■文教委員会質疑(教育長)
 平成25年10月22日(火曜日)

上野委員

 私からは、都立小中高一貫教育校の設置の検討について質問いたします。
 この件につきましては、都議会公明党は、さきの第三回定例会におきまして代表質問をいたしましたが、その際述べたとおり、我が党は、この都立小中高一貫教育校の構想は、児童生徒がみずからの意思と努力に応じて多くの学識を習得し、才能を開花させるための新たな教育に向けた取り組みの第一歩であると、このように捉えております。
 また、今回の構想においては、都が一貫した設置者となることで、教育課程を四年ごとのまとまりで編成する、いわゆる四・四・四の教育課程の編成の可能性を示しておりまして、六・三・三制という既存の時間軸を超える手だてとして評価しているところであります。
 一方で、理数よりも他の学習に興味、関心を抱いた児童生徒への対応など、実験的な取り組みゆえの課題を指摘するとともに、小中高一貫教育校の設置及び教育実践によって得られた成果について、しっかりと発信するよう求めてきたところでございます。
 さて、我が国は、これまで科学技術立国として世界をリードしてきました。しかし、さまざまな分野における国際競争は激しさを増しております。将来的には、国際社会における我が国の存在感が低下してしまうのではないか、こういった指摘もあるわけです。天然資源の少ない我が国においては、科学技術の果たす役割は大きく、すぐれた人材を育成することは、科学技術立国として大きな課題であると思います。この点から考えますと、都立小中高一貫教育校の設置目的である理数を中心に世界に伍して活躍できる人材の育成は、まさに日本の将来を見据えたものであり、大変評価しているところでございます。
 この時宜を得た設置目的を実現するための重要な要素は、学習内容などを定めた教育課程にあると思います。本日の質疑において、主に教育課程にかかわるさまざまな課題に対する現時点での考えを問うことで、今後の方向性を明確にしていきたいと考えております。
 そこでまず、個別具体的な内容の質疑に入る前に、改めて、このモデル校としての学校に期待されている役割をお伺いします。

出張教育改革推進
担当部長

 都教育委員会では、都立小中高一貫教育校において、十二年間の系統的、継続的な教育を行うことにより、児童生徒の資質や能力を最大限に伸ばし、理数を中心に世界に伍して活躍できる人材を育成することができると考えております。
 この学校で行う小中高一貫教育は、新たな教育のモデルとして実施することから、全都で一校を設置することを予定しております。現在、区市町村教育委員会では、多くの小中学校を設置し、実際に、地域の多数の児童生徒に就学の機会を提供しております。
 将来、区市町村教育委員会や都立高等学校がこの小中高一貫教育の成果を活用できるよう、情報を発信していく予定でございます。

上野委員

 今ご答弁にあったとおり、都立小中高一貫教育校は、モデル校として全都で一校のみの設置であります。たとえ一校であっても、その取り組みによる成果は大きく、さまざまな示唆を含んだものになると考えております。
 既に区市町村においては小中一貫教育、都においては中高一貫教育が実践されております。このたびの小中高一貫教育は、その教育成果をしっかりと発信して、また、それらの教育を充実させることで児童生徒に還元できるよう、このように要望しておきます。
 それでは、教育課程に関する質疑に入っていきますが、冒頭でも申し上げましたとおり、小中高一貫教育が成功するかどうかは、教育課程の具体的な内容に大きく左右されると思います。都立小中高一貫教育校では、教育課程を四・四・四の区切りで編成するとしていますが、四・四・四の区切りで編成することが本当に子供のためになるように、学習内容や指導時期、指導方法などを十分に検討する必要があると考えます。
 その際、忘れてはならないことは、国の基準であり、法的拘束力を持つ学習指導要領に基づいて、学年に応じた学習内容や指導時間などを決め、教育課程を編成しなければならないということであります。当然のことでありますけれども、東京都教育委員会の独断専行で、都立小中高一貫教育校の教育課程を学習指導要領を逸脱して編成することはできません。さまざまな意見を踏まえた上で、国との協議を十分に進め、教育課程特例校制度など、国の制度を活用することが望ましいと考えております。
 そこで、実際に教育課程を四・四・四で編成することで、都立小中高一貫教育校における学習指導や子供への接し方などに何らかの変化があるのかどうか、この点についてお尋ねいたします。

