■東京都議会総務委員会(青少年・治安対策本部)
  平成18年11月2日木曜日

上野委員 私からは、まずインターネットによる有害情報対策についてお伺いいたします。
 インターネット上には青少年の健全な育成にとって有害な情報や犯罪を助長するような情報が多数存在しております。子どもでも簡単にパソコンや携帯電話からアクセスできてしまうという状況にあるわけでありますが、こうした問題に対処するため、東京都はこれまで、青少年にとって有害な出会い系サイトやポルノ、犯罪手口を紹介するホームページなどにアクセスできないようにするフィルタリングサービスの提供をインターネット関連事業者に対して要請したり、また平成十七年三月にはプロバイダーや携帯電話事業者に求める青少年健全育成条例の改正を行い、十月一日から施行したところでございますが、改正条例の施行から約一年余りが経過いたしましたが、条例の成果並びに実効性についての検証はいかほどか、実態調査の結果を踏まえた所見をお伺いいたします。

小島参事 東京都は条例の施行前から、インターネット関連事業者等に対しまして、フィルタリングサービスの開発、提供等を求めるなどの要請を行ってまいりました。現在、いわゆるプロバイダーの多くはフィルタリングサービスを月額数百円程度で利用できるオプションとして提供しております。
 また、子どものインターネット利用につきましては、携帯電話からの接続が拡大しております。条例の施行後、本年三月までに、主要な事業者はフィルタリングサービスを開発いたしまして、無料で提供するようになりました。その一方、携帯電話のフィルタリングサービスにつきましては、総務省のモニターアンケートによれば、知らない者が約六割であるという状況でございます。
 こうした中で、実際の利用者の認知度、利用率を高めていくことが今後の課題であるというふうに考えております。特に、本年五月に都がまとめました携帯電話販売店に対する調査によりますと、販売店の多くが条例についてまだ知らないと回答するなど、今後のフィルタリングサービスの利用拡大に向けまして、販売店の協力を確保していくことが課題であるというふうに認識しております。

上野委員 今のご答弁にありました携帯電話販売店の協力確保が課題であるということでございますが、なるほど都の実態調査の回答を見てみますと、今後のフィルタリングサービスの提供について、約二割が消極的であると。中でも携帯電話部門の店では約三六・四%、またインターネットカフェなどでは二五・四%が、今後も提供しない、特に考えていないと回答しております。そこで東京都は、販売店などに対し、もっと利用率の向上に向けて積極的に働きかけていくべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。

小島参事 携帯電話におけるフィルタリングサービスの利用率を高めていくためには、子どもが携帯電話を購入するなどの契約の機会をとらえまして、保護者に対し、フィルタリングサービスの勧奨を行うことが有効でございます。そのためには、実際の契約手続に当たる販売店の取り組みが不可欠であることから、本年七月には、都内の大手携帯電話販売店のほか、PTAの代表やインターネット関係団体など幅広く集めた会議を開催いたしまして、販売時に店頭でフィルタリングサービスの説明と利用の勧奨を行うよう要請するなど、一層の普及啓発に取り組んでおるところでございます。
 今後とも、フィルタリングサービスの利用率の向上のために販売店への働きかけに努めてまいります。

上野委員 販売店を含めた事業者の協力を求めることも必要でありますが、一方で、家庭内でインターネットの利用についてのルールをつくっていくことも重要であると考えております。都の所見をお伺いいたします。

小島参事 インターネットの有害情報から子どもを守るためには、親がインターネットの危険性を認識し、子どもの使用状況を把握するとともに、家庭内で利用に関するルールをつくることが有効であるというふうに認識しているところでございます。そのために東京都では、本年七月にインターネット、ゲームに関する家庭のルールづくりプロジェクトチームを設置いたしまして、各家庭でルールづくりができるよう、教材の開発に取り組んでいるところでございます。
 今後、心の東京革命推進協議会と連携いたしまして、教材の作成にあわせて、少人数形式で行うグループワークの進行役になるボランティアを養成するとともに、また来年一月からは小学生の保護者を対象としたグループワーク中心の講座を実施するなど、家庭内でのルールづくりを支援してまいります。

上野委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
 次に、子どもの安全を守る対策についてお伺いいたします。
 最近、子どもたちをねらった痛ましい犯罪が後を絶ちません。不審者による声かけも、我が江戸川においても数多く発生しているところでございます。そうした中で、子どもがみずから犯罪から守る方法として、地域安全マップづくりが注目を集めているところでございますが、都は、子どもがみずから守る力を高めるため、この地域安全マップづくりに力を入れていると聞いておりますけれども、この地域安全マップづくりの取り組み状況についてお伺いいたします。

