■都市整備委員会(都市整備局)
 平成26年11月13日/木曜日



上野委員

都市整備委員会の初めての質疑でありますので、都民の方にも理解しやすい質疑になるように、基本的なことからお尋ねしたいと思っております。ぜひとも理事者の皆様にも、わかりやすい答弁を期待するところでございます。
 まず初めに、木造住宅密集地域の整備についてということで、高度の防災都市づくりの観点から何点か質問していきたいと思います。
 阪神・淡路大震災の教訓を受けて、都が立ち上げました東京都防災都市づくり推進計画、これによりますと、都内には約一万六千ヘクタールに及ぶ木造住宅密集地域が山手線の外周部に広範に分布しており、道路や公園などの都市基盤が不十分なことに加え、老朽化した木造建築物が集積するなど、防災上の課題を抱えているところでございます。
 都は、防災都市づくりを進めるに当たりまして、危険性の高い地域から優先的に整備を進めることとして、木造住宅密集地域を中心に、危険度が高く、特に老朽化した木造建築物が集積するなど震災時の大きな被害が予想される地域を、整備地域と位置づけたところでございます。
 この整備地域は、都心三区を除く二十区に二十八地域を指定しており、その面積は約七千ヘクタール、これは二十三区の約一一%に匹敵する広さであります。
 一方、特別区各区は、いわゆる密集事業により木密対策を進めております。都のパンフレットによりますと、平成二十六年四月現在で、密集事業地区は六十三地区、二千七百五十ヘクタールで事業中ということであります。この密集事業地区は、先ほどの二十八整備地域の地域内だけではなくて、地域外もあり、着実に木密対策を進めております。
 これまで長い間、木密地域の整備改善に向けまして、都と区は連携しながら延焼遮断帯となる道路の整備や建物の不燃化、耐震化を促進し、一定の成果というものは上げてきたと思います。
 しかしながら、道路の整備率、不燃領域率の進捗を見ますと、計画の目標を達成するにはなかなか厳しいものがあるなと、これは正直、皆さん方も思っているところではないかと思います。
 そうした中で、東日本大震災が発生しました。都は、その教訓を生かし、また、切迫性のある首都直下地震の発生を踏まえまして、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、不燃化特区により取り組みを加速しているところであります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、木造住宅密集地域の整備を着実に進めるべきという立場から、また、不燃化、耐震化に加えて、液状化対策も防災都市づくりの重要な柱の一つであるという立場から、質問を具体的にしてまいります。
 不燃化特区は、現在三十八地区で事業実施中でありますが、指定準備地区や新たに区から応募があった地区を合わせれば四十八地区となります。不燃化特区は、四十八地区の合計面積が約二千八百七十ヘクタールであり、整備地域七千ヘクタールの約四割まで拡大されてきたというところでございます。
 現在、不燃化特区の応募は平成二十六年十二月までとなっております。これまで都は、不燃化特区の拡大を図ってきたところですが、目標をたしか五十地区にされていたと思います。それに近づいたところで、この十二月をもって募集を終了することになるのでしょうか、お尋ねします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

都は、平成二十四年二月の先行実施地区の募集以降、区に対し、特区への応募の働きかけを行い、これまで四回にわたって区からの申請を受け付けてまいりました。
 その結果、区が行う特区への申請につきましては一定の目途がついたと捉えており、新たな地区の募集については、十二月を一つの区切りといたします。

上野委員

それでは、都は、整備地域における不燃領域率の目標を平成三十二年度までに七〇%に引き上げるとしておりますが、この四十八地区の不燃化特区の取り組みにより、都民の命を守るためにも、都が掲げた目標をぜひ実現していただきたいと期待しておりますけれども、果たして可能なんでしょうか、見解を求めます。

佐々木防災都市づくり
担当部長

不燃化特区は、戸建て住宅への建てかえ助成や固定資産税等の減免など新たな取り組みを行うもので、より高い効果が期待できるものでございます。都は、目標の達成に向けて、従来からの取り組みに加え、市街地の不燃化を一段と加速する不燃化特区の取り組みを精力的に進めてまいります。

上野委員

平成三十二年度までに整備地域の不燃領域率を七〇%に引き上げるよう精力的に取り組んでいくと、こういった力強い決意だと受けとめております。私も、その決意に従ってしっかりと応援してまいりたいと、改めて決意させていただきます。
 さて、不燃化を加速させる不燃化特区について、事業実施中である三十八地区の不燃領域率は何%になるのかお尋ねします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

