■平成24年度各会計決算特別委員会質疑(産業労働局)
 平成25年10月28日(月曜日)

上野委員

 私からは、外国人旅行者の誘致に絞って質問をいたします。
 訪日外国人旅行者数は、東日本大震災後、六百万人台まで落ち込んでおりました。しかし、昨年は八百三十五万八千人と、震災前の水準にほぼ回復いたしました。東京から距離的に遠く離れた欧米豪地域等、既に多くの旅行者が東京を訪れ、東京のさまざまな情報を入手しやすいアジア地域とでは、国や地域ごとに旅行者数の増加の傾向などは異なっていることと思います。
 そこで、まず初めに、日本を訪れた国別外国人旅行者数の平成二十四年の動向についてお尋ねします。

杉崎観光部長

 日本政府観光局の訪日外国人旅行者数の調査によりますと、平成二十四年は、アジア地域の中では、中国、台湾のほか東南アジアのタイ、マレーシア、インドネシアなどの国々からの旅行者数が、震災前の平成二十二年を上回り過去最高を記録いたしました。
 一方、欧州地域からの旅行者数は、同調査によりますと、放射能に関する風評被害等の影響を受けたとのことから、旅行者数の回復がおくれ、平成二十四年は七十八万人と震災前の平成二十二年の八十五万人を下回っております。

上野委員

 アジア地域では、中国、台湾のほか東南アジアからの旅行者が震災前の旅行者数を上回る回復を見せているという答弁でございますが、ヨーロッパでは、訪日旅行者数の回復はおくれていたということでございます。
 たしか東京都は、平成二十四年度、ヨーロッパで観光プロモーションを行っていると聞いております。そこでは、どのようなプロモーションを実施したのか、その実績についてお尋ねいたします。

杉崎観光部長

 都は平成二十四年度、訪日外国人旅行者数の回復がおくれていたドイツで観光プロモーションを行い、現地旅行事業者を対象とする商談会や観光セミナー等を開催して、東京への旅行商品の造成と市民の東京観光への意欲の促進に努めました。
 さらに、本プロモーションでは、メディア対策を強化するため、メディアとのセミナーや意見交換会を実施するなど、東京の安全性や魅力に関する情報を積極的に提供いたしましたところ、その内容が現地の新聞、雑誌等に四十七媒体で報道されたところでございます。

上野委員

 今の答弁を聞いておりましても、東京都としてはしっかり取り組んできたということがわかるわけでございます。そうした意味では、やはり大震災など、原発、そういったものの影響というのが欧州ではあったのかなということだと思います。
 しかしながら、これからも都が、東京の安全性を直接現地に赴いて、観光プロモーションを行うということは、集中的に東京の観光の魅力をPRできることから、東京観光の意欲を高める上で効果的であると思います。
 加えまして、プロモーションの実施後も、東京への関心を維持し、さらに高めていくためには、現地での旅行事業者やメディアに対する地道で継続的な情報提供やセールス活動、これは欠かせません。
 そこで、都は、欧米豪地域の十都市に各都市の旅行事情等に精通した現地在留日本人を東京観光レップとして設置しております。現地で東京旅行の促進に向けた活動を行っているとのことでありますが、この観光レップをどのように活用したのか。平成二十四年度の状況についてお尋ねいたします。

杉崎観光部長

 都は、観光レップを通じまして現地の旅行事業者等に対し、東京の最新スポットなどの観光情報をきめ細かく提供するとともに、個別のセールス活動を実施して、東京への旅行商品の造成を働きかけております。
 また、都は、海外の旅行事業者を東京へ招聘し、視察旅行及び東京の旅行関連事業者との商談会を実施しておりますが、実施に当たっては、観光レップから現地の情報を入手いたしまして、有力な旅行事業者を選定し招聘するとともに、観光レップが海外からの旅行者の視点から独自に設定した魅力的な観光ルートを視察に組み込むなど、レップの機能を効果的に活用いたしました。

上野委員

 今の答弁でもわかりますように、都は、欧米豪地域においては観光プロモーションを実施してきた、実施後も観光レップを活用して、引き続き東京への観光旅行の促進に取り組んでいるということですので、しっかりと取り組んでいただきたい、このように思います。
 その一方で、訪日旅行者数が増加傾向にあるアジアの国や地域においても、継続的に誘致活動に取り組んでいくことは大変重要であります。
 そこで、都は、アジア地域の旅行者を誘致するために、どのような取り組みを行ったのか、平成二十四年度の実績をお尋ねします。

杉崎観光部長

 アジア地域の旅行者誘致につきましては、現地の旅行事業者による旅行商品の造成を促進することに加えまして、既に多くの旅行者が東京を訪れていることから、リピーターの確保も視野に入れ、直接市民に訴える観光ルートなど、個人旅行者にも実用的な情報を発信しております。
 平成二十四年度は、震災後、訪日旅行者数の減少が続いた韓国、香港、シンガポールで、国際旅行博に出展するとともに、現地の雑誌に東京観光を促す記事広告を掲載いたしました。また、中国では、ウエブ広告や現地旅行事業者との共同広告を実施するなどの誘致活動を行いました。
 これらの取り組みにより、旅行事業者や市民に対し、東京の安全性と魅力のPRに努めたところでございます。

