■公営企業委員会(交通局、下水道局)
 平成24年11月15日(木曜日)
 事務事業について(質疑)

桜井委員長 これより交通局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
上野委員

私からは、初めに、都営地下鉄のバリアフリー化、中でもエレベーター整備について、何点か質問いたしたいと思います。

交通局は、平成十二年十一月に施行されました交通バリアフリー法に基づきまして、都営地下鉄のすべての駅に、ホームから地上までエレベーターなどを利用して移動できる、いわゆるワンルートの確保達成に向けて、これまで積極的に整備を進めてきたところでございます。

そこで、間もなく都営地下鉄のワンルート確保が達成されると聞いておりますけれども、これまでの取り組み状況について、まず初めにお尋ねいたします。

遠藤建設工務部長

交通局では、だれもが利用しやすい公共交通機関を目指して、これまで駅のバリアフリー化に積極的に取り組んでまいりました。

副委員長からお話ございましたように、平成十二年の、いわゆる交通バリアフリー法の制定を契機といたしまして、より一層、エレベーターの整備に努めることといたしまして、これまで、エレベーターなどを利用してホームから地上までを移動することができるワンルートの確保に取り組んでまいりました。

その結果、新宿線と大江戸線につきましては、既に、すべての駅でワンルートの確保を完了しておりまして、浅草線、三田線について、合わせて五つの駅で現在エレベーターの設置工事を進めてございます。

上野委員

あと少しで、すべての駅にワンルートが確保されるとのことでございます。ここまで来るには、用地の確保や、また、交通量が多い幹線道路での工事とか、さまざま数多くの困難がある中でのすべての駅へのエレベーター設置という目途をつけたということですので、こういった交通局のこれまでの努力に対しましては高く評価するところでございます。

ワンルートは一〇〇%確保される見通しが立ったということで、エレベーター整備はいよいよ新たな段階を迎えることになるわけでございます。都営地下鉄の駅の中には、ワンルートが確保されてはいてもなお、乗りかえ経路がバリアフリー化されていなかったり、あるいは経路が長くなって遠回りを余儀なくされていると、こういうようなところが、まだ幾つもの課題を抱えているわけでございます。こうした利用不便な駅というのは、まだまだあるわけであります。

そこで、交通局は、このワンルート確保後は、こうした利用が不便な駅に対しまして、エレベーターを優先して整備していくべきと考えますが、今後のエレベーター整備のあり方について見解を求めます。

遠藤建設工務部長

ワンルートの確保がすべての駅におきまして達成された後も、乗りかえ駅など一部におきまして、乗りかえ経路がバリアフリー化されていないために、利用が不便な駅が残るということを私ども課題として把握してございます。

このため、今後は、乗りかえ駅などにおきまして引き続きエレベーターの整備に努めていくことが重要であると、このように認識してございます。

上野委員

ただいまの答弁の中で、今後は、乗りかえ駅などにおいて引き続きエレベーターの整備に努めていくということでございますが、実は、私の地元の江戸川区に都営新宿線一之江駅というのがございます。ここは、駅の出入り口が環状七号線の幹線道路によって二カ所に分断されているわけであります。

そのため、バスの乗りかえ先まで行くのに、高齢者や障害者の方が、いわゆるワンルートを利用して上に上がるしかないものですから、ワンルートを使って上に上がっていって地上に出て、そして、その乗りかえ場所まで行くのに、実は、そこは環状七号線が、別の幹線道路との陸橋がある、中央に陸橋があるんですね。そうすると、幹線道路そのものがえらい幅が広い。そうした中で、高齢者、障害者の方が、そこを渡らなきゃならない。もう本当に命がけで渡っているといわれていました、その方は。途中でとまらないといけないというのです、渡り切れないものですから。そしてまた、幹線道路ですから、大体二分ぐらいは、また、ずっと待って、そしてまた青になって、次のところへ行ってやっと渡れると。そういったところで、そういうところに向かいながらやっていくということに対して、利用者の方、また地元の町会の方からも、何とかスムーズに乗りかえできるようなエレベーターをこちらの出口にもつけてもらいたいと、こういった要望を強く受けているわけであります。

