■文教委員会質疑(教育庁)
  平成18年6月16日/金曜日

上野委員 私からは、初めに、都立町田高校改築及び改修工事請負契約案件につきまして、何点か質問させていただきます。
 私は、本年三月の第一回定例会の文教委員会におきまして、学校の大規模改修には約二十億ぐらいかかる、大変な税金をつぎ込むので、何とかコスト削減にしっかりと取り組んでいかなければならないということで、一つの事例といたしまして学校の教室の天井の高さについてお話をいたしました。
 再度改めて確認したいと思いますが、昨年十月までは学校の教室の天井高さにつきましては、建築基準法施行令におきまして、床面積が五十平方メートルを超えるものについては、天井高さは三メートル以上と規定されておりました。しかし、この規定につきましては、文科省が学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議ということで検討を行って、いろんな調査をした結果、明治十五年以来ずっと旧態依然として残っていた教室の天井高さ三メートルの最低基準というものを廃止することは適当である、このような中間報告を取りまとめたわけでございます。
 これを受けて、昨年十一月七日に建築基準法施行令の改正がなされまして、この規定が廃止されました。そして、この改正によりまして、いわゆる教室の天井高さというのは地方自治体と学校設置者の裁量にゆだねるということになったわけでございます。
 私は、このことを踏まえまして、このコスト縮減の配慮をした工事発注というのを今後進めてもらいたいというご要望をしたわけでございますけれども、今回の契約案件として提出されているこの改修工事におきまして、この改正が設計に反映されているのかどうか、お伺いいたします。また、反映されていなければ、どういう理由で反映されていないのかをお伺いいたします。よろしくお願いします。

山川学務部長 町田高等学校改築及び改修工事につきましては、天井の高さを三メートル以上としております。この工事の実施設計は平成十六年八月から十七年三月にかけて行っておりまして、ご指摘の法律改正以前であったことから、その当時の建築基準法施行令の規定によりまして、三メートル以上の設計で行ったものでございます。

上野委員 実施設計が間に合わなかったということで反映されていないということでございますけれども、ご存じのとおり、教室の高さは、あの体格の大きいアメリカでも二・七メートルというふうになっております。また、実際に皆様方が執務されている都庁舎、ここも設計上は二・七メートル、私も実測しましたけれども、二・六五しかないんですね、床が少し高くなったりということで。そういった状況の中でも、そんな圧迫感というのはないわけです。皆さんも本当に一生懸命仕事ができるという状況でありますので、教室だけが三メートル以上必要だというふうには私は考えておりません。
 そういった中で、例えばこの都庁舎みたいに二・七メートルに天井の高さをした、三十センチ下げた場合に、どのくらいコスト削減できるのかということを調べてみますと、大体全工事費の一、二%の削減が可能であるというふうなことがいろいろと載っております。
 そこで、今回の校舎建設費、どの程度のコスト縮減ができると思われるのか、そのあたりについてお伺いいたします。

山川学務部長 標準的な設計の小学校をモデルといたしまして、教室の天井高と階高を三十センチメートル下げた場合、総工費の約一・五%が、また、天井高のみ三十センチメートル下げた場合には、約〇・一%下がるとの試算があると聞いております。
 また、各施設の個別の条件によりコスト縮減の程度は異なるというふうに思われますが、私どもの都立高校における試算でも、ほぼ同程度のコスト縮減になるものと考えております。

上野委員 約二十億かかる大規模改修という場合に、仮に二%削減すれば四千万円削減できる。今後も老朽化あるいは耐震改修ということで大規模改修がいろいろと予定されております。同じような規模のところもあります。そういった意味ではしっかりとこのコスト削減にぜひとも取り組んでいただきたい。地方自治体の裁量にゆだねられている以上は、しっかりとその点についても取り組んでもらいたいと思います。
 都教委はそうした意味での施設整備の方針というものを、今まだできていないということですので、これについていち早く策定していただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

山川学務部長 良好な教室環境をつくるためには、児童生徒の学齢や教室の規模、形態などの諸要素を考慮いたしまして、教室の広さや形状、採光、音響などの室内環境等をあわせて総合的に検討することが必要であると考えているところでございます。
 教室の天井高さにつきましては、規定の改正の趣旨を踏まえまして、設計、工事を委任している財務局と検討を進めてきたところでございますが、ご指摘の点につきましても、今後、財務局と協議をし、検討してまいります。

