■公営企業委員会(交通局)
 平成25年03月15日(金曜日)

上野委員

まず、質問に入る前に、交通局の取り組みを評価するという思いで、一言お話をさせていただきたいと思います。
 今月の六日に、日暮里・舎人ライナーの西日暮里駅構内、こちらで知的障害者の方々が製造、販売するパン屋さん、グローリーの営業が始まりました。本当に障害者の方は大変喜んでいらっしゃった。きょうから頑張りますと、店員の元気な声が響いたということで、地元の荒川区選出の鈴木貫太郎委員からお話を伺って、大変に喜んでいるところでございます。
 都営交通の駅構内で障害者の方が働く店舗というのは、二〇〇八年に初めて都営浅草線大門駅にパンやスープなどを販売するトロア、これがオープンしてから今回で五店目ということを伺っております。しっかり都議会公明党、この点についてもいろんな代表、一般でも質問してきたところでございます。昨年も、鈴木委員の方から三月の公営企業委員会で、この日暮里・舎人ライナーの利便性向上、また、障害者の就労促進のための駅構内の店舗設置を提案してきたわけでございまして、これを受けてこのたび実現したものであり、こうした交通局のこれまでの取り組みに対しましても、心から敬意を表したいと思います。ありがとうございました。
 それでは、質問にこれから入っていきたいと思いますけれども、初めに、都営地下鉄のバリアフリー化、とりわけ、乗りかえ駅等へのエレベーター整備を中心に何点かお尋ねしていきたいと思います。
 交通局は、これまでホームから地上までのエレベーターなどを利用して移動できる、いわゆるワンルートの確保に積極的に取り組んでこられました。平成二十五年二月に発表されました経営計画二〇一三によりますと、平成二十五年度にすべての駅でのエレベーター等によるワンルートの確保を完了とのことでございます。
 この既存の駅に改めてエレベーターを設置するということは、私も建設局で、都の職員としていろんな構造物の設置とか苦労をしてまいりましたので、これはもう大変な思いでされたなと思います。いろんな新しいものをつくっていく中では、用地の確保も必要ですし、用地買収も大変な思いでされます。さらには、地下ですから埋設物なんかもありまして、これがまたふくそうして大変な状況です。こういったことの調整もやらなきゃいけない。また、上の方では交通量の多い幹線道路もあるという複雑な中を恐らく担当職員の方は大変な思いでここまでこられたと思います。
 この委員会で、私たちはこう苦労しましたと、こういったことをなかなかいえないでしょうから、きょうはそういったところの苦労話も、いろいろな困難な状況やそういったことも、どうぞ遠慮なくいっていただきたいと思います。部長よろしくお願いします。

遠藤建設工務部長

交通局は、これまで、さまざまな困難を乗り越えてワンルートの確保に取り組んでまいりました。お尋ねでございますけれども、まず用地に関してお話をさせていただきたいと思います。
 既存の駅にエレベーターを設置する、そのためには、駅の近隣に新たに用地を確保していく必要がございます。大抵その土地は、既成市街地の中にございます非常に希少な土地でございまして、取得に当たりましては、地権者の方の協力を得るまでに相当の労力と時間を要することが多々ございました。
 また、工事につきましても、道路の下の掘削を始めたところ、当初想定していた以上に埋設物がふくそうしている状況が明らかとなりまして、構造の変更を伴うような大規模な変更を余儀なくされたこともございました。これらに加えまして、地下鉄の運行に支障がないよう、かつ駅をご利用いただいているお客様の安全の確保にも十分に留意して工事を実施してきたわけでございます。このような困難を克服いたしまして、平成二十五年度に、すべての駅でのワンルート確保を達成する見通しを得ることとなりました。

上野委員

今のお話で、本当にほんの一部だと思うんですね。見えないところというのは、設計図どおりに入っていませんから、実際に掘ってみないとわからないということは結構ありまして、その設計変更が伴っていくということで大変な思いをされたと思います。そうしたお話をきょう都民の方も聞かれたら、本当にエレベーターの設置というのは簡単にできないんだなと、本当にありがたいなと、こういった思いになられることと思います。こうしたさまざまな困難な状況を乗り越えまして、平成二十五年度内にすべての駅でワンルート確保の見通しをつけたということを私は大いに評価したいと思います。
 経営計画二〇一三の中身の話に戻りますけれども、同計画によりますと、その中で、駅のバリアフリー化をより一層進めるため、他路線との乗りかえ駅などにおいてエレベーターを設置し、利便性の向上を図りますと、このように記載されておるわけでございます。そこで今回、他路線との乗りかえ駅などにエレベーターの整備を進めていくこととした方針の考え方について具体的にお尋ねいたします。