委員お尋ねの事業実施中の三十八地区については、応募時の値をもとに算出した場合、不燃領域率は約五三%でございます。

上野委員

不燃化特区の各地区では、整備目標として不燃領域率七〇%を掲げておりますが、今の答弁にあった不燃領域率五三%を目標値まで引き上げるのは、これまでの進捗状況から容易なことではないなということを実感いたします。
 そこで、加速度を増す起爆剤となるのが不燃化特区制度であると、このように思っております。老朽建築物の除却費助成、あるいは固定資産税、都市計画税の減免措置という、まさに画期的な取り組みでありまして、私は大変評価しておりました。
 都市整備局からしっかり説明を受けて、私もしっかりと推進していこうということで、江戸川区の不燃化特区地域に入って、商店街も回ってきて、そして都民の方に、こんなすばらしい制度ができたんだから、いい建物つくっていきましょうと、地域を守りましょうという話をしていった。
 商店街の店主の方にそんな話をしたときに、何をうそついているんだと、こういわれたんですよ。あなたが説明しているようなことはないじゃないかと。一体何なのか、わからなかった。
 私たちのような専門の−−通ってきている方なんですね、実家は別のところで、店だけと。道路の一番目立つところにあるわけですけれども−−協力していこうということで、建てかえようと思いましたと。不燃化特区があるということも、あんたの街頭を聞いて思ったよと。
 ところが、聞いてみたら全くお金は出ませんと。どんなときに特区として助成が出るんだと、こういう話を聞いたらしいんです。それは、建物を除却する場合、これは全額出ます、そして、それに対してまた整地をします、これについても全額出ますよと。建てかえたらどうなのと。建てかえると除却費も何も出ませんといわれたと。
 何を、これが特区なのかと。あんた、うそつきだといわれた。
 それはないですよ、私も東京都の職員として働いていて、そして説明を受けたんだから、うそをいうわけありませんと。だけど、俺は聞いたんだと。どなたから聞いたんですか、東京都からですかと。いや、違う、区から聞いたと。
 で、区のところに行って確認をした。怒るようなつもりで行ったら、何と向こうから要綱を見せられた。そうしたら、いっていることは正しいんですよ。驚きました。何も説明受けていなかった。東京都の方々もみんな知っているのかと思った。恐らくここにいる方も知らなかったんじゃないですか、このような状況を。やはり起爆剤である以上は、特区制度というのを改善していかなきゃ、これはだめだということを実感したわけでございます。
 こうした現場の声を受けて、私たち都議会公明党は、六月二十四日に、当時の藤井都技監に、実効性ある不燃化特区制度に改善すべきと要望書を提出しまして、今回の第三回定例会での私の一般質問となったということなんです。
 一般質問の中で、不燃化特区制度は、現場の声を真摯に受けとめて実効性あるものに改善していくべきだと、こういう質問をして、安井局長からは、事業主体である区から、相談体制のさらなる充実など現行の支援策の改善を求める声が出されております、都は今後、こうした地域の声もよく踏まえまして、さらに使いやすい制度運用となるよう検討し、区の取り組みを効果的に後押しするという、こういう答弁があったわけでございます。
 そこで、この不燃化特区制度について、区から相談体制のさらなる充実など現行の支援策の改善を求める声が出されておりますとのことでしたが、相談体制のさらなる充実のほかにどのような意見が出されているのかお尋ねします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

都は、不燃化特区制度の実施に当たり、事業主体である各区と定期的に意見交換を行っております。こういった中で、委員からただいまご指摘ございましたように、さまざまな意見が出されておりまして、これまでの取り組みを通じて、相談体制のさらなる充実など、区の方から現行支援策の改善を求めるというふうな形で意見が出されているところでございます。

上野委員

同じことの繰り返しということで、細かい話まではなかなか聞けなかったんですけれども、災害時に避難する道路沿いに事務所や店舗というのがあります。特区の助成がなければ、建てかえが進まないんじゃないかということを懸念するようになりました。
 本来なら道路沿いの店舗とか事務所とか、そういったところは絶対倒れちゃいけない。ところが、そこがもし今のような状況の中で、助成がない中で建てかえなんかできるわけないだろうというような状況だと進まない。進まなかったらどうなりますか。倒れますよ、道路に。人が歩けない、逃げていられないと。これは、やっぱりしっかりと早くやらなきゃいけない。
 本来の目的である不燃化特区、不燃化促進、いつの間にか税の考え方で左右している。特区といいがたい状況になっているのではないでしょうか。それが、現場を歩いている中で都民から聞いてわかったわけでございまして、これは、歩いて初めてわかる話ですよ。本当は、皆さん方も現場に行って生の声を聞きながら、制度の改善というのを進めていくべきなんです。
 六月、要望したときに、藤井前都技監は、現場の声に耳を傾けながら不断に制度を改善することは必要です、真摯に受けとめて検討しますと、こう述べられたわけです。
 そこで、都では、より使いやすい制度運用に向けた検討を早急に進めて、制度改善を進めていくべきである、このように考えますが、都の見解を求めます。

