■東京都財政委員会(財務局)
  平成21年06月03日(水曜日)

上野委員 私の方から、補正予算について何点かお伺いしたいと思います。
 このたび、東京都は、平成七年以来十四年ぶりに、第二回定例会におきまして補正予算案を提出いたしました。
 今回の補正予算は、都が昨年度我が党の要望を受けて二度の補正予算を編成し、さらに当初予算におきまして七千五百億円という過去最大の税収減の中、都民生活が直面する危機に的確にこたえてきたことを受けたものであります。これまでの一連の対応に引き続くもう一段の取り組みであります。
 先ほど来議論されているように、これまでに経験したことのない厳しい経済情勢の中で、都民は先行きに対する不安を強めております。経済は、人々の感情とともに動くものでございます。将来への不安が解消され、生活の安心があってこそ初めて新たな消費意欲も喚起されるものと思います。GDPの約六〇%を個人消費が占めていることからもわかるように、まずは都民生活に安心が確保されてこそ、経済も活性化できるものと私も考えているところでございます。
 こうした観点において、現在厳しい状況に直面している都民や中小企業の不安を解消するために、都が年度始まって間もないこの時期にあえて補正予算の編成に踏み切ったことは、極めて迅速かつ的確な対応であり、大変意義あることだと評価しているところでございます。
 今回の補正予算には、三つの柱、すなわち、一つは、最終補正予算で積み立てを行った基金の事業化、二つには、国の経済危機対策への迅速な対応、三つには、緊急課題等に対応するための都みずからの取り組みとあります。
 本会議の代表質問におきまして、知事からは、今回の補正予算の基本的な考え方について答弁をいただいたところでございますが、都民生活の安全・安心という視点から見て、今回の補正予算の特徴と位置づけについて、まずお伺いいたします。
真田主計部長 今回の補正予算では、まず一連の国の経済対策に関連いたしまして、これを一層有効なものとするとともに、当初予算編成後に生じた緊急課題に迅速かつ的確に対応するため、いわゆるソフト交付金を最大限活用いたしまして、都みずからの取り組みを進めることとしております。
 お尋ねの安全・安心という観点から見た場合に、特徴的な主な内容といたしましては、まず緊急融資制度の充実、あるいは受注開拓緊急支援事業など中小企業対策で五百五十三億円、早期再就職支援の実施、あるいは民間委託訓練の拡充など雇用対策で十九億円、さらに新型インフルエンザ緊急追加対策、あるいは保育対策緊急支援事業など生活者対策で二十一億円となっておりまして、これらはいずれも都民生活の安全・安心の確保という緊急課題に対応するものとなっております。
 また、基金の事業化といたしましても、平成二十年度最終補正予算で積み立てを行った基金を活用いたしまして、都及び区市町村の事業計画に基づきまして速やかな事業化を図っておりまして、事業費は百四十八億円となっておりますが、具体的には、安心こども基金、妊婦健康診査支援基金、緊急雇用創出事業臨時特例基金など六つの基金を取り崩しまして、例えば認証保育所開設準備経費補助、あるいは妊婦健康診査への補助、あるいは都立公園の美化作業など福祉、雇用分野などで集中的、重点的な取り組みを行っております。このほか、経済危機への対応の中でも、例えば施設の耐震化ですとかバリアフリー化など、これも都民の安全・安心の観点から取り組むこととしております。
 これら取り組みを早急に進めることによりまして、都民を覆う不安や閉塞感を払拭いたしまして、都民生活の安全・安心を確保していきたいというふうに考えております。
上野委員 今回の補正予算が、都民の安全・安心という視点からも十分に配慮されていることが理解できたわけでございます。
 先ほども答弁で話のあった雇用対策の中には、再就職を促進する民間委託訓練の拡充が盛り込まれております。訓練規模が千人から七千人に大幅に拡大されます。これは、我が党の東村議員が、二十一年第一回定例会予算特別委員会の締めくくり総括質疑において、離職者の職業訓練の規模拡大についての質問をしたことを受けての予算措置であり、まさに公明党の質問が予算化されたものであります。
 このほかにも、今回の補正予算では、中小企業への緊急融資の充実や、安心こども基金の対象とならない一部の認証保育所の設置促進、新型インフルエンザ対策など、都民に安心をもたらす施策を充実させることができたと思っております。
 次に、財源について幾つか伺いたいと思います。
 この補正予算の財源は、大きく国庫支出金、都債、財政調整基金繰入金、そのほかであります。
 まず、補正予算の財源で注目されるべき点は、財源として、国庫支出金の中で臨時交付金が充てられていることであります。昨年度、国の累次の経済対策におきまして、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金とか、地域活性化・生活対策臨時交付金が国から地方に交付されましたが、その際都には全くお金が来ませんでした。
