■東京都議会各会計決算特別委員会質疑(環境局)
  平成18年10月27日/金曜日

上野委員 私からも同じように、まず温暖化対策についてお尋ねしたいと思います。  東京は、地球規模でのCO2排出量増加に伴う地球温暖化と、また旺盛な都市活動などにより生じておりますヒートアイランド現象、この二つの温暖化に直面しております。二〇一六年、夏のオリンピック招致をするためのまさにキーとなるのが、この温暖化をどう克服していくか、こういうことだと思います。  そこで、本日はこのような観点から、都におけるヒートアイランド対策、地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの導入拡大の取り組み状況などについて伺っていきたいと思います。  温暖化対策については、都の重点事業でもありますから、当然積極的な取り組みが求められるところでございます。このうちヒートアイランド対策は、平成十五年三月に対策取り組み方針を作成し、さまざまな対策を講じるとともに、先進的なモデル事業についても実施してきておられます。  そこで、平成十七年度の決算を見てみますと、このヒートアイランド対策に係る経費の執行率が五八・五%と低くなっております。この多くは、見てみますと、校庭芝生化補助事業費に執行残が出たことが要因となっているようでございますが、この校庭芝生化についての予算執行状況及び校庭芝生化の事業目的が果たせなかったのかどうかについてお伺いいたします。

小山都市地球環境部長 委員ご指摘のとおり、平成十七年度のヒートアイランド対策に係る予算に不用額が生じた主な理由は、公立学校運動場芝生化補助事業が、予算額十億円に対しまして、執行残が四億二千万円生じたことによるものでございます。  この公立学校運動場芝生化補助事業では、維持管理について地域の協力が得られるなどの一定の要件を満たせば、芝生化施工に必要な初期経費の全額について補助することといたしました。  予算規模としましては、三十二校の小中学校に対し、芝生化施工に係る補助を行うことといたしましたが、実績といたしましては、区内二十六校、多摩地域一校、合わせて二十七校での校庭芝生化の取り組みに対して補助を行ったものでございます。  事業実績としては、より多くの小中学校において校庭芝生化を施工するという施策目的は達成したものというふうに認識をしております。

上野委員 この校庭芝生化でございますけれども、これからの取り組みが大変期待されているところでございます。実績として約三十校近い小中学校で施工されたということは、私は意味がある、このように思っております。  校庭の芝生化は、子どもにとりましても魅力的なものでございます。緑のじゅうたんのもとで思いっきり走り回る、ヒートアイランド対策にとどまらず、子どもの健やかな成長にとっても大変意味のあるものだと思っております。  今後、校庭の芝生化を進めていく上では、その気温低減効果についても周知していくことが不可欠だと思います。  そこで、都内小中学校の規模と、それから環境局としての校庭芝生化の効果について認識をお伺いいたします。

小山都市地球環境部長 校庭芝生化の効果についてでございますが、昨年八月に、既に芝生化をしておりました杉並区立和泉小学校で効果測定をした結果では、表面温度の低減とともに、一般的に熱中症予防の指標として使われる体感温度についても効果が観測されております。  体感温度におきましては、二十八度C以上になると、運動などを行うのは危険とされておりますけれども、二十八度C以上になった時間は、ダスト舗装の校庭よりも一・五時間程度短縮されるという効果が観測をされております。  この結果からは、校庭芝生化はヒートアイランド対策に効果が高く、児童生徒の教育環境としても、快適で安全な環境を創出できるものであると認識をしております。  都内には、公立小中学校が約二千校あります。屋外運動場の面積は約一千百ヘクタールでございます。今回芝生化を実施した学校以外においても校庭芝生化を施工した場合、同様の効果が期待されるものと考えております。

上野委員 今ご答弁にありましたように、校庭芝生化は、教育環境の面からも非常に事業効果としては認められるというお話でございます。ならば、せっかくこういう執行残があるのですから、当初の予算上の事業実施学校数を超えてでも、その補助をしっかりと使っていくということ、そういう柔軟な対応が必要ではないか、このように思います。  昨年度モデル的に実施しました校庭芝生化補助事業ですが、事業実施上の工夫についてお伺いいたします。

小山都市地球環境部長 本事業は十七年度単年度事業でございまして、事業概要が固まったのが十六年末と、各区市において予算編成の大詰めの時期でございました。また、単年度での事業であったために、学校ごとの十七年度の各種施設修繕計画との時期的な調整を図ることが難しかったことなど、事業受け入れ上の課題もあったのではないかというふうに認識をしております。  このことから、各区市に対して具体的な事業内容の説明会を開催するとともに、区市に事業実施に向けた働きかけを行いました。そのような中、先ほどご答弁申し上げましたように、二十七校での事業実施に至り、事業目的は達成したというふうに考えております。