佐々木防災都市づくり
担当部長

不燃化特区の取り組みに当たりましては、各区それぞれにおいて、都の制度をもとに地域の実情に応じた助成制度を構築しているところでございます。
 都といたしましては、支援策の改善を求める区からの意見に対し、国や区との適切な役割分担を見きわめた上で、必要に応じ各地区の課題について区に聞き取り調査をするなど、現場の声を真摯に聞きながら、より使いやすい制度運用に向けた検討を進めているところでございます。

上野委員

ぜひ使いやすい制度運用に向けて、検討を進めていただきたいと思います。うそつき呼ばわりされないような、そうした制度をぜひつくってもらいたい。先ほども述べたように、不燃化特区制度は不燃化を加速する起爆剤であります。対象地区が出そろう来年四月には、全ての地区で一斉に、使いやすくなった制度を使って不燃化を加速すべきであると思います。そのためには、制度の改善は年度内に行うよう強く要望しておきます。
 さて、都は二十八の整備地域を指定して対策を進めておりますが、最初に述べましたように、区は、密集事業地区として整備地域内外で木密対策を進めております。
 そこで、整備地域外で木密対策が行われている地区数及び事業規模についてお尋ねします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

平成二十六年四月時点で、整備地域外において、いわゆる密集事業を行っているのは、江戸川区の七地区を初めとする全部で十八地区、四百九十ヘクタールでございます。

上野委員

現在、区が実施している密集事業地区は、整備地域内であれば都の補助がありますが、整備地域外であれば都の補助はありません。国は補助をしているんです。だから、区は、国とみずからのお金で実施している状況です。
 東京都防災都市づくり推進計画が始まる以前、実質的にはたしか平成九年だったと思いますけれども、その以前は、都は、区が実施している密集事業地区に対して、今の整備地域内外にわたり補助を実施しておりました。実際にやっておりました。現場の木密地域の環境は、歩いて回ってみましたが、この整備地域の中とか外とか、その危険な環境というのはほとんど変わらないんです。
 そこで、整備地域外についても、都は何らかの支援をすべきと考えますが、見解を求めます。

佐々木防災都市づくり
担当部長

都は、防災上脆弱な地域を整備地域に定め、広域的観点から都としての取り組みを重点化しております。
 一方、整備地域外においても、都が防災に関する都市計画の方針を定めることなどにより、区の防災まちづくりを促しているところでございます。

上野委員

整備地域の指定によって、重点化すべき地域を定めることは否定するものではありません。
 しかし、通常、国の補助があれば、裏負担分として都の補助をつけてその事業を進める支援を行う、これが通常ですよね。私もそういうふうにやってきたわけでありますけれども、ところが、重点化によって、これまで見ていた整備地域外の密集事業地区の補助はなくしますというのは、本気で木密対策を推進する気持ちがあれば、できないんじゃないですかね。これまでの補助は継続し、さらに危険な箇所を重点化して手厚く補助すると。このことによって木密対策は進むのであって、補助をなくせば、そこはブレーキがかかるんです。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものじゃないでしょうか。
 恐らく、都市整備局は継続したかったと私は思っております。財政を優先する局が、木密対策の重要性、実施の困難性というものをわかっていないから、こうした状況になっているんじゃないでしょうか。
 いずれにしても、指定から外れた地区の取り組みが滞ることのないよう、区の取り組みを後押しするため、引き続き都の手厚い支援を求めて、要望とさせていただきます。
 さて、次に移りますけれども、防災上、特に脆弱な整備地域においては、不燃化、耐震化だけではなく、液状化への備えも重要であります。整備地域のうち、平成二十五年三月に公表していた東京の液状化予測において、液状化の可能性が高い地域及び液状化の可能性がある地域に該当するのは、それぞれ何ヘクタールあるのでしょうか。

