■都市整備委員会(都市整備局)
 平成27年03月18日/水曜日

上野委員

私からは、都営住宅条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 東日本大震災の発生から四年がたちましたが、被災者は今もなお全国で約二十二万九千人、東京都内においても七千五百人余りの方々が避難生活を送っておられます。
 都は、震災発生直後から迅速に被災者支援に取り組んできたと思っております。一日も早く避難所から住居での生活に移れるようにと、震災から三週間足らずの四月一日には都営住宅等への入居を開始いたしましたし、現在も都営住宅などにおいて、千五百世帯余りの避難者に応急仮設住宅を提供しております。こうした都の取り組みにつきましては、私は高く評価しているところでございます。
 一方、震災からはや四年が経過し、多くの避難者の方々は、今後の避難生活の先行きに不安を感じているのも事実であります。そうした中で今回提案されている都営住宅の条例の改正は、福島県の避難指示区域から都内に避難されている方々が、これまでの応急仮設住宅での仮住まいから都営住宅の一般募集に応募し、正式に都営住宅に入居しようとする場合の特例措置を設けるものと承知しているところであります。
 この条例改正により、これまで正式に都営住宅に申し込みができなかった収入基準を上回る方や若年単身者も応募が可能となることは、大きな前進であると思います。そこで改めて、条例改正を行うその背景を説明していただきたいと思います。

臼井経営改革
担当部長

都は、発災直後からこれまで、被災県からの応援要請に基づきまして、都営住宅等を活用し、希望する避難者全員に無償で応急仮設住宅を提供してきております。一方、福島県の避難指示区域におきましては、復興状況等に応じまして、一部地域で避難指示が解除されるなど、避難者を取り巻く環境も変化してきております。
 こうした状況を勘案し、避難者の居住先の選択肢をふやし、生活の安定に寄与するため、福島復興再生特別措置法に規定する居住制限者の入居資格の特例を都営住宅条例に反映させ、現に住宅に困窮していることが明らかである場合に、同居親族要件及び収入基準を満たすものとみなすこととしたものでございます。

上野委員

都内での避難者の生活状況は、年齢や家族構成などによってさまざまでありますので、それぞれの事情に応じた選択ができることは大変結構なことだと思います。
 しかし、一方で、都が都内避難者に対して実施しましたアンケートによりますと、応急仮設住宅が無償で提供されている間は、応急仮設住宅に住むと回答している避難者も多いわけでございます。そこで、現在の応急仮設住宅の提供期間と、いつ延長が判断されたのか、お尋ねします。

臼井経営改革
担当部長

福島県からの避難者に対します応急仮設住宅の供与期間は、現在のところ平成二十八年三月末までとなっております。
 被災県におきましては、被災地の復興状況や被災者の実情等を踏まえまして、被災者の住宅需要に応ずるに足る適当な住宅が不足する場合に、一年を超えない範囲で応急仮設住宅の供与期間の延長を判断した上で、関係都道府県に応援要請を行っております。
 昨年の福島県の応援要請は五月に、宮城県及び岩手県につきましては六月に行われており、都は各県から応援要請を受け、応急仮設住宅の供与期間の延長を八月に決定しております。

上野委員

被災県からの応援要請が継続された場合は、これまでどおり都も引き続き応急仮設住宅を提供していただくよう要望しておきます。
 では、応急仮設住宅として住んでいる場合と、都営住宅に改めて応募して入居する場合との違いについて、確認のためお尋ねいたします。

臼井経営改革
担当部長

応急仮設住宅は無償で提供されておりますが、被災県において一年ごとに期限延長の可否が判断され、延長されなかった場合は期限までに退去することが求められます。
 一方、今回の条例改正によりまして、改めて都営住宅に入居した場合には、毎年の収入に応じて決定される使用料を支払う必要がございます。
 また、都営住宅の入居時には収入基準は適用されませんが、入居後は一般の入居者と同様に、入居から一定の年数が経過し基準を超えた収入があるときは、収入超過者として明け渡し努力義務が課されます。さらに、高額所得者の基準を超えた場合は、明け渡し請求の対象となります。

上野委員

ただいまの答弁は、私はもう大事なことだと思っております。誤解がないようにしなければならないと。
 このたびの条例改正で都営住宅の入居資格の基準が緩和されたことによって、例えば、収入基準を上回る方が応募できるわけですね。それで当せんして入居したとします。しかし、入居後は収入超過者に対する明け渡し努力義務が課され、明け渡し請求の対象となり、出ていかなければならなくなる事態も発生することが懸念されるわけでございます。
 また、条例改正が決まれば来月から応募が可能となります。例えば、五月の申し込みで当せんし、秋ごろ入居できたとします。その時点から家賃を支払うことになるわけですけれども、仮の話ですけれども、ことしの、例えば八月ごろに応急仮設住宅のさらなる延長が決定した場合には、同じ避難者でありながら、無償の方と家賃を払う方が同じ都営住宅内でも出てくるということが想定されるわけであります。
 今回の条例改正の内容だけでは、避難者の方々には、先ほどの説明いただいた内容はわからないわけであります。都営住宅にこれからも住み続けたいと思っている方は、こうした内容を知った上で賢明な判断をすることができるように、都は、避難者の方々に対し、応募に当たっては丁寧に説明すべきであると思います。今後、避難者の方々には、そのことをどのような形で周知されるのか、お尋ねいたします。

臼井経営改革
担当部長

都営住宅の募集案内に対象者専用のページを設け、入居資格や入居に伴い負担する使用料、収入超過者の明け渡し努力義務、高額所得者への明け渡し請求など、入居後の注意事項等を丁寧に記載し、ご案内するなど、避難者の方々への周知に努めてまいります。

上野委員

答弁をお聞きして若干は安心しましたけれども、そのあたりについては本当にわかりやすいように、しっかりと説明をしていただきたいと思います。あくまでも避難者の方が誤解することがないように、丁寧な案内に努めていただきたいと思います。
 最後に、都営住宅における東日本大震災による都内避難者全体への対応について質問いたします。
 都内には、福島県の避難指示区域以外の地域からの自主避難者や、宮城県、岩手県からの避難者も多数おられます。都内への定住を希望している方も多いと聞いております。
 そこで、今回の条例改正は福島県の避難指示区域からの避難者に対する特例措置でありますが、宮城県、岩手県等からの避難者も含めて、東日本大震災の被災者に対して都営住宅への入居に当たっての優遇措置を講ずるべきと考えますが、都の見解を求め、私の質問を終わります。

臼井経営改革
担当部長

今回の条例改正によりまして、福島県の避難指示区域からの避難者に対しましては、福島復興再生特別措置法に基づきます特例措置を実施いたします。
 また、被災者の生活支援等を目的とした、いわゆる子ども・被災者支援法に基づく国の通知を踏まえまして、避難指示区域を除く福島県の浜通り地方、中通り地方からの自主避難者で、世帯の一部が都内に避難しているような場合には、収入認定及び使用料の算定に当たりまして、収入を二分の一として扱う特例措置を設ける予定でございます。
 加えて、都独自の支援策といたしまして、福島県の避難指示区域からの避難者及び浜通り地方、中通り地方からの自主避難者につきまして、都営住宅の当せん率が一般の五倍となる優遇措置を実施いたします。
 さらに、宮城県、岩手県を含むその他の東日本大震災の都内避難者のうち、住宅が全壊、流出するなど一定の要件に該当する者につきましても、同様の優遇倍率の措置を講じることとしております。こうした対応を本年五月の都営住宅の一般募集から実施いたします。


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