■第一回定例会 一般質問
  平成18年3月1日/水曜日

【質問】
一、 子どもの安全対策について
【1】IT技術を活用した子どもの安全対策について
上野委員
初めに、ユビキタスネット社会の実現を目指す観点から、就学児童の安全を守る取り組みについて伺います。
 昨年二月の寝屋川市立小学校の事件や十一月の広島市、十二月の今市市、ことし二月の長浜市の事件など、学校の内外で子どもが巻き込まれる事件が多発しており、子どもの安全確保は国民の大きな課題となっております。
 こうした中で、最先端のIT技術を活用して子どもの安全を守る取り組みが進められております。
 都内のある私立小学校では、昨年四月からICタグを活用した児童の安全対策システムを導入しております。先日、同校を訪れ、児童の登下校管理システムの運用状況を見てまいりました。そこでは、児童が校門を通過すると、校門に設置されたセンサーがランドセルにつけたICタグの情報を感知して、各児童の登下校時刻を記録し、ほぼ同時に、保護者の携帯電話などにメールで送信されます。保護者からは、安心して下校を待っていられるなど、喜びの声も上がっているとのことでありました。
 さらに、現在のIT技術の能力は、例えば子どもが危ない目に遭ったときに、緊急ボタンを押すと、最寄りに設置されたセンサーが感知し、その情報がセンターを経由して警察や防犯ボランティア、保護者にまで即時に伝わり、現場に駆けつけることも可能だと伺いました。
 また、東京都でも、産業技術研究所がICタグを子どもの犯罪被害防止や災害対策に役立てようと、システムを開発しました。今後、実用化へ実験が開始されると聞いております。
 こうしたICタグのシステムを初め、さまざまなすぐれたIT技術が生まれ、子どもの安全に活用できるようになってきております。少子化を迎える中、かけがえのない子どもの命を守ることは何よりも大事であります。安全は、さまざまな施策を幾重にも講じてこそ確保できるものです。
 知事は施政方針の中に、来年度、社会全体で子どもを守る取り組みをさらに強化いたしますとの力強い表明をされました。ユビキタスネット社会の実現を目指す観点からも、急速に普及しているICタグなどIT技術を活用して、子どもたちの安全確保を重層的に進めるべきであります。知事の所見を伺います。

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【2】IT技術の活用について
上野委員 文部科学省では、平成十八年度から、このようなITを活用した学校安全情報共有システムに関するモデル的取り組みを全国四十七地域で実施する事業を行う予定であります。都教育委員会でも、この事業を活用し、家庭及び地域の警察を初め関係機関との円滑な連携のもと、就学児童の安全確保のため、ICタグなどのIT技術を活用した実証実験に今こそ取り組むべきであります。所見を伺います。

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二、子育て支援について
【1】「地域子ども教室推進事業」の評価について
上野委員 次に、子育て支援について伺います。
 江戸川区では、区独自の施策すくすくスクール事業が区内七十三校すべての小学校で行われています。これは、放課後から夕方まで、学校の教室や校庭、体育館などで、すべての児童を対象に、一年生から六年生までの子どもたちが一緒に遊んだり、さまざまな活動をするというものであります。この取り組みの特徴は、かかわる大人も、指導員だけでなく、幅広い地域住民が積極的に参加しているという点です。この事業を通して、かつて地域に存在し、今失われようとしているさまざまな社会的教育を豊富に体験でき、子どもたちが社会の知恵やルール、遊び、文化を学び、人間として大きく成長しております。
 この事業は、文部科学省が子どもの居場所づくりとして平成十六年度から緊急三カ年計画で取り組んでいる地域子ども教室推進事業と連携して実施されております。こうした国の事業を活用した取り組みは、東京都においても全都的に実施されていると思いますが、江戸川区の事業も含めたこの事業の評価について、都教育委員会に伺います。

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【2】国への要望等について
上野委員 この国からの支援は、残念ながら平成十八年度で終了することになっています。すくすくスクールを初め、子どもの居場所づくりのこうした事業は大変に評判もよく、成果も出ているところであります。都は、地域子ども教室推進事業の継続実施を国に要望するとともに、地域での取り組みに対して支援を図っていくべきであります。所見を伺います。