佐々木防災都市づくり
担当部長

整備地域約七千ヘクタールのうち、液状化の可能性の高い地域は約六百ヘクタールでございます。また、可能性がある地域は二千五百ヘクタールでございます。

上野委員

今のご答弁からもわかるように、整備地域の四割以上が液状化の可能性があるということであります。液状化予測図と整備地域の位置図というのを私も重ね合わせてみました。すると、二十八の整備地域のうち、半数以上の地域で液状化が発生する可能性があるということがわかるんです。
 ひとたび液状化現象が起きると、どんなに不燃化、耐震化された新しい家でも、沈下、傾斜して、都民は大変な苦しみを味わうんです。ある人がいっていましたけれども、死なないからいいんじゃないかみたいな、とんでもない話で、それは傾いた家に住んだ体験がない人の言葉ですよ。
 私は、今でも忘れません。あの江戸川の清新町地区で、三・一一、大変な地震があった。私、知りませんでしたけれども、その翌日に朝一番に電話が来ました。大変です、歩けません、すごい液状化でと。そして、私の友人が家を建ててそんなにたっていないにもかかわらず、沈下して倒れかかっている、どうしようもない状況なんで、何とかしてあげてくださいと。飛んで行きました。だけれども、もう遮断されて車が行けないんです。車が入れるような状況じゃなくなっている。
 数日たって、その方のところに行った。真っ暗だったから、いないと思ったけれども、ボタンを押した。出てこられましたよ、ご主人が。このご主人に、何とか私も頑張りますので、ご要望ありませんかといったら、入りなさいといわれた。自分の家に入れといわれた。震度五以上ですから大変な状況だから、いや、ここで結構ですといったら、そうじゃないんだと、あんたに体感してもらいたいんだという。
 入っていって、ご主人に従って、私たちのリビングは二階ですからと、二階に一緒に歩いていって、階段を上がろうとしました。二段、三段と上がっていく中で、後ろに倒れそうになって、びっくりしましたね。我々は、平行なところでいつも生活しているからわからない、傾いた家が。手すりを持ってやっと上がっていって、桟が完全に斜めになっている。うわあっ、大変だなと。
 上野さんね、私は頭痛がします、吐き気がするんです、夜中起きて、とても眠れません、何とかしてください、このままじゃだめですと、こう要望を受けて、そして玄関を出て帰ろうとしたときに、そこの奥さんと五歳の女の子に私を見送っていただいた。まさに帰ろうとしたときに、その五歳の女の子が、おじちゃんと声をかけてきた。びっくりしました。
 あそこの塀は真っすぐなの、斜めなのと聞いてくるわけですよ。何をいっているか、最初わからなかった。それを聞いたお母さんが突然泣かれた。この子は、今、真っすぐと斜めがわからなくなっているんだと。きょうも幼稚園の先生から、おたくのお子さんだけ、みんなと一緒に廊下を歩いていて何度も倒れる、どこかおかしいですよと呼ばれて、飛んでいって、病院に連れて行った。お医者さんから、脳をやられている可能性があるからMRIをやりましょうといわれたと。上野さん、MRIをやったことありますかと聞かれた。こんな五歳の子にMRIなんてやらせたくありませんと泣かれたんです。もう一生忘れませんね。
 それほど苦しい中で、急いでそのことを東京都の方に要望して、都市整備局は偉いですよ、これは被災地三県だけではなくて、この東京も、やはり被災者がいるということの配慮のもとで、都営住宅に入れるようになったわけです。そのことによって、その五歳の女の子は、今二年生ですけれども、何の障害もなくなった。
 お母さんがいっていましたよ、私に。お医者さんからいわれたと。あのまま斜めの状態に住んでいたら、小さいお子さんほど順応力が高いために、斜めが正常で平たいところが正常でないふうな頭になってしまったら大変な後遺症が残っていた、都営住宅に入ってよかったですねと。本当にそういった意味では、そのときの判断、動きというものについては、皆さんに本当にありがたいと感謝しているところでございます。
 こうした災害は、二度と繰り返してはならないわけでありまして、液状化対策は極めて大事だということです。整備地域において、不燃化の取り組みとあわせて、建物の液状化対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。

佐々木防災都市づくり
担当部長

整備地域内においては、区が、いわゆる密集事業や不燃化特区の取り組みを通じまして、住民からの相談にきめ細かく対応しているところでございます。都は、区がこうした機会を捉え、ホームページ等を活用して液状化に関する情報提供を行うよう働きかけてまいります。

