■環境・建設委員会(環境局)
 平成27年11月12日/木曜日

上野委員

私からは三点について質問してまいりたいと思います。
 まず初めに、コージェネレーションシステムの普及促進について伺います。
 政府は、ことし冬の節電について、数値目標を伴う節電要請を見送ることを決定したようであります。東京電力管内については、二〇一三年度並みの厳冬になるリスクや、直近の経済成長の伸びを見込んでも、なお企業や家庭における節電の定着などによりまして、電力の安定供給に最低限必要な予備率三%以上を確保できる見込みとなっております。
 当面の電力不足の懸念はほとんどなくなりましたが、これに安堵してはいけないと思います。電力の大消費地である東京においては、他県からの電力の依存を極力減らし、電力の地産地消に取り組み、環境負荷の低減やエネルギーセキュリティーの向上につながるまちづくりをしっかり進めていくことが重要だと思います。そのための方策として、分散型電源であるコージェネレーションシステムの導入があります。
 コージェネレーションシステムは、系統電力への負荷を低減するとともに、万が一、災害が発生した際も電力は確保され、事業継続ができるため、私はかねてから積極的に促進すべきと主張してきたところでございます。
 そこでまず、オフィスビルにおけるコージェネレーションシステム導入に向けた都のこれまでの取り組み、実績についてお伺いします。

小川都市エネルギー
推進担当部長

コージェネレーションシステムは、昼間の発電によるピークカットによりコスト削減ができること、高効率な運転で低炭素で環境負荷の低減が図れること、またその燃料となる都市ガスは、耐震性にすぐれた中圧管で供給されるため、災害に強いことなどの特徴がございます。
 そのため、都は、低炭素、快適性、防災力を兼ね備えたスマートエネルギー都市の実現に向け、ビルのエネルギー管理システム、いわゆるBEMSの導入等を条件に、オフィスビルと事業所へのコージェネレーションシステム導入に対する補助を平成二十五年度から実施してまいりました。平成二十五年度と二十六年度の二カ年で約六万三千キロワットの補助申請を受け、事業者の関心は非常に高いものでございました。

上野委員

ただいまのご答弁で、都内オフィスビルでのコージェネレーションシステムの導入は着実に進んでいるということが理解できたわけでございますが、コージェネレーションシステムの導入をさらに促進していくには、発電の際に発生する熱をいかに冷暖房や給湯に有効活用するかが課題であると思っております。
 事業者は、より多くの電気を発電したいと考えていますが、発電容量の大きなコージェネレーションシステムになるほど多くの排熱が発生いたします。この排熱が使い切れないと、エネルギーが無駄になってしまい、熱需要に合った規模のコージェネレーションシステムの導入にとどまることとなるわけであります。
 都が以前実施した地域エネルギーマネジメント調査でも、熱の有効利用がより重要であることが明らかにされていると聞いております。
 そこで、この排熱をより有効に活用していくために、どのような取り組みを実施しているのか、お伺いします。

小川都市エネルギー
推進担当部長

より規模の大きいコージェネレーションシステムの導入を可能とするためには、熱を余すことなく最適利用することが重要でございます。そのためには、熱需要や電力使用の状況が異なるさまざまなビルを連結し、街区レベルでの熱や電気を融通することによりトータルで最適化が図れるよう、エネルギーの面的利用を進めることが有効でございます。
 そこで今年度から、これまでのコージェネレーションシステムへの補助に加え、建物間を結ぶための熱導管や電力線も新たに補助対象に加え、エネルギーの有効利用を進めるスマートエネルギーエリア形成推進事業を開始いたしました。
 今後とも、平常時の省エネと非常時の電力供給が図られるスマートエネルギー都市の実現に取り組んでまいります。

上野委員

都内電力需要の四割を占めるのが業務部門でございます。とりわけ、オフィスビルなどの事業所に対する取り組みは重要であると思います。今後、オリンピック・パラリンピックの開催を控え、大規模な開発が行われていきますが、こうした開発事業も好機と捉えて、さらに、コージェネレーションシステムの導入が進むよう、引き続き積極的な施策展開をされるよう、ご期待申し上げます。
 次に、二点目としまして、家庭部門の省エネ対策について伺います。
 家庭部門のエネルギー消費量は、平成二十五年度の速報値で、前年度比一・四%の減となっております。この数字から震災以降の省エネ、節電の定着が見られるわけでございますが、長期ビジョンの省エネ目標の達成に向けては、引き続き都内のエネルギー消費量の約三割を占める家庭部門に対して、実効性ある取り組みを展開していくことが大切であると思います。
 その際には、情報通信技術を活用したエネルギーマネジメントにより、無理なく賢い省エネ、節電を実現していくという視点が重要であると考えております。
 そこで都は、家庭のエネルギーマネジメントの推進に関し、都内の住宅の約七割を占める集合住宅向けに、昨年七月からスマートマンション導入促進事業を実施していますが、これまでの取り組み状況についてお伺いします。

笹沼地球環境
エネルギー部長

スマートマンション導入促進事業は、集合住宅のエネルギー利用の効率化を図るため、電力消費量を見える化し、空調や照明などの制御を可能とするエネルギーマネジメントシステム、いわゆるMEMSの導入促進を目的としましたもので、昨年度から五年間の事業として実施しております。
 事業開始から本年十月末までの一年余りで百一件の申請を受け付けており、このうち約四分の三が既存の集合住宅からの申請となっております。これは、インターホンの画面上で、電力の見える化に対応したシステムが開発されまして、インターホン機器の更新時期を捉えた導入が進んだこと。また、新築の場合には補助の条件としている百戸未満という要件希望を課さず、スケールメリットが得られやすい制度としたことによりまして、設備導入の合意形成が円滑に図られたことなどによるものと考えております。
 今後とも、制度の内容やMEMS導入のメリットなどについて十分な周知を図ることにより、マンションのスマート化に取り組んでまいります。

