■財政委員会(会計管理局)
  平成23年03月02日(水曜日)

上野委員 先日の予算特別委員会におきまして、我が党の東村政調会長から、新公会計制度について質疑を行いましたが、その内容に関連いたしまして、新公会計制度の普及について質問をしてまいりたいと思います。
都は、国や全国自治体に先駆けて、本格的な複式簿記・発生主義会計による新たな公会計制度を平成十八年度から導入いたしまして、予算編成にも活用してきたわけでございます。
今回提出されている平成二十三年度予算案でも、事業評価に活用し、発生主義の視点から、将来にわたるコストパフォーマンスや資産、負債などのストックの状況についてきめ細かい分析、試算を行うなど、着実な成果を上げているわけであります。
また、先ほどの話があったとおりで、都は、改革がおくれている全国自治体への普及活動にも取り組んでいらっしゃいます。その成果として、大阪府と町田市が本格的な複式簿記を導入することとなりました。
さらに、公会計制度改革を進めるべく、大阪府との共同プロジェクトを立ち上げ、昨年十一月には公会計制度改革シンポジウムを開催いたしまして、公会計改革白書を作成するなど、積極的に取り組んでいるところで、評価するところであります。
昨年のシンポジウムは、私も参加いたしました。会場は、国、地方の全国の行政職員、議員を初め、公認会計士など専門関係者が多数参加されておりまして、大変盛況でございました。
石原都知事、橋下大阪府知事の話を真剣に聞く聴衆の雰囲気を感じながら、改めて、これを機に公会計制度改革をさらに進めていくべきだと認識したところでございます。
さて、私は、昨年十月の財政委員会で、公会計改革白書について何点か質問をいたしました。その中で、会計管理局より、この白書を発信力のあるものとし、さまざまな場面で活用していく、こういう答弁がございました。
そこでまず、昨年十一月に白書を公表してから、これまでどのように活用しているのかお伺いしたいと思います。
佐藤会計制度担当部長 お話の公会計改革白書でございますが、まず、昨年十一月のシンポジウムに参加をされ、講演やパネルディスカッションの議論などを聞いていただいた方々にこれを読んでいただくことによって、より公会計制度改革に関する理解を深めてもらうため、会場において配布をいたしました。
次に、シンポジウム直後に行われました九都県市首脳会議におきましては、石原知事から県知事、市長に紹介をし、複式簿記の必要性をアピールしたところでございます。
また、総務省が設置いたしました今後の新地方公会計の推進に関する研究会におきましても、今後の議論に資するよう、紹介をしたところでございます。
さらに、ホームページに掲載するとともに、他自治体等への普及活動に活用しております。
上野委員 ただいまの答弁にあった白書は、日本の公会計改革のこれまでの取り組みや、現状と課題の分析、海外事例の調査、さらには今後の公会計制度の検討の方向性の提言も盛り込まれておりまして、複式簿記の必要性、有用性がよくまとめられていると思います。今後も、ぜひとも積極的にこれを活用していただきたい、このことを期待するものでございます。
我が公明党でも、昨年の十二月には、党内で、区議会、市議会議員が参加した公会計フォーラムを開催するなどいたしまして、財政の見える化という観点から、自治体の新公会計制度普及に力を入れているところであります。
このような取り組みの中で、予算特別委員会で東村政調会長の質疑にもありましたが、都内の区市町村に話を聞くと、必要性はわかるけれども、ハードルが高くて新公会計制度を導入できないという声が聞こえております。
その理由としては、二つあり、一つは、新公会計制度を導入すると、現行の官庁会計のシステムに加え、複式簿記のために新たに別のシステムを構築しなければならず、職員の処理も二度手間になると、こういうものでありました。また、二つ目は、会計基準の策定やシステム構築を行うための人材がいないというものでありました。
一点目につきましては、予算特別委員会で会計管理局長から、実務的な面も含め、実に具体的な職員の会計処理について答弁がありまして、二度手間にならないということが明らかになったわけでございます。さらに、東村政調会長が、都の財務会計システムは二度手間にならない仕組みになっているという点について、細かくパネルを使って解説いたしました。
二度手間にならないという点では、都のシステムはすぐれております。これをもっとアピールすべきだと思います。他の自治体職員に理解してもらう必要があると、このように考えておりますけども、見解を求めます。