上野委員

それでは次に、液状化に関連いたしまして、避難場所、避難道路の指定について質問いたします。
 都市整備局は、避難場所、避難道路の指定を五年ごとに見直し、昨年五月に改定しておりますが、指定に当たっては、当然に東日本大震災の教訓を生かしていると考えておりますが、東京の液状化予測図と比較すると、液状化が懸念される地域を避難場所として指定している場所も見受けられます。そうした場所は何カ所あるのか、また、どのような地域にあるのか、お尋ねいたします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

避難場所百九十七カ所のうち、液状化を考慮した避難場所は、足立区や江東区など十七の区に九十八カ所ございます。

上野委員

それでは、避難場所、避難道路の指定に当たって、液状化の影響を考慮して指定すべきということで先ほどいいましたけれども、どのように考慮されたのか、具体的にお尋ねします。

佐々木防災都市づくり
担当部長

避難場所で液状化が発生した場合には、生命に危害が及ぶことはないものの、場所によっては、地面の亀裂や噴砂などにより立ち入りが困難になるおそれがあるため、避難上有効な面積を低減することとして、避難計画人口の見直しを行っているところでございます。
 また、避難場所、避難道路につきましては、おおむね五年ごとに見直しを行っております。今後、学識経験者の協力、助言を得ながら、新規及び拡大する避難場所等の確保などについて検討を行い、指定の見直し作業を進めてまいります。

上野委員

避難場所について、液状化した場所に立ち入らないという考え方は理解できるわけですけれども、例えば江戸川区の清新町地域は、先ほどお話をしました、液状化して道路を歩くことも困難な状況、我々も行けなかったわけですけれども、その地域が避難場所に指定されているんですね。昨年三月に公表した液状化予測図でも、この地域というのは液状化の可能性が高い地域ということになっている。
 避難場所、避難道路の指定は、その後五月に改定されております。本当にこの液状化の影響を考慮して指定されたのか、疑問を抱かざるを得ません。避難場所として指定するからには、液状化対策を施して、都民が安心して避難できるようにすべきだと私は考えております。そうでないと、多くの人が避難場所までたどり着くことができないということになるわけであります。
 今後、指定の見直しはやるということでございますので、その見直しに当たっては、実際に起こり得ることを具体的に想定して、現実的な対策を講じてもらいたい、このことを強く述べさせていただきます。
 次に、豪雨対策についてお尋ねします。
 都は、平成十七年に、杉並区、中野区を中心に発生した甚大な浸水被害の状況を受け、平成十九年に豪雨対策基本方針を策定し、総合的な治水対策に取り組んできました。
 しかし、方針策定後も、平成二十年の町田市、平成二十二年に板橋区や北区、さらに平成二十五年の世田谷区や目黒区などで一度に数百棟にも及ぶ浸水被害が発生しております。
 こうしたことから、都は、改めて平成二十五年に学識経験者などから成る検討委員会を立ち上げ、近年の降雨特性や浸水被害の発生状況などを踏まえ、豪雨対策方針の見直しに着手して、平成二十六年六月に改定を行っております。
 そこで、初めての事務事業質疑でもございますので、まず、豪雨対策基本方針の改定の概要及び豪雨対策の進め方についてお尋ねします。

佐藤都市基盤部長

今回の改定では、目標降雨につきまして、従来、都内全域に時間当たり七十五ミリと設定しておったものを、地域の違いによる降雨特性を反映するため、新たに八王子観測所のデータを採用いたしまして、区部を七十五ミリ、多摩部を六十五ミリと設定いたしました。
 また、河川、下水道整備の対策強化流域、対策強化地区の設定、あるいは大規模地下街の浸水対策計画の充実、オリンピック・パラリンピック開催時及び平成三十六年までの取り組みの明示などを行っております。
 豪雨対策の進め方についてでございますが、市町村と連携し、今回の改定内容に基づき、各流域ごとの豪雨対策計画を改定するなど、対策の目標を明らかにした上で取り組んでまいります。