そこで今後、乗りかえ駅などにおいて、どのように改善を図っていくのか、より具体的にご説明していただきたいと思います。

遠藤建設工務部長

より具体的な改善の方法についてというお尋ねでございますけれども、例えば、乗りかえ先までの連絡経路が階段だけとなっているようなケースでは、お年寄りの方や体の不自由なお客様は、ワンルートが確保された地上までの経路を通りまして、一たん地上へ出て、乗りかえ先まで移動していただくということが余儀なくされるわけでございます。

このようなケースにおきまして、連絡経路にエレベーターを整備することによりまして、お客様が長距離を移動したり、また、地上を迂回したりすることなく、スムーズに乗りかえができるよう改善を図っていく、このようなことなどを念頭に置いて考えてございます。

今後、駅の利用の実態や、その駅を中心とする交通ネットワークの状況、さらには、駅施設の構造上の課題などを勘案しながら整備を進めてまいります。

上野委員

今の答弁で、階段だけという表現されましたけれども、階段だけなんですか。エスカレーターのみとか、それは含まないんですか。もう一度、答弁、よくわからない。

遠藤建設工務部長

ちょっと答弁をはしょってしまいました。

階段だけとなっているケース、あるいは階段とエスカレーターが並んで設置されているようなケース、両方をあわせてというふうに考えてございます。

上野委員

階段だけと、エスカレーターがあると、えらい違いですよ。答弁をはしょっていたという、そんなことでいいんですか。おかしいじゃないですか。もう少し答弁を慎重にしてもらいたい。階段だけと、エスカレーターがあるのと、えらい違いだということ、だれが聞いてもわかりますよ。

これまでの答弁で、交通局は、今後、新たなエレベーターの整備方針によって、こういった、現時点で利用が不便な駅についても引き続きエレベーターを整備していくということでございます。ぜひとも、その取り組みを、より一層推進していただきまして、だれもが利用しやすい都営地下鉄を目指していただくよう大いに期待しておりますので、局長、よろしくお願いしますね。

次に、都営バスのバリアフリー対策について質問いたします。

バスは、上下の移動が必要な地下鉄などに比べ、高齢者や障害者を初め、だれでも利用しやすい交通機関であります。平成二十四年の区部の年齢人口によりますと、区部全体の六十五歳以上の老年人口は二〇・五%となっており、確実に高齢者人口はふえております。こうした状況を踏まえますと、バスのバリアフリー対策の必要性は、ますます高まっていると思います。

そこでまず、これまでの都営バスにおけるバリアフリー対策の取り組み状況についてお尋ねいたします。

土岐自動車部長

都営バスでは、バリアフリー対策といたしまして、平成十一年度から更新する車両をノンステップバスとしており、今年度中には、すべての車両のノンステップ化を完了いたします。

また、停留所の上屋やベンチの増設のほか、お客様が乗りおりしやすいよう、バスの乗降口と停留所のガードレール開口部のずれを改修しております。

一方、こうしたハード面の対策とともに、すべての営業所に、車いすや高齢者疑似体験器具、この器具は、視野が狭く見えにくくなるような眼鏡とか、また、体の動きを制限するために足に巻くサポーターなどでございますが、こうしたものを配置いたしまして、職員に対してバリアフリーについての研修を実施することで、高齢者や障害者に対する理解促進等ソフト面での対応力の向上を図っております。

上野委員

今年度にすべての車両がノンステップ化されるということは、交通バリアフリー法基本方針の平成三十二年度までに七〇%という目標を大きく上回るということになりますので、その交通局の取り組みについては、私は高く評価したいと思います。

こうしたハード面の整備とともに、ソフト面での対応も十分重要であります。乗務員の方の大半は、親切丁寧な応対をされていると思いますけれども、中には、不愉快な思いを感じたと、こういったことも聞こえてくるわけであります。また、乗りおりしやすいように、停留所へ真っすぐとまってほしいなど、高齢者、障害者の方々の要望も多いと思います。こうした要望や意見をしっかりと聞き、事業に取り入れていくということが大切であります。

そこで、高齢者、障害者の要望などをどのように生かしているのかお尋ねいたします。

土岐自動車部長

都営バスでは、日々現場でさまざまなお客様の声をいただいておりますほか、局のホームページや電話、手紙などでもお客様からの声をお受けしております。

さらに、地元自治体主催の高齢者や障害者の方を含め構成されるバリアフリー協議会などに参加し、職員が直接ご意見やご要望を伺っております。

こうしたご要望を踏まえまして、お客様と乗務員とのコミュニケーションの手段の一つとして、すべてのバス車両に筆談具を配置したり、車いすを利用する方がバスに乗車する際、短時間で固定ベルトが装着できるよう改良を施すなど、実現可能なものから順次、サービス改善を図っております。