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【3】専門的人材の活用について
上野委員 地域子ども教室推進事業をより効果的に進めるには、人材養成や活動の場の確保及び人材のネットワークづくりが必要であり、特に、薬物乱用の怖さやフリーターと正規雇用の生涯賃金の違いなどをわかりやすく学習し、健全な青少年を育成するためにも、薬剤師、社会保険労務士などの専門資格を有する人材の積極的な活用が重要であります。
 都教育委員会では、今年度から、学校、家庭、地域が協働した子どもの健全育成の取り組みとして、地域教育連携推進事業を都内四地区でモデル事業として実施しております。加えて、その活動を支援するため、地域教育推進ネットワーク東京都協議会において、コーディネーターの養成、研修などのプログラムづくりや人材のネットワーク化を進めております。
 そこで、都は、地域教育推進ネットワーク東京都協議会の仕組みを生かし、地域教育力を総合的に向上させるために、専門資格を有する人材を活用するなど、地域のさまざまな活動に積極的にかかわるべきであります。所見を伺います。

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【4】地域の取組に対する支援について
上野委員 こうした地域における子どもの居場所づくりには、さまざまな基盤整備を伴います。都は、次世代育成支援のための子育て支援基盤整備包括補助金により、子どもの居場所づくりについても区市町村への積極的な支援を行っていくべきであります。所見を伺います。

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三、 橋梁整備について
【1】 旧江戸川に架かる橋梁の整備について
上野委員 次に、江戸川架橋の整備について伺います。
 道路や橋梁は、自動車交通のみならず、歩行者や自転車の移動を支えるとともに、地域の防災性や安全性の向上のために必要不可欠な都市基盤施設であります。
 江戸川区においては、隣接する千葉県との都県境に江戸川があることから、地域間の連携を図る上で、特に橋梁の整備が重要であります。
 一般に、交通渋滞の解消や防災性、利便性の向上を図るには、橋梁と橋梁の間隔は二キロメートル以下が理想とされております。そこで、都内の主要河川の平均橋梁間隔を調べてみますと、多摩川が一・九キロメートル、隅田川が〇・九キロメートル、荒川が一・八キロメートル、江戸川は何と二・七キロメートルあります。特に、区内における江戸川の平均橋梁間隔は約三・五キロメートルあり、他と比較してもかなり広くなっていることから、JR総武線と並行する市川橋では慢性的な交通渋滞が発生するなど、人や物の交流に支障を来しております。
 そこで、第三次事業化計画に位置づけられた放射一六号線や補助一四三号線について、交通渋滞の解消や防災上の観点からも橋梁の整備を急ぐべきであります。所見を伺います。

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【2】補助二八六号線の整備について
上野委員 また、千葉街道の市川橋から新大橋通りの今井橋までの区間、約八キロメートルにわたり、人が通行可能な橋梁がありません。これは、地域間連携や防災上の観点から、まことに重大な問題であります。
 そこで、この区間に江戸川を渡る橋梁が計画されている補助第二八六号線について伺います。
 本路線は、区部の第三次事業化計画に位置づけられなかった路線であります。しかし、江戸川を挟んで、江戸川区の篠崎公園、対岸の市川市には大洲防災公園があり、両方ともに広域避難所として指定されており、この両公園の連携は極めて重要であります。すなわち、周辺地域の防災性向上や低地帯である江戸川区での水害時の避難路、また震災時における帰宅困難者のルート確保の観点からも、本来、優先的に整備が望まれる路線であります。
 私は、歩行者だけでも渡ることのできる橋梁を暫定的でも整備すべきと思うほど、この補助二八六号線の整備の必要性を感じております。
 本路線の整備に当たっては、地元区の主体的な取り組みはもとより、市川市の協力が不可欠であることは十分理解しておりますが、都は防災都市づくりの観点から、地元区のまちづくりが具体化した機会をとらえて、事業化や整備に向けた支援を行うべきであります。見解を伺います。