上野委員

ところで、国土交通省、国は、本年四月に集中豪雨や洪水、高潮などに備えたタイムラインの作成と地下街対策という、この二つの対策を打ち出しております。これは、我が国では初めての取り組みということだそうでございます。
 タイムラインの作成は、アメリカで大被害をもたらしたハリケーン・カトリーナの教訓から、一昨年にニューヨークを襲ったハリケーン・サンディの際に、上陸二日前には避難を準備する、三十六時間前には避難勧告を出す、一日前には地下鉄をとめると、こういった時間軸に沿った計画、つまりタイムラインに基づき対応した結果、減災で大きな効果があったと。こうしたことを受けて太田大臣が、日本でもタイムラインの考えを導入しようと考えて、時間軸に沿ったタイムラインの作成を決定したと、このように聞いているところでございます。
 そしてもう一つの、地下街対策は、地下鉄や地下街の対策であります。東京は、世界でもトップクラスの地下鉄や地下街が広がっております。もしもスーパータイフーンが東京を襲い、洪水や高潮で浸水すると、地下空間全体に広がって、想像を絶するような甚大な被害をもたらすことが想定されます。
 そこで、大規模地下街などの浸水対策について、都は、対策の実効性を高めるために、地下街、地下鉄、民間ビル及び区などと連携強化を図るよう取り組むべきと考えますが、現在の浸水対策の取り組み状況についてお尋ねします。

佐藤都市基盤部長

今回の豪雨対策基本方針の改定に基づきまして、八重洲、歌舞伎町など九カ所の大規模地下街の浸水対策計画について、地下鉄、民間ビルなどとの連携を強化し、内容の拡充に取り組むことといたしました。
 現在、渋谷地下街におきまして、地下街、鉄道事業者、隣接する民間ビル及び区から成る検討会を立ち上げ、情報連絡体制の構築などの課題を取りまとめ、計画策定に向けた準備を進めております。
 今後も、地下街の浸水対策の実効性を高めるために、区、施設管理者などと連携して、大規模地下街等の浸水対策を推進してまいります。

上野委員

東京には、浸水対策を必要とする多くの地下街が存在します。これらは、地下鉄やデパートなどと複雑に接続しており、それぞれが個別に浸水対策に取り組むのではなくて、しっかりと連携することで浸水対策の効果が発揮されるものと考えます。このことから、引き続き、都は浸水対策計画の策定を促すとともに、関係機関の協議の場を設けるなど連携の取り組みに積極的に関与していくことを期待いたしまして、次の質問に移ります。
 海抜が低く、平地の多い区部東部地区、ここでは記録的な豪雨、河川氾濫、高潮など、そうした水害時に避難できる高台や逃げ込める高い建物が住宅地には少ないんですね。そのため、避難場所である近くの小中学校まで避難できるか、多くの住民の方々が不安になっております。
 都がそうした都民の声に応える形で、昨年、大規模な水害時に都営住宅を緊急避難先とする覚書を、私の地元である江戸川区などと締結したことについては、大いに評価しているところであります。
 そこで、都営住宅及び公社住宅における現在の覚書の締結状況と、覚書を締結していない自治体への対応についてお尋ねします。

臼井経営改革担当部長

覚書は、河川の氾濫などの大規模な水害が発生したときに、区が定める避難場所等に区民の方が避難する時間がない場合、緊急的に都営住宅を避難先とすることにつきまして各区から要請を受け、締結したものでございます。
 都営住宅につきましては、平成二十五年五月に江東区と、同年十月に墨田区、大田区、足立区、葛飾区、江戸川区との間で締結いたしました。また、本年九月には、公社住宅につきましても、都営住宅と同じ六区と覚書を締結しております。
 他の自治体につきましても、覚書締結の要請があれば、同様に覚書を締結していく予定でございます。

上野委員

公営住宅の役割は、居住者だけではなくて、地域住民の方の命を守るという安全・安心に貢献することも、都民共有の施設として大事な役割があると思いますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。応援します。
 それでは次に、都市基盤の整備の観点から、まず、道路ネットワーク形成の質問をしてまいりたいと思います。
 都市計画道路は、都市を形成する最も基本的な都市基盤の一つであり、東京の魅力づくりと国際競争力のさらなる強化を図るためには、都市計画道路の整備を着実に進めていくことが必要であります。また、上下水道やガスなどライフラインの収容空間としての役割も果たし、都民の生活や経済活動を支える上でも必要不可欠な都市空間であります。
 さらに、災害発生時には、火災拡大の遅延、防止といった延焼遮断機能はもとより、避難のための道路や救援救護活動のための緊急輸送路となる、都民の命を守る道としての役割も果たすなど、極めて重要な都市基盤であると思います。
 これまで、区部は昭和五十六年から、多摩地域は平成元年から、おおむね十年ごとに事業化計画を策定して、計画的、効率的な整備に努めてきました。この結果、昭和五十六年には東京全体で約四割だった都市計画道路の整備率が、平成二十四年度末には、先ほどもありました約六割に向上し、首都東京の健全な発展と都市の再生に大きく寄与してきたものと高く評価いたします。
 首都圏の発展を促すとともに、災害時の安全性を高めるためには、さらなる取り組みとして、行政域を越えた広域的な連携強化を図る道路ネットワークの形成が重要であります。東京を初めとする首都圏は、政治、経済等の中枢機能を担い、日本全体を牽引する重要な圏域と考えます。
 そこで、都県境を含む広域的な道路ネットワークの形成に向けた都の取り組みについてお尋ねします。