 今回の国の経済危機対策では、地域活性化・公共投資臨時交付金と地域活性化・経済危機対策臨時交付金の二つの臨時交付金が国から地方に対して交付されますが、全国一丸となって経済危機の克服に臨むべきであるという我が党の主張が国を突き動かした結果、二つの臨時交付金が、いずれも地方交付税の不交付団体である都にも配分されることになったということであります。
 そこで、今回の補正予算における臨時交付金の活用内容を具体的に説明していただきたいと思います。
真田主計部長 ただいま先生からお話しいただきましたように、いわゆるハード系の事業とソフト系の事業に対応する二種類の臨時交付金が、今回、不交付団体である東京都にも国から交付されることとなりました。これら二つの交付金を有効に活用することによりまして、今回の補正予算案を編成することができたわけでございます。
 まず、地域活性化・公共投資臨時交付金、いわゆるハード交付金でございますが、今回の補正予算案に計上した公共事業の地方負担額に対して財源補完がなされるものでございまして、都においては二百四十五億円の交付金を計上しておりまして、本交付金を活用して、東京外かく環状道路や骨格幹線道路の整備など、東京の活力をもたらす公共事業を早期に実施しております。
 また、地域活性化・経済危機対策臨時交付金、いわゆるソフト交付金でございますが、これにつきましては、特別区への交付金を除く都分といたしまして四十七億円の交付が見込まれておりまして、これらを活用いたしまして、商店街街路灯の緊急整備、老人ホームの防火対策、新型インフルエンザ対策など緊急課題に迅速に対応しております。
上野委員 ところで、今回の補正予算につきまして、昨日の代表質問で共産党さんの方から、都民の暮らし、福祉に直接かかわる予算は全体の一五%にすぎず、極めて不十分であると、しかも、その一方、オリンピック招致を看板にして、外環道建設を初め、不要不急の公共事業には大盤振る舞いをするという大型開発中心の逆立ちした予算であると、こういう主張をされておりましたが、その内容が事実なのか、はたまた、ためにする議論なのか、これは明確にする必要があると、このように思っております。
 そこでまず、今回の補正予算のうち、ハード系の公共事業は幾らで、それ以外のいわゆるソフト事業は幾らなのか、ご説明いただきたいと思います。
真田主計部長 今回の予算の中で、まずハード事業についてでございますけれども、国の経済危機対策への迅速な対応の中で、公共事業の一部など現時点で計上可能な事業といたしまして五百九十一億円を計上しております。また、いわゆるハード系の公共事業以外のソフト事業では七百五十八億円を計上しておりまして、その内訳といたしましては、一つは、緊急課題等に対応するための都みずからの取り組みが五百九十三億円、それから最終補正予算で積み立てを行った基金の事業化で百四十八億円、加えて、国の経済危機対策ではございますけれども、特別区のソフト事業に充当されるソフト交付金の特別区への交付分が十七億円ございます。
上野委員 ただいまの答弁で、公共事業の計上額よりもソフト事業の計上額の方が上回っているじゃありませんか。公共事業に大盤振る舞いをしているという共産党の主張には誤りがあるんではないかと、このように思うわけでございます。
 冒頭の答弁で、緊急融資制度の充実など中小企業対策で五百五十三億円、早期再就職支援の実施など雇用対策で十九億円、新型インフルエンザ緊急追加対策や保育対策緊急支援事業など生活者対策で二十一億円、さらに安心こども基金、妊婦健康診査支援基金、緊急雇用創出事業臨時特例基金などの六つの基金を取り崩して行う福祉、雇用分野などにおける集中的また重点的な取り組みで百四十八億円と、このような答弁等ございました。これは、いずれも深刻な景気悪化、雇用悪化など、都民の不安を解消するための都民の暮らしや生活に密着した取り組みであります。
 共産党は、都民の暮らし、福祉に直接かかわる予算は全体の一五%にすぎないと主張しておられますが、補正予算全体で千三百四十九億円ですので、その一五%といえば約二百億円ぐらいになります。緊急課題等に対応するための都みずからの取り組みと最終補正予算で積み立てを行った基金の事業化を合計した七百四十二億円と比較しても、余りにも過少であるといわざるを得ません。
 私は、都が予算を編成して支出する以上、公共事業であろうと、ソフト事業であろうと、最終的には都民の暮らし、福祉の増進に役立つ支出であると、このように理解しているところであります。
 そこで次に、共産党がいたずらに批判している公共事業について、今回の補正予算では具体的にどのような事業を計上しているのか伺います。
真田主計部長 今回、補正予算に計上しています公共事業の中身でございますが、まず新規事業として二点ございます。
 一つが、東京外かく環状道路の整備推進で二十六億円でございます。これは、第四回国幹会議で外環道が整備計画路線に格上げされましたことから、国直轄事業負担金等を計上するものでございます。