出張教育改革推進
担当部長

 これまでの小学校、中学校、高等学校といった学校種ごとの子供の見方から、子供の実態に応じた見方に変えることで、より子供の発達に対応した接し方や指導の仕方を実践することが可能となります。
 都立小中高一貫教育校の設置に関して、現在検討を行っている都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会では、小学校第一学年から第四学年までを基礎期とし、体験活動の重視や基礎、基本の徹底を、小学校第五学年から中学校第二学年までを拡充期とし、体験活動と発想を相互に関連させ、考えを組み立てて理解を深めることや幅広い発展的な学習を、中学校第三学年から高等学校第三学年までを発展期とし、みずからの進路にかかわる専門的な知識や技能、考え方を身につける学習をそれぞれ実施するよう、中間まとめにおいて提案しております。
 都教育委員会は、指導内容や指導方法等について、基本構想検討委員会でさらに議論を深め、検討を行ってまいります。

上野委員

 確かに、六・三・三制が導入された当時と比較しますと、子供を取り巻く環境も異なりますし、成長も早まっているといわれています。
 基本構想検討委員会は、教育の専門家や教育関係者、保護者などの委員で構成されていると聞いておりますが、委員会では中間まとめ公表後に寄せられた多くの意見も踏まえながら、各委員による議論を活発に行っていただきたいと思います。そして、その結果として、それぞれの時期に最も効果的な指導内容や指導方法を明確にして、教育内容を具体化していくことが重要であると考えております。
 次に、学習内容の先取りについて質問します。
 学習内容を先取りして児童生徒に教えることは、ともすると詰め込み教育に陥る可能性をはらんでおります。詰め込み教育に陥る可能性をはらんでいる中で、授業時間は十分に確保して、詰め込み教育にならないようにした上で学習内容の先取りを行うということであれば、教育課程上に余裕を生むといった効果が期待できると思っております。
 そこで、そのようにして確保した教育課程上の余裕をどのように活用するのかお尋ねいたします。

出張教育改革推進
担当部長

 基本構想検討委員会では、学習内容の先取りを行うことにより、教育課程上に余裕が生じることを想定しております。この余裕については、専門的な学習の一つである海外語学留学や国内外の大学での聴講などに充てること、また、みずからの興味や関心のある内容についての研究や、ボランティア活動に充てることなどを現在想定しております。
 今後とも、教育課程が効果的なものになるよう検討してまいります。

上野委員

 同一設置者である都立小中高一貫教育校では、教育課程を十二年間一体として捉え直すことができます。その結果、教育課程の余裕を生み出すこともできると思います。入学時から卒業までの十二年間を見通して具体的な教育内容を創造し、教育課程に位置づけていくことが大切であります。時間があるからといって、次から次にさまざまな学習内容を詰め込むことは、間違っても行うべきではありません。先ほど答弁に示されたように、子供たちにとって有意義な学習として活用できるよう、教育課程を編成することが重要であると思います。
 次に、通学場所変更についてでございますが、代表質問でも指摘いたしました。小学校五年生から通学場所が変わります。このことにより通学経路の方法、そして通学時間も変わることが予想されます。また、通学場所が変わることによって、教育の一貫性が失われないように配慮することや、児童への十分な安全指導や精神的負担へのケアを行うことも課題であると思います。このような課題が生じることは容易に予想したことと思いますけれども、校舎を分離して設置する案が公表されました。
 そこで、小中高一貫教育校の設置候補場所は、どのような考え方に基づいて選定したのかをお尋ねいたします。

出張教育改革推進
担当部長

 都立小中高一貫教育校は、広範囲から通学が可能で周辺に自然が残るなど、教育環境のよい場所に設置することが必要と考えております。また、円滑に開校していくためには、六年間一貫した学習や異なる学年の交流活動など、都立中高一貫教育校のこれまでの取り組みや、実績の活用を図ることが極めて有効でございます。
 しかしながら、現在の都立中高一貫教育校で、交通至便で東京都の中心部にあり、敷地内に小学校の開校に必要な校舎、施設、運動場を設置できる学校がございません。こうしたことから、交通至便で教育環境に恵まれている旧芸術高校跡地と都立武蔵高等学校附属中学校の二カ所を活用いたしまして、小中高一貫教育校を設置することを予定しております。