佐藤会計制度担当部長 ただいまの理事のお話のとおり、予算特別委員会でご説明申し上げましたように、都の財務会計システムは、複式簿記の処理を行うために別建てのシステムを構築したものではございませんで、一つのシステムの中で、官庁会計の処理と複式簿記の処理を同時に行うものでございまして、職員の二度手間になることがなく、作業負担も極力ふえないように工夫をしてございます。
先ほども理事からお話のございました、昨年十一月に開催をいたしましたシンポジウムや公会計改革白書などによりまして、都の新公会計制度に対する自治体の関心も高まっており、問い合わせや視察の申し込みもふえてございます。
その中で、実際に視察をいただいた方からは、二度手間にならず、実際の操作も容易であるという都のシステムの運用状況について、よく理解できたというお話をいただいております。
このことが導入を検討する際の不安解消にもなりますことから、今後も積極的に視察などを受け入れるなど、導入検討のきっかけになるよう、支援と普及に取り組んでまいります。
上野委員 実際にシステムを見れば、官庁会計の処理のほかに複式簿記の処理を二度手間でやる必要もないことや、職員の作業負担もほとんどないということが理解できると思います。今ご答弁にあったように、他の自治体職員などの視察を積極的に受け入れて、都のシステムがすぐれているということを自信を持ってアピールしていただくよう期待するものでございます。
次に、導入できない理由の二点目の人材不足ということですが、確かに区市町村では、東京都や大阪府のような体制は難しいかと思います。ノウハウやマンパワーも少ない自治体にとって、導入を進めるためには支援が必要であると考えます。
予算特別委員会で、都は、人的支援も含め、実情に応じたきめ細かな支援を行うと答弁がありました。 そこで、区市町村に対し、具体的にどのような支援を行っていくのか、この点について伺います。
佐藤会計制度担当部長 現在、町田市に対しましては、市が設置をしております新公会計制度導入検討委員会に都の職員をアドバイザーとして派遣しておりまして、月一回程度の会議に出席をし、会計基準の策定や財産の評価、全体の進行管理等について助言をしてございます。
また、本年の四月からになりますが、市の担当職員を都に派遣研修という形で受け入れまして、都の職員と一緒に作業をする中で、財務諸表作成の実務を実地に学んでいただく予定でございます。
システム面におきましても、システム開発の打ち合わせの場などに都の職員が参加をし、アドバイスも行ってございます。
さらに、町田市のように具体的に導入を進める自治体ではなく、研究段階の自治体でありましても、当該自治体が行う職員向けの研修や勉強会に、都職員を講師として派遣しております。
都といたしましては、今後も同様に、道府県から市町村まで、さまざまな自治体に対しまして、当該自治体の実情に応じた支援を行ってまいります。
上野委員 今のご答弁を聞きますと、これまでも都は、さまざまな支援を行っているということでございます。このようなきめ細かな支援を都が行っているということは、導入を検討しようとしている自治体にとって非常に心強いことだと思います。都は今後も、都がこのような支援を行っているということをさらにアピールして、新公会計制度の普及に取り組んでいただきたいと思います。
最後になりますけれども、この新公会計制度の普及に向けた局長のご決意を伺って、質問を終わります。
新田会計管理局長 新公会計制度を着実に普及させていくためには、全国自治体の皆さんに複式簿記・発生主義会計導入の必要性を理解していただくことが、まずもって重要であることはいうまでもございません。
しかし、必要性を理解するだけでは現実に事が運ばないわけでございまして、単式簿記・現金主義の官庁会計の経験しかない自治体職員が未知の複式簿記・発生主義会計に対してどうしても抱いてしまう不安を解消することが、同時に不可欠でございます。
そのためには、ご指摘のように、都のシステムは操作も容易で職員負担が軽微である点や、導入に際しては都がさまざまな自治体支援を行い得ることを、さらにアピールしていく必要があると考えております。
こうしたことから、昨年公表しました公会計改革白書におきましても、今後の公会計制度改革の方向性といたしまして、導入のための支援策や体制を整備していく必要があると提言したところでございます。
東京都は、大阪府に対する支援に続きまして行いました今回の町田市への導入支援を通じまして、道府県レベルだけでなく、市レベルの自治体に対する支援のノウハウも蓄積することができたものと考えております。
都といたしましては、このような経験を生かしまして、今後とも、導入に前向きな自治体に対し、それぞれの自治体の実情に応じたきめ細かな支援を積極的に行いますとともに、都の取り組みを広く発信し、公会計制度改革の推進に寄与してまいります。

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