■公営企業委員会(水道局)
 平成25年03月19日(火曜日)

上野委員

私からは、山田委員に引き続きまして、防災、減災対策の視点から質問をしていきたいと思います。
 さきの東日本大震災の経験を踏まえまして、水道局は、先月公表した東京水道経営プラン二〇一三におきまして、震災対策を主要施策と位置づけて重点的に取り組むと、このようにしております。そうした中から、まず、水道施設における電源確保について何問かお尋ねしたいと思います。
 水道事業は、浄水場や給水所などで都内電力使用量の一%にも相当する膨大なエネルギーを消費していると聞いております。発災時に、もしもエネルギー供給が絶たれるようなことになれば、事業の継続に大きな支障を来すことになります。まさに、エネルギーの確保は、震災対策のかなめであるといえるわけであります。
 東日本大震災では、都内でも計画停電の影響によりまして、施設の運転が停止し、一部地域で断水や濁水が発生したと聞いております。そうしたことが起こらないように、災害時においても、都民に生活用水を確実に供給するためには、水道施設におけるエネルギーの自立化が重要であると思います。
 中でも、都の水道水の供給能力の大部分を占める大規模浄水場、先ほどの課題になっておりました、そちらの方のエネルギーの確保には万全の対策を講じるべきでございます。
 そこでまず初めに、大規模浄水場のエネルギー確保に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

佐久間設備担当部長

大規模浄水場につきましては、施設能力を常に一〇〇%発揮できるよう自家用発電設備を増強整備します。
 具体的には、平成二十四年度から整備中の東村山浄水場に引き続きまして、新たに三郷浄水場に二万キロワット規模の常用発電設備を導入するなど、順次、整備を実施していきます。

上野委員

発災直後に一〇〇%の能力を発揮するためには、自家用発電設備の整備とあわせまして計画的な燃料の確保が不可欠であります。
 都の地域防災計画の中では、発災直後から七十二時間以内に、特に重要な活動として非常用電源等によるライフラインの確保を明記しているところであります。
 東日本大震災のときには、外部電力の寸断に加えまして燃料の調達が数日にわたって困難な状況というのが発生いたしました。
 そこで、発災直後においても、自家用発電設備を確実に動かすための燃料の確保などに向けた取り組みについてお尋ねいたします。

佐久間設備担当部長

発災直後には、電力会社から供給される電力だけでなく、燃料の確保にも支障を来す可能性があります。
 このため、三日間分の液体燃料の確保を目指すとともに、地震に強い都市ガスも使用できる発電設備の導入を検討していきます。

上野委員

都民の安全・安心のためにも、燃料確保に向けた着実な取り組みを期待しているところであります。
 浄水場でつくった水道水は、給水所などを経て都民へ供給されております。水道水を都民のもとに確実に届けるためには、都民に直接給水する施設である給水所のエネルギーの確保にも取り組む必要があります。
 ところが、都内には、給水所が大小合わせて百四十六カ所あると聞いておりますけれども、整備に当たっては、やはり費用と時間がかかると思います。また、地域や施設の状況によって停電に対するリスクも異なってまいります。
 そこで、給水所のエネルギー確保に当たりましては、例えば、都民への影響が大きい箇所を優先するなどの順位をつけて、計画的に取り組むべきと考えますが見解を求めます。

佐久間設備担当部長

給水所には、給水所のポンプで圧力をかけなければ配水できない施設と、十分ではありませんが、停電時等は、浄水場のポンプ圧力を利用して配水できる施設があります。
 給水所のポンプを使用しなければ配水できない施設は、停電が断水に直結する可能性が高いため、こうした施設を優先して自家用発電設備を増強整備していきます。
 なお、整備に当たっては、一日の平均配水量を維持できるよう努めていきます。