また、昨年度は、これらの取り組みをまとめたパンフレットを作成し、広く周知を図ったところでございます。

上野委員

実際にバスを利用する高齢者、障害者の方が気持ちよくバスを利用するためには、現場での配慮や対応というのが極めて重要でございます。これまでも接遇向上には努力されていると思いますが、高齢者や障害者の方への対応も含めたサービス向上が一層求められていると思います。

そこで、接遇向上のための乗務員教育の取り組みについてお尋ねいたします。

土岐自動車部長

都営バスでは、乗務員研修や添乗指導などを通じまして、乗務員教育に取り組んでおります。

接遇の向上につきましては、採用時及び五年ごとの研修所における集合研修のほか、営業所におきましても、毎年、研修を実施しております。

営業所の研修では、高齢者や障害者の方への理解と介助のノウハウを習得するため、車いすを利用される方への対応の訓練などを行っており、昨年度は、その対応方法を解説した教材を作成し、研修の充実を図っております。

さらに、運行管理者によるバスの添乗につきまして、車内マイクの活用など、接遇に関する指導項目をより具体化し、きめの細かい指導、教育に努めております。

今後とも、こうした取り組みによりまして、引き続き、接遇の向上を図ってまいります。

上野委員

現場での乗務員の接遇についても、しっかりと対応されているということで安心いたしました。少しでも利用者からの苦情がないように、だれもが安心し、快く利用できるよう、引き続き利用者サービスの向上に努力していただきたいと思います。

都営バスではこれまでも、さまざまな工夫やPR、こういったことによりまして、新たな需要の創出、これに努力されてきていると思いますが、今後は高齢化が進む中で、バスの利便性が高まれば大いに外出したいと、そしてまた、さまざまな施設でサークル活動やボランティア活動に参加したいと、こういう元気な高齢者の方々がふえているわけであります。こうした高齢者の方々が潜在している、その需要というものをいかに取り込むか、これが、これから都営バスの利用者をふやしていくためには、非常に、大事な大事な大きな課題だと、このように思っております。

だから、今需要が少ないからここは減らそうとか、そうじゃなくて、そういう潜在的な需要が、地域の中に実は隠れてあるんだ。そういった地域に、いろいろなサービスをしながら需要をふやしていくということが、今後大事だということをいっているんです。

そこで、都営バスは、今後、潜在している高齢者需要など、新たな地域のニーズにこたえていくべきであると考えますが、見解を求めます。

太田バス事業
経営改善担当部長

都営バスではこれまでも、大規模な再開発や鉄道等の開業など、乗客潮流の変化を的確に把握し、需要に見合った路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。

具体的には、大規模住宅や集客施設等と鉄道駅を結ぶ路線など、需要が高まっている路線の増便等を行う一方、代替交通が確保され、利用者の少ない路線については減便等を行うなど、公共交通ネットワーク全体の利便性、効率性が高まるよう見直しを行っております。

今後とも、ご指摘の高齢者需要など、地域のニーズも踏まえつつ、新たな需要の動向を見きわめながら適切に対応してまいります。

上野委員

高齢化社会を迎えるに当たりまして、地域の足としてのバスというのは、ますます重要な役割を担っていくということでございます。その中で、高齢者の運行要請に合わせて動いていくという、いわゆるデマンドバスというのがありますけれども、まさに、この地域の需要というのをきめ細かく取り込む、こういったバスが走ることによりまして、ふだん外出できなかった方も外出が可能になってきたと。こういう新たな需要が生まれたという話が、私のところでも聞いているところであります。

先日も、NHKのラジオ放送を聞いておりまして、そのデマンドバスを採用したまちの話が話題になっておりました。そこでは、サークル活動に参加する高齢者が、このデマンドバスを利用することで、実は、利用者が三割もふえたというんですね。そして、これまたすごいなと思ったのは、高齢者の健康維持にも貢献していると。要するに、大いに外出していくものですから、体も元気になってくるということで、これまで入院が多かった高齢者も、通院へと切りかえていっている。これによりまして、結果として医療費の削減にもつながっていると、こういった話もあったわけでございます。こうしたバスは、都営バスの役割とはちょっと違うかもわかりませんけれども、高齢者の潜在的な需要を取り込む一つの事例ということでご紹介いたしました。

