■財政委員会(財務局)
  平成22年06月11日(金曜日)

上野委員 私からは、今回の補正予算案に関連いたしまして、財団法人東京都道路整備保全公社の寄附金について、都民の皆様に正しくご理解いただくために、何点か質問してまいりたいと思います。
今月七日、共産党は、東京マラソン法人化の問題点についてというプレス発表を行いました。この中で、真相を明らかにせよなどと、議会に対し付託された補正予算案について、あたかも裏に何かあるようなことをにおわせております。こうした主張は、共産党のいつもの不安をあおる手法ではありますが、都民の大いなる誤解を招くおそれが高いものであり、決して看過できるものではないと考えております。
資料の中で問題とされていた点は二点あります。一点目は、寄附金が実質的に目的外使用されているという点、二点目は、公社が寄附について正式決定するより前に補正予算に計上したことは異常であると、こういう点であります。私からはこれらの点につきまして、しっかりと、かつ丁寧に事実確認をしながら、いかに共産党の主張が誤っているかを明らかにしていきたいと思います。
まず一点目の、寄附金が実質的に目的外使用されているかどうかについて明らかにしたいと思います。共産党の資料においては、今回の寄附金は指定寄附とされていますが、そもそも寄附金にはどのような種類のものがあるのか、確認の意味で伺います。
長谷川主計部長 自治体が受ける寄附金は、その性格によって、負担つき寄附、指定寄附及び一般寄附の三つに分けることができます。
まず、負担つき寄附でございますけれども、これは寄附契約に付された条件に基づいて自治体が法的義務を負い、その義務不履行の場合には、当該寄附の効果に影響を与えるようなものをいいます。
これに対しまして指定寄附は、こうした条件がなく、単に寄附者が希望する使途を指定したものでございまして、また一般寄附は、寄附者がその使途を指定しないものでございます。
上野委員 今、答弁があったように、法の規定からしても、今回の公社からの寄附金は、寄附の条件ではなく、用途の希望が指定された指定寄附と位置づけられ、負担寄附ではないということがわかったわけでございます。
次に、今回の例のように、当初予算成立後、都に対して寄附をしたいとの申し出があった場合、通常どのように対応し、結果としてどのようになるのか、一般論で結構ですので、お答えください。
長谷川主計部長 一般論として申し上げますと、当初予算成立後に指定寄附の申し出があった場合には、この受け入れに当たりまして、都は、都の判断に基づいて、指定された目的に合った事業の特定財源として充当いたします。
一方、一般寄附の申し出があった場合には、その使途は特定されないため、特定の事業の財源として充当することなく、都は歳入することができるものでございます。
上野委員 つまり、年度の途中に、例えば、ぜひ福祉充実のために使ってほしいとか、交通安全のために使ってほしいという形で都に寄附があれば、これは指定寄附として扱われ、都の判断に基づいて、その寄附目的に合った事業の財源に優先的に充当されるわけでございます。
それでは、今回、東京都道路整備保全公社からの寄附の申し出は、どのような趣旨で行われ、それに対して都はどのように活用するのか。ここは大事ですので、丁寧に答弁願います。
長谷川主計部長 今回の公社からの寄附金は、都における道路事業を補完するという公社の設立趣旨に沿って、広域的な都民還元に資する公益事業として都の道路事業に充てるよう使途が指定されたものでございまして、これ以上に具体的な使途の指定はございません。
都としては、当初予算において、今日都がなすべき役割をしっかりと果たすという観点から、必要な事業を確実に措置しているところでございまして、また、新年度がスタートしてから二カ月余りしかたっていないこの時期におきましては、議会にご承認いただいた当初予算に計上された事業の執行に全力を傾けることが都に課せられた責務と考えております。
こうしたことから、今回の寄附につきましては、ただいま申し上げた公社の意向を踏まえまして、当初予算に計上されている事業のうち、今後整備を進める歩道や自転車歩行空間の確保などの交通安全施設費に充当し、迅速に都民に還元できるよう活用していくこととしたところでございます。
