■公営企業委員会(下水道局)
 平成25年03月19日(火曜日)

上野委員

私からは、下水道局のエネルギー対策について質問したいと思います。
 先日の予算特別委員会におきまして、都議会公明党の小林都議の質疑の中で、省エネルギーまたエネルギーの有効利用の観点から下水道事業における対策について確認させてもらったところでありますが、私からもさらに何点かお尋ねしていきたいと思います。
 我が国が今日までの発展と経済成長を遂げ、現在の都市活動や社会経済活動を力強く支えているのは、電力などエネルギーの安定供給があったればこそでございます。
 一方、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故以降、都内では計画停電や電力使用制限が実施されました。都民は、今もって災害が起きても安定的な電力の供給は確保できるのか、不安に思っているところであります。
 こうした中で、水力や太陽光に代表される再生可能エネルギーの活用に注目が集まっております。下水道は、公衆衛生の確保や浸水の防除、公共用水域の水質保全等、さまざまな役割を担っており、事業を進める上で多くの電力を必要としております。そのため、下水道局では、新たにエネルギーをつくり出す創エネルギーの取り組みの一環として、既に再生可能エネルギーの積極的な活用を進めているところでございます。そこでまず、下水道事業における再生可能エネルギーを活用した発電の取り組み状況についてお尋ねいたします。

渡辺施設管理部長

下水処理水や下水汚泥が持つエネルギー、太陽光などの自然エネルギーを活用した発電に取り組んでおります。例えば、下水処理水の活用については、処理水を放流するときの二、三メートル程度のわずかな落差と豊富な水量を利用して発電する小水力発電を森ヶ崎水再生センターと葛西水再生センターに導入しており、昨年度の年間発電量は合わせて約六十三万キロワットアワーです。
 下水汚泥の活用については、汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用した発電を森ヶ崎水再生センターで導入しており、昨年度の年間発電量は約二千万キロワットアワーであり、発電した電力は当該事業所の電力使用量の約二割に当たります。また、汚泥焼却炉の廃熱を回収して行う発電を東部スラッジプラントで実施しており、昨年度の年間発電量は約一千四百万キロワットアワーであり、発電した電力は当該事業所の電力使用量の約三割に当たります。
 太陽光発電については、水処理施設の上部空間などを活用した大規模な設備を葛西水再生センターに導入しており、昨年度の年間発電量は約五十八万キロワットアワーになります。

