■東京都議会各会計決算特別委員会質疑(都市整備局)
  平成18年10月18日/水曜日

上野委員 私からは、まず、十七年度の重点事業として都が積極的に取り組んでこられました木造住宅密集地域の整備について、四点ほどお伺いいたします。  初めに、一般会計決算説明書五四ページを見ますと、木造住宅密集地域整備促進事業の中で緊急木造住宅、この事業は、たしか平成十六年に事業の効率化を図るために統合されたと記憶しておりますが、予算現額に対する執行率が一三・一%と非常に低くなっております。大事な事業でもありますので、この低くなった理由を事業の概要を含めてお伺いいたします。

座間参事 ご指摘の事業の概要と執行率についてでございます。  決算説明書の五四ページの中段に、緊急木造住宅六地区と表記された事業がございます。これは緊急木造住宅密集地域防災対策事業でございまして、平成七年の阪神・淡路大震災を契機として、平成九年度に都が単独で創設した補助事業でございます。  また、その上段の木造住宅密集六十六地区と表記された事業につきましては、国費を導入して木密地域の整備を実施している、いわゆる木密事業でございます。  ご指摘の都単独の補助事業は、この木密事業を実施している地区のうち、延焼の危険性が高く、市街地大火のおそれがある地区について事業を実施するものでございまして、これまで主に細街路整備やまちづくり活動への支援などを行ってきております。  このうち細街路整備につきましては、国におきましても、都の要望を受けまして、平成十六年度、木密地域の効果的、効率的な整備を推進するため、木密事業の補助申請手続を簡略化し、国費を容易に導入できることとしたものでございます。このことから、平成十七年度におきましては、都単独の補助事業を予定していた多くの地区におきまして、国費対応の木密事業による細街路整備を実施することとなりまして、結果として都単独の補助事業の執行率が低くなったものでございます。  なお、国費対応の木密事業と都単独の補助事業を合わせた事業の執行率は八七・五%でございます。

上野委員 当初予定していた整備内容はほぼ実施しているということが確認できまして、安心いたしました。  先ほど答弁にありました木密事業についてでございますが、これまでの整備内容と地区数、実績についてお伺いいたします。

座間参事 木密事業の整備内容と実績についてでございます。  都は、木密地域における消防、救急活動を確保するための生活道路の拡幅整備や、建築物の不燃化促進に向け、事業者である区と連携し、国費対応の木密事業を進めてまいりました。  平成十七年度末までに、事業完了地区を含めまして、六十八地区、約二千八百ヘクタールを対象に事業を展開しておりまして、約十二ヘクタールの道路、公園を整備するとともに、約七千戸の不燃化建てかえ、三百六十戸の従前居住者用のコミュニティ住宅建設などを行っております。

上野委員 お聞きしました事業の実績によりますと、道路、公園の整備や不燃化建てかえなど、着実に整備を進めていることがわかります。  ただ、現場を見ていきますと、その整備効果というのがなかなか目に見えてこない、このように思います。その理由は幾つか考えられると思いますけれども、木密地域の特性であります敷地境界がはっきりしていないとか、あるいは権利関係がふくそうしているとか、また、敷地が狭い上に道路に接していない建物が多い、こういったことなどから、結局は個別建てかえにとどまっている。つまり、面的に広がる整備効果が薄いからではないかと思います。  こうした課題を克服していくための施策というのが必要であると思いますけれども、所見をお伺いします。

座間参事 木密地域の整備についてでございます。  東京都は、防災都市づくり推進計画に基づきまして、整備すべき地域の重点化と、街路事業や木密事業など、さまざまな事業の重層化によりまして木密地域の整備を進めてきております。  木密地域の整備を効果的に推進するためには、個別建てかえや共同化を一層促進するほか、一定の街区単位で取り組むことが有効でございます。中でも平成十五年度に創設されました防災街区整備事業は、面的な広がりをもって老朽建築物を除却し、防災性能を備えた建築物及び道路、公園などの公共施設の一体的な整備が可能な手法でございまして、現在、都内でも、この新しい手法により、事業化に向けて積極的に取り組んでいる地区もございます。  今後とも、この事業を効果的な整備手法として活用し、従来の木密事業とともに木密地域の整備を推進してまいります。

上野委員 話は変わりますけれども、けさも地震がありました。首都直下地震への不安から、都民が安心して暮らせる東京構築への要望というのが一段と高まっております。こういった都民の生命、財産、暮らしの安全を守るためにも、木密地域の改善を早期に進めることが必要であると考えます。  そのためには今後どのように取り組んでいくのか、ご決意もあわせてお伺いいたします。

