■公営企業会計決算特別委員会(病院経営本部)
  平成17年10月28日(金曜日)

上野委員 私からは、都立病院の再編整備と危機管理体制について、何点かお伺いいたします。
 まず、都立病院の再編整備でございますけれども、ご存じのとおり、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備計画、これは現在の府中病院を多摩広域基幹病院として、また、清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院を移転統合の上に小児総合医療センターとして再編整備することとしております。府中病院の隣接地に施設を一体的に整備して、相互に連携しながら医療を提供するとしております。
 この整備に当たりましては、都立病院として初めてPFIを導入するということでございますが、PFI事業としましては我が国最大規模のプロジェクト事業ということで、かねがね我が党も着実にその成果というものを上げるように、大きな関心を持って見詰めているところでございますが、まず、十六年度以降のこのPFI事業の進捗状況と今後の予定についてお伺いいたします。

及川参事 多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターのPFI事業の進捗状況でございますが、まず、十六年九月に二病院の開設時期を平成二十一年度末とする事業計画を公表いたしました。また、十二月には、都として本事業をPFI手法により整備する特定事業として選定し、公表を行っております。
 さらに、本年、第一回定例会におきまして、本事業に係る債務負担行為の議決をいただき、三月三十日に入札公告を行いました。その後、事業者の資格確認を行いますとともに、病院におきます現場説明会を実施するなど、現在に至るまで事業者の選定手続を順調に進めてございます。
 今後でございますが、価格も含めて応募者の提案を総合的に評価する総合評価一般競争入札を行いまして、平成十八年一月末に事業者を決定する予定でございます。

上野委員 昨年九月に公表されました事業計画におきましては、当初予定しておりました開設時期を二年変更し、二十一年度末となっております。これは、多摩地域の都民が安心して産み、育てることができるよう、平成十五年に当時の健康局と共同でまとめた多摩地域における小児医療体制検討会における検討結果を踏まえて、小児総合医療センターについての当初の構想を上回る機能の充実強化を行う、施設の拡大を図る、こういうことでなったというふうに聞いております。
 そこで、改めて確認のために、この医療機能をどう拡充したのか、具体的にお答え願います。

及川参事 拡充した医療機能でございますが、まず、小児の救命救急に対応する小児ICUの整備や手術室の拡充、救急車など緊急車両の進入路の複数整備、救急災害用ヘリポートの設置、障害を持つ患者さんの在宅療養を支援するための搬送手段の整備、また、小児科専門医やコメディカルスタッフなど医療を支える優秀な人材育成のための体制整備、そして患者、家族を支えるサービス機能の強化策といたしまして、小児医療情報センターの整備などでございます。

上野委員 申すまでもなく、小児医療の充実や多摩地域の医療提供体制の整備というのは喫緊の課題でございます。多摩広域基幹病院と小児総合医療センターの二つの病院を集約して整備するというメリットを生かしながら、多摩地域の医療拠点としてだけではなくて、私はぜひとも都民全体の期待にこたえられるように、これまで以上のよい都立病院を整備していただくよう、強くご要望いたします。
 私は、大事なことは、この小児総合医療センター、PFI事業で建設し、たとえ立派な設備になったとしましても、そこで働く優秀なお医者さんがいなければ、その機能を十分に活用することはできないのではないか、このように思います。
 特に、小児科の医師不足は社会問題となっております。先ほども話があったように、小児総合医療センターの機能の充実強化に向けまして、具体的な取り組みの中で小児専門医の育成という説明がございました。こうした状況の中で、都立病院としましても、人材の育成確保の観点から、小児医師の育成システムを構築し、さらに魅力ある病院にしていくことが必要と考えますが、小児総合医療センターの機能の充実強化に向けて、小児科専門医の育成はどう取り組んでいるのか、お伺いいたします。

奥田経営企画部長 都立病院におきましては、初期臨床研修を修了いたしましたドクターを対象といたしまして、清瀬小児病院と八王子小児病院で、現在七名のドクターが小児科医を目指して修練をしております。
 さらに、その上位の課程といたしまして、例えば小児腎臓内科などといった専門領域で学会認定資格取得も視野に置きながら、二名のドクターが清瀬小児病院で修練を開始したところでございます。