上野委員

 全都で一校だけの設置のために、交通至便であることや、中高一貫校の取り組みや実績の中で価値のあるものを活用しようとしていること、これについては今の答弁でも理解をいたしたところでございますが、今後、校舎を分離して設置することによる課題や、その課題に対する改善のための具体策などをさらに検討していくことが必要であると考えますので、要望しておきます。
 続いて、都立小中高一貫教育における子供たち同士の関係についてお尋ねいたします。
 十二年一貫教育を行うよさの一つに、より深く、そして、より強いきずなで結ばれた人間関係が構築され、子供たちの交流が密になるといったことも考えられますが、一方で、関係が一度悪化してしまうと関係改善が難しく、また、悪化した関係を引きずってしまいやすいなど、人間関係の緊密さから生じる課題もあると考えられます。校内での人間関係を広げる一つの方策として、途中段階での募集など、人間関係の固定化を緩和する工夫が必要であると思っております。
 そこで、緩和する工夫の一つとして、小中高一貫教育校において、十二年間の途中段階での入学が必要であると考えますが、所見を伺います。

出張教育改革推進
担当部長

 小学校から入学した児童が十二年間同じ集団で生活することは、人間関係を固定化させる懸念がございます。このため、十二年間の途中段階で他の学校から入学者を受け入れ、新たな集団を形成することにより、人間関係に広がりを持たせる必要がございます。
 また、他の小学校入学後に理数に興味、関心を強く持った子供にこの学校で学ぶ機会を与えるためにも、途中入学の仕組みを設けることが必要であると考えております。
 こうしたことから、途中段階での入学の制度の詳細につきましては、基本構想検討委員会での今後の議論を踏まえ、検討を行ってまいります。

上野委員

 途中段階での募集は、都立小中高一貫教育校で小学校一年生から学んでいる子供にとっては、人間関係を広げる機会であります。一方、他の区市町村立学校で学んでいる子供たちにとっては、理数を重視した教育を受けるチャンスにもなります。途中段階の募集について今後とも検討を重ねていただき、具体的な方法を構築していくことが必要であります。
 さらに、途中の募集だけではなく、教育内容においても、学年を超えた活動を促す行事の工夫や周辺の学校との連携など、工夫の余地があると考えますので、今後とも検討されますよう要望しておきます。
 また、一方で、十二年間の一貫教育において、自分の適性や能力と学校の特性が一致しない場合があるといった懸念があります。子供たち自身がみずからの才能や能力を十分に理解した上で、みずからの進路をみずから選択することができるような仕組みを整えておくことが大変重要であると考えております。そのような仕組みをつくることについても、今後ともしっかりと検討されるよう重ねて要望しておきます。
 最後に、パブリックコメントについて質問いたします。
 先月の第三回定例会におきまして、代表質問ではありますけれども、さまざまな意見を参考に、学校の基本構想を作成するとの答弁をいただきました。
 そこで、八月に中間まとめを公表した後、都民の声であるパブリックコメントを受け付けていると聞いておりますが、都民からどのような意見が寄せられているのかお尋ねいたします。

出張教育改革推進
担当部長

 中間まとめを公表した八月二十二日からパブリックコメントを実施いたしまして、広く都民の意見を募集いたしました。
 その結果、九月末までに三十九の個人、団体から、延べ百二十三件の意見をいただいており、現在、これらの意見を整理し、分析しているところでございます。
 内容としては、四年ごとのまとまりで教育課程を編成すること、小学校入学段階で選抜を行うこと、小学校五年生から通学場所が変わることなどに関するご意見が多くありました。
 今後、基本構想検討委員会においてパブリックコメントの実施結果について報告し、都民から寄せられた意見を踏まえて、さらに議論を行ってまいります。