遠藤建設工務部長

交通局は、すべての人に優しい交通機関として、バリアフリー対策をこれまで以上に推進するなど、ハード、ソフトの両面で、より便利で快適な輸送サービスを提供する、また、都営交通ネットワークの活用や、他の交通事業者と連携したサービスを積極的に提供し、利用促進を図ることが重要と考えてございます。
 このような考え方に基づきまして、来年度から三カ年の新たな経営計画におきまして、すべての駅にワンルートが確保された後も、他路線との乗りかえ駅等におきましてエレベーターを整備し、さらなる駅のバリアフリー化を進め、より一層の利便性の向上を図ることといたしたものでございます。

上野委員

乗りかえ駅などにエレベーターを整備していく、基本的な考え方につきましては、今お話を伺い、理解することができました。それでは交通局は、今後三年間でどのような駅を対象にエレベーターを整備していくのかお尋ねいたします。

遠藤建設工務部長

都営地下鉄相互の乗りかえ駅、東京メトロなど他の鉄道駅との乗りかえ駅、バスなどの他の公共交通機関との接続駅の中には乗りかえ経路などにエレベーターが整備されていない駅がございます。このような駅では、例えば高齢者や障害者などの方が乗りかえの際に、ワンルート確保がされた経路を通りまして、一たん地上に出て乗りかえ先まで移動することになるわけでございます。そこに幹線道路や立体交差などがある場合には、道路の横断に遠回りを余儀なくされることになるわけでございます。このため新しい経営計画では、今後三年間のうち乗りかえ駅等におきまして、駅の利用実態やその駅を中心とする交通ネットワークの状況などを勘案いたしまして、高い改善効果が見込まれる駅を選定いたしまして、乗りかえ経路などにエレベーターを整備することといたしました。今後、駅の構造上設置が可能で、早期に改善を図る必要がある駅から順次整備を実施してまいります。

上野委員

どのような駅にエレベーターを設置するのかということで具体的なお話を伺いまして理解することができました。しかしながら、これまで都営地下鉄すべての駅でワンルート確保をするのにかなりの努力が必要だったことを考えれば、今後、乗りかえ駅等に新たなエレベーターを設置する際に、より一層の困難さが伴うことは大いに推察できるところでございます。そこで今後、新たなエレベーターを整備していくに当たりまして、どのような姿勢で取り組んでいかれるのか、この点についてまたお尋ねいたします。

遠藤建設工務部長

今回の計画に基づきまして、今後三年間で九つの駅について設計を実施いたしまして、このうち六つの駅につきまして平成二十七年度までに竣工を目指してまいります。
 また、その実施に当たりましては、これまでのワンルート整備におきまして蓄積してきました経験やノウハウなどを最大限生かすとともに、地元区や関係機関などとも十分連携しながら、計画の実現に全力で取り組んでまいります。