上野委員 校庭芝生化についてでございますけれども、都は二〇一六年オリンピック開催に向けまして、それまでに都内の全公立小中学校で実施するとのお話をちょっとお聞きしております。来年度も約七十校で実施するための予算要求をされているようでございますが、小中学校で実施するには、まず、よく現場の実情というものを踏まえた上でやっていくということが非常に大事だと思います。  校庭芝生化を実施した学校によっては、いろんな保護者の方とか先生方からもお話を聞きますと、芝生化の工事期間及び養生期間においては校庭が使えない、こういうこともありますし、また維持管理、これに大変苦労しているということも聞き及んでおります。そういった意味で、来年度からの本格実施に当たりましては、そういった十七年度事業を総括しながら、成功例や課題をしっかり紹介するなど、校庭芝生化が実施しやすいように対応していくことが極めて大切だと思っております。  また、都民の貴重な税金を投入しての予算なわけでございますので、予算の範囲でできる限り多くの学校で実施すること、より弾力的な予算の執行をすること、こういったことがヒートアイランド対策を進めるにはまた大事かなと、このように思っております。これは私の意見でございます。  ヒートアイランド対策をさらに効果的に推進していくためには、都だけで事業を展開するのではなくて、区市と緊密に連携していくことも重要な要素でございます。今回の結果を踏まえまして、区市と事業の共同展開を図るなど、効率的な事業執行を進めていただきたいことを要望いたします。  ヒートアイランド対策としては、今まで質問をしてきました校庭芝生化を初め、都市の緑化を推進することが大きな課題となっております。その一つの手法である屋上緑化、都の緑化制度の中で義務化されたこともありまして、その取り組みが進んできておりますが、一方、壁面緑化につきましては、屋上緑化に比べると、これからの取り組み促進が今後期待される、こういう状況にあるのではないかと思います。  そのため、都の率先行動による普及啓発が重要ではないかと思います。都は、決算書によれば、モデル的に都有三施設で壁面緑化を行うなどの事業を行っているようでございますが、都として壁面緑化の効果についての認識、壁面緑化を普及させるための取り組み内容についてお伺いいたします。

小山都市地球環境部長 東京都が平成十五年に実施した調査によりますと、壁面緑化とコンクリート壁面とを比較いたしますと、表面温度で約十度Cの低減効果が見られました。このような壁面緑化は、人工被覆面対策として効果が高いというふうに認識をしています。  このため、都では、事業者や都民による取り組みとして浸透、普及促進させるために、率先行動として、都立桜修館中等教育学校、新宿都税事務所、環境局庁舎千代田区千代田清掃事務所の三カ所において、植物を壁面に登はんさせるタイプの壁面緑化を十七年度末に施工いたしました。  また、壁面緑化に対するノウハウが事業者や都民に十分に知られていないことから、手引の書といたしまして、壁面緑化ガイドラインを策定いたしました。この壁面緑化ガイドラインでは、壁面緑化の効果や手法、適応植物、維持管理上のポイントなどを取りまとめ、十七年度末に発表したところでございます。現在、この壁面緑化ガイドラインを活用しながら、壁面緑化の取り組み推進、普及啓発を行っております。

上野委員 都が本格的にヒートアイランド対策に着手してから四年が経過しております。この間、他の自治体に先駆けて各種の事業を先進的、モデル的に実施してこられた、このことについては私は評価したいと思います。  ヒートアイランド対策の効果を今後より発揮させていくためには、これまでのヒートアイランド対策について整理して、また必要な見直しを行い、施策を展開すべきと考えますが、所見をお伺いします。

小山都市地球環境部長 都は平成十五年三月にヒートアイランド対策取組方針を作成して以降、校庭芝生化、屋上緑化、壁面緑化、保水性舗装などの対策に取り組んでまいりました。  また、昨年度には、ヒートアイランド対策を集中的に実施する地域として、ヒートアイランド対策推進エリアを設定し、現在、この推進エリアを中心にヒートアイランド対策を展開しております。  これまでの成果を踏まえ、中長期的な視点から新たに施策を展開していく段階にあると認識しておりまして、今後、ヒートアイランド対策を改めて体系化し、実施してまいります。