都営バスの収支は大変厳しいです。だからこそ、潜在的な新たな需要を創出する必要があると思っております。収支改善を進めながら、地域の細かいニーズに配慮して、高齢社会における公共交通機関としての役割を果たしていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

桜井委員長 これより下水道局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
上野委員

私からは、下水道施設の耐水化について質問したいと思います。

津波や豪雨による浸水で東京の都市機能が長期にわたって麻痺するような事態になれば、都民生活に多大な影響を与えるだけではなくて、世界経済にも深刻な影響を及ぼしかねないわけであります。

そうした浸水被害からまちを守り、そして東京の安心・安全の向上のために、これまで下水道局は、大変な思いをしながら下水道の普及率向上に、努力、また取り組んでこられたわけでございまして、その結果、今や東京の地下には雨水を集める下水道管が縦横に張りめぐらされていると、こういうふうなところまで来たわけでございまして、そのご尽力に対しましては、私は高く評価しているところでございます。

さて、東京の地勢というのは、東西に細長く開けております。西部の山地、また中央部の丘陵地、台地、そして東部の低地と、大きく三つに分けられていくわけでございますけれども、浸水被害の大きな違いは、西部、中央部の地域というのは、浸水しても数時間たっていけば水は引いていく。しかし、東部地帯は、地形がいわばなべ底状態になっているわけですので、一たん浸水被害を受けると水はたまる一方で、だからこそポンプで排水していくというのが極めて重要になっていくわけでございます。

その東部低地帯には、約百二十四平方キロメートルの地域に、現在約百五十万人の人々が生活しておりますが、明治四十三年の東京大水害や大正六年の高潮大水害、昭和二十二年のカスリーン台風など、過去に甚大な浸水被害を何度も受けているわけであります。

このように、常に水害の危険性にさらされている東部低地帯では、雨水などが下水道局のポンプ所などで日夜排水されることで都市の安全性が保たれているわけであります。すなわち、東部低地帯にとって下水道施設は、命と財産を守る不可欠の施設ということであります。

したがって、例えば、大規模水害などが発生したとしても、このポンプ機能は必ず確保できると、そうした施設の耐水化を進めるということが極めて重要であります。

そこで、下水道施設の耐水化に向けて、ポンプ機能を浸水から守る対策の取り組みについてお尋ねいたします。

渡辺施設管理部長

下水道の重要な役割であります雨水などの排水機能を確保するためには、ポンプなどを動かすための水に弱い電気設備を浸水させないことが必要です。

その対策としては、ポンプ所などの建物には下水中に含まれるごみなどを搬出する出入り口など大きな開口部があるため、これらから水が侵入しないよう防水扉や止水板を設置することや、電気設備を高い位置に配置し浸水から守ることが考えられます。

上野委員

耐水化の対策として、防水扉の設置などがあるとのことです。もともとポンプを動かすための電気設備は水に弱いことなどは、以前からわかっていることでございます。

そこで、これら耐水化について、既に取り組んでいると聞いておりますが、どの程度まで対策を行っているのか説明願います。

渡辺施設管理部長

これまで、平成十二年九月に発生しました一時間一一四ミリの東海豪雨規模の大雨が東京に降った場合を想定した最大の浸水高さに基づき、防水扉などの設置や電気設備を高く配置するなど、下水道施設の耐水化に取り組んでまいりました。

これらの対策は、平成二十一年度までに完了させ、豪雨に伴う浸水に対する安全性を確保しております。

上野委員

東海豪雨規模を想定した施設の耐水化は、既に完了しているということであります。

一方で、東日本大震災において、東京湾に押し寄せた津波は、従来の想定を上回るものでありました。

こうしたことを受け、都では、学識経験者や下水道局、建設局、港湾局の関係局から成る地震・津波に伴う水害対策技術検証委員会を設置し、東京の沿岸部や低地帯における河川、海岸保全、下水道の各施設の耐震、耐水対策のあり方について検討を進めてきたところでございます。

