■東京都議会総務委員会質疑(総務局)
  平成19年10月02日(火曜日)

上野委員 私からは、新潟県中越沖地震の発生に伴う東京都の支援などについて、四点ほどお尋ねいたします。
 新潟県は、ご承知のとおり、平成十六年十月の新潟県中越地震から、わずか三年もたたないうちに、再びマグニチュード六・八の大地震に遭われ、甚大な被害を受けられました。改めて心よりお見舞い申し上げる次第でございます。
 都議会公明党は、中越沖地震発生翌日の七月十七日、早速に石原都知事あて、被災地への支援に関する緊急申し入れを行いました。都側からは、谷川、山口両副知事が応対されましたが、申し入れでは、都による具体的な支援策として、まず第一に、被災者に対する水、食糧など当面の生活に必要な支援を十分に行うこと。第二に、警視庁、東京消防庁のヘリによる支援の継続と、医師、看護師の派遣など医療支援の積極的な実施を行うこと。また第三に、電気、ガス、水道などライフラインの復旧に対し万全の支援を行うことなど、三点について強く要望したところでございます。
 これに対しまして、谷川副知事からは、現在、警視庁と東京消防庁の職員を現地に派遣しているとした上で、支援の要請があれば迅速かつ万全に対応できる体制を整えていますと、このように述べられたわけでございます。
 そこで、新潟県からの支援の要請がいつあったのか。また、警視庁、消防庁による部隊の派遣、及び人的、物的支援の対応につきまして、経過を含めお尋ねいたします。
石野総合防災部長 今回の新潟県中越沖地震は、七月十六日十時十三分ごろ発生いたしましたが、都は地震発生直後から情報収集に努めるとともに、発災後直ちに、被災地であります新潟県の要請に基づきまして、国の広域緊急援助隊及び緊急消防援助隊としまして、警視庁からヘリ三基、車両十四台、警備犬四頭を含みます総勢七十三名の部隊を、また、東京消防庁からは、ヘリ一基、指揮支援隊を含みます総勢六名の部隊をそれぞれ現地に派遣いたしました。
 また、地震発生の翌日の七月十七日には、都各局及び区市町村で支援可能な人員や物資などを集約しまして、迅速な支援が行えるような体制を整え、新潟県の支援要請に基づきまして医療救護班を同日、七月の十七日に派遣しております。
 その後も区市町村や民間機関と連携、協力いたしまして、十八日以降、水道復旧要員や応急危険度判定員、さらには保健師チームなどの派遣を行いまして、三十日にはブルーシートの輸送を行っております。
上野委員 都の被災地への迅速な取り組みに対しましては高く評価したいと思います。
 八月二十九日、私は都議会公明党議員団の一員として、被災地の柏崎市を訪れました。
 現地では、損壊したえんま通り商店街や、宅地被害が大きい団地の被災現場、また仮設住宅など、精力的に調査してまいりました。
 また、柏崎市の市長や危機管理監並びに商工会議所の代表者の方々とも率直な意見交換をしてまいりました。被災地の状況から、今後とも国を含めたさらなる支援の必要性というものを肌で実感してきたところでございます。
 今回の地震は、平成十六年に発生した新潟県中越地震から三年もたっていないということから、防災準備が必ずしも十分ではなかったと、このようなことも聞きましたが、マスコミなどの報道によりますと、自動車部品メーカーのリケンの柏崎工場が被災したことによりまして、世界に誇るトヨタ、日産自動車など大手各社が、七月十九日以降、生産が一時停止状態になりました。
 これは、本来であれば、事業継続計画の実行を確保しておくべきだったわけでありますが、それができていなかったということで、このことが欧米から見て、日本のBCP、事業継続計画の実行確保への信頼低下や、または危機管理意識の低さというのが懸念されているところでございまして、経済界ではサプライチェーンも含めてBCP策定が加速していくのではなかろうかと、こういったことがいわれているところでございます。これは企業のBCPが問題になった事例でございますが、改めて、被害を最小限に抑え、早期復旧を可能にする事業継続計画の重要性というものを認識してきたところでございます。
 都政のBCPにつきましては、私は本年の第一回定例会と三月一日の総務委員会でその重要性というものを質問したところでありますが、知事からは、都政のBCPの策定に着手していくとの答弁がありました。
