■平成21年度各会計決算特別委員会質疑(病院経営本部)
  平成22年10月18日(月曜日)

上野委員 私からは、一般会計決算説明書の中にあります補正予算について、何点か質疑をしていきたいと思います。
この補正予算は、平成二十一年第二回定例会におきまして審議したもので、荏原病院、豊島病院に新型インフルエンザの緊急対応病床を整備するというものでございます。そこで、決算の審議に当たりまして、新型インフルエンザの取り組みについて何点かお尋ねいたします。
荏原病院と豊島病院は、保健医療公社に運営が移管される前の都立病院当時から、第一種感染症指定医療機関あるいは第二種感染症指定医療機関として、都における感染症医療では大変重要な役割を果たしてきたわけでございます。昨年の新型インフルエンザ流行時においても、地域の中核病院として多くの新型インフルエンザ患者を受け入れたと聞いております。
そこで、まず初めに、荏原病院及び豊島病院では新型インフルエンザの患者がどれくらいあったのか、お尋ねいたします。
黒田経営企画部長 荏原病院には、成田空港で新型インフルエンザの疑い患者が発生しました平成二十一年四月三十日から二十二年三月末までの間、延べ二千七百六十二人のインフルエンザ患者が来院いたしまして、新型インフルエンザの疑いのありますA型陽性患者は延べ九百八十二人でございました。
また、豊島病院では、延べ千七百八人の患者が来院しまして、A型陽性患者は延べ六百五十二人でございました。
上野委員 日本に新型インフルエンザが入ってきた当初は、封じ込め期としての対応を図ったわけでありますけれども、その後、流行が拡大いたしまして、患者数もかなりの数となったと聞いております。
インフルエンザの感染拡大を防止するためには、まず手洗いやうがいなど一人一人の感染予防の対策が重要であります。一方で、病院などの医療機関にあっては、新型インフルエンザ患者から一般の患者に感染することのないように、二次感染を防ぐ取り組みが極めて重要であります。
そこで、新型インフルエンザの流行に際しまして、荏原、豊島の両病院では二次感染を防ぐ観点からどのような対応を図ったのか、お尋ねいたします。
黒田経営企画部長 荏原病院、そして豊島病院におきましては、一般の患者さんと新型インフルエンザの患者さんとの接触を避けるために、感染症科外来に専用の発熱外来を設置しまして、通常の外来と別の動線にするなどの対応を図ったところでございます。
また、入院に際しましても、感染症病床を有効に活用いたしまして、病室隔離を行ったところでございます。
さらに、医師、看護師を初めとした職員一人一人にアルコール性消毒剤を用いた手洗いの徹底、うがいの励行、マスクの着用を行ったところでございます。
加えまして、新型インフルエンザの診察に当たりましては、必要に応じて防護服の着用なども行ったところでございます。
上野委員 新型インフルエンザ流行時においても、その他の疾患やけがなどで医療機関を受診する患者も多くいらっしゃいます。一般の患者の方が安心して受診できるようにするためにも、病院内における二次感染防止に引き続き努めていただきたいと思います。
新型インフルエンザは、三月三十一日をもってその第一波の流行は鎮静化したわけでありますが、今後また、これまで以上に爆発的に患者が発生することも予想されるわけでございます。こうした点を考慮いたしますと、より多くの新型インフルエンザ患者に適切な医療を提供するためには、地域の医療機関との役割分担、医療連携が一層重要になってくるわけでございます。
そこで、新型インフルエンザの流行に際し、荏原病院、豊島病院においては地域の医療機関とどのような連携を図っていくのか、図ったのか、お尋ねいたします。
黒田経営企画部長 都内の感染者数が増加しておりました平成二十一年七月に、都は、すべての一般診療機関での発熱患者の診療や重症患者の一般医療機関での入院受け入れなど、新型インフルエンザの医療提供体制を変更いたしました。この変更を受けまして、荏原病院、豊島病院では、地域の医療機関との連携のもと、重症患者はもちろん、基礎疾患を有する患者さんや妊婦さんの入院受け入れなどを行ったところでございます。
また、救命措置を必要とする重篤な患者さんや小児の患者さんにつきましては、例えば荏原病院では、近隣の大学病院や国立成育医療センターへ転送するなど、病病連携も進めてきたところでございます。