宮村市街地整備部長 首都直下地震の切迫性が指摘され、また、都の被害想定におきましても、木密地域を中心に甚大な被害が想定されていることなどから、一刻も早く木密地域の防災性を向上させることが重要であると認識しております。  都といたしましては、防災都市づくり推進計画に定める重点整備地域ごとに、地域特性に応じた整備プログラムを策定いたしまして進行管理を行うなど、目標達成に向けた各種施策の着実な推進に努めてまいります。  また、今後とも、東池袋地区や鐘ケ淵地区で進めております沿道一体整備事業を初め、防災街区整備事業などの効果的な事業手法を積極的に活用し、整備のスピードアップを図るなど、区と連携いたしまして、防災都市づくりを積極的に推進してまいります。

上野委員 次ですけれども、同じく十七年度の重点事業であります、情報新技術を活用したまちづくりについて、三点ほどお伺いいたします。  まず、ICタグなどのIT技術を活用した実証実験についてでございます。  私は、第一回定例会の一般質問の中でも、ユビキタスネット社会の実現を目指すという観点から、子どもの安全確保についても、最先端のICタグなどのIT技術を活用した実証実験に積極的に取り組むべきである、このように主張いたしました。いつでも、どこでも、だれもが必要な情報を自由にやりとりできるというこのユビキタスネット社会の実現は、情報革命であると同時に、私はまちづくり革命であると思っております。  八月三十日には、東京が二〇一六年オリンピック招致の国内候補都市として選定されました。オリンピックが開催されれば、国内だけではありません、世界各地から多くの人が訪れます。それに備えて、東京を訪問する人々に対して、わかりやすく、そして移動しやすい都市とすることが急務であると思います。  以上のような視点から、平成十七年度の重点事業であるICタグなどを活用した実証実験、すなわち東京ユビキタス計画の取り組みは大変に重要であると思っております。  また、主要な事業であり、所期の目的が達成されたのかどうか、その進捗に注目しているところでございます。  そこで、この事業の昨年度の成果についてお伺いいたします。

村尾企画・技術担当部長 昨年度のICタグ等を活用した実証実験の成果についてのお尋ねですが、上野動物園において、ユビキタス技術を活用し、動物の生態や特徴、成長記録などを音声つき画像で紹介し、体験者の方々から好評を得ました。また、上野公園内の隠れた名所をめぐるコース案内などを行いまして、参加者の方々から、今後の活用について期待が寄せられております。ユビキタス技術の観光面における有効性、将来性が確認されたことと考えております。  さらに、秋葉原におきましてユビキタス技術の紹介、展示を行い、一カ月半の間に六千名近くのお客様が訪れました。  こうしたことで、広く国内外に情報発信を行うことができたと考えております。

上野委員 上野の実験波及効果として、他の自治体や民間企業での取り組みも進められたと、このように聞いております。また、上野動物園では、ことしの十月から本格運用が始まったと伺っております。  技術の実用化に向けまして、昨年度の成果を踏まえ、この時期を逃さず、一歩でも二歩でも前進させていくということが必要であると思います。  そこで、今年度も実証実験の予算が計上されていると聞いておりますが、どのような取り組みを行うのかお伺いいたします。

村尾企画・技術担当部長 今年度の取り組みについてでございますが、昨年度の上野の実験は大きな成果が得られたわけですが、あくまでも東京都の施設内という、比較的実験を実施しやすい条件のもとで行われたものでございます。  今年度は、市街地であります銀座で実験を行うこととしております。この地区は、多種多様な電波がふくそうし、干渉し合い、地下街から道路、建物に至る垂直的な移動や、お店やまちの種々多様な情報提供が求められる繁華街でありますことから、実際の町中で手軽に使える技術としていくための新たな知見が得られるものと考えております。

上野委員 社会に新しい技術を根づかせるには、初期の段階で官が主体的な役割を果たし、また、専門的な知見を有する坂村教授を初めとします研究機関と連携していく、これが重要であります。さらには、何と申しましても、社会への普及の原動力となるのは民間であります。いわば官学民の三位一体の力の結集こそが大事であると考えております。  そこで、この技術を実用化レベルまでつなげるためには、民間の参画意欲を促すことが重要であります。すなわち、多くの人が使いたくなるようなシステムの構築を目指すべきでありますが、銀座地区の実証実験にどのように取り組んでいるのか、見解をお伺いいたします。

