■財政委員会(財務局)
  平成23年06月28日(火曜日)

上野委員 東日本大震災の発生から三カ月以上が経過したわけでございますが、被災地では、今なお十万人の方が避難所暮らし、また、五月までに三万戸建設すると約束した仮設住宅の建設もおくれております。遅々として進まない災害破損物処理など、被災地の本格復興には、まだまだ多くの困難が横たわっている、これが現状であります。
被災地支援には、現地のニーズを踏まえた対策を機動的に実施していくことが何より重要であります。こうした認識のもと、都議会公明党はこれまで、現地へ何回かに分けて視察団を派遣して被災状況というものを調査するとともに、被災者の方々の声を踏まえまして、さまざまな要望を石原知事に行ってきたところでございます。
そうした中、都は発災直後から、この間、我が党の要望も踏まえながら、財務局を初めオール都庁総力を挙げて、被災者、被災地支援を実施してきております。このことを私は高く評価していきたい、このように思っているところでございます。
都議会公明党の現地視察団の一員としまして、私も五月十九、二十、二十一と三日間、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸、女川、石巻、多賀城、名取、閖上等、こういった被災地を地盤工学の専門的な見地から調査してきたわけでございまして、今回の調査で、本当に津波の破壊力の強さというのを目の当たりにいたしましたし、また、津波が来る前に大規模な液状化が発生しているということ、これがよくわかりました。
例えば、陸前高田港の世界に誇る防波堤、これが津波で破壊されたように報道されておりますけれども、実は、長い地震動によって、液状化でこの防波堤が沈下して不安定な構造のところに、あの破壊力を持った津波というのが襲ってきたと。そこでもろくも破壊されていった、こういったこともいわれておりますけれども、そのことがよく現場でわかりました。本当に液状化はすごい。
そしてまた、津波の破壊力のすごさというのは、技術者の方だったらよくわかりますけれども、護岸というのがブロックで、そのつなぎ目のところが本来は弱い。ところが、その護岸のブロックが真ん中あたりから剪断破壊している。これは、要するにハンマーでたたいたような破壊をされているという、これを目の当たりにして、本当に津波の怖さというか強さ、破壊力、こういうことを実感したわけでございまして、そうした津波等で、地震で大変な被害を受けられたんだと。こうした現地の被災状況、これをテレビ報道で見るよりもはるかにすさまじい、想像を絶するものがあったわけでございます。
そうした被災地の状況から見ても、私は、今後とも、東京だからこそできる支援を継続していくことが首都東京の責務であると考えるところでございます。
さて、先日発表されました東京緊急対策二〇一一には、質、量とも、他の自治体を凌駕する被災地支援策が盛り込まれているわけでございますが、本日はその中から、現在提案されている補正予算案の財源ともなっております震災復興宝くじについて、幾つか質問をしていきたいと思います。
まず初めに、過去に、震災復興のための宝くじとしてどのようなものが発売されたのか、このことをお伺いいたします。
長谷川主計部長 復興宝くじは、過去二回、全国くじとして発売しております。 第一回目は、平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災の復興のために発売されまして、二百十六億円の売り上げで約百億円の収益金が被災地の復興事業に充てられております。
第二回目は、平成十六年十月に発生した新潟県中越大震災の復興のために発売されておりまして、百億円の売り上げで約四十二億円の収益金が復興事業に充てられております。
今回、都が発売を予定しております東日本大震災復興東京都宝くじは、過去二回の復興くじとは違いまして、全国ではなくて都内のみでの発売ということになりまして、一自治体の地域のみで震災復興宝くじを発売するというのは、全国で初めてということになります。
上野委員 宝くじが、過去においても震災復興の財源として有効に活用されているということでございますが、今回都が発売を予定している震災復興宝くじは、全国で初めて、一自治体の地域のみで発売されるとのことでございますけれども、その内容についてお伺いいたします。
長谷川主計部長 今回発行いたします震災復興東京都宝くじでございますが、東京都が、今回の東日本大震災で災害救助法が適用された宮城県を初めとする十一団体と共同して、都内で発売するというものでございます。
本来、東京都が発売団体となる都域での宝くじに、被災地の自治体を発売団体として今回は加えまして、可能な限り収益金を被災自治体に還元することで被災地の復旧、復興を支援するものでございます。
具体的には、もともと八月から九月にかけて発売を予定しておりました東京都宝くじ五回分の発売額十七億五千万円を二十五億円に増額して震災復興宝くじを発売いたしまして、当せん金や経費を除きました収益金十億五千万円のうちのほとんど、十億円を被災状況に応じて東京都以外の被災地に配分するという予定でございます。
上野委員 国の補助金と異なりまして、使途の自由度も高い宝くじの収益金は、被災団体にとっては活用の幅が大きいということから、非常にありがたいことと思います。
一方で、阪神・淡路や新潟県中越地震の際と同様、全国版の東日本大震災復興宝くじが発売されると聞いております。
そこで、東京都版には全国版と比べてどのような特徴があるのか、これについてお伺いします。