上野委員

浄水場の対応とあわせまして、しっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 さて、水道局では、安定給水の確保のため、水道管に情報収集のための機器を設置し、常時、都内全域の水圧、水質などを把握し、コンピューターで集中管理をしているところであります。仮に停電などの影響によりましてこうした情報が収集できなくなると、安定給水にも支障が出ることが懸念されるわけであります。
 実は、さきの東日本大震災では、計画停電の影響でこうした機器の被害があったと聞いております。
 そこで、その被害状況についてお尋ねいたします。

佐久間設備担当部長

当局では、安全でおいしい水を安定給水するため、配水本管テレメーターや自動水質計器を設置しています。これらの機器により、水運用センターで、常時、水圧等のデータを監視し、断水や管路の異常などを把握しています。
 しかし、さきの東日本大震災では、計画停電の影響により、停電区域内において機器の機能が停止して水圧等の情報が得られなくなったため、断水地域や管路の異常などを迅速に把握することが困難となりました。

上野委員

断水地域や管路の異常が把握できなくなりますと、復旧活動のおくれにもつながっていくことになります。迅速かつ的確な対応ができるよう情報の把握を確実にできるようにしていく必要があります。
 そこで、発災後におきましても、管路の情報収集のための配水本管テレメーターや自動水質計器を確実に機能させる取り組みが必要と考えますが、見解を求めます。

佐久間設備担当部長

安定給水を維持するためには、停電時にも、配水本管テレメーターや自動水質計器を安定稼働させていくことが重要です。
 このため、都内に約三百十カ所ある配水本管テレメーターと、約百三十カ所ある自動水質計器につきまして、三日間停電した場合でも機能を維持できるよう順次バッテリーの設置工事に取り組んでいきます。
 これらにより、浄水場や給水所の対策とあわせ電力事情に左右されない電力の自立化を図り、より一層安定給水の確保に向けて取り組んでまいります。