上野委員

 天然資源が少ない日本にとりましては、多くのノーベル賞受賞者を輩出してきたように、世界に誇れる人材こそが資源といっても過言ではありません。これまで科学技術立国として世界をリードしてきた日本が、競争の激しい国際社会において、これからもその地位を維持していくためには、すぐれた人材を育成していくことが大変重要であります。
 冒頭にも申し上げましたが、この都立小中高一貫教育校は、十二年間の一貫した取り組みで子供たちの資質や能力を育成するという構想に立っております。人材育成の面からも大変すばらしいと私は評価しているところでございます。
 しかし、これまでの質疑でも明らかなように、開校に向けてさまざまな課題があります。今後さまざまな課題が生じてくると考えられますが、代表質問でも指摘したように、想定できる課題は、その一つ一つについて丁寧に検討し、課題として表面化しないように準備を進めておくことが重要であります。また、開校という一つの節目を過ぎても、柔軟性を持って課題の解決に努力されるよう望むところであります。
 私は、自分の経験上、都立小中高一貫教育校が成果を上げるためには、いかにすぐれた教員を配置できるか、これが非常に、大変に重要であると考えております。すぐれた教師は子供の隠れた才能を引き出し、伸ばしてくれます。
 私ごとで恐縮でございますけれども、小学校四年生まで算数が大嫌いでした。もう計算するのが大変。分数になると、なおわからない。それが小学校五年になると、さらに難しくなるという状況の中で、実は、中学校の数学の専門の先生が小学五年のときに担任になられたんです。その先生の教育というか、算数の教え方が実におもしろく、楽しく、そして興味を持てわかりやすかった。一番難しくなるという小学五年生の算数が好きになったんですね。五年生の終わるころには、最も得意な科目になってきたという、本当に考えられないようなことがあったわけでございまして(「もともと才能があったんですよ」と呼ぶ者あり)いや、そういうことはないですけれども、そういった、いわゆる子供たちの資質や能力を伸ばすのは、やはり教師の力量によるところが大きいと思います。今後の課題であることは承知しておりますが、適切な教員配置についても、今後ぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、私の地元、江戸川区に開校予定の鹿本学園についてお尋ねいたします。
 都立特別支援学校においては、重複障害のある児童生徒が増加していると聞いております。そうした児童生徒に合った教育の実現が、今求められております。
 そうした中で、複数の障害教育部門を設置する、いわゆる併置校は、障害教育部門の専門性を相互に活用しながら、障害が重複する児童生徒に対するきめ細かな教育が実現できるという観点からも、児童生徒の実態に合った特別支援学校の形態であると、このように思っております。
 平成二十六年四月に開校する鹿本学園も、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門とを設置する併置校であります。都は、鹿本学園において、併置校ならではの、より効果的な教育を実現できるよう、開校に向けて万全の準備を進めているものと思っております。
 そうした中で、知的障害教育部門の児童生徒の皆さんが利用する増築棟の竣工予定が開校後の平成二十六年十一月末になり、児童生徒が使用できるのは三学期からになると聞いております。
 そこで、開校及びその後の新校舎への移転に向け、都がどのような準備を進めているのか何点かお尋ねしていきたいと思います。
 まず初めに、増築棟の竣工が平成二十六年十一月末にずれ込む中で、なぜ平成二十六年四月に開校するのかお尋ねします。

廣瀬特別支援教育
推進担当部長

 鹿本学園は、肢体不自由特別支援学校である江戸川特別支援学校と、知的障害特別支援学校である小岩特別支援学校とを発展的に統合して設置する併置校でございます。鹿本学園を一人の校長のリーダーシップのもとで開校することにより、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門との間の交流や連携を進め、別々の学校間の連携によるよりも、より円滑に、効果的に児童生徒の障害の重複化に対応した教育活動を行うことができます。
 また、鹿本学園に、知的障害特別支援学校である白鷺特別支援学校から中学部を段階的に移行することにより、同校の過密解消を図ることができます。このため、増築棟の竣工が平成二十六年十一月になりますが、計画どおり平成二十六年四月に開校することにいたしました。

上野委員

 冒頭に申し上げましたとおり、併置校は障害の重複する児童生徒の教育に適した学校であります。したがって、答弁にもありましたように、より円滑に、効果的に児童生徒の障害の重複化に対応した教育活動を行うことができ、さらに、保護者の皆様からも大変要望の多かった白鷺特別支援学校の過密状況も解消されるということでありますので、来年四月の鹿本学園の開校が期待されるところであります。
 さて、先日、鹿本学園の完成予想図を見せていただきました。現在の江戸川特別支援学校の敷地に肢体不自由教育部門の児童生徒が学ぶ校舎と、知的障害教育部門の児童生徒が学ぶ校舎とが一体的に併置されており、よく考えて設計されているなと思ったところであります。
 児童生徒の移動が機動的で、安全性が確保されているかどうか、ここは大事であります。その点についても、完成予想図を見ながら説明を聞いてまいりました。児童生徒がそれぞれの障害教育部門の特性に合わせて整備された教室などで学習をするときも、また、他の障害教育部門の教室などを相互に活用して学習するときも、児童生徒の安全への目配り、あるいは移動を行いやすいように、機動的な、機能的な施設であるということがわかりまして、安心したところでございます。
 さらに、両障害教育部門の児童生徒が一緒に運動や行事を行える広場なども設けられておりました。相互に理解を深めることのできる環境が整備されていると感じたところであります。併置校では、在籍する障害教育部門にかかわらず、児童生徒一人一人の障害の状況や程度に合わせて、学校が持っているあらゆる人材や施設、設備、教材などを効果的に活用することにより、その児童生徒の持っている能力をできる限り伸ばしていくことができると考えております。
 そこで、鹿本学園では、併置校ならではのどのような教育を受けることができるのかお尋ねいたします。