上野委員

ぜひとも、だれもが利用しやすい都営交通を目指しまして、引き続き全力でエレベーター整備を続けていただきたいと思います。
 ところで、昨年十一月の事務事業質疑においてもお話をしたところでございますけれども、確認の意味も含めまして、私の地元江戸川区は区内を東西に貫く都営新宿線と南北方向のバス路線が交通ネットワークを形成しております。中でも、都営新宿線一之江駅は、成田、羽田空港や東京ディズニーランド等を結ぶ高速バスも頻繁に発着するなど、交通の主要拠点となっているのであります。つまり地域の路線バスと連絡する他の駅とは単純には比較できないくらいの重要な駅となっているわけであります。
 さらに、この一之江駅の出入り口というのは、幅員の広い幹線道路である環状七号線、そこには立体道路もあるということで非常に幅が広くなっている。東西に分断されているということであります。片方にしかレベーターが整備されていないという非常に厳しい環境の中で皆さん利用されているわけです。
 このため、高齢者、障害者や空港などへ向かうトランクなど大きな荷物を持った利用者など多くの方々が、地上のバスの乗りかえ先に移動するのに、およそ四百メートルもの距離を迂回しなければならないなど、大変な不便や苦労を強いられているところであるということです。
 私は、このように地下鉄とバス路線とが連絡し、地域交通の主要拠点で、しかも多くの利用者が乗りかえの際、大変な不便を強いられているこの一之江駅、今後交通局が実施するエレベーターの整備対象とすべきであると、このように思っておりまして、ぜひとも新たな経営計画の中で実現していただくよう、強く要望して次の質問に入りたいと思います。
 公共交通機関では、安全性とともに快適性も求められますけれども、快適な移動という点においては、これまではバリアフリーなどの施設整備や冷暖房など物理的な快適性に重点が置かれてきたところであります。しかしながら昨今の情報化社会におきまして、こうした物理的な快適さのほか、移動中にスマートフォンなどの情報端末を利用する際の快適さといったものの関心が高まっているところであります。
 持ち歩くことのできる情報端末によってインターネットを利用することは日常化しております。東京の国際競争力の向上を図るためにも、移動時の通信環境の整備は必須であると思います。
 こうした観点から、幾つか質問をしてまいりたいと思います。
 交通局では、まずは携帯電話などの電波が届かない地下鉄から情報通信環境の整備を進めてきたと聞いております。そこで、これまでの都営地下鉄における情報通信環境の整備状況についてまずお尋ねいたします。

広瀬企画担当部長

都営地下鉄の駅構内では、携帯電話やスマートフォンが利用できる環境となってございます。加えて、パソコンなどでもインターネットを利用できるようWi―Fi環境の整備も完了しているところでございます。
 一方、トンネル内は、従来、携帯電話などを利用できませんでしたが、これを解消するため、平成二十三年度より地上と同様に電波を送受信するための設備の設置を進めてまいりました。その結果、昨年末までに、浅草線、三田線、新宿線の三線全線と大江戸線環状部で携帯電話やスマートフォンの利用が可能となっているところでございます。
 残る大江戸線放射部につきましては、今月末までに利用が可能となります。また、高速大容量の通信インフラでありますWiMAXにつきましても、必要な整備を終え、昨年末までに全線で利用が可能となったところでございます。