 また、総務委員会では、危機管理監から、三月末になりますが、危機管理対策会議を開催いたしまして、全局に趣旨やスケジュール等を示して策定作業に入りたいとの答弁がありました。
 そこで、その後の策定に向けた取り組みと進捗状況をお尋ねいたします。
石野総合防災部長 都政のBCPについての取り組み及びその進捗状況でございますが、本年三月末に危機管理対策会議を開催いたしまして、都政のBCP策定の目的、検討体制及びスケジュール等について確認し、策定に向け取り組むことといたしました。
 四月には、全庁的な検討組織といたしまして事業継続計画策定委員会を設置し、災害時にも優先的に行う必要のある非常時優先業務の抽出、また、その業務を復旧すべき目標時点の設定、さらには、復旧目標を達成するためにボトルネックとなります人員、資機材等に関する調査を行いまして、その調査結果に基づき、現在各局と調整を行っているところでございます。
 今後、事業継続に必要な対応策等を検討いたしまして、今年度中には検討結果を取りまとめ、さらに都庁がテロに遭い機能が停止した場合の対応策等の検討もあわせて行いまして、二十年度早期にテロ対策を含めた都政のBCPを策定する考えであります。
上野委員 都は現在、都政のBCPの策定に取り組んでいるということでございますが、都政は区市町村行政と深くかかわっております。また、監理団体等も都政の一端を担っております。このことから、都政のBCP策定に当たりましては、そうした区市町村も監理団体も同時にBCPの策定に取り組み、連携していくことが必要であると、このように考えますけれども、見解をお尋ねいたします。
石野総合防災部長 災害が発生した場合に、都民生活に欠くことのできません重要なサービス、これを継続する必要がありますが、そのためには、都がBCPに取り組むだけでなく、住民に身近な基礎的自治体であります区市町村がBCPを策定するということが重要であります。このため都は、区市町村危機管理担当部長会などを通じまして、東京都の取り組みを説明いたしますとともに、区市町村みずからBCPの策定に取り組むよう働きかけているところでございます。
 また、監理団体につきましても、現在、都政のBCP策定の中で、各局を通じまして調査を実施しているところでございます。
 今後とも、都民生活に幅広くかかわりますBCPが、それぞれの団体ごとに策定されるよう、区市町村や監理団体と十分連携して取り組んでまいります。
上野委員 最後になりますが、都民の生命と財産を守り、また、企業活動の継続を確保するという観点から、都政のBCPの策定に向けた決意を中村危機管理監に伺い、私の質問を終わります。
中村危機管理監 東京は首都直下地震が切迫しておりまして、また、テロなどの発生のおそれもあるというふうにいわれております。あらゆる危機に直面しているというのが現状でございます。
 さらに、災害が万一発生いたしますと、人口や都市機能が集中しておりますことから、被害は甚大となり、都民生活には大きな影響を受け、経済も深刻な打撃をこうむると想定されております。
 このため、平素からあらかじめ十分な準備をしていくことが重要でございます。本年五月には地域防災計画を改定いたしましたが、今、上野委員からお話がございましたように、新潟県中越沖地震では、自動車部品メーカーでございますリケンの工場が停止いたしまして、自動車産業の操業がストップしたことは、民間事業者を含めまして、バックアップ体制の整備や被災した場合の復旧体制の確立などが大きな課題となってございます。
 他県に先駆けまして、東京都は都政のBCPの策定に向け取り組んでおりますが、手法も確立していない中で、作業も検討しながら進めております。こういう状況でございますが、いつ大きな災害が発生するかもわかりません。できるだけ早期にBCP、いわゆる事業継続計画が策定できるように、今後とも最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。

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