■東京都議会経済・港湾委員会(意見開陳)
  平成20年3月19日(水曜日)

上野委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十年度の一般会計当初予算案は、歳出総額が六兆八千五百六十億円、このうち一般歳出は四兆四千百三十七億円と三年連続して増加しています。この中では、我が党が一貫して充実を要求している福祉と保健の分野の予算額が八千百九十九億円、一般歳出に占める割合も一八・六%と、いずれも過去最高となったほか、都民生活の安全確保、快適な都市環境の実現、産業力の強化など、都民生活が直面する課題への対応が着実に図られており、都民の負託に的確にこたえる予算となっております。
 また、経済環境の変化などから、これまで順調に伸びてきた都税収入の伸びが鈍化し、また今後、法人事業税の一部国税化も見込まれるなど、都財政を取り巻く環境は厳しくなることが懸念される中、将来の社会資本ストックの更新に備え、社会資本等整備基金に二千五百億円を積み立てるなどしていますが、このように各種基金の充実を図り、攻めを支える備えを講じることは、今後の安定した財政運営に必要な取り組みであります。
 その上で、「十年後の東京」実行プログラム二〇〇八における二十年度事業の全額予算化や、二〇一六年東京オリンピック招致の推進など、将来の東京を見据えた先進的な取り組みを加速させるほか、低所得者対策や子育て環境の整備、公立・小中学校の校庭芝生化の推進など、我が党が主張する都民生活を守る施策にも積極的に取り組む攻めを実現していることは評価できるものです。
 また、二十年度からは、これまで公明党が提案し、都が全国自治体で初めて導入した、複式簿記・発生主義会計による新たな公会計制度を活用した事務事業評価を予算に反映したものとなっています。
 今後も、こうしたPDCAサイクルの活用によって、施策の充実や見直しを行い、都政が直面する諸課題に適切に対応し、将来にわたり施策の積極的な展開を図っていくための仕組みづくりが重要であります。
 新銀行東京への追加出資に関し、本委員会に調査依頼されている第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算については、これまで、本会議、予算特別委員会の代表及び一般、総括質疑並びに本委員会での審議に臨んでまいりました。
 我が党は、都民の負担を最小限に抑え、間違っても一時しのぎや先延ばし、あるいは責任転嫁などに終始していては断じてならないという原理原則のもと、継続して、党内の調査特別チームを中心に徹底的に調査研究を実施し、今後、予算特別委員会の締めくくり総括質疑での審議の推移の中で、慎重に賛否の態度を表明してまいります。

 次に、各局別に申し上げます。

 初めに、産業労働局関係について申し上げます。

 一、中小企業に対する資金繰りなどの金融支援策を拡充すること。特に、経営基盤の脆弱な小規模企業に対しては、きめ細かな支援を充実すること。
 また、不動産を持たない中小企業やベンチャー企業が事業に必要な資金を円滑に調達できる環境を整備するため、企業の持つ技術やアイデアなどの知的財産を評価し融資を行う制度や動産担保融資の構築を図ること。

 二、産業構造の変化や急速に進展する技術の高度化を図るため、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターを、中小企業の技術面での支援拠点とするよう機能強化を図り、新時代に対応した施設として整備するとともに、大学、研究機関や高度な技術を持つ企業が集積した多摩地域の産業を振興していくため、多摩産業支援拠点の整備を早急に行うこと。

 三、都内中小企業の活力減退を防ぐため、後継者不足や重い相続税負担による事業承継及び事業再生に課題を抱える企業に対して、早期に適切な手を打つことができるよう、有効な支援策を講ずること。

 四、地域のコミュニティの中核としての役割を担う商店街に対して、新・元気を出せ商店街事業による支援を充実するとともに、未来を支える意欲ある若手人材を育てるため、進め若手商人育成事業を実施するなど、商店街の活性化に資する事業を推進すること。

 五、中小企業のものづくり人材を量的、質的に確保するため、総合的な仕組みを構築するとともに、技術と経営の双方に精通した技術経営人材の育成に取り組むこと。

 六、外国人旅行者を初めとして、障害者や高齢者等が安心して東京の観光を楽しむことができるよう、バリアフリーに配慮した観光案内標識の整備を着実に推進するとともに、多様な食の魅力を堪能できるよう、飲食店における外国語メニューの普及を図ること。
 また、豊かな自然に恵まれた多摩・島しょ地域の観光産業の振興を図ること。

 七、農業、農地の持つ多面的な機能を評価、活用し、都市住民に積極的にPRするとともに、都市農業の振興と農地保全を図ること。
 また、都民の健康な心身をはぐくむため、一人一人が健全な食生活を実践できるよう、都民全体に食育の重要性をアピールし、食育を積極的に推進する都民を支援するなど、食育推進のための施策を充実すること。

 八、すべての年齢層を対象に、きめ細かなサービスをワンストップで提供する東京しごとセンター事業の充実を図ること。特に、若年者や育児離職者で再就職を目指す女性など、就職が困難な求職者に的確に対応した就業支援策を充実するとともに、多摩地域における本格的な事業展開を推進すること。

