■文教委員会質疑(生活文化局)
  平成18年3月17日/金曜日

上野委員 私からは、都民の大事な生命、健康、これを守るという観点から、商品などの安全対策について質問したいと思います。
 先週、三月七日の新聞各紙、読売新聞から毎日新聞、東京新聞、これ一面に、安価な金属製アクセサリーに有害な鉛が含まれていたという大変にショッキングな記事が掲載されておりました。皆様も記憶に新しいことと思いますけれども、毎日新聞は一面トップに出しまして、「子供向け外国製アクセサリー 高濃度の鉛含有 米基準の五十六倍溶出も」、また、読売では「子供向け金属アクセサリー 六割以上に高濃度鉛」、東京新聞もそうでございますけれども、大きな見出しで掲載されておりました。
 改めて記事の中身を簡単にご紹介いたしますと、スーパーや百円ショップで販売されている子ども向けの指輪やネックレスなどの外国製の金属アクセサリーに、これは調査した品目の六割が高濃度の鉛を含んでいたということであります。新聞によりますと、鉛は脳や神経を侵す毒性がある。特に乳幼児が飲むと、大人に比べて鉛を吸収しやすいということから、深刻な影響を受けるおそれがあると、このように書いてありました。
 こうした記事は、生活文化局の消費生活部が行いました金属製アクセサリー類などに含有する重金属類の安全性に関する調査に基づいたものと聞いております。乳幼児が摂取すると大変危険だといわれているこの鉛につきまして、都民に注意喚起を促すということでは大変重要な調査結果だと思います。
 まず、その内容について具体的にどういうものだったのか、お伺いいたします。

岳野消費生活部長 今の記事の内容でございますが、平成十七年二月に米国の消費者製品安全委員会、これは連邦政府の附属機関でございますが、そこで報告がございました。子どもの金属性アレルギーの一部に高濃度の鉛が含有されていることが判明した。事業者に自主回収させるとともに、同種の製品についての鉛規制を行ったというものでございました。
 国内では、これらの製品についての鉛の規制がございませんので、私どもで価格が百円から千円程度のアクセサリーやネックレス、ブレスレット等につきまして、鉛の含有量及び溶出量の分析を行いました。調査品の七十六品目のうち、米国の先ほどの安全委員会の定める基準でございます〇・〇六%を超えたものが四十六品目ございまして、また、このうちの三十二品目につきましては、五〇%以上の鉛を含有しておりました。また、溶出検査をした結果、溶出量で最大で米国の安全委員会の基準値である一七五マイクログラムの五十六倍の数値のものもありました。

上野委員 ここで大変重要なことは、昨年二月にアメリカで自主回収させたほどのそういった危険な製品が、我が国で販売されていたという事実でありまして、このことは大変に言語道断でございます。特に今ご答弁があったように、アクセサリーに含まれる鉛、この含有量と溶出量から見ますと、このような製品を乳幼児が口に入れたり、場合によっては飲み込んだりします。そうすると、脳や神経を侵して言語発達障害を起こす、こういった可能性があるという非常に危険なものであると、このようにいわれております。
 そこで、この調査結果に基づいて都が行った対応とその後の措置状況についてお伺いいたします。

岳野消費生活部長 先生ご指摘のとおり、鉛は大変毒性の強いものでございます。このため、私ども都としましては、三月六日付で厚生労働省と経済産業省に対しまして、金属アクセサリー類に含有する鉛を規制することや警告表示を行うことを緊急提案いたしました。
 その結果、厚生労働省は三月八日付で、社団法人日本玩具協会を初めとする関係の十五団体に対しまして、鉛の含有状況の把握や取り扱い時の注意表示を行うことについて通知を出したと、このように聞いております。
 また、経済産業省も三月六日付で、東京都装身具工業協同組合など関係六団体に対しまして、安全性確保の観点から、適切な対応を行うよう要望を行ったというふうに伺っております。
 さらに、いわゆる百円ショップ、百貨店などにおきましても、金属アクセサリー類について撤去するなどの対応をとる動きが出ているというふうに聞いております。

上野委員 この間、国は一体何をやっていたのかなと、このように思いますけれども、その間、東京都生活文化局消費生活部は、二月のアメリカの自主回収、そういった情報を受けて直ちに調査を開始した。そして、国に先駆けて問題点を発見し、その実務の対応は私は本当に拍手を送りたいほど大変評価するものでございます。知事もいっておりますように、東京から日本を変えるんだと、この言葉を結果をもって示したものだということで、私は大変に喜んでいる次第でございますけれども、そういった姿勢というものをぜひともこれからも堅持してもらいたい、このように思います。
 こうした国に先駆けての発表に至るまでには、恐らくさまざまな困難があったものと察します。そこで、これまでどのような調査を行い、どのように対応してきたのか、できれば差し支えない程度にそのあたりの苦労話も含めてお話ししていただければなと、このように思います。

