区の都立汐入公園において特区認定を受けて以降、世田谷区の二つの都立公園や品川区の区立公園が認定を受けており、それぞれの公園の特徴を生かした保育所が整備される予定でございます。
 さらに、新たな認定に向け、都立代々木公園では渋谷区が運営事業者を選定しているほか、品川区では区立公園として二例目となる事案が進められているところでございます。
 今後も、各地域の保育ニーズを踏まえ、都の関係各局と区市町村が密接に連携を図ることにより、本特例の活用に積極的に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕
福祉保健局長
(梶原洋君)
三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、賃貸物件による保育所整備についてでありますが、賃貸物件の活用は短期間で保育所を整備できる有効な手法の一つでございまして、都は独自に改修費等を補助し、区市町村や事業者の負担軽減を図っております。
 昨年度、賃貸物件を活用して整備された認可保育所は、全体の約七割の百十六件に上り、平均的な改修工事期間は約三カ月となっております。
 国は今年度から、公定価格における運営費の賃借料加算を実勢に対応した水準に増額しており、都はこれに加え、改修工事期間等の開設前の賃借料を独自に補助するほか、認証保育所の運営費補助の賃借料加算についても公定価格に合わせて増額をしております。
 今後、国の新たな施策も踏まえ、賃貸物件を活用した保育所整備を進める区市町村を積極的に支援してまいります。

 次に、学童クラブの整備についてでありますが、都はこれまで、学童クラブの整備を進めるため、施設の新設や改築、小学校の余裕教室など既存施設を利用する場合の改修に係る経費の補助を行ってまいりました。
 また、時間延長のニーズに対応するため、午後七時以降まで開所する施設の整備に当たりましては、都独自に整備費の補助率を三分の一から二分の一に引き上げ、区市町村の負担軽減を図ってまいりました。
 さらに、民家、アパートなどの賃貸物件を活用する場合には、賃借料補助を行いますとともに、今年度からは借地料や受け入れ児童数をふやすための移転費用の支援を開始しており、今後とも学童クラブの整備に取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。

 最後に、待機児童解消に向けた対策についてでありますが、国は三月に、緊急対策として、保育コンシェルジュの設置促進など利用者への支援策、一時預かり事業の活用や改修費の拡充など受け皿の整備促進策等を打ち出し、今月二日には、保育士の処遇改善やキャリアアップの仕組みの構築を初めとした保育人材の確保策などを盛り込んだ、ニッポン一億総活躍プランを閣議決定いたしました。
 都は現在、待機児童数の多い区市町村を中心に調査やヒアリングを実施し、改めて保育ニーズ等の実態把握に努めており、副知事をトップとした関係各局から成る検討チームでは、こうした国の施策や区市町村の状況も踏まえながら、夏までに待機児童解消に向けた新たな対策を取りまとめ、長期ビジョンで示した整備目標につきましても引き上げてまいります。
   〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕
環境局長
(遠藤雅彦君)
食品ロスの削減についてでございますが、気候変動の影響等に伴い、世界的に食料供給の不安定化が懸念される中、食品ロス削減の推進は重要でございます。
 都では、昨年度、持続可能な資源利用に向けたモデル事業といたしまして、都内大手スーパーにおけるフードロス・チャレンジ・フェスや、遊びを通じて食品ロスの問題を学ぶ、もったいない鬼ごっこなどを開催いたしました。
 これら一連の事業は報道でも多く取り上げられ、食品ロスに対する都民の意識が高まるとともに、区市町村においても具体的な取り組みが始まっております。
 今年度も、食品ロスの削減を優先的な課題としてモデル事業を公募し、さらなる取り組みを展開してまいりますとともに、区市町村のイベント等と連携した広報普及に努め、食品ロスの削減に取り組んでまいります。
   〔産業労働局長山本隆君登壇〕
産業労働局長
(山本隆君)
中小企業の魅力発信についてでございますが、若者の中小企業への就職を促進するためには、企業に対する学生等の関心を高めることが重要でございます。
 このため都は、若者に向けて専用ウエブサイトの開設や大学での広報冊子の配布等を通じて、中小企業の魅力を広くPRしてまいりました。
 今年度は、これまでの製造業、IT、建設業に加えまして、サービス業等にも対象を広げ、幅広い業種から優良な企業を掘り起こして紹介してまいります。
 さらに、多くの大学等の就職担当者が、中小企業についてより深く理解し、学生に伝えられるよう、年二回開催する教育関係者と企業担当者との交流会では、参加企業を昨年度の延べ四十社から、今年度は二百社に拡大をいたします。
 こうした取り組みによりまして、さまざまな中小企業が持つ魅力を広く発信し、若者の就職を促進してまいります。

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