■平成24年度各会計決算特別委員会質疑(環境局)
 平成25年10月25日(金曜日)

上野委員

 十月十六日に関東地方を襲った台風二十六号、伊豆大島では、気象庁での観測史上最高となる二十四時間雨量八百二十四ミリを記録し、想定を超えた大規模な土砂災害が発生いたしました。まことに残念なことに、多くのとうとい命が失われました。深く哀悼の意を表する次第でございます。
 今も台風二十七号が接近しております。少し東へ方向を変えておりますけれども、秋雨前線を刺激しているということでは、総降水量がふえて、崖崩れなどの災害というのが懸念されるわけでございますので、十分に警戒し災害に備えなければなりません。
 さて、台風といえば、防災研究者で有名な群馬大学の片田教授、その方の話を聞いて本当に目が覚めるような思いがしたんですけれども、被害ということで、今、首都直下地震とか南海トラフ地震とか、地震の災害ということに対して対策を今とっているけれども、災害の頻度から見るならば、地震の災害頻度と台風の災害頻度を比べてみると圧倒的に台風の災害頻度の方が多いんですよとデータで見せていただきました。
 地球温暖化が今どう影響しているのかというのを、例えば台風という視点で見たときに、私たちは若いときから、台風というのは赤道直下で発生しているという思いがあるわけですけれども、片田教授の話を聞いて、それが違っていたということがわかりました。
 地球温暖化の中で上空もこれは気温が高くなってきていると。したがって、海水温と上空の温度差というのが縮まって上昇気流が起きない。いわゆる赤道直下は、今安定している、その海水の温度というのが、だんだんだんだん、気温が上がっていくと、上流というか北緯に、上の方に上がってきて日本に近づいてきて、初めて日本近海のところで上空の気温が下がっているものだから、そこで上昇気流というのが生まれて台風が発生しているんですよと。
 確かに、この気象図面を見ていきますと、やはり日本近海で発生しているわけでございます。今の台風というのが日本直下で起きているということで、教授はいっていましたけれども、日本直下型台風なんだと。その近海で発生したかと思ったら、短時間のうちに太平洋の水分をしっかり吸収して大型化していると。巨大台風というのが今発生しているんですよと。水分を多く含んで、すぐもう日本に近いですから、わあっと上陸してくると大雨が降るんだと。この洪水対策というのが非常に大事ですよと。
 平成二十三年の夏に日本を襲った台風十二号というのがありました。記憶にも新しいと思いますけれども、西日本から北日本にかけて広い範囲で記録的な大雨をもたらしました。特に紀伊半島では、降り始めからの総降水量が、多いところでは何と千八百ミリを超えているわけでありまして、東京の年間の総雨量が平均で千四百といわれていますけれども、本当にすごい雨が降って、恐らくこういったものが私たちの関東あるいは関東の上流側を襲ったならば、大規模水害が発生するのではないかというふうな不安もあるわけでございます。
 また、海外では、ニューヨークのハリケーン、サンディのような異常気象が頻発し、都市機能の甚大な被害が大々的に報じられるなど、地球温暖化による影響と考えられる気象の異変は、深刻の度を増しているわけでございます。そうした意味での不安を抱いている都民の方が多いということも事実です。
 都民の生命と財産を守るという都政に課せられた責務を考えれば、今後の気候変動がもたらす影響を踏まえ、できる限り気候の変動対策というのも全力で講じていかなければならないと、こう考えております。
 そこで、環境局は、これまで気候変動に関する調査や知見の収集を行ってきましたが、東京の将来の気候が今後どのように変化すると予測しているのか所見を伺います。

須藤環境政策担当部長

 環境局では、平成二十一年度から二十四年度にかけて、東京における気候変動による影響について、国や研究機関等と連携して調査し、関係局に情報提供を行ってまいりました。
 将来の気候予測につきましては、多くの前提を仮定した不確実性のもとでの予測ではございますが、年平均気温は、二〇七五年から二〇九九年には、一九七九年から二〇〇三年と比較して、二から四度程度の上昇が見込まれるという結果が出ております。
 また、年降水量は微増傾向で推移することが予測され、時間降雨量は、弱い雨の頻度が減る一方、強い雨の頻度がふえる傾向にあるとの結果が出ております。

上野委員

 こうした情報は、気候変動への対応策を考える上で重要な情報ですから、引き続き豪雨や高潮対策などを所管する関係局との情報共有、情報交換を密に行うなど、各局における気候変動対策のてこ入れをしていただきたいと思います。
 気候変動がもたらす影響については、国際機関や国においても、さまざまな研究や検討が行われております。直近の取り組み状況はどうなっているのかお尋ねします。