廣瀬特別支援教育
推進担当部長

 併置校には異なる障害のある児童生徒が在籍し、それぞれの障害特性に対応した多様な施設、設備があり、複数の障害教育部門の専門性を生かすことのできる環境がございます。
 このような併置校の特色を生かし、鹿本学園では、両障害教育部門の教育内容や方法を相互に活用するとともに、教員と理学療法士や心理の専門家等の外部の専門家が連携したチームアプローチによる指導を積極的に行い、児童生徒一人一人の障害の状況に応じた効果的な学習活動を実施することが可能となります。
 また、鹿本学園の児童生徒は、日々の学校生活や学習活動の中でさまざまな障害のある級友と交流することにより、人を思いやる心や社会性を身につけることができるようになります。

上野委員

 併置校の特性は多様性であり、児童生徒は、学校生活において貴重な経験を積むことができるということだと思います。
 先ほどの答弁によりますと、このような教育を校長先生のリーダーシップにより実現していくとのことですが、もともと二校であった学校を一校にしていくわけですから、児童生徒も、保護者や教職員も、一日も早く一体感をつくり出し、併置校のメリットを得られるようにするために周到な準備が必要であると思っております。
 そこで、併置校のメリットを開校当初から最大限に発揮するため、どのような準備をしているのかお尋ねいたします。

廣瀬特別支援教育
推進担当部長

 開校に向けては、今年度から、教育活動の面からも統合に備えた準備を進めております。
 例えば、小岩特別支援学校の児童生徒が増築棟の建設予定地にある江戸川特別支援学校の中庭で野菜栽培を行うなどの新しい環境になれる活動を行っております。また、両校の児童生徒が相互に訪問して、挨拶や学校紹介、イベントへの勧誘や合同開催を行うなどの交流を深める活動を行い、児童生徒が戸惑うことなく統合できるよう準備しております。
 さらに、両校の教員が相互に講師となって、互いの障害の特性や状況を理解する開校支援研修や保護者同士の学習会なども行い、併置化がより効果的なものとなるよう条件を整えております。

上野委員

 次に、新校舎への移転に伴いまして、特に知的障害教育部門の児童生徒を取り巻く学習環境が、開校時に続き変化することになります。知的障害のある児童生徒の皆さんは、環境の変化になれるまでに時間を要すると聞いております。
 そこで、児童生徒の皆さんが環境の変化にスムーズに適応することができるよう、都はどのような準備を進めているのかお尋ねいたします。

廣瀬特別支援教育
推進担当部長

 増築棟への移転に向けては、児童生徒が少しずつ新しい環境になじむことができるよう、移転の体験を学習に取り入れていくことを考えております。
 具体的には、開校指導プログラムとして、増築棟の建設の様子を観察すること、移転前に新しい校舎を見学すること、新しい教室にみずからが使う机などを運び、教室内を整えることなどにより、児童生徒が学習環境の変化について見通しを持って、増築棟への移転を迎えられるようにしてまいります。

上野委員

 今回の質疑を通しまして、都が鹿本学園の開校、そして、新校舎竣工後までをしっかり見通して、児童生徒が新しい環境になじめるよう万全を期していることがよくわかりました。また、併置校ならではの効果的な教育を行う準備を周到に進めていることも理解できたわけでございます。大変安心したところであります。
 地元の江戸川特別支援学校、私も近いものですから機会あるごとに訪問いたします。行くたびに思うことは、何よりもまず、校長先生の心がありますね。本当に熱心です。だからこそ、そこに一緒にやっている先生方に、これは伝わっていますね。本当に大変なご苦労だと思います。しかし、献身的に貢献されていらっしゃる。本当に私は頭の下がる思いであり、そのご尽力に心から感謝しておるところでございます。
 ところで、鹿本学園のコンセプトをお聞きしますと、児童生徒の向学心を育て、七色の虹のように多様な個性の伸長を図り、一人一人が輝く学校にしていくということであります。七色の虹には、肢体不自由教育部門の小学部、中学部、高等部、知的障害教育部門の小学部、中学部、そして、保護者と地域の方々という、この五つの学部と七つの支援といった意味も込められているとお聞きしました。多くの人々に支えられて、障害の状況も学年もさまざまな児童生徒が学ぶ併置校にふさわしい目標像だと思います。
 鹿本学園が将来、児童生徒が力強く生きていくことになる社会への、まさに虹のかけ橋となることができるよう、都が着実に開校準備を進めていくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。


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