■平成20年第4回定例会「討論」
  平成20年12月17日(水曜日)

議長
(比留間敏夫君)
三十七番上野和彦君。
〔三十七番上野和彦君登壇〕
都議会公明党
上野 和彦
三十七番(上野和彦君) 私は、都議会公明党を代表して、知事提出の全議案に賛成し、共産党提出の第二十九号、三十号及び三十一号議案に反対する立場から討論を行います。
 初めに、今定例会に上程された平成二十年度補正予算についてであります。
 九月補正では、都民の抱える不安に施策を厳選して、緊急かつ積極的にこたえることを主眼に編成されました。今回の補正予算は、早期に都民がみずから危機克服に向けた第一歩を踏み出すための支援を実施するために編成されたものであります。
 しかし、今や、百年に一度という景気の悪化は、都民生活や中小企業の環境を一段と厳しい状況に追い込んでいます。
 こうした厳しい状況を克服し、都民生活や中小企業を守るためには、非常時の緊急対策を早急に講じるよう、都議会公明党は緊急要望を行ったところであります。
 異例ともいえる今回の二次補正予算において、我が党が要望した雇用創出に向けた対策を初め、社会福祉施設の耐震化や中小企業対策、生活困窮者への融資制度、周産期医療体制の強化など、すべての項目が予算化されております。中身を見ても、単なる補助金ではなく、再就職支援とのセットであったり、閑散期の事業需要創出であるなど、無定見なばらまきではなく、都民がみずから危機克服に向けた第一歩を踏み出すための支援策であると高く評価するものであります。
 また、都議会公明党の代表質問を受け、黒字倒産が中小零細企業へと広がり始めている中で、当座の運転資金を必要とする企業のため、都が独自に実施しているクイックつなぎの融資限度額を拡大していくとしたことは評価いたします。
 また、喫緊の課題である周産期医療の強化についても、不足する産科、新生児科の医師を育成するために、既に創設した医師奨学金制度をさらに拡充して、産科や新生児科等の医師を確保する体制を整えるべきとの公明党の主張に対し、東京都が、医学生が医師としての将来の進路を見定める五、六年生を対象とする新たな奨学金制度を検討しているとしたことは、評価するものであります。
 次に、共産党提案の都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 都立学校の授業料については、東京都立学校の授業料等徴収条例に基づき定められており、現在適用されている授業料は、国基準に基づくとともに、受益者負担を考慮したものであり、全国的に見ても適正な水準にあると考えます。
 なお、経済的に厳しい状況にある家庭については授業料の減免制度があり、世帯の収入に応じて、授業料全額の免除から半額の減免措置があります。また、奨学金制度の活用により就学の機会を確保できるよう配慮しています。
 よって、共産党の本条例案については賛成できません。
 今後、都教育委員会は、これらの制度について、保護者に対し十分周知に努めていくことを強く要望いたします。
 同じく共産党提案の高齢者の医療費の助成に関する条例についてでありますが、都は昭和四十四年から、老人の医療費の助成に関する条例に基づき、高齢者への医療費助成を実施してきましたが、この条例については、平成十二年の都議会において議論を尽くし、廃止を決定いたしました。しかも、その際、七年間に及ぶ経過措置を設け、平成十九年六月末をもって事業廃止となったものであります。すなわち、都の老人医療費助成制度は十分に役割を果たして廃止に至ったものであります。
 今定例会においては、共産党は、この廃止した条例を衣がえし、新しい条例案として提出してきましたが、事実上、高齢者の医療費助成について昔に戻そうとするものであり、本質は変わりません。共産党の提案は、都議会での議論の結果を無視した、選挙目当ての独善的なパフォーマンスであることを指摘しておきます。
 また、心身障害者の医療費の助成についても同様であります。共産党の案は、簡潔明瞭にいえば、何の考えもなく昔に戻せというだけで、政策の進展が全くありません。我が党は、高齢者の地域での生活を支える地域ケア体制の構築や、障害者の地域における自立生活の支援など、都民福祉の向上に向けて真に必要な取り組みを着実に推進すべく全力を注いでおります。
 したがって、いずれの共産党の条例案についても反対であります。
 今定例会において、都議会公明党は、新型インフルエンザ対応マニュアルの見直し、看護職員の勤務環境改善策、中学三年までの医療費助成にかかわる市町村財政への支援、盲ろう者の支援拠点の設置などについて着実な推進を図り、母子、心身障害者世帯などへの都営住宅家賃負担の激変緩和措置などとあわせ、都民の安全・安心の確保に向けて施策を大きく前進させることができました。
 また、新銀行東京の中間決算は、金融庁の検査結果をすべて反映したものであるとともに、一部マスコミの報じた四百億円の追加出資毀損は誤りであることが明らかになりました。引き続き、旧経営陣の責任追及についても都は積極的に対応すべきであると強く申し上げておきます。
 日本経済は景気後退の負の連鎖に陥り、都民生活も厳しさを増していますが、直面する危機から都民生活を守るための対策を迅速かつ強力に実行することこそが、今、政治に求められている最大の課題であると考えます。
 都議会公明党は、こうした認識に立ち、第二弾の緊急対策を速やかに実施するとともに、来年度の予算編成についても、現下の都民生活が直面する課題に真正面からこたえるよう都に迫り、安心できる都民生活の確保に向けて全力を挙げていくことを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)

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