村尾企画・技術担当部長 技術の普及に向けた銀座実験でのシステムの構築についてのお尋ねですが、これまでの官と学の連携に加え、民間の方々の積極的な参画を誘導できるような新たな取り組みを進める予定でございます。  具体的には、ハード面の環境整備を進めまして、手軽に情報が取得できる装置なども導入するとともに、ソフト面でも、地元の方々との連携によりまして、地域に根差したきめ細かな情報をリアルタイムに提供したいと考えております。  これにより、多くの方々が使いたくなるようなユビキタス技術の普及に積極的に取り組んでまいります。

上野委員 二〇一六年オリンピック招致というのは、今や都政における最重要課題の一つでございます。今後、海外との激しい招致合戦があります。三年後に控えた開催都市選考レースに勝ち残るには、日本の有する最先端技術にさらに磨きをかけまして、海外にアピールしていくことが不可欠であります。そのためにも、東京ユビキタス計画銀座実証実験をぜひとも成功させていただくよう要望するとともに、私も大いに支援してまいりたいと思っております。  次に、最後の質問に移りますが、江戸川区内における区画整理事業について、四点ほどお伺いいたします。  まず初めに、瑞江駅南部地区、平成十六年度に事業が完了したものと記憶しておりますが、この地区の平成十七年度決算の状況を見ますと、二千五百万円の予算に対して約四四%の執行率となっております。まず、その理由についてお伺いいたします。

宮村市街地整備部長 瑞江駅南部地区は、平成十五年度中に移転工事が完了したことから、十六年度末に換地処分を行ったところでございます。  平成十七年度の業務は、換地処分後に行う建物等の登記嘱託委託、事業の経過を整理した事業史の作成などであり、必要な業務はすべて完了いたしましたが、登記嘱託の件数が予想より少なかったことや、コスト縮減に努めたことなどから、執行率が四四%となったものでございます。

上野委員 業務そのものは、予定どおりすべて完了したということで安心いたしましたけれども、またコスト縮減にも努められた、これに対しては私も評価したいと思います。  次に、瑞江駅周辺ですけれども、西瑞江地区、瑞江駅南部地区、この二地区の事業が完了し、現在、瑞江駅西部地区が事業中であります。また、篠崎駅周辺でも、篠崎駅東部地区で事業が進められていますが、この両地区の事業の現状についてお伺いいたします。

宮村市街地整備部長 都営新宿線瑞江駅及び篠崎駅の開設に伴いまして、両駅周辺で区画整理事業による駅周辺のまちづくりを進めてきており、ご質問の両地区の事業はその一環でございます。  瑞江駅西部地区は、平成十四年度より移転工事に着手しており、地区中央の補助二八八号線沿い北側から移転工事を進めまして、昨年度からは移転の範囲を南側に広げて事業に取り組んでおります。  また、篠崎駅東部地区は、平成十三年度より移転工事に着手しており、既に事業完了済みの駅に近い篠崎第一地区からまちが連檐するように移転及び工事を進めているところでございます。

上野委員 先日、区画整理促進議員連盟の総会に参加いたしました。そこで、東京都より、臨時交付金の運用改善による新たな国費の導入を図ることについてお聞きいたしましたが、この両地区でそれがどれぐらい導入されるのか、お伺いいたします。

宮村市街地整備部長 東京都の財政状況が厳しい中で事業を推進していくため、新たな財源の確保に向け国に働きかけてまいりました結果、今年度より、臨時交付金の運用改善による新たな国費の導入が図られることとなりました。  導入されることとなります国費は、両地区総額で、事業費の約一割に当たる六十三億円を見込んでおります。

上野委員 私も、この地域にいろんな形で入っていきます。地元に入りますと、この区画整理へのさまざまな要望を受けるわけでございますが、その中で最も多いのが、早く事業が完成できること、それを望む声が一番多い、こういう状況でございます。  そこで、両地区の事業の完成見込みと都の取り組み姿勢をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

宮村市街地整備部長 現在の事業計画で定めた施行期間は、瑞江駅西部地区が平成二十五年度、篠崎駅東部地区が平成二十九年度までとなっております。  両地区とも、移転工事を本格的に行える状況になってからは、毎年、事業費の増額に努めてきております。平成十七年度決算額で見ますと、前年度に比べ、瑞江駅西部地区では七四%増、篠崎駅東部地区では三七%増となっております。  両地区の事業につきましては、地元から早期完成の要望があることは十分認識しておりまして、計画期間内の完成に向け、今後とも国費の確保に努めるなど、より一層の事業促進が図られるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。


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