上野委員 ぜひとも今後も優秀な医者の育成と確保に向けて取り組んでいただきたいと切に願うところでございます。
 次に、都立病院における危機管理体制についてお伺いいたします。
 今月の八日、パキスタンで強い地震が起こりました。死者数も五万人を超えると報道されております。こうした大災害というのは、パキスタンではなくて東京においてもいつ起きてもおかしくないと、このようなこともいわれている状況でございます。都民の安全安心のために万全の備えをしておく、このことが急務でございます。
 東京都におきまして、昨年八月に七つの病院、約九十名の隊員による東京DMATが発足しました。我が党は、発災時に対応するにはもっと拡充をするよう主張してきたところでございます。その結果、本年九月には十三病院、約二百五十名へと体制が増強されております。都立病院では、広尾病院、墨東病院、府中病院の三病院が発足当初から参加していると伺っております。
 そこで、さきの本委員会で、昨年十月に発生した新潟県中越地震に東京DMAT隊を派遣し、また、昨年十二月下旬のスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対する国際緊急援助医療チームの一員として、都立病院の医師、看護師を派遣したとの報告がございましたが、そのときの活動の内容について具体的に説明していただきたいと思います。

奥田経営企画部長 新潟県中越地震では、地震発生の翌日、府中病院のDMAT隊員である医師二名、看護師一名が自衛隊ヘリで現地の新潟県小国町に派遣されまして、二日間にわたりまして、現地の医療スタッフと一緒に避難所あるいは診療所で緊急の医療救護活動に従事をいたしました。
 スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害では、独立行政法人国際協力機構、JICAでございますが、国際緊急援助医療チームとしての派遣要請を受けまして、第二次医療チームとして、墨東病院の医師一名を約二週間、それから第三次医療チームといたしまして、広尾病院の看護師一名を約一週間、発生翌月の一月に派遣をいたしました。派遣先は、インドネシア共和国のバンダ・アチェという地域で診療活動等に従事したところでございます。

上野委員 東京DMATや国際緊急援助医療チームの一員として、私ども都立病院のお医者さんや看護師の方々がその災害救助活動に多大な貢献をされた、このように聞きまして、本当に頭の下がる思いでございます。今後とも、病院経営本部としましても、こうした活動に積極的に参画することを期待するものでございます。
 そこで、危機管理でございますが、これは平素からの準備が不可欠であります。都立病院では、医療危機管理体制を整備することとし、具体的には、都立病院改革実行プログラムにあるように、広尾病院を救急災害医療センターとして整備し、同病院を中心とする医療危機管理ネットワークの構築を目指していると聞いております。
 そこで、ネットワークの構築に向けまして、病院経営本部としてどのような具体的取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。

奥田経営企画部長 平成十五年度から十六年度にかけての取り組みでございますが、都立病院の医療危機管理ネットワークの中心となります広尾病院には、防災倉庫であるとか、あるいは職務住宅、さらに発災時に臨時病室に転用できる研修施設などを合体いたしました救急災害対策用施設を新たに整備いたしました。あわせまして、発災時に必要となる簡易ベットであるとか、あるいは医療資器材等につきましても、配備をいたしました。
 また、ソフト面では、発災時に即応できるよう医療救護班を常時編成したほか、災害医療専門スタッフの育成研修であるとか、広く職員に知識や技術等を修得させるための研修、さらに発災を想定した訓練も実施するなど、都立病院の医療危機管理体制のモデルとなるような取り組みを行ってまいりました。

上野委員 ご答弁がありましたように、広尾病院では、ハード面での施設整備に加えまして、ソフト面での対策もとられている。広尾病院のこうした取り組みを、ぜひとも都立病院全体に広げていくことが重要であると思います。
 そこで、最後にお聞きいたします。今後、都立病院における医療危機管理ネットワークの構築に向けまして、病院経営本部ではどのような取り組みを進めていこうとされているのか、具体的にご説明をいただきたくお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

奥田経営企画部長 救急災害医療センターとして都立病院の医療危機管理ネットワークの中心となります広尾病院での取り組みを一層充実いたしますほか、局所的な災害で広尾病院自体が機能停止をするというような場面も想定をいたしまして、墨東病院と府中病院に代替の補完機能を整備していく考えでございます。
 また、ご指摘のように、広尾病院が蓄積いたしましたノウハウを都立病院全体で共有化して各病院の災害医療体制の充実を図るために、全都立病院スタッフに対する研修訓練、こういったものを実施するとともに、各都立病院に医療救護班を常時編成して、発災時に即応できる体制を確保するなど、多様な取り組みを通じて都立病院の医療危機管理ネットワークを構築していきたいというふうに考えております。


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