上野委員

家庭のエネルギー利用を効率化するためには、エネルギーマネジメントシステムの導入とあわせ、最先端の省エネ、創エネ機器の普及を図ることが効果的であります。
 そこでこれに関連し、都は平成二十五年度から、家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業として、燃料電池などに対する補助事業に取り組まれておりますけれども、この事業の取り組み状況をお伺いします。

笹沼地球環境
エネルギー部長

家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業は、家庭のエネルギー利用の効率化、最適化を推進するため、エネルギー管理システム、HEMSの導入を条件に、家庭用燃料電池や蓄電池などのエネルギー機器の導入経費を補助するものでございます。
 事業開始から本年十月末までの二年余りで、家庭用燃料電池七千百三十八台、蓄電池三千九百五十四台、ビークル・ツー・ホーム二十台の補助申請がなされております。
 本事業により導入促進が図られた結果、家庭用燃料電池につきましては、平成二十一年度に三百三万円であった販売価格が、平成二十六年度には百四十九万円に半減するなど、着実に価格低下の効果があらわれているものと考えております。
 今後とも、高効率な機器の導入や、エネルギーマネジメントを着実に推進いたしまして、家庭のエネルギー消費量の削減に取り組んでまいります。

上野委員

今のご答弁にあったように、環境局の取り組むその事業がしっかりと効果を出しているということで、私は高く評価したいと思っております。
 省エネ、節電は、我慢を強いるものでは長続きいたしません。引き続き、快適性を損なうことなく省エネが達成できるよう、高効率な機器の導入に対する支援や、エネルギーマネジメントの推進に取り組んでいただくことを重ねて要望していきたいと思っております。
 次に、三点目として、水素社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
 昨年十二月、トヨタが世界に先駆けて、燃料電池自動車を発売してから間もなく一年がたちます。先日、開催された東京モーターショーでは、ホンダが来年三月に、燃料電池自動車を発売開始すると発表しましたが、今後、車種がふえることによりユーザーの選択肢が広がれば、さらに普及が拡大していくと考えております。
 燃料電池自動車は、走行中に水しか排出しない環境性能や、災害時における非常用電源としての活用などの意義を有しております。都では、そうした燃料電池自動車の導入促進事業を実施するなど普及を後押ししておりますが、まず、この導入促進事業の実績と、今後の都の取り組みについて伺います。

小川都市エネルギー
推進担当部長

都は、燃料電池自動車について、二〇二〇年までに六千台、二〇二五年までに十万台を普及することを目標に掲げております。現在、この目標達成に向けて、燃料電池自動車の導入促進事業を実施しております。
 本年二月から、民間事業者と個人を対象とした補助を、また六月からは、区市町村向けの補助も開始いたしました。十月末時点で、民間向けの補助申請件数の累計は四十六台でございます。また、区市町村を対象といたしました補助申請受け付け件数は二台でございます。
 自動車メーカーからは、今後、生産台数を拡大していく予定と聞いており、こうした支援策を講じながら、燃料電池自動車の普及拡大を後押ししてまいります。

上野委員

来年度には、燃料電池バスも市場投入されると聞いております。燃料電池自動車は、ますます身近な存在になっていくと、このように考えております。今後のさらなる普及に向けた都の取り組みに期待しております。
 さて、燃料電池自動車の普及に欠かせないのが供給インフラである水素ステーションの整備です。燃料電池自動車のユーザーが必要なときに水素の充填が可能になるよう、水素ステーション整備を着実に進めていくことが重要であります。
 水素ステーションは、ガソリンスタンドに比べて多くの費用がかかることや、都内では必要な規模の敷地を確保することは困難であるなどの課題があると聞いておりますけれども、こうした中、都では、国と都の補助を使えば、ガソリンスタンド並みの一億円程度で整備できるよう補助を行うなど、水素ステーションを整備する事業者への支援策を講じているところでございます。
 そこで、現在の都内における水素ステーション整備状況、また、今後の整備拡大に向けた取り組みについて伺います。

小川都市エネルギー
推進担当部長

水素ステーションにつきましては、二〇二〇年までに三十五カ所、二〇二五年までに八十カ所整備する目標を掲げ、現在、国の補助とあわせて、ガソリンスタンドと同程度の負担で整備できるよう支援してございます。
 十月末現在、都内では六カ所の水素ステーションが稼働しております。また、計画中の水素ステーションが六カ所あり、これらを含めまして、今年度末までに十カ所程度の開所が見込まれております。
 今後、民間事業者等と連携を図り、都心や臨海部周辺、また、燃料電池バスの走行ルートに対応した場所などでの水素ステーションの整備について検討を進めますとともに、支援を講じながら整備拡大に取り組んでまいります。

上野委員

先ほども述べました、水素は、利用の段階では水しか排出しないと。そのため、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの電力で水を分解して水素を製造するシステムが実用化されれば、まさに低炭素社会につながります。
 都では、本年二月に公表した水素社会の実現に向けた東京戦略会議のまとめにおいて、低炭素な水素の先導的な導入を取り組みの方向性として掲げております。こうした取り組みを、今後ともしっかりと進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。


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