佐藤都市基盤部長

都県境を越えた道路ネットワークは、隣接県市との人や物の交流を活発化させ、連携強化に資するとともに、震災時においては人命救助や救援物資の輸送など、大変重要な役割を果たすものでございます。
 平成二十七年度までを計画期間とする現行の事業化計画における優先整備路線の選定においては、都市間を連携する橋梁を優先度の高い路線として評価しております。都県境を越えた道路の整備に当たっては、関係者間で共通認識を深めていくことが重要であり、引き続き隣接県市と協議を進めるなど、行政区域を越えた道路ネットワークの形成に向けて積極的に取り組んでまいります。

上野委員

次に、江戸川都県境の橋梁整備について質問します。
 江戸川区と対岸の千葉県市川市のそれぞれの防災拠点を連絡する補助第二八六号線という橋梁があります。これは、災害時の避難路や救援物資の輸送路として極めて重要な役割を担うものとなっております。千葉県側は東京外かく環状道路にアクセスするなど、都県境を越えた広域的な道路ネットワークを形成する路線でもあり、施行は千葉県が実施すると聞いております。
 多摩川では、おおむね三キロ間隔で歩行者が渡れる橋梁がかかっています。隅田川では、本当に一・何キロという間隔で橋梁があるわけですけれども、江戸川の当該区間、これは市川橋から今井橋までの延々八キロ区間に人が渡れる橋が一本もないと。あの三・一一のときには、その真ん中に京葉道路が走っているものだから、そこで人がたまっちゃって、どこに逃げるかと。高速道路に上がっちゃいけないといわれているものだから、結局また四キロ下のところまで歩いて逃げるということで、その地域の方々はえらい迷惑をこうむっていたわけであります。
 そこで、今後、防災橋となる補助二八六号の橋梁について、関係者間で協議を進め、第四次事業化計画の優先整備路線として位置づけるとともに、都県境であることから、東京都が主体となって早期に整備を図るべきだと考えますが、見解を求めます。

佐藤都市基盤部長

補助第二八六号線は、ただいま委員からお話のあったとおり、千葉県との都県境を越えた道路ネットワークを形成し、災害時に江戸川区と対岸の市川市間の連携を支える上でも重要な路線でございます。
 これまで、区が提案したみずからが整備主体となる橋梁部の暫定整備案について、関係者間で検討を進めてまいりましたが、社会情勢の変化もあり、平成二十三年度に区は検討を保留すると表明しました。
 都市計画道路の整備については、都と地元区市町とで、渋滞の効果的な解消や高度防災都市の実現などの観点から、優先整備路線の選定を行っていく予定でございまして、お尋ねの路線につきましても、この中で適切に対応してまいります。