保坂参事 都は、平成十七度から、都民ボランティアなどを対象といたしまして、地域安全マップづくり講習会を実施して、マップの作成指導者を養成し、学校などへ派遣してまいりました。昨年十二月、広島、栃木など、子どもの痛ましい事件が相次いだことを受けまして、都は、地域安全マップづくりを小学校の授業で実施できるよう、教員向け研修会を初め教育系大学生に対する地域安全マップ講習会、小学校での公開モデル事業などを実施してまいりました。

上野委員 皆さんもご存じのように、池田小学校事件がありました。その後も小中学校への侵入事件が幾つか発生いたしました。その意味で、授業中の学校の安全についても大きな課題と考えております。都は今年度、公立小中学校などへの防犯カメラの設置補助事業を実施しているところでございますが、都内の小中学校の防犯カメラ導入の現状と見通しについてお伺いいたします。

保坂参事 昨年度の時点でございますが、七割の公立小学校、約八割の公立中学校におきまして防犯カメラが未設置でございまして、学校の侵入事例が報告されていることから、今年度、区市町村に対しまして、防犯カメラ設置の補助事業を行っております。現在、すべての公立小中学校での防犯カメラ設置を目指して区市町村と調整中でございます。

上野委員 防犯カメラは、いわゆる侵入を企てる者に心理的圧力を与えるということもありますし、また、犯行を断念させるなどの犯罪の抑止効果が大きいと思います。防犯カメラにより、警察への通報、児童生徒の避難など、迅速な対応も可能であります。その意味で私は、特に、弱く、幼い児童が学んでいる小学校すべてに防犯カメラを設置することが望ましいと考えておりますが、どうも区や市によっては学校の防犯設備についてさまざまな事情があるかに聞いております。
 そこで、小学校に防犯カメラを設置しないとする区や市の事情とは何であるか、お伺いいたします。

保坂参事 都は、小中学校での犯罪、侵入抑止のため、すべての小中学校への防犯カメラ設置を目指して、十八年度、区市町村への補助事業を実施し、多くの区市町村に協力をいただいているところでございます。しかしながら、一部の区市は既にインターホンつきのオートロックシステム導入を計画決定しておりまして、一定の防犯効果が上げられるとする独自の判断に基づきまして、防犯カメラの設置を今のところ見送るというように聞いております。今後、こうした区市町村に対しても、調整に努めてまいります。

上野委員 学校の安全を確保するためには、防犯カメラの設置というハード面の充実のほか、防犯体制の整備など、ソフト面の取り組みも重要でございます。そこで都は、小中学校での防犯訓練の実施や、侵入者に対する連絡体制の整備に努めるべきであると考えますけれども、所見をお伺いします。

保坂参事 今回、防犯カメラ補助の条件といたしまして、都は区市町村に対して、防犯カメラを活用した学校での防犯訓練や、侵入者に対する学校内や警察署などとの連絡体制の整備計画の作成を求めております。防犯カメラ設置というハードの力だけに頼ることなく、都は区市町村とともに防犯カメラ設置を契機としまして、学校防犯体制の充実強化に努め、ハード、ソフトの両面から子どもを守る体制をつくってまいります。

上野委員 少子社会を迎えまして、かけがえのない子どもの命を守ることは何よりも大切でございます。子どもの安全は、学校だけでなく、地域や社会の力で守るという考えの上に、さまざまな施策を重層的に講じていくことが必要でございます。都が、自主防犯パトロールなど、地域の方々と協力して、子ども一人一人をしっかり守り、安全・安心なまちづくりを推進することを大いに期待しているところでございます。
 そこで、子どもを犯罪から守るための本部長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

舟本青少年・
治安対策本部長
子どもを犯罪から守るために、保護者や学校だけではなく、警察や自治体はもとより、町会、自治会を初め地域の方々の力を結集することが極めて重要であると認識しております。都は、各学校におきまして地域安全マップづくりを授業で取り入れることや、防犯カメラ設置補助事業を行っており、また地域で子どもたちを守るため、子ども安全ボランティア活動や「動く防犯の眼」ステッカー活動を推進するなど、さまざまな対策を現在講じております。
 ちなみに、今月を子ども安全ボランティア推進月間とするとともに、地域のきずなを強めるため、あいさつ運動推進月間とも位置づけております。
 今後とも、子どもを犯罪から守るため、重層的、複合的な取り組みを関係機関、団体とともに強力に推進してまいります。

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