■財政委員会(収用委員会)
  平成23年02月28日(月曜日)

上野委員 私からは、都民への収用制度の広報活動の推進という観点から質問をしていきたいと思います。
私は日ごろから、本会議とか委員会等におきましても、安全・安心のまちづくりの実現を強く訴えてきているところでございます。災害に強く、快適で住みやすい都市東京を目指して、道路や河川、公園などの都市基盤の整備は、今後とも進めていく必要があると、このように思っているところでございます。
こうした都市基盤の整備に当たりましては、まず最初に行うのが事業用地の確保であります。これがなかなかの至難でありまして、都の職員の皆さんも、大変な苦労をされながら用地の確保に当たっておられるわけでございます。用地の確保に当たっては、あくまでも任意の交渉によって関係権利者の理解と協力を得て、で、事業用地となる土地を取得することがまず原則であります。土地所有者等の権利者が、補償金額への不満や事業そのものへの反対などによりまして、どうしても任意土地買収が困難な場合には、最終的に、やむを得ず、公共のために資する事業として、土地収用の手続をとられることになるわけであります。
私の地元の例で申し上げますと、江戸川区平井で、都道補助第一二〇号線が平成二十一年九月五日に開通いたしました。ここでも、多くの住民の方々の協力を得て早期開通を目指したところでありますが、残念ながら、用地の買収に応じず、土地を明け渡さない方が残ってしまったために、事業開始から道路開通まで十四年の歳月を費やすことになったわけでございます。最終的には、都収用委員会で土地収用を認める裁決を経て、何とか事業用地となる土地を取得することによりまして、平井地区におけます補助一二〇号線が開通しまして、これまで狭い生活道路に入り込んでいた通行車両が減少したわけでございます。また、災害時の避難路や延焼遮断帯としての機能が発揮されるなど、地域の安全性や防災性の向上に大きく寄与したところであります。
このように、実際に収用制度を活用することによって、長年のまちづくりの懸案が解決されることから、収用制度は、東京のまちづくりの推進に重要な役割を果たしているものと考えております。
しかしながら、収用制度は、一般の都民の方々にはなかなかなじみが少なく、ややもすると強権的なイメージがあるのも、これまた否定できないところでもあります。そのため、事業を行う起業者にとっても、当事者の都民にとっても、収用制度はハードルの高いものになってしまっているのではないかと、このように思うわけであります。
今後、収用制度の一層の活用が図られるためには、収用制度の意義やまちづくりに貢献している点についての情報提供やPR活動を推進し、都民に対して理解を求めていくことがますます重要になっていると、このように思っているところでございます。
これまでも、当委員会において、都民の理解を広げていくことの重要性というものを指摘したところでありますが、まず初めに、都民に対する広報活動の推進につきまして、収用委員会事務局のこれまでの取り組みについて伺います。
藤井収用委員会
事務局長
東京のまちづくりを推進していくために、収用制度が果たすべき役割は非常に大きいものと認識しております。
収用制度の円滑な活用を図るためには、都や区市町村などの起業者や土地所有者など、実際に収用に直接関係する当事者だけではなく、広く一般の都民の方々にも的確な情報を提供いたしまして、制度の意義や効果を正しく理解していただくことは、理事ご指摘のとおり、大変重要だと考えております。
このため、一般に余りなじみがなく、制度的にも複雑な土地収用の仕組みにつきまして、都民の方々にも広くご理解いただけるよう、ホームページを開設いたしました。また、収用委員会の活動などについて、このホームページで情報を発信しているところでございます。
収用の手続を簡潔に説明いたしましたパンフレットなども作成、配布しておりまして、このような取り組みを進めて、都民の理解が得られるように取り組んでおるところでございます。
また、収用委員会事務局内に相談支援センターを開設し、いつでも都民の方々からのご相談に対応できる体制を整備して、収用制度の理解促進に努めてまいりました。
上野委員 ご答弁にありましたように、これまで、都民に収用制度を周知していくに当たっては、相談支援センターを開設したり、ホームページにより情報発信をしてきたとのことでございますが、中でもホームページについては、以前から一層の活用策の検討をお願いしてきたところでございます。昨年三月の当委員会の予算質疑におきまして、局長から、広く都民の方々にも収用制度の理解を深めていただけるよう、内容の一層の充実を図るため、二十二年度中にはリニューアルしていくとの答弁がありました。
収用委員会事務局では、今年度、局内の若手職員によるホームページの見直しプロジェクトチームというものを立ち上げて検討を重ねてきたと聞いておりますが、いよいよ新しいホームページが見られるようになったと先ほど伺いまして、早速、私も、この委員会の前に拝見をさせていただきましたが、従来と比べて、知りたいことがすぐわかるようになっておりますし、使いやすいホームページになったのではないかと、このように好印象を受けたわけでございます。