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四、公園整備について
【1】篠崎公園の整備の基本方針について
上野委員 次に、都立篠崎公園の今後の整備方針について伺います。
 都立公園は、市街地か郊外かといった地域性や地形、自然条件などに応じて特徴ある整備をしていく必要があります。篠崎公園は、野球場やテニスコート、バーベキュー広場などがあり、日常的な利用はもちろん、江戸川区最大の催しの区民まつりの会場となるなど、広く地元に愛着を持たれている公園であります。しかし、全体の整備基本方針が今もって明らかにされておりません。そのため、点在して開園している用地があるものの、全体がどのような公園になるのか、なかなか見当もつきません。
 篠崎公園の整備には予算も重点的に配分されていると聞いており、実際に順次整備が進んでおりますが、計画に対する開園率は三三%であり、まだ五十八ヘクタールが未開園となっております。この十年間での開園実績が六ヘクタール、このペースでは、単純に計算してもあと百年はかかります。
 このような状況では、明確な将来の整備予定を語れる時期ではないのかもしれませんが、用地買収など地元の協力を得て整備を進める以上は、全体の整備基本方針を都民に明らかにするべきであります。所見を伺います。

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【2】今後十年間の整備スケジュールについて
上野委員 また、篠崎公園では防災関係施設の整備が行われており、災害時にも使えるトイレ、緊急時にヘリポートとなる野球場、救援活動や支援物資輸送の大型車両に対応した園路の改修など、開園部分では、十七年度でこれらの整備が終了すると聞いております。地域の安心感は大いに高まっており、防災訓練などでの活用が期待されます。
 しかし、災害に対しては、備えをし過ぎるということはありません。そこで、篠崎公園の整備の基本方針を踏まえて、さらに災害に強いまちをつくるために、避難や救援活動にも使える公園の整備拡張をすべきであります。防災の観点も含めた、次の十年間の具体的な整備スケジュールについて伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

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【答弁】
- 〔知事石原慎太郎君登壇〕
知事(石原慎太郎君) 上野和彦議員の一般質問にお答えいたします。
 子どもの安全対策についてでありますが、昨今頻発する子どもに関する痛ましい事件の報道に接するたび、実に暗たんたる気持ちになります。子どもの安全確保はまさに喫緊の課題であると思います。
 次代を担う子どもたちを卑劣な犯罪から守るには、ご指摘のIT技術の活用も含めて、実効性のある具体策をさまざま講じる必要があると思います。
 今後とも、都は、子どもの安全を確保するため、子どもたちがみずから危険を回避する取り組みや、先日作成いたしました、子どもを見張る社会の目を象徴する、車に張る防犯ステッカーなどを利用しまして、地域住民が協力して子どもを守る取り組みを強力に支援していくつもりでございます。
 ちなみに、これですが、(実物を示す)これは非常に好評で、一万部つくりましたけれども、既に配布し尽くしまして、さらに一万部つくりました。小型はバイク用のがございますから、ぜひ皆さんもひとつ車にこれを張っていただきたいと思います。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。