上野委員 さて、ヒートアイランド対策に限らず、地球温暖化対策についても多様な手法を効果的に活用しながら進めていく必要がございます。  日本のエネルギー政策は、水力を除いて、原子力など、九四%が輸入であります。そのほとんどがCO2を放出する化石燃料ということであります。地球温暖化を阻止するためには、そういった化石燃料のようなエネルギー消費を劇的に削減していくことが不可欠であります。  しかし、それを省エネの取り組みだけで実現することは困難だろうと思います。事業者や都民の皆さん方に省エネについての情報提供や取り組み支援を行うことはもちろんのこと、先ほどこいそ委員からもございましたように、再生可能エネルギーの導入促進、これは肝要であります。  昨年度、都は再生可能エネルギー戦略をまとめ、二〇二〇年までに東京のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を二〇%程度まで高める、このように掲げられました。GDPで世界の七位を誇るこの東京、ここが掲げたということは、これは世界から注目されているというふうに私は聞いております。そういった意味では、今回のこの話については私は高く評価するものでございます。  ヨーロッパの方が進んでおりますね。ドイツでは、二〇二〇年までに二五%を掲げるということで、かなりの勢いで今進んでいる。本来ならば、日本がしっかりとこういった目標を立ててやらなきゃいけないわけですから、先ほど話がありましたように、東京からとにかく日本を変えていく、こういう思いで全力を挙げて取り組んでいただきたい、このように要望いたします。  ところで、実際の導入状況を見てみますと、二〇〇三年度ベースで、二%程度と低いレベルにとどまっています。再生可能エネルギーの導入拡大を図るというのであれば、都が率先して行動することはもちろんのこと、事業者による取り組みを促していくことが必要でございます。既にその一つとして、都は都議会議事堂の屋上に太陽光発電を設置しております。  そこで伺いますが、議事堂の屋上に設置した太陽光発電のPR効果などについて、今回、またこの委員会で改めて見解をお伺いいたします。

小山都市地球環境部長 都議会議事堂屋上での太陽光発電は、東京の都心部かつ都政の中心としての議会での設置であるという特性を生かし、全国に太陽光発電の重要性を発信することを目的としたものでありまして、平成十四年十月に設置して以降、都民のほか、企業や行政機関、議員、研究者など、これまで約千八百人が見学しております。この中には、韓国や中南米など、外国からも見学に訪れております。  このように、都議会議事堂での太陽光発電の設置は、先導的な取り組みとしてのPR効果、再生可能エネルギー導入拡大の普及啓発効果を十二分に発揮しているものと認識しております。

上野委員 今ご答弁で伺いましたように、都議会議事堂屋上、このほかに、本日の資料にもありますように、都は、浄水場など都有施設において太陽光発電施設の設置や、臨海部で風力発電を設置するなど、さまざまな取り組みに努力していらっしゃいます。  また、都民を巻き込んだ再生可能エネルギーの利用拡大プロジェクトについても、都立の潮風公園などで展開されております。  地球温暖化の進行を阻止するには、二十一世紀半ばまでに、全世界でCO2の排出量を劇的に減少させる必要があるといわれております。  この点について、省エネルギー対策とあわせて、最も重要な対策である再生可能エネルギーの大量導入に向け、改めてまた局長の決意をお伺いいたします。

〇村山環境局長 今るる地球温暖化対策あるいはヒートアイランド、それから再生可能エネルギー、全体として根は一つだと思うわけでございますが、これらの問題について、日本をリードするような施策展開をというお話をいただきました。私ども、そういう構えで頑張っていきたいというふうに思っております。  そういう上では、先ほど申し上げた環境基本計画を来年改定する際に、どういう考え方で、どういうレベルの施策を、どの分野についてやっていくのかということが非常に大切だというふうに思っております。再生可能エネルギーの大量普及というのが一つの大きな柱になりますでしょうし、それから緑の問題もなろうかと思います。  それから、まちづくりの一つ一つの中で、省エネルギーや太陽光や何かのことを含めた再生可能エネルギーをビルトインしていくというような、そういうまちづくり全体の施策展開もまた肝要だろうと思っておりまして、その辺をどういうふうに計画の中に組み込んでいくのかというのが、私どもに今課せられた課題だというふうに認識をしておりまして、現在、そのための作業をし、来年まで頑張って、当局の職員一同、頑張っていかせていただきたいと思っております。  その際に、ご指摘いただいた点の中で、もちろん施策は大胆である必要があるわけですけれども、実施する際には、いろいろ現場の実情などをちゃんと踏まえて、その辺も配慮したきめ細かさも同時に必要だというご指摘もいただきましたので、区市町村との関係、民間企業との関係その他、構えは大胆に、実施においては繊細な意識を持ちながら両面頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 〇上野委員 力強い局長のご答弁、ありがとうございました。  この再生可能エネルギーというのは、地球温暖化だけでなくて、防災対策上も非常に効果があるといわれております。そういった意味では全力を挙げていただきたい。  また、今後、二〇一六年のオリンピック招致に向けまして、東京を環境先進都市としていくためにも、全庁を挙げた温暖化対策を一層推進していただくことを強く期待いたしまして、私の質問を終わります。


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