上野委員 安定給水には、エネルギーの確保が不可欠でありますので、浄水場や給水所、情報収集のための機器などを安定して稼働させるために、総合的な取り組みを強力に進めていただきたいと思います。
 一方、こうしたエネルギー確保の取り組みや管路の耐震化など、震災対策には多額の費用が必要となります。特に水道管の耐震継ぎ手化を進める十カ年事業には、十年間で八千億円もの事業費が見込まれるとのことであります。さらに経営プランには長期的な展望に基づきまして、浄水場の更新工事を進めていくとの計画が示されており、事業費は一兆円にも上ると聞いております。
 高度経済成長期に整備されました施設の老朽化対策は、水道局にとって、まさに喫緊の課題となっております。老朽化した施設は、耐震性にも問題があることから、やはり切迫性のある首都直下地震に備える防災、減災の面からも施設の更新は極めて重要でございます。
 そのためには、財政の健全性を確保しながら着実に進めていく必要がありますが、この膨大な財政需要にどう対応していくのか、お尋ねいたします。
福田総務部長 ご指摘のとおり、現在取り組んでいる水道管路の耐震継ぎ手化十カ年事業や大規模浄水場の本格更新には、膨大な財政需要が見込まれております。
 こうした事業を実施していくためには、不断の経営努力により水道料金等の自己財源を確保することはもとより、企業債を計画的に充当するとともに、アセットマネジメントを活用し、施設の延命化を図るなど投資効率を高めてまいります。
 あわせて、大規模浄水場更新積立金を活用するなど、長期的な視点で財政運営に取り組んでまいります。
上野委員 投資効率を高めながら、自己財源の確保や企業債などを活用していくとのことでございますが、水道事業は、国民の生活を守る重要なインフラであります。したがって、国からの補助も積極的に活用して整備を進めていくべきと考えます。
 そこで現在、水道局の国庫補助金の規模と、その収入に占める割合はどの程度か、また、今後必要な浄水場の更新や管路の耐震化事業への国庫補助金の活用をどのように考えているのかお尋ねいたします。
福田総務部長 平成二十三年度の国庫補助金の収入実績は、高度浄水施設の整備などで約四十四億円となっておりまして、これは水道局の同年度の総収入三千六百三十二億円のわずか一・二%程度にとどまっております。浄水場の更新工事や管路の耐震化事業などに要する費用が多額であり、これらの事業を計画的に推進していくためには国庫補助が必要であります。
 水道局では、補助の実施を要望してきておりますが、現時点では、浄水場の更新工事は国庫補助の対象とされておりません。また、管路の耐震化事業については、当局のような大規模な事業者は補助を受けることができない仕組みとなっております。
上野委員 全体収入の一・二%程度というのは、インフラとしての水道の重要性を考えますとかなり少ないのではないかと思います。また重要な防災、減災対策でもある浄水場の更新や管路の耐震化が国庫補助の対象になっていないというのは問題であり、こうした更新事業にこそ国がもっと力を入れるべきであると思います。
 東京都は、もっと国に対しまして、更新事業に対する補助要件の緩和を強く要求していくべきである、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
福田総務部長 先ほど答弁いたしましたように、浄水場の更新事業や管路の耐震化事業などに要する費用は多額でございます。当局としても国に対して、国庫補助の要望を強化していく必要性を認識しております。
 このため、国庫補助の対象となっていない更新事業については国庫補助対象化を、大規模事業者が補助を受けられない管路の耐震化事業については補助条件の緩和を、国に要望してまいります。
 首都東京におけるライフラインとしての重要性や他の都市とは比較にならない大規模な財政需要の状況を訴え、大都市特有の事情を抱える他の事業体とも連携し、あらゆる機会を活用して要望を行ってまいります。
上野委員 更新事業というのは、現在取り組んでいる施設の更新が終わってもまた次の更新がすぐに始まるわけでありますので、財政負担は将来にわたって継続することになります。インフラの更新に対する国としての役割というものがあるはずであります。国に対し、補助の拡充を要求していくとともに、引き続き健全な財政運営により計画的な事業執行を進めていただきたいと思います。
 水道局の方で管理している浄水場、給水所、そしてまた上水管路、非常に重要でございます。この耐震化につきまして、しっかりと取り組んでいるということもさまざまな質疑を通して確認いたしまして安心しているところでございますが、もう一つ水道局としましては、大事な工業水道管も管理しているところでございます。こちらの老朽化対策というのも極めて重要な課題だと思っています。
 今後とも、この工業水道管の老朽化対策ということにもしっかりと目を入れて、目をちゃんとつけて、皆さんの方で検討していただきたい、これは大きな課題として申し述べておきたいと思います。
 防災、減災対策というのは、私たち都議会公明党のニューディール政策ということで極めて重要な政策ということも、国の方としても、景気経済対策の中の十・三兆円の中にしっかりと盛り込まれているところでございまして、国庫補助の問題もありましたけれども、東京都の方で、しっかりとそういった防災、減災対策に取り組めるように、私たちも国に対して強く申し入れしていきたいと思っております。
 こういった意味での防災、減災対策、きのうも、南海トラフの巨大地震関係のデータが出て、今再びこの防災、減災対策に都民の目は注目しているところでございます。来年度に向けまして、水道局長のこの防災、減災対策に向けました決意をお伺いいたしまして、私の意見とさせていただきます。
増子水道局長 水道局では、都民生活と首都東京の都市活動を支えるため、浄水場の更新、給水所や管路の耐震化、電力の自立化など、総合的な防災対策を進めております。
 これにより、地震のときでも蛇口から水が出るようにしていくことで、お客様に喜んでいただける水道を目指してまいります。
 また、震災対策や老朽化施設の更新など、大規模な財政需要を伴う事業の財源につきましては、大規模浄水場更新積立金などの対応を図っていくとともに、補助制度の拡充について、あらゆる機会をとらえ国に働きかけ、その実現を図ってまいります。
 事業、財政両面で、局を挙げて一丸となり、防災、減災に取り組んでまいります。

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