上野委員 大学病院などとも緊密な連携を行っていただいたようでありますけれども、新型インフルエンザ対策における医療体制を確保するためには、すべての医療機関の協力が欠かせないわけであります。荏原病院、豊島病院を含め、地域医療の中核を担う公社病院には、連携の中心となって引き続き万全の準備をしていただくことを要望しておきます。
平成二十一年度の補正予算には、荏原病院、豊島病院に、これまでの感染症指定病床に加え、この病床を補完する役割を持つ感染症緊急対応病床の整備が盛り込まれておりました。感染症緊急対応病床は、都立の駒込病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センターにおいては既に整備されていますが、感染症医療に大きな役割を果たしてきました荏原病院、豊島病院にも整備されることは大変重要なことであります。
そこで、今後の新型インフルエンザの流行に備えまして、荏原病院、豊島病院における感染症緊急対応病床の整備の進捗状況につきましてお尋ねいたします。
黒田経営企画部長 荏原病院、豊島病院におきましては、既に感染症病床が二十床整備されておりますが、さらに、陰圧化が可能な病床を荏原、豊島両病院に各六十床を確保、整備することといたしました。これとあわせまして、感染症科外来につきましても、環境を強化する工事を行っていくこととしたところでございます。
平成二十一年度は、これら工事のための設計を行っておりまして、荏原病院については二十二年七月から、豊島病院は二十二年九月から工事を着工しております。この工事の竣工は年度末となりますが、新型インフルエンザがこの冬にも流行する可能性がありますことから、整備が完了した病棟から稼働させていくこととしておりまして、両病院とも、年内には半数程度の病床の使用が可能となる予定となってございます。
上野委員 今後の新型インフルエンザの流行に備えまして、工事の一日も早い完成を期待しております。
新型インフルエンザの医療提供体制を検証する際、二次感染の防止や医療機関の確保に加えまして、もう一つ重要な視点がございます。それは医療提供の確実性であります。
新型インフルエンザが大流行するということは、医療を提供する職員の方々が新型インフルエンザに罹患し、診療行為ができなくなる危険性を多くはらんでいるわけであります。
こうした危険を解消し、医療提供を確実にするために、私は、平成二十年度予算特別委員会におきまして、これは議会で初めてでしたけども、新型インフルエンザ対策としての都政のBCPを急ぐよう強く主張いたしました。これを受けて都は、新型インフルエンザの都政のBCPを全国に先駆けて着手いたしまして、本年、平成二十二年三月、都政のBCP、新型インフルエンザ編が作成されたわけでございます。
そこで、都は、平成二十二年度中には各局のBCPを策定することとしておりますけれども、地域住民が必要としている保健医療サービスの提供などを役割としております東京都保健医療公社、ここにおきましても、この重要なBCPを策定する必要があると考えますけれども、所見を伺います。
黒田経営企画部長 新型インフルエンザがパンデミック期を迎えまして、患者数が大幅に増加している状況におきましては、住民が必要とする医療を提供することは、公社病院の重要な使命でございます。
このため、所管局といたしまして、保健医療公社に対しまして新型インフルエンザの流行に備えたBCPの策定を指導しているところでございまして、公社事務局を中心に、各公社病院と連携してBCPの策定作業を進めているところでございます。
公社では、最大で四〇%の職員が欠勤することを想定した上で、新たに発生する業務の洗い出しや、パンデミック期にありましても継続しなければならない業務の選定、また、その際に必要となる人員数の見積もりなどを検討しているところでございます。
今後、さらなる必要事項の検討を進め、今年度中の策定を予定しているところでございます。
上野委員 住民が必要とする医療を必要なときに確実に提供できる体制を整えるということは、都の監理団体である保健医療公社の使命であると思います。実効性のある新型インフルエンザのBCPを策定し、公社病院におきましても確実に医療の提供が継続されることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

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