長谷川主計部長 今回、お話のとおり、全国くじとしても震災復興宝くじを発行するという予定でございますが、こちらの方は発売額三百億円で、七月三十日から八月九日まで発売される予定でございます。
発売団体は、東京都版の復興宝くじと同じ被災自治体でございますけれども、同じく災害救助法上の被災団体ということにはなっておりますが、東京都は発売団体になることについては辞退しておりまして、その収益金は、東京都以外の被災団体で配分するということにしております。
これに対しまして、東京都版の復興宝くじは、本来は都のための発売額、いわゆるそのマーケットを被災団体のために提供しているということが大きな特徴でございまして、全国で唯一、単独で宝くじを発売している東京都だからこそ、発売を企画して表明し、実施につなげることができたというものでございます。
また、都と被災団体との共同発売という形をとることで、東京都が発売に必要な事務を全面的に担うということで、被災団体の事務負担なくして、復旧、復興作業に専念しながら発売ができるというメリットもございます。
上野委員 ご答弁を聞いておりますと、本当にすばらしいことをやったなと、このように思います。
今回のスキームは、被災団体が復旧、復興に追われる中、事務負担を都が肩がわりした上、多額の収益金を被災団体に配分する、こういう非常に被災地への配慮にあふれたものとなっているわけでございます。
それでは、次に、今回のスキームで都が受け取る宝くじ収入が、補正予算のうちどのような事業に充当されているのか、お伺いいたします。
長谷川主計部長 先ほど理事がお話しのとおり、宝くじの収益金は使途が特定されないということもございまして、そういう意味で、被災地の団体が受け取る分について非常に有効に活用できるという面があると思いますが、今お尋ねの、今回の復興宝くじの収益金のうち東京都が受け取る分、これにつきましても、全額を都が実施する被災地支援事業の財源に充当するという考えでおります。
今回の補正予算では、具体的には、産業労働局におきまして、この復興宝くじの収入を財源といたしまして、被災地の観光振興のために都内旅行事業者が行います、岩手、宮城、福島の被災三県などを目的地とする被災地応援ツアーに対しまして、旅行代金の一部を助成するという事業に新たに取り組むこととしております。
上野委員 これまで伺ってきたとおり、本年夏に発行する復興宝くじでは、都が事務負担を肩がわりして、十億円の収益金を被災地に配分することにとどまらず、都の受け取る収益金も被災地のために使うということであって、いってみれば収益金の全額が被災地支援に充てられると、こういうことでございます。
その意味では、宝くじという夢を買うと同時に、被災地支援に協力したいという都民の思いにかなったものでありまして、大いに評価できるものでございます。
一方で、近年は宝くじの売り上げが苦戦しているということを耳にいたします。被災地支援を確実に実施していくためにも、計画どおり宝くじを売り上げることが、これまでにも増して重要でございますので、私も必ず購入したい、このように思っているところでございます。周りにも、この宝くじをアピールしていきたいと思いますので、都としても、局長を先頭に、ぜひ購入していただいて、しっかりと販売促進に取り組んで、多くの収益を被災地に還元することを期待しているわけでございます。
私は、以前この委員会で、宝くじをオリンピック招致や都の施策のPRに活用することを提案してきました。今回の復興宝くじは、首都東京というマーケットを活用した、東京だからこそできる被災地支援であり、今後も、宝くじというツールの有効な活用に、ぜひとも皆さんの知恵を絞っていただきたいと思います。
国政が混迷をきわめる中におきまして、被災者、被災地の復興は待ったなしであります。被災地とさまざまな面でつながっている東京として、できることに全力で取り組んでいくことが重要であります。
そこで、最後に、今後の被災者、被災地支援に向けた局長の決意を伺いまして、私の質問を終わります。
安藤財務局長 ただいまは、宝くじに対しますエールをいただきまして、ありがとうございます。このシステムは、都民の方に買っていただいた収益金が被災地に回るということで、大変意義深いものがあると私どもも本当に思っておりますので、ぜひこの夏の売り上げのときには先頭に立ってPRしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
東日本大震災で、被災地は、るるお話がございましたけれども、やはり人的、物的被害はもとより、生活とか産業とか、行政の基盤が失われるなど、自力で立ち上がるには困難なほどの厳しい被害がもたらされたと思っておりますが、知事が所信表明で申し上げたとおり、被災地には電力、農林水産物などの供給の多くを依存してきたのが東京でございまして、そこを全力で支援することは当然のことというふうに認識しております。
これまで、例えば一万七千人の職員派遣など、総力を挙げて支援を行ってまいりましたけれども、本格的な復興に向けては、依然として相当の困難が横たわっているというふうに思っております。
今後、今回取りまとめました緊急対策の着実な実施に万全を期すことはもとよりでございますけれども、変化をいたします被災地のニーズにしっかりと対応して、被災地が自立的な復興をできるよう力強く後押しをすべく、都としても全力で取り組むことが必要かと思っております。
財務局としても、今後とも、こうした取り組みを財政面からしっかりと支えていきたいと思っております。

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