須藤環境政策担当部長

 国際機関といたしましては、IPCC、気候変動に関する政府間パネルが本年九月に、地球温暖化に関する自然科学的根拠の最新の知見を取りまとめたところでございます。その中で、地球温暖化は疑う余地がないこと、二〇八一年から二一〇〇年には、一九八六年から二〇〇五年と比較して、最も気温が高くなるシナリオで二・六から四・八度上昇する可能性があるとされております。
 また、国の関係でございますが、現在、中央環境審議会において、気候変動の影響及びリスク評価、今後の課題等について検討しており、平成二十七年夏に政府全体の総合的、計画的な取り組みとして適応計画を策定する予定とのことでございます。

上野委員

 今の答弁をお聞きしても、この東京の気候、国際機関の予測結果とほぼ同様、地球温暖化が加速することが予測されているんだと。今後、さらなる異常気象や被害の拡大という事態に直面する可能性が否定できないということがよくわかったわけでございます。
 さて、リーマンショック以降、どちらかというと経済の再生が優先されて、世界的に地球温暖化に対する危機感というのが薄れてきているような感があります。事態は確実に悪化しております。こうした間にも、本当に刻々と地球温暖化は進んでいるということです。改めて、この地球温暖化対策の重要性を社会に問うていくべきときに来ている、このように考えているわけでございます。
 京都議定書の次の国際的な対策の枠組みづくりが進まない中、ようやく本年十一月には、ポーランドのワルシャワで国連気候変動枠組条約第十九回締約国会議、すなわちCOP19が開催され、地球温暖化対策のルールづくりが議論されようとしています。国家間における地球温暖化対策の実施に向けた枠組みづくりが難航する中、多くの人口が集中する都市の役割は極めて重要になっていると思います。
 そこで、大都市東京の環境政策を担う環境局として、気候変動に対する取り組みについて所見を求めます。

須藤環境政策担当部長

 環境局が気候変動対策の一環として平成二十二年から実施をいたしました世界初の都市型のキャップ・アンド・トレード制度は、他に例のない世界に先駆けた施策として、海外の国家政府、地方政府からも評価をされているところでございます。
 世界人口の半数が都市に居住し、また、都市全体で世界の温室効果ガスの七割を排出しているとされる中、世界有数の大都市東京の先駆的な取り組みは、国際的にも大きな影響を与え得るものと考えております。
 今後とも、大規模事業所や中小規模事業所における温室効果ガス削減対策を推進するとともに、環境に係る専門部署として、国の動向等を踏まえながら気候変動に関する最新の知見を集積し、豪雨、高潮対策などを所管する関係局とも緊密に連携しながら取り組んでまいります。

上野委員

 今の答弁で、都の気候変動対策の取り組みの方向性については理解できたわけですが、気候変動がもたらす影響への適応については、既存の豪雨、高潮などの災害対策などと密接に関連していると考えられ、「二〇二〇年の東京」のアクションプログラムにも、さまざまな取り組みが掲載されておるわけでございます。今後ともハード、ソフト両面からさらに一層充実させるべきと考えております。
 国においても、気候変動への適応に向けた取り組みはまだ検討段階とのことですが、環境局としても常に最新の知見を集積するとともに、各局へのきめ細かな情報提供、注意喚起などを積極的に行うことにより、東京都全体として、できる限りの気候変動対策をやっていただきたいと思います。
 環境局には、気候変動対策の所管としても、そのリーダーシップを発揮していただくことを期待するところでございます。
 次に、これまでの気候変動対策の蓄積を生かし、エネルギーマネジメントに取り組むことも重要でございます。
 エネルギーの安定供給を図るためには、いかに需要を賢く制御するかも重要であり、特にピーク時の使用をどのように抑えるかが、鍵となってくるわけでございます。エネルギーマネジメントにより、電力を利用する時間帯を分散して変動をなくせば、究極的には効率の悪い発電所を稼働させずに済みます。
 また、エネルギーマネジメントを家庭やオフィスビルなどにおいて単体で推進するのみならず、広域的に展開し、複数の需要家を一体的に制御することで電力使用の平準化が可能となり、効果を一層高めることができるわけであります。
 そこで、都は昨年度、オフィスビルの集積地を対象に、地域のエネルギーマネジメントシステムの構築に向けた調査を実施しましたが、調査のねらいについてお尋ねいたします。

