■平成24年度各会計決算特別委員会質疑(港湾局)
 平成25年10月23日(水曜日)

上野委員

 私からは、いろんな港湾局さんの施設がございますけれども、そうした中での維持管理を中心に質問してまいりたいと思っております。
 高度経済成長期、東京オリンピックが昭和三十九年にありましたけれども、そうしたときに集中的に社会資本のストック、特に東京におきましても整備が進んでまいりました。港湾局におきましても、恐らくその当時からもすさまじい勢いで整備が進んでいったと思います。そうした中で、五十年という年数が来たわけでございますけれども、老朽化ということが非常に重要な課題になっているわけでございます。
 そうした中で、私たち公明党は、防災・減災ニューディール政策というものを訴えてまいりました。とにかく施設そのものが莫大に多いものですから、これを更新していこうというと、もう非常に費用がかかってしようがない。少しでも延命をしながら、そしてコストも下げながら、しっかりとこれからのいろんな災害にも備えていけるような、そうした施設整備をしていこうじゃないかという中での防災・減災ニューディール政策というのを訴えてきたわけでございます。戦略的な維持管理、更新を行う課題というのが非常に大事になったわけでございます。
 この状況というのは、世界屈指のコンテナふ頭を備えた一大物流拠点として重要な機能を担っている東京港も全く同様でございます。主力となっている大井コンテナふ頭は、既に供用後四十年程度を経過していると、このように聞いております。東京港においても、こうした供用年数を経た施設が増加して、維持管理費の増加が見込まれている中で、今後も引き続き発展していくためには、老朽化が進む港湾施設を適切に維持管理、更新し、長く有効活用していくことが極めて重要であるわけでございます。
 そのため、東京港では、従来型の対症療法型維持管理から、予防保全型維持管理へと転換していると聞いておりますので、東京港の予防保全型維持管理について何点か質問してまいりたいと思います。
 まず初めに、そもそも東京港における予防保全型維持管理とはどのような取り組みであるのか、改めて伺います。

石山港湾整備部長

 東京港における予防保全型維持管理は、港湾施設を常に点検し、適切な時期に最適な補修、補強を行うことにより、施設が経年劣化で損壊し、突然に機能を失う事態を予防することとともに、対象施設全体の健全性を高め、長寿命化とライフサイクルコストの縮減を目指すものでございます。
 具体的には、護岸などに用いている鋼材の腐食が拡大する前に防食等の対応を図ったり、桟橋床板の鉄筋コンクリートが塩害で壊れる前にコンクリートを増強するなどして、施設の弱点部分を事前に補強、補修しております。
 このような予防保全型維持管理を行うことにより、対症療法型維持管理と比較して、ライフサイクルコストは、今後五十年間で約三分の一に抑制できると試算しております。

上野委員

 老朽化に伴う施設の弱点を先見的に見つけ出して、そして前もって補修、補強をするということで施設の寿命を延ばしていくことができると。さらには、そのことによりまして、トータル的にコストを低減させることもできるというふうなことだと思います。そうした港湾局の取り組みというものに対して、私は高く評価しているところでございますので、しっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 では、そのために具体的にどのような取り組みをしていかれるのか、お尋ねします。

石山港湾整備部長

 港湾施設の特徴は、鋼構造物の腐食、コンクリートの鉄筋腐食など、沿岸部特有の塩害に伴う構造物の経年劣化が進行することが挙げられます。これまでの施設補修は、多くの場合、施設の機能に支障が顕著にあらわれてから対策を講じる対症療法型の維持管理を行っていました。こうした手法の維持管理では、例えば鉄筋コンクリートの場合では、鉄筋が腐食し、ひび割れが発生してから大規模な補修を行っておりました。
 一方、予防保全型維持管理では、施設機能に支障が生じる前に詳細な点検を行い、鉄筋の腐食状況をあらかじめ予測した上で、腐食が進行することがないように防食を施すことで、施設の長寿命化を図るとともに、ライフサイクルコストを縮減するものであります。
 東京港では、港湾施設のこうした詳細な点検等を平成十七年度から開始し、平成二十三年度には、東京港の全施設を対象とした予防保全計画を策定しております。現在は、策定した予防保全計画に基づき定期点検等を行い、施設の適切な維持管理に努めているところでございます。

上野委員

 まさに今の答弁にありましたように、防災・減災ニューディールの中では総点検をするということが大事でありまして、そうした中で社会資本の維持管理の重要性に早くから注目し、そして適切な対応を行っているということで、本当に安心したところでございます。
 そこで、平成二十四年度には、予防保全計画に基づきどのような補修、補強を行ったのか、お尋ねします。

石山港湾整備部長

 平成二十四年度は、予防保全計画に基づき、経年劣化が比較的進行している施設を優先して補修、補強工事を進めております。
 岸壁においては、大井食品ふ頭、大井水産物ふ頭などで塩害防止の桟橋補強を行う実施設計に着手いたしました。道路では、青海縦貫道路、大井縦貫道路において、コンテナトレーラーなどの重車両が円滑に通行できるよう、舗装の打ちかえを行っております。また、海岸保全施設では、朝潮水門の門扉交換などを実施いたしました。