 九、団塊世代に対する就業機会を確保するため、その受け皿となるシルバー人材センターにおける職域や就業の場の拡大などの取り組みに対して支援を強化すること。

 十、男女労働者が子どもを産み育てながら、家庭と仕事を両立して働き続けることができるよう、中小企業が取り組む次世代育成のための環境整備を積極的に支援すること。

 十一、重度障害者の就業を促進するため、企業に対する普及啓発や重度障害者多数雇用事業所の育成指導を行うこと。
 また、知的障害者や精神障害者の就業機会を拡大する取り組みを強化するとともに、職場での定着を支援する新たな事業を構築すること。

 十二、職業能力開発センターのノウハウ、施設を活用して、効果的に企業内の人材育成や雇用の促進に直結した職業訓練を実施するとともに、ものづくりへの関心を醸成する施策を推進すること。

 十三、三宅島の早期復興に向け、生活再建や円滑な事業再開に必要な支援を行うとともに、生活基盤の安定や観光、農業、水産業の振興のための支援策を講じること。

 次に、中央卸売市場関係について申し上げます。

 一、第八次東京都卸売市場整備計画の実施に当たっては、各市場がそれぞれの特性に応じた機能を十分に発揮し、集荷、販売力を強化するなど、都民の期待にこたえられる卸売市場として活性化を図るよう努めること。

 二、豊洲新市場の建設に当たっては、建設予定地の土壌汚染を詳細に調査した上で、専門家会議の提言を受けて、その対策に万全を期すこと。
 また、建設に当たっては関係業界との調整を十分に行い、将来の流通環境の変化を見据えて、施設と機能を有する首都圏の機関市場として着実に整備するとともに、事業費については、市場利用者の過度の負担とならないよう、その圧縮に努めること。

 三、都民に対する食の安全と安心を確保するため、国内で生産された食品はもとより、輸入品も含め、常に消費者の視点に立ち、安全・安心な生鮮食料品を流通するよう努めること。

 四、卸売市場を活性化し、今後とも生鮮食料品等流通の中核を担っていくため、市場関係業者に対する経営指導などに努めること。

 五、食肉市場については、都民へ安全・安心な食肉を供給するため、市場棟の老朽化、衛生対策工事を着実に推進するとともに、牛海綿状脳症対策等の衛生対策を積極的に推進すること。

 六、市場環境の改善のため、市場内で使用する運搬車両の電動化への助成措置を継続するとともに、電動車のための充電設備を各市場に設置するなど、環境負荷の低減に努めること。

 七、市場財政の健全化を図るため、収入の確保や内部努力の徹底による経費削減を行うなど、効率的な市場運営に努めること。

 次に、港湾局関係について申し上げます。

 一、急増するアジアからの貨物や船舶の大型化に対応し、国際競争力を強化するために、中央防波堤外側に新たな外貿コンテナふ頭を整備するとともに、モーダルシフトの促進等に対応するために、内貿ユニットロードターミナルの整備を図ること。

 二、財団法人東京港埠頭公社の民営化を機に、一層の港湾コスト低減やターミナル運営の効率化等に向けた施策を推進すること。
 また、株式会社東京臨海ホールディングスを東京港の国際競争力強化や臨海副都心のまちづくりに積極的に活用すること。

 三、海岸保全施設の耐震性を高め、東京港の臨海地帯を高潮や津波等の災害から守るため、水門の耐震強化や防潮堤の整備を積極的に推進すること。

 四、臨海副都心の開発は、経済波及効果や雇用創出効果をもたらし、東京の産業競争力強化に大きく寄与する重要な事業であるため、基盤整備を着実に推進するとともに、事業者ニーズに的確に対応した土地処分を図ること。
 また、広域防災拠点として位置づけられている有明の丘を中心として、災害時の支援物資の運搬のためのアクセス手段の整備を図るなど、防災機能の充実や体制整備を図ること。

 五、臨海副都心の魅力を一層高めるため、青海地区北側については、にぎわいと集客力のある観光・交流エリアとしてのまちづくりを推進するとともに、有明北地区については、オリンピックにおける利用を考慮しつつ、豊かな水辺環境を生かした職住近接のまちづくりを着実に進めること。

 六、自然を再生し、ヒートアイランド現象を緩和するため、中央防波堤内側において都民等との協働を踏まえて、海の森の整備を推進すること。

 七、再開が予定されている三宅島空港への安定的な運航を確保するために必要な事業を実施すること。

 八、離島住民の生活の安定、産業の振興を図るため、島しょの港湾、漁港、空港などの整備を引き続き推進するとともに、離島航路、航空路補助の充実に努めること。

 次に、労働委員会事務局関係について申し上げます。

 一、不当労働行為事件の審査期間の目標を本年より二年から一年六カ月に短縮したことを踏まえ、中立公正な立場から一層の審査の迅速化、的確化に努めることにより、労使関係の安定、正常化を図るとともに、さらなる経済発展に寄与すること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。


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