上野委員 そこで、共産党は資料の中で、また本会議においてわざわざ再質問をしてまで、十億円を交通安全施設費に充当した一方で、当初予算で交通安全施設費に充当されていた一般財源を削った結果、交通安全施設費が一円もふえなかったと、こう主張して、寄附金の目的外使用だと述べておりますが、実際、指定寄附を受けた場合、指定された使途に充てる予算規模をふやさなければ本当に目的外使用となるのか。先ほどの寄附の種類を踏まえてご答弁ください。
長谷川主計部長 今回の寄附は、東京都の道路事業に充てるよう使途が指定された寄附、いわゆる指定寄附でございますけれども、交通安全施設費を増額することまでを条件として付されているものではございません。
都としては、今回の寄附金を、その趣旨に沿って、今後整備を進める歩道などの財源として活用するものでございまして、それが当初予算で計上している事業であるからといって目的外使用に当たるということはございません。
上野委員 ここがポイントであります。
先ほどの答弁でも、また、いみじくも共産党がプレス発表の際に資料として添付した、変更後の公社の平成二十二年度事業計画にも明示されているとおり、公社からは、当公社設立趣旨に沿った広域的な都民還元に資する公益事業として、東京都道路事業に充てる指定寄附を行うという趣旨で寄附がなされたものであります。寄附者である公社は、道路事業に関する予算を上積みすることを条件としてはいないのであります。
そして、これも先ほど答弁をいただきましたが、寄附を受ける都は、都としての判断により、当初予算に計上されている交通安全施設費の財源に充当することをもって寄附を活用することとしたわけであります。こうした当初予算で計上された歳出の財源だけを補正することを何というのか、財務局の方に尋ねましたらば、財源更正というようでございます。
そこで、財源更正とは余り聞きなれない言葉でありますので、これはどのようなことか、予算編成を行う中では特別なことなのか、都民の方にも理解できるよう、わかりやすく示してください。
長谷川主計部長 財源更正でございますけれども、これは、歳出予算に充当される財源の内訳を変更するということでございます。このような対応は、例えば追加で国庫支出金の内示があったというふうに、特定財源の収入が新たに明らかになったというような場合でございますとか、あるいは税収減により他の財源を充てん、手当てする必要が生じた場合などに行っております。直近では平成二十一年度の最終補正予算でも行っておりまして、予算編成の際に一般的に用いる手法でございます。
上野委員 都が公社からの申し出を受けた時期は、議会との議論を経て成立した平成二十二年度予算に基づいた行財政運営が始まって間もない時期だと聞いております。都として着実に取り組むべき優先度の高い事業は、当初予算の中に集約されていると考えるのは当然であり、道路事業の中から、都民の安心・安全の確保につながる交通安全施設費に充てたことは適切な判断だと思います。その結果、予算上の処理として行った財源更正を、玉突き式と称して、いかにも裏に何かがあるかのような主張を行うやり方は、まさに私は言語道断であると、このように思っております。
いずれにしても、これまでの質疑のとおり、公社による寄附は、公社の申し出た目的どおり東京都の道路事業に使われており、何ら目的外利用に当たらないことは明白でございます。
続いて、二点目に挙げられている都の補正予算への計上の方法について確認します。
時系列的には、公社の理事会において正式に寄附を行うことが決定される前に、都は五月十八日には補正予算案を議会に説明しております。二十五日には議会に提案を行っています。一方、二十八日には、正式に公社理事会において指定寄附の議決が行われています。この点については、代表質問において財務局長から明快にお答えをいただきましたが、確認の意味を込めまして、丁寧にお聞きしたいと思います。
まず、寄附金の受け入れを補正予算に計上する判断を行った根拠について、本会議では、寄附の確度が高いと答えていましたが、どのような状況があったのか伺います。