上野委員

 話は変わっていきますけれども、最近、都内においてインフラ施設の老朽化に伴う事故というのが増加している、このように思います。記憶に新しいところでは、北区において、道路の空洞化に伴う陥没により歩行者が転倒する事故がありました。
 インフラ施設の更新、維持管理では、事故に直結するような事態を見落とすことがあってはなりません。東京港においても、岸壁や道路の空洞化を見落とし、物流機能が停止するようなことになってしまえば、首都圏住民の生活、また経済活動を支える国際貿易港としての役割、これを果たせなくなるわけであります。
 最近では、インフラ施設の点検技術の向上に資するさまざまな検査手法というのが開発されております。一つの例としては、地中レーダーを用いた路面下の空洞調査を行うことで、路面陥没の原因となる空洞を効率的に確認して、事前対策を行うといった成果を上げているわけであります。
 東京港においても、老朽化した岸壁背後、重要な臨海道路において、こうした地中レーダーを用いた空洞化調査を実施していく旨、我が党が確認しているところでございますけれども、そこで改めて、東京港での空洞化調査の実施状況とその評価について、港湾局の見解を求めます。

石山港湾整備部長

 岸壁背後や道路の陥没は、地盤の沈下や埋設物の破損などで生じた空洞が原因で発生いたします。このため、これまで港湾局では、定期点検時の目視調査等で施設に沈下等の変状が認められた場合には、ボーリング調査で空洞化の確認を行い、必要な対策を講じることで陥没の未然防止に努めてまいりました。
 加えて、昨年度より、老朽化した岸壁背後、重要な臨港道路において、試験的に地中レーダーによる空洞化調査を導入いたしました。空洞化調査の導入に当たっては、あらかじめ目視により変状が見られた十号地その二、西側岸壁において、ボーリング調査にかえて地中レーダーで状況を確認いたしました。その結果、岸壁の水際線のすぐ近くで空洞化を確認いたしました。
 空洞化の原因は、船舶の離接岸に伴うスクリューの撹拌により土砂が流出したためでありましたが、これについては既に補修を終えております。
 また、重要な臨港道路である青海縦貫線及び有明南縦貫線におきましては、目視での変状は見られませんでしたが、試験的に空洞化調査を実施いたしました。その結果、ここでは陥没の原因となるような異常は見られませんでした。
 このように、地中レーダーによる調査は、従来の調査方法と同様に、施設下の空洞化の有無を補助的に確認するには有効な調査方法であることが確認できました。このため、これまでの定期点検とともに、必要に応じて空洞化を確認する地中レーダー調査を組み入れて点検を行うことといたしました。

上野委員

 今のご答弁でも明らかになりましたように、事前に地中レーダーによって事故を防ぐことができたといった内容もありました。本当にうれしい限りでございます。
 港湾局が、こうした予防保全型維持管理、これについて一層、精度向上、効率化のために新たな検査手法、これを取り入れて、そしてまた点検、調査をこれからもやっていくということだと思いますので、そうした取り組むということについても、重ねて港湾局の取り組みについて、私は評価しているところでございます。しっかりやっていただきたいと思います。
 それでは、今年度の空洞化調査の予定箇所はどうなっているのか、お聞きいたします。

石山港湾整備部長

 今年度の空洞化調査につきましては、必要に応じて、これまでの目視点検調査に加えて実施していくこととしております。岸壁では、品川ふ頭、大井食品ふ頭を予定しており、重要な臨港道路では、引き続き緊急輸送道路を選定して実施することを検討してまいります。

上野委員

 オリンピック、二〇二〇年、世界が注目する一大イベントであります。維持管理に万全を尽くしてもらいたいと思うわけでございます。
 ところで、港湾施設、これは長期間にわたりまして使用されるインフラ施設であるということがあるわけでございます。その都度見直しを図る必要があるものと考えておりますけれども、予防保全計画の更新というのはどのように行っているのか、お尋ねいたします。

石山港湾整備部長

 予防保全計画は、計画期間が五十年間の長期にわたる維持管理について定めたものであり、より実効性の高い計画とするため、計画の更新は必要となります。具体的には、おおむね五年ごとに更新を予定しております。
 あわせて、新たに施設が整備された場合や、廃止、再編等がなされた場合及び点検診断調査の結果と想定した劣化進行状況に乖離があった場合などに、計画の更新を行うこととしております。

上野委員

 大事な話でございます。港湾局が、老朽化した岸壁背後、緊急輸送道路に選定されている重要な臨港道路について、空洞化調査を予定していることもよくわかりましたし、今の話もよくわかりました。
 ところで、平成二十四年に修正された東京都地域防災計画の震災編、こちらにも、日常的な巡回点検に加えまして、路面下空洞調査などにより、道路の維持管理を着実に行っていくと、こう記載されているわけであります。
 また、七年後には東京でオリンピックが開催されることが決まりました。東京港の臨海部には数多くの競技施設が今後整備され、今まで以上に、人、物の流れが増加することが予想されるわけであります。臨海部の重要性はさらに高まることになりますので、道路の維持管理も重要となります。
 そこで、効率的に臨海部の道路の維持管理を行っていくため、港湾局はどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。

石山港湾整備部長

 港湾局では、昨年度より、重要な臨港道路において、通常の目視点検に加え、地中レーダーによる空洞化調査を実施しております。重要な臨港道路は、おおむね五カ年で一巡するよう詳細調査を行っておりますので、今後五カ年の調査の中で、地中レーダーなども組み入れた調査を実施し、道路の維持管理に万全を期してまいります。

上野委員

 本当に、一つ一つ聞きながら、確認しながら、安心してきたわけでございますけれども、首都東京の経済活動、都民生活を支えるためには、限られた財源の中で、新たな需要に対する港湾施設を整備することに加えまして、既存の港湾施設の維持補修を行い、保持すべき機能を保つ、こういったバランスをとりながら東京港を発展させることが重要と考えております。
 今年度は、太田国土交通大臣もいっておりました社会資本メンテナンス元年ということで提唱し、位置づけられておりますので、東京港にあっても、インフラの維持管理を適切に行い、首都東京の経済活動、都民生活を支えていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。


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