上野委員

 先週ですか、新聞報道でも取り上げられていましたけれども、日本政府観光局の発表によれば、本年九月の訪日外国人旅行者数は八十六万七千百人と、九月としては過去最高を記録したとのことでございます。
 また、対前年比でマイナスが続いておりました中国の旅行者数は、一年ぶりにプラスに転じたということでありました。震災後の訪日旅行が著しく落ち込んだ中で、欧米豪地域、アジア地域と世界のさまざまな国や地域において、それぞれの旅行者の傾向に合わせて、都が誘致活動を実施したことが、この旅行者数の増加に一定の効果を与えたことと思います。
 旅行者数の増加に向けて、これまで都は大変な努力をされてきたということが今の答弁からもよくわかります。そうした都の取り組みについて、私は高く評価しているところでございます。
 このように、訪日旅行者数が回復する中で、さらに二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定しましたので、これをきっかけに世界の東京に対する注目がさらに高まってまいります。大勢の外国人旅行者が、これからも東京を訪れることが十分に見込まれるわけであります。
 外国人旅行者に東京の観光を十分に楽しんでいただくためには、東京を訪れた際に、まち歩きなど東京の観光に役立つ情報を手軽に入手できることが必要であります。
 そこで、東京観光情報センターなどの観光窓口では、旅行者が持ち歩けるガイドブックを配布しておりますけれども、平成二十四年度のその実績についてお尋ねします。

杉崎観光部長

 都では、都庁など都内三カ所の観光情報センターに加え、駅や区市町村、宿泊施設など都内百五十二カ所の観光案内窓口で、観光情報を記載したハンディーガイド等を配布しております。
 平成二十四年度は、ハンディーガイドやハンディーマップ等、合わせて約四百万部を無料で配布して、旅行者の東京観光に役立てていただきました。

上野委員

 ハンディーガイドなど旅行者の利便性を向上させる取り組みは、東京へのリピーターの獲得にもつながるため必要なことであります。
 ところで、この日本の観光顧客のナンバーワン、ナンバーツーというのは、もうご存じのとおり、やはり中国と韓国でありますが、これまでも尖閣諸島の問題とか、あるいは竹島問題ということで、この頭二つが激減しました。この激減する中で救っていったのが、実はインドネシア、マレーシアの観光客なんですね。
 円安も重なりましたので、さらに観光客もそうした東南アジア系の方がふえていった。ご存じのとおり、インドネシアの人口、二億数千万人いらっしゃいますが、その九割の方が、いわゆる二億人ですけれども、二億人の方がイスラム教徒です。すなわちムスリムの方であります。
 世界の人口の、そのイスラム教徒の方は二五%ですから、かなりの方がムスリムでいらっしゃって、その方々、このムスリムというと、どうも日本では、テレビ報道なんかでもムスリム同胞団とか、なかなか、いいイメージで捉えていない方が日本人は多いんです。
 しかし、このテロリストのイメージがあるといいますけれども、テロリストは、このムスリムの方々の、ほんのわずか〇・〇〇三%にすぎないということなんですね。もうほとんどの方が一般人なんだと。しかも、これは非常に、日本に対しては親しみを感じているという親日派の方が多いということであります。
 そうした中で、日本の魅力というのを、親しみたいという思いで観光客がぐっとふえました。そうした状況というのも政府、観光庁もしっかりつかんで、この東南アジア市場を成長させようということで、今年度初めて六億円という予算をつけまして、平成二十八年、一千八百万人目標、これの達成のエンジンにしていこうと力を入れてきたんです、観光庁はですね。東京都だって、やっぱり入れるべきなんですね。
 この観光庁では、こちらの方にありますように、ことし初めに出しました「JAPAN TRAVEL GUIDE」と、これはムスリムの観光客の旅行ガイドです。非常に目立つ、いい冊子だなと思いますけれども、この中を見ていくと、日本で食べられるムスリム用の食事、ハラールフードですけれども、全国で五十二カ所のレストランというのを紹介しております。
 その五十二カ所のレストランの中で、日本食はたった一カ所ですよ。京都の美濃吉、一カ所なんです。世界的に、この日本食ブームというのが今起きているわけです。そうした中で、日本に来て日本食を食べたい、こういう思いで観光客の方々は、外国人の方は来ていらっしゃる方が多いわけなんですね。
 先日の新聞報道、二十五日ですか、土曜日の読売新聞でも見ましたけれども、ユネスコの無形文化遺産に推薦していた和食、ユネスコの補助機関が登録を勧告したということを発表したわけであります。
 このユネスコの補助機関が登録を勧告したものは、すべて、これは登録が今までは決まっているんですね。そうした意味で、この新聞報道でも、十二月にアゼルバイジャンで開かれる政府間委員会で正式に登録が決まる見通しということで一斉に報じたわけでございまして、本当に、東京オリンピック・パラリンピック以来の衝撃的なニュースであったわけでございます。
 こうしたことがしっかりと登録が決まれば、ますます和食人気というのは高まってまいります。そうした中で、恐らくこれからのムスリム旅行者の増加に伴いまして、ここ東京でも、このムスリム用のハラールフードというのもふえていくのではないかと、このように思っております。
 今後、そうした情報をしっかりと東京ではキャッチして、東京を訪れる旅行者にも案内できるような情報提供のツールというのを検討する必要があると思います。
 私は、第三回定例会におきましても、今後増加が見込まれるムスリムの旅行者に対する理解を広げ受け入れ環境を整備すべきだと、こういった質問をしました。これに対しまして、産業労働局長、ここにもいらっしゃいますけれども、この異文化への理解を深めるための普及啓発などに取り組むことを検討するという、非常に前向きな答弁をしていただきました。そうですよね、局長ね。取り組みますよね−−うんと返事されていますので、質問はしませんけれども。
 ムスリムは、一日五回の礼拝やハラールフードという戒律に従って、用意されたムスリム用の食事が必要でありますが、ハラール認証を取得するだけではなく、フレンドリーな対応をすることで旅行者の満足度を高めることができますので、今後、東京都はムスリム旅行者の東京での滞在に役立つ、例えば旅行ガイドブックの作成など、ぜひ取り組んでいただくよう、局長、よろしくお願いします。このように要望いたしまして、私の質問を終わります。


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