■東京都財政委員会(主税局)
  平成21年12月10日(木曜日)

上野委員 私からは、東京都税制調査会の中間報告に関連いたしまして、温暖化対策税について何点か質問していきたいと思います。
地球温暖化が深刻化する中で、その対策の強化が求められておりますが、申し上げるまでもなく、地球温暖化は、資源エネルギーの大量消費に伴うCO2排出が原因といわれております。
持続可能な社会を実現していくためには、CO2の発生原因であります企業や家庭などに、CO2排出抑制の意識変革や税制など、さまざまな働きかけをしていくことが必要であると思っております。このため、有効な政策手段の一つとして、温暖化対策税の導入が期待されているところでございます。
今回の中間報告は、地方の立場から、温暖化対策税の制度設計など踏み込んだ提言がなされておりますが、中間報告の温暖化対策税の制度設計について、改めて、都民にわかりやすく簡潔に説明をしていただきたいと思います。
宗田税制調査担当部長 中間報告の温暖化対策税の案でございますが、CO2の排出抑制及び環境負荷に応じた負担の公平を目的といたしまして、すべての化石燃料を対象に課税するというものでございます。
また、課税は、効果等を考慮し、家計や企業に近い消費段階で行うとともに、温暖化対策における地方自治体の役割等を勘案し、できる限り地方税として仕組むべきとしております。
また税負担水準については、温暖化対策等の観点から、既存のエネルギー関係税と合わせた負担水準が現行を上回るようにすべきであるが、一方、低所得者などへの十分な配慮が必要であるとしております。
上野委員 国では、揮発油税などの暫定税率問題に絡みまして、環境税の論議が、平成二十二年度税制改正の一つの焦点となっておりますが、国の環境税論議は、環境省が急遽提出した案をベースに行われているようでありますけれども、この環境省案の内容について説明を求めます。
宗田税制調査担当部長 環境省案でございますが、都税調の案と同様、すべての化石燃料を課税対象としてございます。
しかしながら、課税は、輸入・製造段階で行い、国税として課税することを基本としてございます。また税負担については、暫定税率の廃止を前提とし、揮発油税と合わせた揮発油の負担水準を現行より引き下げるものとなっております。
上野委員 今ご説明されました環境省案でございますけれども、これにつきましての都の見解を求めます。
宗田税制調査担当部長 環境省案は、輸入・製造段階における課税を基本としてございますが、都税調の案のように、家庭や企業に近い消費段階で課税した方がCO2抑制効果が高く、また、低所得者やCO2排出抑制に努力したもの等に対するきめ細かな配慮ができるというメリットがございます。
また、環境省案は、暫定税率の廃止を前提とし、揮発油の税負担水準を引き下げるものとなってございますが、これは環境配慮という要請に逆行するものであると考えております。
さらに、環境省案は、国税を基本とし、温暖化対策における地方自治体の役割の重要性を踏まえていない、暫定税率廃止による地方の減収約八千億円に対する手当てが示されていないなど、地方分権の視点が不十分であると考えております。
上野委員 深刻化しております地球温暖化問題を考えますと、温暖化対策税の導入は、今や世界の潮流でもありますし、その必要性はあると私も思っております。
しかしながら、その導入に当たりましては、中間報告も述べていますように、低所得者や家計の負担に十分配慮していくことが重要でございます。したがって、議論を重ね、国民、都民の理解を得ながら慎重に導入していくことが大事であります。
また、温暖化対策税は、先ほどもいいました低所得者などへのきめ細かな対応、また、温暖化対策における地方自治体の役割や、地方分権の流れといった観点から考えていきますと、私は、地方税を基本とすべきであると思っております。
さて、昨年来の世界同時不況を背景とする景気低迷で、企業業績や雇用、所得環境が急激に悪化したことによりまして、国の二〇〇九年度税収は、当初見積額に比べて約九・二兆円落ち込み、大幅に減少しております。
ところが、民主党政権は、このマニフェストに掲げた揮発油税等の暫定税率は何としても廃止したいと、しかし、当てにしていた歳出の見直しや租税特別措置の見直しによる財源確保がままならない、そうした状況の中で、それではと看板をかけかえて温暖化対策税の導入を議論しているようでございます。
来年の参議院選や世論の動向などを勘案しているためか、結論がなかなか出せず、ダッチロール状態になっているようでございますけれども、これでは、国民不在、納税者不在であり、本来の目的を見失っているように思えてなりません。
そこで、東京都税制調査会に対しましては、効果や影響などを含め、都民、納税者の視点に立って検討し、実効性ある温暖化対策税の提言をされますよう、強く要望しておきます。
最後に、今回の中間報告は、温暖化対策税を含め、環境税制改革、税制のグリーン化の必要性を提言しておりますが、今後、都として、この問題にどう取り組んでいくおつもりなのか、局長の見解を求めまして私の質問を終わります。
熊野主税局長 持続可能な社会経済を次世代に継承していくためには、これまで無償と考えられていた環境の価値をきちんと評価いたしまして、その適切な利用を図る新たな経済社会システムの構築が必要でございます。税制のグリーン化は、そのための税制面からの取り組みでございまして、温暖化対策税の導入を初め、税制の仕組みの中に、環境負荷に応じた負担という考え方を組み入れていこうとするものでございます。
温暖化対策税につきましては、効果や影響の検証、低所得者やCO2排出抑制に努力した方々への配慮の仕組み、そして税収の使途など、詰めるべき課題が多く残されております。
また、お話にございましたように、温暖化対策税は、地方税としていくということが適当であるというふうに考えており、引き続き、都税調を活用いたしまして、地方の立場、そして納税者の立場から提言するなど、その実現に力を尽くしていきたいと思っております。
また東京都は、東京版環境減税など、都の環境施策を促進するための独自税制も実施しておりますけれども、今後とも、所管局と連携しながら、税制の活用を図っていきたいと考えております。

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