■東京都総務委員会質疑(総務局)
  平成19年6月22日(金曜日)

上野委員 それでは、私からは、震災対策について、五点ほどお伺いいたします。
 このたび東京都地域防災計画が改定されましたが、死者の半減などの減災目標の設定や、都市型災害対策の強化など、その計画内容を見てみますと、かねてより我が公明党が主張してきた事柄が多く盛り込まれておりまして、今回の改定は、抜本的な見直しが行われたものとして高く評価するものでございます。
 そこで、さらに震災対策を万全なものにしていくためにということで、外出者対策についてお伺いいたします。
 都の被害想定によりますと、首都直下地震が発生した場合、鉄道などのほとんどの交通機関が停止し、約三百九十二万人の帰宅困難者が発生するとしております。東京駅、新宿駅などの主要ターミナル駅では、約十万から二十万人もの滞留者の発生が想定されております。駅周辺には人があふれ、混乱が混乱を呼ぶ危険な状況が容易に想像できるわけでございますが、発災直後は、都や区市町村、警察、消防は、救命救助や消火などの応急対策活動に重点を置かざるを得ませんし、したがいまして、彼らが駅周辺の混乱防止を行うことは困難でございます。このため、地域防災計画にも、鉄道事業者や駅周辺の事業者などで構成する協議会が主体となり、混乱防止対策を推進することを新たに定めております。この実現に向けて、都は、ターミナル駅のある地元区市と共同で、協議会の立ち上げや協議会における避難誘導訓練等を内容とする重点事業を、十九年度から二駅ずつ三年間実施することとしております。
 そこで、既に六月上旬に、第一号として新宿駅周辺の事業者と協議会を立ち上げたと聞いておりますが、新宿駅の協議会に参加した事業者はどれほどあるのか。また、協議会での今後の具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。
石野総合防災部長 現在この協議会には、JR東日本などの鉄道事業者、伊勢丹などのデパートに加えまして、西口や東口の商店街、工学院大学など、約四十の事業者、団体が参加しております。
 今後の取り組みといたしましては、一時収容施設の選定を行うほか、滞留者が適切な行動を選択できる情報の提供方法でありますとか、安全に避難するための誘導方法などを取り決めまして、さらには、これらをもとにした避難誘導訓練などを行いまして、その結果の検証を予定しております。
上野委員 滞留者があふれている状況下で混乱を防止するには、今のご答弁にもありましたように、情報の提供が何よりも重要でございます。この情報提供の一つとして、我が党がこれまで提案してまいりました駅前の大型ビジョンの活用を、これはぜひとも新宿駅の訓練に取り入れるべきであると、このように思います。
 また、本年三月には、災害時にも広く情報を伝えられるよう、災害情報提供システムを稼働させ、携帯電話にも対応した防災ホームページを新しく立ち上げたわけですが、こうした取り組みを訓練で活用し、その有効性を検証すべきと考えますが、あわせて所見をお伺いいたします。
石野総合防災部長 災害時におけます駅周辺の混乱を防止するためには、滞留者に対しまして適切な情報を提供することが重要であります。
 駅前滞留者対策訓練の実施に当たりましては、大型ビジョンを活用して混乱防止の呼びかけなどを行うとともに、訓練用の防災ホームページにおきまして、鉄道の運行状況や道路状況などの情報を表示することを考えております。
 これらによりまして、提供する情報の有効性を検証したいと考えております。
上野委員 ぜひともこの訓練を成功させていただきたいと思います。
 さらに、その成果をもとに、情報提供、一時収容施設の確保など、混乱を発生させない円滑な避難誘導方法を検証し、新宿駅以外にも波及させるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
石野総合防災部長 駅前滞留者対策を早期に他の駅に波及させるには、新宿での取り組みの成果を有効に活用することが重要でございます。
 このため、都は、訓練を通じて得られますノウハウを来年度以降の重点事業に反映させていきますとともに、区市商工会議所や既に設置されています協議会が参加する連絡会で意見交換や情報交換を行いまして、新宿駅以外のターミナル駅でも協議会が早期に設置されるよう、区市に働きかけてまいりたいと考えております。
上野委員 ぜひこの事業の成果をほかの駅にも波及させて、実効性のある取り組みとして定着させていただきたいと思います。
 駅周辺は一時的に滞留者が発生しますが、その後、遠方からの通勤通学者は、帰宅困難者となる可能性があります。約三百九十二万人の帰宅困難者のほとんどは、近隣県からの通勤通学者と、このように考えられます。
 一方、平成十二年の国勢調査では、都内から近隣県へ通勤通学する都民が約五十万人いると報告されておりますが、こうした状況を踏まえますと、東京都単独で帰宅支援を行うには限界があり、八都県市が連携して取り組むことが必要であります。そこで、これまでの八都県市との取り組みについてお伺いいたします。
石野総合防災部長 八都県市におきましては、帰宅困難者対策を含めまして、外出者の帰宅対策を共通の重要課題として位置づけまして取り組みを行っております。
 徒歩で帰宅可能な人につきましては、これまで、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどとの間で、水やトイレ、各種情報の提供などを行います帰宅支援協定を、八都県市連名で締結し、徒歩帰宅訓練を実施しております。
 また、帰宅困難者につきましては、総合防災訓練におきまして、都内から近隣県への船舶により輸送しまして、その後、近隣県市が受け入れるという訓練を実施しております。
上野委員 最後に、減災目標に関して質問をいたします。
 新しい地域防災計画では、外出者を四日以内に帰宅させることを減災目標にしております。都内から近隣の県へ戻る通勤通学者も、この目標に沿って対策が立てられていると考えられますが、近隣の県から都内へ戻る都民も、四日以内に帰宅できるようにすべきではないかと思います。
 そこで、この四日以内の帰宅を八都県市が共通の目標とする外出者の帰宅対策を強化すべきであると考えますが、所見を伺いまして、私の最後の質問を終わります。
石野総合防災部長 減災目標につきましては、各県が地域防災計画で定めることとなりますが、都といたしましては、早期帰宅を実現したいと考えております。このため、八都県市においても共通の帰宅支援ルートを定め、帰宅支援ステーションの拡充を図っていくほか、船舶やバス等による代替輸送手段を共同で確保するよう努めてまいります。
 今年度の八都県市総合防災訓練では、帰宅困難者を乗せて都内から近隣県に向かった船舶が、帰りには都民を乗せて近隣県から帰る訓練を八都県市で検討してまいります。
 今後とも、外出者が早期かつ安全に帰宅できるよう、八都県市の連携を一層充実強化してまいります。

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