松下都市エネルギー
部長

 本調査は、オフィスの集積地でございます大手町・丸の内・有楽町、これの大規模な再開発予定地区をモデル地区といたしまして、電力や排熱等のエネルギー源の多様化によるエネルギー利用の効率化、あるいは防災力の強化、低炭素化、これらを実現する地域のエネルギーマネジメントシステムの実現可能性を検証するものでございました。
 具体的には、建築対象面積五十万平米相当、最大需要電力三万四千キロワット、このエネルギー需要の想定に対しまして、防災性、環境性のバランスを考慮した高効率なコージェネレーションシステムを導入し、モデル街区に電気、熱を一体的に供給する検証を行ったものでございます。
 また、CO2の削減や、夏の時期などの電力需要が集中する時間帯に経済的インセンティブなどを付し電力需要を調整する、いわゆるデマンドレスポンス機能、これを活用した省エネ導入可能性の検討などを行っております。

上野委員

 今の答弁をお聞きいたしました。コージェネレーションシステムを導入するとのことでありますが、これは電気と排熱の両方を効率的に活用して、いかに総合効率を高めるかが課題となります。
 そこで、調査ではこの点をいかに考慮して検討を行ったのか、調査結果とあわせてお尋ねします。

松下都市エネルギー
部長

 コージェネレーションシステムにつきましては、お話にありましたように、排熱をいかに活用するか、これが効率性の観点から非常に重要でございます。モデル街区におきましては、総需要に応じて排熱を最大限有効利用することで、総合効率は実際高まりました。経済性のみならず、環境性も高めることができると、こういうことが確認できたところでございます。
 さらに、こうした点に災害時の事業継続性等の観点を加えまして、コージェネレーションシステムの容量の検討を行ったところ、最大電力需要の三五%程度、これが適切であるとの結果となりました。
 また、CO2削減の観点に立ちますと、地域外から再生可能エネルギーを調達することでCO2排出量を三割程度削減できる、こういった可能性が明らかとなっております。

上野委員

 調査結果からは、一定の条件のもとでは、エネルギーの多様化による防災性の向上と低炭素化、エネルギーの効率化、最適化が可能であることが明らかになったわけでございます。
 そこで、こうした取り組みを民間都市開発などでどのように普及させていくのかお尋ねします。

松下都市エネルギー
部長

 今年度におきましても、日本橋街区を想定いたしまして、新築ビルのみならず、既存ビルを含めた地域全体のエネルギーマネジメントの実現可能性につきまして調査を行っております。
 この結果とあわせまして、低炭素を考慮した、いわゆる面的な開発におけるエネルギーの有効活用や、あるいは災害時のエネルギー供給能力を備えた地域エネルギーマネジメントの事業モデルを構築していくこととしております。
 今後、実際の都市開発にこれが反映されるよう、シンポジウム等を活用しながら、民間事業者などに事業モデルの普及拡大を図っていくものでございます。

上野委員

 いうまでもなく、事業所、ビルなどの業務部門というのは、大都市東京のエネルギーの四割を占めております。
 そこで、先ほど答弁にもありましたように、このようなオフィスビルにおける面的な取り組みは、エネルギーの効率化や最適化を進める上で大変重要であります。ぜひとも着実に推進していただきたい、このように期待しております。
 こうした取り組みを進めることにより、需要の増加に応じて供給力の確保に力点を置いてきた従来の仕組みを改め、需要の変動を効率的に制御する仕組みを構築していくことが必要であります。
 そこで、分散型電源の確保など供給面の取り組みだけではなくて、家庭や企業で無理なく需要を抑制するなど、スマートエネルギー都市の実現に向けて取り組んでいくべきであると、このように考えておりますけれども、今後、都はどのように進めていくのか見解を求めます。

松下都市エネルギー
部長

 家庭あるいは企業、こういったあらゆる主体におきましてエネルギー使用の見える化を図りまして、需給の最適制御により、省エネやピークカットを促すと。こうした仕組みを普及拡大するため、今年度より補助事業を開始しておるところでございます。
 具体的には、燃料電池や蓄電池あるいは太陽光発電を活用した、いわゆるスマートハウスの導入などを推進するものでございます。また、今年度から大規模なテナントビル等を対象にしました電力デマンドレスポンス実証事業を実施しております。
 今後ともこれまでの事業の成果を踏まえつつ、技術開発や市場動向にも注視しながら、さまざまな施策を展開することでエネルギー利用の効率化あるいは最適化を促し、スマートエネルギー都市の実現に取り組んでまいります。