ことし八月に、学識経験者から提言を受けるとともに、今後の対策の基本方針が示されました。

そこで、この基本方針における下水道施設の耐水化の取り組みについて、わかりやすく具体的に説明していただきます。

黒住計画調整部長

地震、津波に伴う水害対策に関する都の基本方針では、下水道施設の耐水対策につきまして、ポンプ所や水再生センターは、堤防や水門等により守られているなどの立地条件を踏まえ、万が一堤防の損傷などにより津波による浸水が発生しても早期に排水できる機能を確保するため、開口部や出入り口の水密化などの対策を実施することとしております。

具体的には、まず、最大津波高さよりも地盤高が低い施設を選定いたします。その上で、既に対策を完了しております東海豪雨を想定した浸水高さと最大津波高さを比較し、最大津波高さの方が高い施設につきまして、開口部の水密化などの対策を追加して実施し、建物内の水に弱い電気設備などの浸水を防止してまいります。

上野委員

基本方針では、津波による浸水が発生しても排水できる機能を確保するために水密化等を実施するとのことでありますが、新聞やテレビなどで報道されるように、南海トラフ巨大地震などがいつ発生してもおかしくない状況の中、早急な取り組みが求められております。

これら地震、津波による水害対策については、その具体化に向けまして年内に整備計画を策定すると聞いております。

そこで、整備計画の策定を含め、迅速に下水道施設の耐水化の取り組みを進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

黒住計画調整部長

ポンプ所や水再生センターについて、万が一地震により堤防などが損傷し、津波による浸水が発生した場合でも排水機能を確保するため、耐水対策のレベルアップを図ってまいります。

既にすべての施設を対象とした詳細な調査、点検を実施しており、一たび浸水すると影響が大きい東部低地など地盤の低い地域等への優先度を考慮し、整備計画を年内に策定し、緊急性の高い施設につきましては今年度から直ちに対策を実施するなど迅速に対応してまいります。

上野委員

ご答弁にもありましたように、下水道施設の耐水化については、東京都防災会議で示された最大津波高さに基づき対策を施すと。その際は、東部低地帯など地盤の低い地域等への優先度も考慮した上で、緊急性の高い施設については今年度から直ちに対策を実施するということでございます。そうした下水道局の迅速な対応というのは、私は高く評価したいと思っております。

ところで、基本方針では、堤防や排水機場などの河川施設、これは建設局の分野でございますが、あと港湾局の方での防潮堤や水門などの海岸保全施設は、津波を上回る高潮の高さをもとに必要な対策を講じることとしているわけですね。

そこで、確認の意味でお尋ねをしたいと思いますけれども、下水道局が対応しているという最大津波高というのはどのぐらいの高さなのか、また河川施設、海岸保全施設の対応している高潮高さというのはどのくらいあるのか、その違いをちょっとここでもう一度確認したいということで質問させていただきますが、お答え願います。

黒住計画調整部長

まず、最大津波高さでございますけれども、東京都防災会議が示しました想定では、東京湾の平均海面の高さより二・六一メートル高い高さが最大の津波高さとしております。

それから、高潮高さでございますけれども、高潮高さも地域により若干異なりますが、一般的には、東京湾の平均海面の高さより四メートル高い高さだと認識しております。

上野委員

今のようにいわれまして、いわゆる東日本大震災のときに、イメージとして、非常に津波というのが怖いというイメージがあって、その意味では、津波がどれだけ東京にとって怖いのかといったときに、識者の方々からいわせれば、先ほどいったような、それほど高いものは来ないですねと。たとえ直下型の大地震のような大きなものが来て、地盤が東日本大震災みたいに沈下するようなことがあったとしても、今の護岸の高さ、防潮堤の高さからすれば、津波の高さは大丈夫ですねと、こう識者の方がいわれています。

一部壊れることもあるでしょうけれども、致命的な破壊というのは、これだけ東京都が一生懸命耐震対策やった場合は考えにくいというふうな話がある中で、実は、群馬大学の片田教授のお話を聞いて、本当に私も目が覚めるような、また認識を改めるような思いになったわけですけれども、東部低地帯において最も怖いのはやはり台風ですよと。地震の来る頻度と台風による被害の頻度というと、はるかに台風、それから高潮被害の方が件数は多いんですと。だから、東部低地帯にとって一番取り組まなきゃならないのは高潮対策なんだと。