上野委員

わかりました。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、東京の総合的な交通政策のあり方検討会、そしてまた広域交通ネットワーク検討委員会、これは五月に設置されて、この内容についていろいろお聞きしたいなということで用意していたわけですけれども、まだ現在検討半ばということで、ある程度見えてくる次の機会に質問は回したいと思いますので、この部分については、今回なしにしたいと思います。これで少しは短くなったんじゃないか。
 最後に、連続立体交差事業について質問したいと思います。
 非常にこの連続立体交差事業というのは、私自身も思い入れがあります。平成十三年から十六年の間、建設局の関連事業課でこの連続立体交差事業に取り組んでまいりまして、そういった意味では、職員の皆さんのご苦労というのは肌でわかっているつもりでございます。
 当時は、小田急と京成を担当しておりまして、小田急は仮線、複々線関係と係争問題で、もう本当に大変な状況でございましたが、京成は、押上線と立石の方ということで、地元の区の職員の方が非常によくて、墨田区もそうでした。葛飾区はさらによくて、本当に熱心で、住民とのつながりも、やっぱり人柄がいいものだから、すごくいいんですね。コミュニケーションがすばらしい。
 そうした職員の先頭に立っていたのが、佐藤都市基盤部長、当時課長ですね、いわれたくなかったかもしれませんけれども−−とにかく大変な厳しい状況の中で、その当時佐藤さんに話したら、何か希望が見えてくるんですよ。非常に楽観主義な方かなというふうに思ったわけですけれども、やっぱりよく考えた上での話だということで、頭のいい方だなと当時から思っていたわけでございます。
 そうした中で、京成本線の中でも高砂もやっていたという話をされていましたから、今回、江戸川とも関連する京成本線、京成高砂駅から江戸川駅付近の連続立体交差化について質問したいと思います。
 都では、平成十六年六月に踏切対策基本方針を策定し、その中で鉄道立体化の検討対象区間を選定いたしました。京成高砂駅から江戸川駅付近は、平成二十年六月に鉄道立体化の事業候補区間として位置づけられております。
 先日、京成小岩駅周辺の商店街など挨拶で回っておりましたら、住民の方から、京成本線の立体化はどうなっているんですかということを聞かれたわけですね。六年たっているわけですから、全く進んでいないなんていえないものですから、いや、見えないからわからないけれども進んでいるんですなんていうことを答えていたわけですけれども、まだ都市計画が決定されていないんですね。
 心配されていました。その沿線沿いの一部地域でマンション計画があったり、建てられようとしたり、もうやっているところもあるわけですけれども、立体化するために仮線用地というのが必要です。これでえらい苦労しました。京成の押上線もそうでしたけれども、両脇にマンションのでかい高層ビルがあって、そこに仮線をつくらざるを得ないというのと、側道もつくらなきゃいけないと。莫大な費用と、交渉に対して大変な長い時間、これが必要になるわけであります。
 この事業への障害ができるだけ少なくなるようにしないと、今のこの高砂関係からの区間について、都市計画決定がなされていなければ、これは縛りがないんですから、どんどん建ってしまいますよ。後から事業局が入ったときには大変な思いをするわけです。自分が体験してきたから、なおさらそれを感じるわけで、早く都市計画決定して縛りをかけないと、まだ建ちますよ。その分、税金が多くかかるわけです。職員の時間もかかるわけです、交渉で。大変な問題になっていくのではないでしょうか。
 そこで、京成高砂駅から江戸川駅付近の立体化の都市計画決定に向けての取り組み状況についてお尋ねいたします。

佐藤都市基盤部長

京成本線の京成高砂駅から江戸川駅付近の区間は、都が平成十六年に策定した踏切対策基本方針におきまして、鉄道立体化の検討対象区間二十区間の一つに位置づけられており、さらに平成二十年には、鉄道立体化の事業候補区間に選定されております。
 鉄道の立体化につきましては、ご案内のとおり、地域におけるまちづくりと連動することになりますけれども、大変な時間を要するものでございまして、特にこの区間につきましては、京成高砂駅直近にある車庫移転の取り扱いや駅前広場などの整備を含めた地元地域のまちづくりなどの課題がございます。
 このため、今後、地元区が行う駅周辺のまちづくりの取り組みを支援するとともに、鉄道事業者や関係局とも連携し、都市計画決定に向けた取り組みを進めてまいります。

上野委員

今の答弁にもありました鉄道立体化の都市計画手続を行うには、さまざまな課題があるということでございますけれども、高砂車庫移転先の問題があったんですけれども、これも平成二十二年ですかね、三者での合意を得て、今進んでいるという状況だと思います。
 都市整備局の方も、都営住宅高砂団地、これの高層化、いいものをつくっていただいて、そこに用地が生み出されるというすばらしい構想の中で、それがある程度見えてきている状況なんですね。
 私、ちょっと察しますけれども、どうも立石の方で、あのときに、ずっと佐藤さんがいればもう解決しているのではないかと思っているんですけれども、いまだ解決していないと。ずっと回って歩きました。かなり用地はもう買収されているんですよ。だけど、できないのは立石の駅前の再開発の地域がどうも障害になっていると。状況的には、いい案も考えていらっしゃると思いますけど、まだまだ時間がかかりそうな雰囲気で、しかし、どうも立石が片づいたころに高砂にというふうな、そういう空気を感じるわけです。
 そうじゃないでしょといいたいわけ。時間かかります、両方とも。だったらば、事業化に向けても、当然、立石も何とか解決する方向にやりながら、高砂の方については、まず、先ほどいったように都市計画決定と並行して進めていきながら、決定していくと。それから考えても、まだ時間かかりますから当然に間に合いますので、無駄な税金を費やすことがないように、皆様方が積極的に取り組んでいただけるよう重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。


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