上野委員 ぜひとも検討委員会を立ち上げて、早急に施設整備の方針を作成していただきたい、このことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 請願一八の第一〇号、普通教室への冷房設備設置の質疑に移りたいと思います。
 都立高校の教室の冷房化につきまして、本定例会で我が党は代表質問をいたしました。既にいろんな質疑があったところですけれども、きょうはさらに議論を深めるという意味で何点か質問いたします。
 代表質問でも触れましたけれども、本年第一回の定例会におきまして、我が党が主張いたしました検討委員会を立ち上げましょうという話について、しっかりとおこたえしていただいて、この四月に検討委員会が立ち上がりました。これまでどちらかというと、冷房化に対してはなかなか前向きなお答えをしていただけなかったわけですけれども、こういった検討委員会を立ち上げて、冷房化も含めてしっかりと検討を行っていくということについては、私は評価しているところでございます。ぜひとも冷房化を実現させる方向でさらに議論を進めていただきまして、快適な学習環境を実現させていただきたい、このことを強く期待するものでございます。
 都の教育委員会、先ほどの話もありましたように、平成十七年度の重点事業で、緑化事業の中で、夏季の教室環境改善として壁面緑化のモデル的検証を実施されておりますけれども、その効果というのはどうだったのか、また、その検証の過程での教室内の温度測定はどの程度になったのか、お伺いいたします。

山川学務部長 平成十七年度に実施いたしました緑のカーテンによる壁面緑化モデル事業では、外気の気温、外壁付近の温度、教室内温度の三点におきまして温度測定を行いました。その結果、緑のカーテンを設置した教室と設置していない教室内の温度を比較いたしますと、おおむね二度の差が見られました。

上野委員 緑のカーテンでは二度程度の改善効果が見られたということでございますけれども、先ほど話がありましたように、一昨年の夏、これは七月二十日前後、最高気温、気象庁の正式発表では三十九・五度といわれていますけれども、実際に教室内での室温というのはそれよりも二、三度高いという、これは検討委員会での資料にもあります。そうしますと、もう四十度を超えている、こうした教室の中で勉強をされているわけですけれども、こういう温暖化、猛暑が続く東京で、二、三度ぐらい教室の室温低下したぐらいでは、とてもとても教室環境、学習効果というのは上がらない。少なくとも先ほど室温は五度C下げますよというふうな話もありましたけれども、五度Cぐらいでは、とてもじゃないけれども、三十九度とか、そういった気温の中では勉強できるような環境ではない。
 ご存じのように、学校の環境衛生の基準には、教室の温度というのは大体二十五度から二十八度が最も望ましい、このように書いてあるわけですから、そのためにはぜひとも冷房機器を導入するしかないのではないか、これしかない。これをはっきり決めて、ぜひとも進んでもらいたいと思うんです。
 しかも、都立高校の教育現場、最近では学力向上ということで、多様な取り組みという中での夏休みに補習、補講が行われているわけですね。昨年の夏休み四十日間で三十度Cを超えた日数が何日あるのかと調べたら、三十四日もあり、八割近くは三十度Cを超えている。したがいまして、ここにもいらっしゃいますけれども、保護者の皆さん方は大切なお子さんのために一生懸命弁当を朝つくって、持っていきますけれども、気象庁の気温を見ていきますと、午前八時にはもう既に三十度を超えているわけです。そこから昼までの間に教室内で弁当が腐っちゃっている。帰ってきたら、子どもが残していた。ふたをあけたらものすごいにおいがした、食べられなかったよという話がある。これが実は実態なわけです。
 私の近くに小松川高校がありますけれども、一昨年にはこの小松川高校の教室で女子生徒さんが熱中症にかかっちゃった。大変な事態になったわけです。こういった実態というのをしっかりと教育庁は受けとめて−−私は、一番いいのは、この夏休みに現場を視察して、一日三十度を超えている教室にいたらどうなのかということを体験してもらいたいです。学校の先生も汗をかきながらやっている。子どもたちは下敷きでうちわをやりながら、授業になりませんよという話をされている。そういった環境の中で学力を向上させるなんて言葉ではいっているけれども、それは実態に合っていない。このことを強く申し上げたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、都立高校は、騒音対策として今冷房化は進めていらっしゃいます。暑さ対策としての冷房化というのは行われておりません。そこで、他県の公立高校における騒音対策以外の暑さ対策を目的とした冷房化はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。