岳野消費生活部長 今回の鉛の調査につきましては、厚生労働省などでは情報もつかんでおったようでございますけれども、調査も同時に行ったようなことも聞いておりますけれども、東京都の調査の方がスピードが速くて、明らかになるのが判明したのが時期として早うございましたので、私どもの方から緊急に提案をしたということでございます。
 それから、これまでにも私ども消費生活センターの相談事例とか諸外国の文献、規制動向などを参考にして、いろいろな安全調査を行っております。ここでいろいろな芽を見つけることが一番重要というふうに考えております。
 これまでの代表的なものといたしましては、平成十三年度に行いましたパラジクロロベンゼン及びオルトジクロロベンゼンを含む商品の調査を、ちょっと舌をかみますが、平成十六年にはまたジクロルボスを含有する殺虫剤の調査を行いまして、これらにつきましても国に対する緊急提案や製造事業者に対する要望を行ったところでございます。
 また、今年度はこの金属アクセサリー類の調査に加えまして、高齢者の危害危険に関する分析調査も今、まとめているところでございます。
 今後ともさまざまな調査を通じまして、安全性に問題があると認められた場合は、事業者等への改善要望や消費者への情報提供を行うとともに、必要な場合は国にも緊急提案を行ってまいりたいと思っております。

上野委員 安全対策への力強いご答弁を聞いて大変にうれしく思います。
 私もさまざまな商品を日常的に使っておりますけれども、正直、安全性に不安を感じることもあります。最近ではナショナル石油暖房機の事故、皆さんの記憶に新しいと思いますが、あのような事例は氷山の一角で、日常生活で使用する商品の事故などは、実は少なくないのじゃないか、このように思っております。
 都内の消費生活センターでも、商品事故などの相談を受けつけているようでございますけれども、相談件数はどの程度あるでしょうか、お伺いいたします。

岳野消費生活部長 都内の消費生活センターに寄せられた相談の中で商品やサービスの危害危険に関するものは、平成十六年度七百九十一件でございました。

上野委員 きょういただいた都内の消費生活相談件数、これに寄せられた相談、十六年度で二十万件を突破しておりますけれども、それに比べますと、危害危険に関する相談が昨年一年間で七百九十一件、現実の苦情や被害の件数とかけ離れているように思います。
 商品やサービスの不満、あるいは被害に遭った人の大部分は消費生活センターではなくて、直接販売店やメーカーなどに苦情を持ち込むという、こういったことを聞いております。そういった意味でわからなくはないんでありますが、都民の安全を守るためには消費生活センターからの相談情報では限界があると思います。
 都は、もっと多くの危害危険に関する情報を収集すべきだ、このように思いますが、見解を伺います。

岳野消費生活部長 委員ご指摘のとおり、市場に流通する商品やサービスの量は大変多うございまして、これと比較しますと、私どもの危害危険に関する情報収集体制は必ずしも十分でないと考えております。そのため、昨年から情報収集のための新たなルートを開拓したところでございます。
 一つには、都立病院等との連携を進めまして、昨年の八月から病院のリスクマネジメント推進会議に私どもも出席いたしまして、病院からの事故情報の収集を積極的に行っております。
 また、昨年の七月からは、東京消防庁主催の子どもの事故防止対策検討会に委員を派遣しまして、情報の共有化を図ってまいりました。さらに、来月からは東京消防庁と連携いたしまして、事故情報の相互提供の場として、商品等事故情報連絡会を設置することといたしました。
 今後ともさまざまな角度からの危害危険情報を収集してまいりまして、商品、サービスの安全対策に努めていきたいと思っております。

上野委員 ぜひとも十八年度におきましても、都民の生命、健康を守るために情報収集に努めていただきたいと思います。
 私たちの身の回りには、商品、サービスの便利さや機能に関する情報があふれております。また、ユニバーサルデザインのように安全性、使いやすさを売り物にした商品も販売されるようになりました。その一方で、鉛を含んだ外国製アクセサリーのように、思わぬ危険を含んだ商品も流通しております。現在、日本においては自動車以外リコール制度はありません。商品などの危険性の情報はメーカーが自主的に社告という形で新聞に載せているだけであります。ぜひ行政が商品の事故情報を積極的に収集、分析し、より安全なものへの製品改善や、危険な商品を市場から排除するために、商品、サービス等の安全対策を構築するようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。


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