また、見直しの検討に際しましては、初めての人でも簡単に理解できる収用制度、これを合い言葉に、活発な議論を重ねて改定に至ったと、このようにお聞きいたしました。このたびのホームページの改定では、収用委員会事務局の若手職員の皆様が、みずからの仕事をみずからの手で外部に情報発信していくことを考えた点において、非常に大切なことであり、外注をせず、職員みずからの手づくりという点は、私は高く評価するところでございます。
そこで質問でございますが、今回のホームページの改定に当たりまして、広く都民の制度理解を深めるために、具体的にどのような見直しを行ったのか伺います。
藤井収用委員会
事務局長
昨年のご質問を受けまして、ホームページの改定に取り組んでまいりました。今回のホームページの改定に当たりまして、二点の基本方針を掲げてリニューアルをさせていただいたところです。
一点目は、使いやすさの向上という観点でございます。具体的には、トップページのデザインを一新しますとともに、コンテンツの構成を全面的に見直しまして、見やすさ、見つけやすさを改善してまいりました。また、文字の拡大や音声の読み上げにも対応をするなど、視覚、聴覚に障害のある方々にも支障なくご利用いただけるように心がけてまいりました。
二点目でございますが、掲載する内容をより充実させたことでございます。制度の内容を容易にご理解いただけるように取り組んだつもりでございます。具体的には、公正中立な立場にある第三者機関としての収用委員会の役割や、正当な補償のもとで公共事業に必要な用地を取得し、まちづくりを進めることができるという収用制度の意義など、基本的な事項につきまして解説するページを新たに設けましたほか、用語解説やQアンドAを大幅にふやしまして、収用制度になじみの薄い都民の方々にもご理解いただけるよう工夫をいたしたところでございます。
また、土地所有者等、関係権利者の側から起業者に対しまして裁決申請を請求することによりまして、早期に補償金を受領することが可能となります制度がございますが、これに必要な申請方法を解説するページを設けますとともに、必要となります申請様式をダウンロードできるようにするなど、制度をより活用しやすくなるように改善いたしたところでございます。
さらに、関係機関等のリンク先の充実や、パンフレット等を一括して閲覧、印刷できるようにするなど、利用する方々の利便性に配慮した見直しを図ったところでございます。
上野委員 このたびのホームページの改定によりまして、利用者の使いやすさが格段に向上しましたし、また、都民が収用制度を理解しやすいように掲載内容も充実いたしました。改めて、職員の皆様のご苦労に敬意を表する次第でございます。
都民が収用制度の当事者となることは、一生に何度もあることではありませんので、収用制度の円滑な活用を図るためには、幅広い都民に対しまして、収用制度に関する情報提供やPR活動を一層推進していく必要があります。そのための有効なツールであるこのホームページについては、今後もぜひとも継続的に改善していく、このことが必要、重要であると思いますので、よろしくお願いいたします。期待しております。
一方、公共事業を担う区市などの起業者にとっても、この収用制度の積極的な活用というのは、今後の東京のまちづくりを推進していく上では、ますます重要になってまいります。つきましては、都民への周知を進めるのとあわせて、これまで収用制度を活用したことが少ない区市などの起業者に対しても、粘り強くこの収用制度の活用促進を図っていく、これも必要であると思います。
そこで、収用委員会事務局では、この収用制度の一層の活用を促進していくために、都民や起業者に対して、今後、どのような取り組みを行っていくのか、その点について最後にお伺いします。
藤井収用委員会
事務局長
都市基盤の整備を着実に推進していくためには、状況に応じて収用制度を適切に活用いたしまして、計画的に事業用地を確保していくことが必要でございます。また、制度を活用することで、権利者の早期生活再建を可能とする効果もございます。このため、区市や鉄道事業者等の起業者、土地所有者等の権利者に広く制度を周知いたしまして、活用促進の取り組みを進めていくことが重要であると認識しております。
これまで、区市等の用地担当者に対する出前講座や出張相談の実施、広く都民を対象といたしました相談支援センターの設置や、先ほど申し上げました局ホームページやパンフレットを活用することなどにより、制度の理解促進に努めてまいりました。
本年度は、これに加えまして、新たに、起業者が収用制度の概要や具体的な収用手続を学ぶ収用制度活用基礎講座を実施いたしました。二回の開催で、四十八団体、百二十八名、研修に参加していただきました。終了後のアンケートでは、いずれの回も好評を得ておりまして、継続的な開催を希望する声が多く寄せられております。
今後は、具体的な事例を活用いたしまして、実践的な解説や課題演習をふやすなど、講義内容を工夫した上で、研修内容の充実にさらに取り組んでまいりたいと考えております。
一方、先ほどご紹介いたしましたホームページの充実、更新や、今後、六年ぶりに改定を予定しております収用制度活用プランを用いまして、広く一般都民の方々も含めて、制度の活用に向けたさらなる周知にも努めてまいりたいと考えております。
現在、収用委員会は、七名の委員で、全国最多となります百件の事案を例年取り扱っておるわけでございますが、今後とも、公正公平で迅速な審理に努めることによりまして、安全・安心のまちづくりの実現に貢献してまいりたいと考えております。

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