そこで、その片田教授が強調されていたのは、これまでのような考え方をしちゃできませんよと。あの三・一一以降変えなきゃいけない、考え方も。

地球温暖化の中で、台風は巨大化しているんですよと。数は少なくなったとしても、これまで赤道付近で台風は発生していた。だけれども、この地球温暖化の中で、海面とそしてその上空の温度が同じぐらいになってしまって、赤道のところでは台風が発生しなくなった。気流が発生しない。それで海面の温度というのはだんだん北の方で高くなってきて、上空の温度は北の方に行くに従って低くなっていると。そこで片田教授がいわれるのは、今や直下型台風なんですといわれています。

台風の発生というのが、日本の直下、首都の直下、この近くのところで気流が激しくなって、突然あらわれてきて、そして台風そのものが一気に巨大化していく。ことしもそうでしたけれども、わずか数時間の間にぐんと大きくなって、そしてその勢いで日本にどおんと来る。

二年前でしたか、台湾でもすごい台風が、二日間で二八〇〇ミリメートル降らすような台風が来た。あれは向こうに行ったけれども、ああいう台風というのが直下で起こって、日本にそのまま勢力を保持した状態でどおんと来る。過去は勢力が赤道から近づくに従って弱ってきた。だけれども、今は大きくなって入ってくるから、これに気をつけなきゃならないんだと。

 ここが今非常に大事になっているわけでありまして、この高潮に対してどうするか。一番怖いといわれるのは、複合災害といわれていました。やはり地震によって、致命的な破壊しなくても一部を破壊されたときに、津波は防げたとしても、そのときもしも巨大台風が来たときには高潮が来るんだと。

復旧はそんなにすぐはできない。物すごい破壊力を持った台風、しかも高潮で、相当な高い潮でやってきたときには、荒川や江戸川の上流で決壊したそうした水、いわゆる大規模水害といわれますけれども、それは限られた水量が入ってくる。だけれども、海からの水は無尽蔵に入ってくるんですと。同じ高さまでどんどん入ってくるのが高潮の怖さなんですと。ここが一番大事なんだと。私もそのとおりだと思いました。

津波高さよりも高潮、その高潮というのが、その施設によって水の高さを変えて入ってくるわけじゃありません。当然にその海面と同じ高さまでどおんと、ずうっと入ってくるわけです。そうした中で、この東部低地帯はどうすればいいかということを考えなきゃいけないよと。

そういう意味でも、話長くなりますので、下水道施設においても高潮への対応を考慮した対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。

黒住計画調整部長

都の基本方針では、下水道施設については、堤防や水門等に守られているなどの立地条件を踏まえ、万が一津波による浸水が発生しても、早期に排水できる機能を確保するための対策を実施することとしております。

このため、開口部の水密化などの耐水化は、津波による浸水への対応を早急に行うこととし、高潮への対応につきましては、河川施設、海岸保全施設、下水道施設の役割分担や施設の数が多いことなど下水道施設の特性を踏まえるとともに、水門等の耐震対策の進捗状況などを勘案しつつ、検討してまいります。

上野委員

最後になりますけれども、下水道局はこれまでも、先ほど話ありましたように、都民の暮らし、安心・安全のために、温暖化対策とか、あるいは老朽化対策のための再構築、また災害対策など、本当に精力的に取り組んでこられました。

きょうは、事務事業、下水道局長も局長になられて初めての事務事業ということで、小川局長は最初の入都が下水道局ということで、こよなく下水道局を愛され、また、これまでも大いにその発展に貢献された局長でもございますので、ここで、突然ではありますけれども、局長の下水道を愛し親しまれる、これを都民にもぜひとも伝えていただいて、その決意というのを述べていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

小川下水道局長

いうまでもありませんが、下水道にとりましては、浸水から都市を守るというのが基本的な重要な役割の一つでありますし、先ほど来ご指摘もいただいておりますとおり、都民の安全・安心を守るというのは非常に重要な課題だと思っておりまして、これらの役割をきちんと果たすために、浸水対策はもちろんのこと、震災対策、あるいは老朽化施設の再構築など全力を尽くしていく覚悟でございます。

また、こういった役割を十全に果たすためには、下水道事業単独では何事もうまくいきませんで、やはり関連する事業との連携、協力も必要でございます。

先ほど来ご質問がありました高潮対策につきましても、海岸施設の事業、あるいは河川事業と十分連携、整合を図りまして、これらと一体となりまして、首都東京の全体としての安全対策に貢献してまいりたいと思っています。どうぞよろしくご指導のほどお願いいたします。


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