- 〔教育長中村正彦君登壇〕
教育長(中村正彦君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、就学児童の安全確保のためのIT技術の活用についてでございます。
 都教育委員会といたしましては、ご指摘のように、小学校等における子どもの安全対策のために、さまざまなIT技術の活用を図ることは一つの方策であると認識しております。
 文部科学省の学校安全情報共有システムに関するモデル的取り組みの詳細は、現時点では明らかにはなっておりませんが、都教育委員会といたしましても、本事業の趣旨にかんがみ、子どもの安全対策の方策として、このモデル的取り組みの活用を図ってまいります。
 次に、地域子ども教室推進事業の評価についてであります。
 本事業の都内区市町村の実績を見ますと、十六年度に二十七団体、二百二十九カ所、十七年度には三十一団体、三百四十五カ所と規模が拡大しております。
 お話の江戸川区のすくすくスクールの事業につきましても、学校、地域、家庭等の協力のもとに、子どもたちがさまざまな活動をしておりまして、健全育成に向けた新しい取り組みを目指していると聞いております。
 このように、この事業は、各地の地域子ども教室の活動を通じまして、学校や家庭、地域など、社会全体で子どもたちをはぐくむ環境が醸成されつつありまして、地域の教育力の再生につながるものであります。
 次に、国への要望等についてでございます。
 本事業を実施しております区市町村の関係者から、子どもと大人との交流が盛んになった、あるいは大人の連帯感が強まったなど高い評価とともに、十九年度以降の継続実施の要望も寄せられております。
 都教育委員会といたしましても、本事業の意義については十分認識しておりまして、本事業の継続実施を国に要望してまいります。
 さらに、都教育委員会は、昨年八月に設置いたしました地域教育推進ネットワーク東京都協議会を活用いたしまして、活動事例の紹介等の情報提供や研修の実施を行うなど、区市町村の取り組みを支援してまいります。
 最後に、専門的人材の積極的な活用についてでございます。
 子どもたちの健全な育成を図るには、ご指摘のように、専門的人材の積極的な活用なども必要であると認識しております。
 都教育委員会は、地域教育推進ネットワーク東京都協議会に、多様な能力を有する人材の積極的な参加を呼びかけるとともに、本協議会を活用いたしまして、コーディネートを担う人材の育成や紹介、地域での活動実践のプログラム開発などを行ってまいります。

- 〔建設局長岩永勉君登壇〕
建設局長(岩永勉君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、放射第一六号線及び補助第一四三号線の橋梁の整備についてでございますが、これらの路線は都市間の連携を強化する重要な路線でありまして、第三次事業化計画における優先整備路線に位置づけております。
 特に放射第一六号線につきましては、都心と千葉県臨海部を最短ルートで直結する骨格幹線道路でありますが、旧江戸川にかかる橋が未整備区間となっております。
 放射第一六号線及び補助第一四三号線の橋の整備に当たりましては、事業手法や取りつけ部の整備時期の調整など、都県境の橋梁整備特有のさまざまな課題があります。
 このため、千葉県との連絡調整会議を定期的に開催し、事業化へ向け、それぞれの課題について検討を行っております。
 次に、篠崎公園の整備の基本方針についてでありますが、篠崎公園は、東京における防災公園ネットワークの一翼を担うとともに、各種スポーツ競技など、広く都民のレクリエーション需要に対応した区部の大規模公園として、その整備に取り組んでまいりました。
 都は現在、公園ごとの立地条件や求められる機能を踏まえ、整備の方向性や管理のあり方を示す公園別マネジメントプランの作成を進めております。お話の篠崎公園の整備方針につきましても、このマネジメントプランの中で明らかにしてまいります。
 最後に、篠崎公園の整備スケジュールについてでありますが、都はこれまで、災害時にヘリコプターの離着陸ができる広場を整備するなど、防災上の観点から公園の改修を進めてまいりました。
 今後、防災機能をさらに向上させるため、公園の拡張整備に重点的に取り組む必要があります。
 具体的には、開園区域と柴又街道を結ぶ区域を優先的に整備するとともに、道路に沿った緑豊かな園地を拡大し、災害時の避難路や延焼遮断帯の機能を強化してまいります。
 引き続き、住民の協力を得て、防災性の向上とレクリエーション利用の拡充を図り、都民に親しまれる公園づくりに努めてまいります。

- 〔都市整備局長梶山修君登壇〕
都市整備局長
(梶山修君)
都市計画道路補助第二八六号線の整備についてのお尋ねですが、本路線は、江戸川を渡り、対岸の市川市との連携強化など、都県境周辺における道路ネットワークの形成に資する路線でございます。
 また、地元江戸川区では、都市マスタープランにおきまして、災害時の避難路や延焼遮断帯としての機能を担う地域幹線道路と位置づけており、現在、本路線の周辺地域におきまして、国のスーパー堤防の計画とあわせたまちづくりを検討しているところでございます。
 本路線は、地元区が主体となる路線でございますが、都といたしましても、千葉県側との広域的な協議、調整を進めるなど、整備に向けた地元区の取り組みに対し、必要な支援を行ってまいります。


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