上野委員

 エネルギーのスマート化は、人々の生活を一段と便利にし、快適な住まいづくりにつながります。また、多くの企業が市場に参入することで、競い合いを通じて価格の低下とサービスの向上を促し、さらなる普及拡大となり、ひいては東京の経済のみならず、日本経済全体の活性化に発展する可能性を秘めているわけであります。
 特に、我が党が第三回定例会代表質問でも提案いたしましたが、住宅ストックの約七割を占めるマンションなどの集合住宅のエネルギーマネジメントの推進というのは重要であります。我が党としても力を入れて取り組んでいるところであり、ぜひ都としても推進していくことを要望いたします。
 次に、私の地元江戸川区小松川、この小松川の方々は、身近にいるものですから、どうしても今回の決算特別委員会でも環境局に聞いてもらいたい、こういわれている関心事があります。恐らくわかると思いますけれども、六価クロムです。六価クロム鉱滓対策についてなんです。このことについて、ちょっと質問をしてまいりたいと思います。
 昨年十一月の報道によりますと、小松川の船堀橋下の歩道の表面に六価クロムを含む水がしみ出していたとのことであります。また、ことしの三月には、同じ場所にある集水ますから基準を超える六価クロムが検出されたという報道がありました。
 都は、適正にそれに対して対応しているということは間違いないと思ってはいるんですけれども、報道などを見る限り、それが十分に伝わってこない。いわゆる、私のところにそうした不安の声が来るということは、その住民の方々にそういった情報が伝わっていないということなんですね。そういった意味では、本日は、その住民の方の不安を払拭する答弁を期待いたします。
 そこで、改めてこの場所における六価クロム対策をこれまでどのようにしてきたのか、都民の方がわかるように丁寧にお答えください。

島田環境改善技術
担当部長

 江戸川区小松川の船堀下の歩道で平成二十三年二月に、都職員が歩道上に六価クロムを含む浸出水を確認いたしました。速やかに還元処理を実施した上で、道路管理者である建設局が同年四月から五月にかけて、歩道下の六価クロム汚染土壌の掘削除去及び再舗装工事を実施いたしました。これらの経緯が昨年十一月の報道となったものでございます。平成二十三年二月の地表への六価クロムの浸出原因は、この歩道下の汚染土壌であると推定しております。
 また、本年三月に報道された集水ますにおける六価クロムの検出につきましては、原因は特定できておりませんが、ますの中に汚染された泥土が残っていたと想定されます。この泥土につきましては、本年六月に特別管理産業廃棄物と同様の方法で適切に無害化処理いたしました。

上野委員

 船堀橋下の浸出水や、ますの泥土の対策は、今のご答弁で特別管理産業廃棄物と同様の方法で適切に無害化処理したと、こういわれたわけでございまして、そうした方法で処理したということがあればですよ、これは適正に行われているということになるわけでございますが、改めて、都民の健康に問題が生じる状況にはないと判断していいんですか。
 もう一度確認の意味でお答えしていただきたいのでありますが、都がこれまで適切な措置を講じてきているということであれば、東京都はそのことをわかりやすく都民に伝えて、住民に安心感を与える必要があるわけです。そのことを踏まえまして、本日の委員会でさらに明快にお答えしていただきたい。

島田環境改善技術
担当部長

 汚染土壌が問題になるのは、土壌に含まれる有害物質が人の体に入る経路が存在する場合であり、摂取経路が遮断されていれば健康には影響がなく、問題はございません。
 恒久処理地は、アスファルトのふたや覆土がされており、大気等のモニタリングでも問題がないことを確認していることから、周辺住民に健康被害を及ぼすおそれはありません。
 なお、恒久処理地以外の場所で仮に浸出が発生した場合には、先ほどお答えしたように速やかに対応しております。
 これら亀戸・大島・小松川再開発地区における六価クロム鉱滓対策や個別事案への対応につきましては、都のホームページを工夫し、わかりやすく情報提供してまいります。

上野委員

 やはり正しい情報を都民にしっかり提供していくということが大切なんです。情報がないと、住民の方々、本当に不安なんですね。そしてまた、そうした住民の不安が重なっていって、その不安を持っていくような、間違ったうわさばかりがまことしやか流されていってしまいます。そうした不安を、都は早く取り除いていかなければならないわけであります。
 その意味で、本日は本委員会で、健康被害を及ぼすおそれはない、問題はないということを明快に答弁していただきましたので、このことを住民にもしっかりと私は伝えていきます。住民の方は安心されると思います。
 どうか都は、これからも都民の安全・安心を確保するために、引き続きモニタリングにより問題がないことを確認していくとともに、何か異常があった場合には、施設管理者と連携して地域住民の健康に影響を及ぼすことがないように迅速かつ適切に対応して、六価クロム対策に万全を期していただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。


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