長谷川主計部長 公社が都に対して寄附を行うに至った経緯を申し上げますと、公社が本年二月の包括外部監査の意見を踏まえまして、使途の定まっていない資産の活用計画を策定してきたというふうに聞いております。
こうした中で、公社から都に対して、道路事業に充てるための寄附を行う意向が示されるとともに、五月二十八日の理事会における正式決定に向けて、事前に関係者に対して説明を行うなどの準備が着実に進められてきたと存じております。
都としては、このような状況を総合的に勘案した上で、収入の見込みの確度が高いというふうに判断して補正予算に計上したものでございます。
上野委員 今聞いていても、極めて自然な流れだと思います。
財産の使用計画を立てるに当たっては、公社内部でも、包括外部監査の結果を踏まえてさまざまな議論がなされてきたと思います。その中では、活用の例として、例えば新宿西口広場や、あるいは地下道の改修等についても検討されたと思います。それは当たり前のことであって、公社においてこうした議論が重ねられた中で、最終的に都の道路事業に充ててもらおうとの意見に集約されたものであります。
確かに公社においては、理事会における決定が最終的な正式決定ではあります。しかし、正式決定に向けた準備を進めるのは当然のことであり、その事前の段階で情報を集め、方向性を見据えることは、世間一般において普通に行われていることでもあります。これらの経緯の中で、都は寄附の確度が高くなったから予算計上をしたのであり、何ら問題はないのであります。
共産党の機関紙、ふだんはほとんど読みませんけれども、たまたま目を通したところ、このことについて、共産党の再質問に対して財務局長は全く答弁できなかったと書き立てております。財務局長は、予算計上したのは寄附される確度が高くなったため、また、道路事業に充てるという指定寄附の趣旨を踏まえて、今後整備を進める歩道などの財源に充てたと明確に答弁したわけであります。
記事は全くのうそであって、何もないどころか、無理やり問題をでっち上げて騒ぎ立てている、こうした体質には、いつものパターンかと、怒りを通り越してあきれ返るほかありません。
そこで、念のため伺いますが、補正予算に寄附金を計上することは、寄附をするかどうかという公社の最終的な意思決定を拘束することになるのでしょうか。答弁願います。
長谷川主計部長 都が公社の正式決定前に予算を計上いたしましたのは、先ほどもご答弁申し上げましたように、都として収入見込みの確度が高いと判断したからでございます。
ただ、歳入予算はあくまでも収入の見積もりでございまして、それ自体が相手方に支払い義務を生じさせるという性質のものではございません。そうしたことから、補正予算に寄附金を計上したことが公社の最終的な意思決定を拘束するというものではございません。
上野委員 公社の決定前に都が補正予算に計上したのは、事前の情報収集により、寄附による収入を得る可能性が高いと判断したからであり、あくまで歳入を見積もるという通常の予算編成手法に基づく判断であって、異常性など全くないということを重ねて主張しておきます。
このように、共産党がいっている二つの問題点は全く事実と反するものであります。
今回は、公社からの寄附を受け財源更正を図る必要が生じた一方で、東京マラソンの実施主体の法人化や、パンダの導入に関し中国と協定を結ぶ必要が生じたことが時期的に重なったことにより、結果として、三つの事項が一つの補正予算に織り込まれたということにすぎません。
本来、議会は、付託された予算が、先ほども鈴木理事からもありました、都民のためになるものか、あるいはそうではないのか、こういう視点からチェック機能を十分に果たしていくことが重要なのであります。にもかかわらず、本来、関係性のない三つの事項を強引に結びつけた上、通常の予算編成手法を曲解して取り上げ、いかにも重大な問題であるかのように主張してまで補正予算全体にいいがかりをつける共産党の行動は、いつもながらのとおりのためにする、反対のための反対であり、こうした事実誤認に基づく主張を繰り広げ、いたずらに都民の混乱を招くような行動に強く抗議をいたしまして、私の質問を終わります。

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