上野委員 下水道局では、再生可能エネルギーの活用についてさまざまな取り組みを進めており、大いに評価いたします。
 ただいま答弁のあった私の地元江戸川区にある葛西水再生センターの太陽光発電は、水処理施設の上部を活用するなどして導入され、大規模なものとしては下水道局で初めての設備とのことであります。そこで太陽光発電は、地球温暖化の防止にもつながるものでありますので、今後とも積極的に導入拡大を図っていくべきと考えますが、局の見解を求めます。
黒住計画調整部長 水再生センターなどでの太陽光発電設備の導入に当たりましては、コスト面や維持管理への影響などの課題がございます。このうちコストにつきましては、発電効率の向上に向けた技術開発の進展や太陽光発電の普及に伴い太陽光パネルのコストは低減する傾向にございます。
 一方で、パネルを支える基礎部分の低コスト化が課題となっております。このため、森ヶ崎水再生センターでは、臭気を防ぐため水処理施設に設置しておりますふたの老朽化に伴う再構築にあわせまして、新しいふたに太陽光パネルを直接張りつけることで基礎部分を兼ねるなどの工夫によりまして、設置コストを縮減しつつ、維持管理にも支障とならない方法を採用し、メガワット級の太陽光発電を導入してまいります。
 また、事務所など十三カ所にも、小規模な太陽光発電を分散型電源として計一千キロワット導入いたします。
 このように太陽光発電につきましては、メガワット級の大規模な設備に加えて、施設ごとに設置する分散型の小規模な設備をあわせて導入、拡大を図ってまいります。
上野委員 森ヶ崎水再生センターにメガワット級の太陽光発電を導入するなど拡大を図っていくとのことであり、今後もしっかりと進めていただきたいと思います。
 ところで、先日の予算特別委員会の質疑の中で、今後はエネルギー自立型の汚泥焼却システムを開発していくとのことでありましたが、このエネルギー自立型焼却システムとは具体的にどのような技術なのかお尋ねいたします。
坂根技術開発担当部長 汚泥には多くの水分が含まれておりますことから、汚泥の焼却工程においては、都市ガスなど補助燃料が必要であるほか、焼却炉内に空気を送り込むための電力を必要とするなど、多くの燃料や電力を消費しております。
 これまで、汚泥焼却炉につきましては、主に温室効果ガスを削減する観点から炉内の燃焼を効率化し、少ない燃料で高温焼却が可能な新たな方式の炉の開発、導入を進め、主に燃料を削減してまいりました。
 一方、汚泥の水分が多い場合、補助燃料に加え、炉内に送り込む空気を加熱する必要があり、これに焼却廃熱の一部を使用するため、焼却廃熱のうち利用できる熱量が少なくなり、汚泥焼却におけるエネルギーの有効利用は余り進んでおりませんでした。
 そこで、焼却炉に投入する汚泥の水分量をこれまで以上に削減し、汚泥を燃焼しやすくするために、超低含水率型脱水機を開発してまいります。これによりまして、補助燃料を不要とするとともに、空気加熱に使用する熱量を少なくし、有効利用できる熱量を多くすることができます。そして、利用可能な焼却廃熱が増加したことを生かしまして、経済性なども考慮しつつ発電を行うことで電力をみずから供給できるエネルギー自立型焼却炉を開発し、これを超低含水脱水機と組み合わせることでシステム化を図りまして、いわゆる第三世代焼却システムとして開発し、導入してまいります。
上野委員 先進的な技術が開発され、導入が進むことで、さらなる省エネルギーが図られることを期待するところでございます。
 太陽光発電など再生可能エネルギーの活用や省エネルギー化が図れる新技術の開発に当たっては、すぐれた技術を持つ民間企業などとの連携が重要であると考えます。
 下水道局では既に、民間企業の開発意欲を高めるために新たな共同研究制度の仕組みを導入いたしまして、太陽光発電と同じく、葛西水再生センターの施設を対象に省エネ技術の開発が進められていると聞いております。そこで新たな共同研究の仕組みと葛西水再生センターを対象とした研究の内容をあわせてお尋ねいたします。
坂根技術開発担当部長 これまで開発した新技術の中には実用化に至らないものもあり、すぐれた技術を開発する上で、民間の開発意欲を高めることが難しいという状況がございました。そこで、開発した技術を導入する工事をあらかじめ指定して共同研究者を募集し、技術開発を進める仕組みを昨年度から新たに導入いたしました。
 その第一弾として、永久磁石を用い、電力損失を少なくした効率のよいモーターの共同研究を公募により進めることといたしました。これによりまして、省エネルギー化を図るとともに、補修費などを従来型以下とすることでコスト縮減にも寄与することが可能となり、葛西水再生センターのポンプ設備を対象に共同研究を進めております。平成二十三年度に研究を開始し、昨年九月にはモーターの交換工事に着手しており、工事完了後の事後評価を含め、平成二十六年度までを研究開発期間としております。また、開発したモーターにつきましては、当局施設に順次導入していく予定でございます。
 今後とも、この共同研究制度を活用することで民間企業の開発意欲が高まるよう促し、省エネルギー化などに寄与する先駆的な技術を開発してまいります。
上野委員 今後も民間企業の技術開発への意欲を高める新たな共同研究制度を積極的に活用し、すぐれた技術の開発を進めてもらいたいと思います。
 一方、エネルギーを安定的に確保するという観点では、震災時などに備えた対策も着実に進める必要があります。そこで、震災時などに起こり得る停電や電力不足に対応するため、自己電源の増強を図るべきと考えますが見解を求めます。
黒住計画調整部長 停電等により電力供給が途絶えた場合などに備え、水再生センターやポンプ所での非常用発電設備などの増強を進めております。具体的には、経営計画二〇一三の計画期間である平成二十七年度までに江戸川区にございます新川ポンプ所など新たに十三カ所で非常用発電設備を整備し、区部の水再生センターやポンプ所の七四%の施設での整備を完了させてまいります。