上野委員 今の答弁を聞きまして、地下鉄において着実に携帯電話やWi―Fiなどの情報通信環境が整備されてきたことがよくわかったわけでございます。私の周りからも、車内でメールを送信したり、訪問先の会社ホームページをチェックしたりできるようになり、便利になったとの声も聞かれております。
 駅や車内での時間を効率的に使えれば、特に通勤通学客にとりましては、毎日のことなので社会的な貢献は大きいものではないかと、このように思います。
 次に、都営バスにおける通信環境の整備について質問いたします。
 この点につきましては、我が党の加藤議員が、さきの本会議一般質問におきましてお尋ねし、先日の交通局の答弁では、都営地下鉄の駅構内に続き、都営バスでも車内のWi―Fi環境を整備していくとのことでありました。そこで、バスは地上を走るので、通常、携帯電話やスマートフォンでの電波はもともと届いているわけでありますけれども、今回、バスの車内にWi―Fiが整備されると、どのように便利になるのかお尋ねいたします。
土岐自動車部長 バスの車内にWi―Fiを整備することによりまして、スマートフォンやパソコンなど無線LANに対応した機器で動画などの大容量のデータを高速で通信することが可能となります。都営バスでは、今年度から、ホームページに、都バスでめぐる東京観光というサイトを立ち上げ、都内の観光スポットを結ぶバス路線を紹介しておりますが、このサービスでは、動画により観光スポットの最寄りの停留所に到着するまでの車窓風景や停留所からスポットまでの道順をわかりやすく紹介しております。
 バスの車内にWi―Fiを整備することによりまして、一つの例ではございますが、こうしたサービスを高速で快適に活用できることになることで、目的地まで迷わず行けるなど、お客様の利便性が一層向上するものと考えております。
上野委員 Wi―Fiによる通信ならば、対応した機器を用いて幅広い情報収集が可能になるということでありますが、国内では既に京都や福岡などの都市におきまして、観光施策の一環として公共施設等へのWi―Fi環境の整備を推進していると聞いております。
 そうした建物などの施設だけでなく、交通機関においても、Wi―Fi環境が整備されれば、移動中にも目的地の情報などを検索できて大変便利になると、こう思います。
 交通機関におけるWi―Fi環境は、現在は鉄道を中心に整備が進んでいるようでありますけれども、今後、路線バスの車内でもWi―Fi環境の整備が進んでいけば、移動中の情報端末の利用は一層便利になると思います。
 都営バスが新たに車内のWi―Fi環境を整備する際には、鉄道での場合と異なる事情もあるものと考えます。そこでバスの車内にWi―Fiを整備するに当たっての課題についてお尋ねいたします。
土岐自動車部長 バスの車内にWi―Fiを整備する際の課題でございますが、まず、技術面では、Wi―Fiで使用する電波とバスの運行管理に利用している電波が干渉して支障を生ずるおそれのあることが挙げられます。これにつきましては、本年二月、バス営業所におきまして実証実験を行い、Wi―Fiの周波数を調整することで解決できることが判明いたしました。
 次に、サービスの面では、通信速度や安定性など通信の質を確保することはもとより、より多くのユーザーにできるだけ利用しやすくすることも課題と考えております。
 いずれにいたしましても、バス車内のWi―Fi環境の整備につきましては、都バスとしては場所を提供するものでございまして、整備の主体は通信事業者であることから、今後、通信事業者と調整を行いながら本事業を推進してまいりたいと考えております。
上野委員 バス車内のWi―Fi環境整備を進めていくにはさまざまな課題があるというお話でございました。今後、そうした課題を解決していくには通信事業者との調整も必要になると考えます。利用者の期待にこたえるためにも、便利で使いやすいものを早期に導入していただきたいと思います。そこで今後、バス車内のWi―Fi導入推進の取り組みについてお尋ねいたします。
土岐自動車部長 バスの車内にWi―Fiを整備していくに当たりましては、今後、事業者の選定を行うことになりますが、選定に当たりましては、先ほど課題として挙げました通信の質などのほか、整備に要する期間や設置に当たっての条件なども考慮してまいりたいと考えております。今後の進め方につきましては、平成二十五年度から、まずは渋谷から六本木を経由し、新橋を結ぶ都01系統など、お客様の多いバス路線から導入していきたいと考えており、できるだけ早期にWi―Fiの導入を進めてまいります。
上野委員 今日、情報端末によるインターネットの利用は急速な広がりを見せております。さまざまな手段や媒体で情報取得を可能にすることは、都市の持つべき機能として必要であります。
 今回、都営バス車内にWi―Fi環境を整備することで、都内を移動する人のインターネット通信環境の向上に都営交通が大きな役割を果たすと考えます。ぜひ着実に進めていただくよう願うものでございます。
 今年度の最後の質問の中で、公明党は私が質問ということでございまして―交通局が本当にこれまで一生懸命取り組んでこられて、利用者の安全・安心、そして利便性の向上、質の高いサービス、これを推進していくということとともに、一方では、その経営の効率化を進めていかなければならないという大変な困難さを乗り越えながら進めてこられているわけでありまして、来年度におきましても、さらに局長を先頭に、交通局、頑張っていらっしゃると思いますけれども、突然ではございますけれども、局長、来年度に向けての本当に率直な思いというものを込めての決意を、鈴木委員とともどもに代表してお聞かせを願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
中村交通局長 先ほど、日暮里・舎人ライナーの障害者の店舗の話もございました。我々交通機関としては、すべての人に優しい交通機関でありたいというふうに思っております。その中ではやはりお客様がまず第一であるという考えのもとにおいて、それと同時に、お客様が何を望んでいるのか、それはやっぱり安全・安心ということでございますので、それに力を入れていきたい。
 そして今、それぞれの時代が進む中で、お客様のニーズも変わってまいりますので、そこの中では、上野副委員長のお話にありましたようにWi―Fi関係、情報通信とか、時代の変化も見据えたサービスをしていかなければならないというふうに考えております。
 このようなサービス、あるいは安全・安心の確保の土台というものは、やはり財務基盤にあると、財政基盤にあるというふうに考えてございます。これをおろそかにすると、お客様への安全・安心の確保も迅速にできなくなる。これは今はちゃんとやっていると思いますけど、できなくなる可能性もありますので、やはりそこのところはきちんと見据えた形で、経営の健全化も進めていきたいというふうに考えております。
 今回、経営計画三カ年、新しいものをつくりましたので、ここの考えのもとに計画がつくられておりますので、この考えのもとに、計画の執行を全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

前のページへ戻る



Copyright(C) Kazuhiko Ueno All Rights Reserved.