 それから、もう一点が、情報通信インフラの整備でございまして、百一億円でございます。これは小笠原村におけます地上デジタルテレビ放送やブロードバンドへの対応を図るため、海底の光ファイバーケーブルを敷設するものでございます。
 それから、もう一つ、追加、いわゆる事業の前倒しが七点ございまして、一つ目が、骨格幹線道路の整備でございます。合計で二百五十七億円でございまして、放射第七号線等の前倒し整備でございます。二つ目が、東京港の国際競争力強化でございまして六十五億円、これは東京港臨海道路整備等でございます。三つ目が、公園の整備で六十三億円、これは和田堀公園などの整備でございます。四点目が、海岸保全施設の整備でございまして三十一億円、これは防潮堤の耐震強化などでございます。五点目が、鉄道の連続立体交差化の推進で三十億円、これは京急、京王線の二カ所において連続立体の実施を行うものでございます。それから、地下高速鉄道の建設助成といたしまして、駅のバリアフリー化等に十八億円、最後に、河川、海岸の整備ということで、内川の排水機場の耐震化で一億円でございます。
上野委員 ただいまの答弁で、公共事業の中身の確認をさせていただきましたが、我が党がかねてから主張してきた小笠原村への海底光ファイバーケーブル敷設整備や公園の整備、駅のバリアフリー化、耐震強化などは、いずれも都民の暮らしや生活に必要不可欠な事業であります。
 小笠原に行ったときには、村民の方々から、この海底光ファイバーケーブルぜひとも敷設してもらいたいという強い要望を受けていたところでもあります。
 また、外かく環状道路の整備や鉄道の連続立体交差化の推進などについても、渋滞解消や環境対策など、都民の暮らしに役立つだけでなく、東京に活力をもたらす重要な事業であります。
 このように、共産党は、都民の暮らし、福祉に直接かかわる予算は全体の一五%にすぎないとか、大型開発中心の逆立ちした予算とか主張していらっしゃいますけれども、いずれの主張も、事実に基づかない全くの的外れの主張であることが明らかになったと思っております。
 あえて共産党が主張している議論の土俵に乗るとすれば、どのように都民の暮らし、福祉に直接かかわる予算が全体の一五%であると計算されたのか、算出の考え方を共産党に示していただきたいところでございますが、この委員会の場は、私が共産党にお伺いする場ではないので、一五%という数字についてこれ以上追及しないことにしますけれども、とにかく共産党お得意のためにする議論といわざるを得ないなと、このように思っているわけでございます。
 これまでの質疑の中で、今回の補正予算案が国の経済危機対策に迅速に対応していることや、さらに内容面におきましても、ソフト、ハードの両面から都民生活の安心確保のため、地域の実情に応じた的確な対策が盛り込まれていることが理解できました。
 今回の補正予算の編成は、昨年の第三回定例会における補正予算から引き続く一連の取り組みを受けているものであり、切れ目のない取り組みの背景には、財政の実務を取り仕切る財務局長の大変なご努力があったことと思っております。
 都民生活が深刻な危機に直面しているときだからこそ、都財政の役割もその重要性を増してきております。
 そこで、どのような状況にあっても、都民の不安にこたえ、都民生活の安心確保に常に取り組み続けることが財務局の責務であると考えておりますけれども、最後に局長の決意を伺い、質問を終わります。
村山財務局長 今回の経済危機は非常に深刻なものでございまして、今日、都民生活を覆っている不安感といいましょうか、閉塞感は、かつてなく大きいものというふうに私ども認識しておりまして、こうした困難な状況においてだからこそ、都政の役割という点については、都としてできることは早急にやると、手だてを講じるというところに、都政の役割もあるし、またそれを財政面から支えていくというのが、財政に携わる我々としての責務だというふうに認識をいたしております。
 昨年の九月補正以来、二度の補正をやり、また当初予算を編成し、そして今回の年度始まって間もなくの補正予算という、そういった一連の流れについても、そうした役割認識に立ってのことでございまして、その結果、都政のできる範囲の中においては、都民の切実なニーズに、いろいろな財源的な工夫もいたしまして、迅速に対応できているのではないかというふうに考えているところでございます。
 こうしたことを今後とも継続的に実施していく上では、やはり財政力というものが不可欠でございまして、そのためには、改めて気を引き締めながら、みずからを律して、今後ともさまざまな経済情勢、その他想定されるわけでございますけれども、そうした中にあって、都民の不安感を解消し、東京に活力をもたらすような諸施策をしっかりと継続的に実施できるような財政的な力量というものを確保、充実すべく、私どもとしての役割をしっかり果たすべく全力で取り組んでまいります。

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