 また、東日本大震災の直後、非常用発電設備の燃料として使用しております灯油などの供給が滞った一方で、中圧のガス管については、耐震性にすぐれていることからガスの供給には支障が発生しなかったことを踏まえ、燃料として灯油単独から灯油と都市ガスを併用できる新たな発電機について、中川水再生センターに導入してまいります。
 さらに、夜間に蓄電した電力を昼間のピーク時に活用するナトリウム硫黄蓄電池について、現在の約二万キロワットから約四万キロワットに倍増してまいります。これらの燃料多様型の発電機や蓄電池の整備につきましては、平成二十七年度までに完了させてまいります。
 今後とも、大規模地震時などの災害時にも下水道機能を確実に維持するため、自己電源の増強を図ってまいります。
上野委員 自己電源の増強によりまして、災害時にも下水道の機能が確保されることを期待しております。震災時などに電力を必要とするのは下水道施設のみに限らないわけでありまして、葛西水再生センターの上部には区のスポーツ施設が整備され、地元に開放されております。ふだんはサッカーや野球などを楽しむ人々が利用している一方、避難場所としても指定されております。震災時には多くの人が集まることになっているわけであります。
 そこで、下水道局が持つ非常用発電設備などで発電した電力を水再生センターの上部にある避難場所などに供給し、避難者の安全・安心を確保することも重要と考えますが見解を求めます。
黒住計画調整部長 区部の十三の水再生センターのうち七カ所につきましては、その上部が区の地域防災計画におきまして、避難場所として指定されております。停電時などに下水道局の非常用発電設備で発電した電力を避難場所に供給するに当たりましては、下水道施設での電力の使用量や発電機の運転に必要な燃料の確保の状況なども勘案する必要がございます。
 また、避難場所における電力利用の用途や量などのニーズ、利用に当たっての地元区との役割分担などについても調整を行う必要がございます。このため、これらの課題につきまして、既に、避難場所を管理する江戸川区などの地元区と協議を進めており、今後とも具体化に向け、積極的に取り組んでまいります。
上野委員 東京を支える重要な都市インフラの一つである下水道事業におけるエネルギー利用について、さまざまな観点からその取り組みを確認することができました。
 話は変わりますけれども、昨日、内閣府の方での南海トラフ巨大地震の発表がございました。衝撃的な内容であります。東日本大震災をはるかに超える、そういった被害が想定されているという状況の中で、恐らく三連動地震になるとかなり液状化もするんじゃないかということで心配しているのが、やはり区部東部地域、鈴木委員の荒川区と、それから桜井委員長の墨田区、そして笹本副委員長、私の江戸川区と。まさに、区部東部地域に住んでおりまして、これに対して非常に不安なところでございます。浦安では、その液状化でマンホールが浮上している姿を現場で直接見てきまして、本当に唖然としたところでございますけれども、そうしたことに対しまして、小川局長を初めとする下水道局の皆様が技術の粋を誇って、先ほどの質疑の中でもありましたように、マンホールの浮上抑止策とかいろんな世界に誇る技術を開発されてこられた、私はもう本当に評価したいと思います。
 小川局長とは、昭和五十二年に、同期なんですね。一緒に下水道局に入局しまして、今こうやって同じ同期の仲間が局長として、しかも下水道局の中で、皆様とともに世界に誇る下水道、日本の中でも本当に最高の技術を持っている下水道局、そうした中で思う存分戦っていらっしゃる。先ほどの局長の決意を聞いていても、本当にうれしく思ったところでございます。私もしっかり頑張っていかにゃいかんなと刺激されたところであります。きょうはエネルギーのことをお話してまいりましたので、そういったことで、突然ではございますけれども、最後に、エネルギー対策を推進していくに当たっての、同期の局長に決意を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
小川下水道局長 下水道事業といいますのは、汚れた水をきれいに処理する、また、大量の雨をポンプアップして川とか海に迅速に排水すると、こういった機能を発揮するために非常に多くのエネルギーを必要といたします。電力でいいますと、都内で消費している電力の一%を下水道事業が消費していると、そういう状況でございますので、これまでも、省エネルギー化あるいはエネルギーの有効活用については積極的に取り組んできたところでございます。
 お話のように、今回の東日本大震災を受けて、さらに、エネルギー需給が逼迫しているなど、下水道局での取り組みというのは一層重要性を増しているというふうに思っておりますので、今回の経営計画の中ではさらにこれまでの取り組みを強化して進めていくということにいたしております。
 これまで、各プロセスごとに省エネルギーとかエネルギーの有効活用というのに取り組んできましたが、今後は、プロセスごとではなくて汚泥処理全体で、あるいは水処理施設全体での省エネルギー化とかエネルギーの有効活用を図って、下水道事業全体でのエネルギーの高効率化というのを図っていく、エネルギーに過度に依存しない下水道事業、エネルギー効率の高い下水道事業の実現に向けての第一歩にしたいというふうに思っております。そのためにも、これまで培ってきた技術力を最大限に活用することはもちろんのこと、新たな技術の開発、それを実施設で導入するということに積極的に取り組んで、エネルギー効率の高い下水道事業の実現に取り組んでまいります。

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