山川学務部長 現時点におきまして、公立高校に暑さ対策として冷房を設置している道府県は、三十七府県であると把握しております。

上野委員 四十七都道府県の中の三十七府県、全国で約八割がもう冷房化を導入されているわけです。東京都はおくれているんじゃないですか。
 冷房化に対する課題というのは、一つには、やっぱり今一番大きいんでしょうけれども、財政面の課題というのがあるわけです。そういった財政面の課題を抱えながらでも、他府県では冷房化の導入を図っているところがある。
 また、今回の請願にもありましたように、都立高校の保護者の方々からは、自分たちが費用負担してでも普通教室の冷房化の早期実現を望むという、この要望の声が年々高まっております。こうした受益者負担をしてでもとの保護者の声というのは、切実さをあらわしていると私は思っております。
 こうした保護者の皆様の要望にこたえる意味でも、都立高校の冷房化を確実に実現してもらいたい。また、そのために、東京都におきましては、導入している他府県の例というのをしっかり参考にして、いろんな問題、課題を解決してもらいたい。その手法をぜひとも探ってもらいたいと思います。
 冷房化の整備方法にはさまざまな手法があると思います。都道府県がみずから設置する場合もあるでしょう。また、PTAの方々が自分たちで設置する場合もあると思います。都道府県がみずから設置した場合の、要するに保護者の方への費用負担を求めている場合と求めていない場合とがあると思いますけれども、そういった事例を見ながら、他府県でどういった手法をとっているのか、このことについて細かく教えていただきたいと思います。

山川学務部長 学校設置者として公立高校の普通教室に冷房を整備しているのは、大阪府、京都府、和歌山県、鳥取県などでございます。このうち、大阪府と和歌山県では受益者負担を求めていると聞いております。また、教育委員会が使用許可を行いまして、PTAが普通教室に冷房設備を自主設置している県が全国で約三十県あると聞いておるところでございます。

上野委員 大阪では受益者負担の制度を導入しているということでございますけれども、東京都と同じ大都市ということでは、都も非常に参考になるのではないかと思います。
 そこで、大阪ではどのような整備手法をとって冷房化を導入しているのか、具体的にお答えしていただきたいと思います。

山川学務部長 大阪府の実例でございますが、維持管理、光熱水費を含めました機器リースの手法によりまして、府立高校百四十七校に冷房設備を一斉導入しておるところでございます。これに要する経費の一部について、受益者負担を求めているところでございます。

上野委員 授業料の減免措置とかいうのは東京都でも行っているわけでございますけれども、私はそういった低所得者の方に配慮した導入というのも考えなければいけないんじゃないかと思います。
 文科省の調査では、新聞報道によりますと、東京は授業料の減免率が全国で六番目に多い。東京都で全額免除された生徒の率が最も高い学校は約三〇%、このようにあります。仮にこういった受益者負担の導入というものを図る場合には、低所得者世帯に対しての減免措置などの配慮が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

山川学務部長 現在、検討委員会では、費用負担のあり方などについても検討課題となっておりますので、今後は、今申し上げました他府県の事例を参考にしながら、ご指摘の点も踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えます。

上野委員 上野委員 最後になりますけれども、都教委が冷房化に向けて踏み出した、このことに対して保護者の皆様方というのは大変期待も大きいわけでございます。都教委が本気で教室環境の改善に取り組んでいるんだ、こういう姿をぜひとも積極的にこの検討委員会の中でも見せていただきたいと思うわけです。
 代表質問の中で我が党がいいましたように、検討委員会のこの資料とか検討内容についてホームページで公開してもらいたい、このことについては教育長の方からご答弁いただいて、これについては公表していきますよとお答えしていただきました。
 そこで、この公表に当たっては、検討委員会が終わってから公表したのではどうしようもないわけです。検討委員会のたびにどういう話をしたのかというのを、ぜひともそのたびに公表していただきたい、このように思いますけれども、そのことも含めて、さらには最後になりますけれども、都教委の環境改善に対するその意気込みと決意というものを述べていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

山川学務部長 保護者の強い要望などから、この検討委員会に対する関心が高いことは十分承知しております。この検討委員会を進めるに当たり、ご指摘の点も踏まえて、検討委員会の資料や検討内容について適時適切にホームページに掲載するなど、都民への公開に努めてまいります。
 なお、都教育委員会といたしましては、この都立高校教育環境改善検討委員会での議論を踏まえ、今後、生徒が学習に集中できる適切な教室環境づくりに積極的に取り組んでまいります。


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