■東京都議会平成16年度公営企業会計決算特別委員会(下水道局)
  平成17年10月26日(水曜日)

上野委員 私からは、昨年九月に策定されました地球温暖化防止計画アースプラン二〇〇四について幾つか質問したいと思っております。
 地球温暖化につきましては、近年の様子を見ておりますと、予想を超えるスピードで進んでいるのではないか、このように思われるわけでございます。世界のニュースを見ておりましても、猛暑や洪水や干ばつ、こういった温暖化の影響による異常気象というものが頻発しているところでございます。
 我が国におきましても、そういった温暖化に起因するものではないか、このようにいわれております気候変動によるさまざまな問題が発生しているところでございますが、昨年は、この資料にもありますように、観測史上最多とされるような台風が上陸いたしましたし、また、東京におきましては、先月九月、中野周辺に時間最大一〇〇ミリを超える集中豪雨がありました。昔はというか、最近までは時間最大一〇〇ミリの豪雨というのは百年に一度、二度あるかどうか、このようにいわれたわけでございますけれども、今は本当にそういった五〇ミリを超えるような豪雨というのが頻繁に起きてきている、こういった状況の中で、やっぱり温暖化対策というのを本当に必死になって取り組んでいかなければならない、このように思うわけでございます。
 ことしの二月には京都議定書が発効いたしました。ご存じのとおり、議定書は、一九九〇年の排出量を基準といたしまして、先進国全体で五%、EUで八%、米国七%、日本は六%、このように国、地域別に削減率を定めまして、二〇一二年までに達成するよう義務づけているわけでございますけれども、二〇〇三年度の我が国の温室効果ガスの総排出量はどうなったかといいますと、減るどころか、逆に一九九〇年比で八%もふえているという状況でございます。ということは、六%削減の目標を達成するには、二〇一二年までに六プラス八の一四%の削減をしなければならないという大変に厳しい状況にあるわけでございます。
 我が国が環境先進国を目指していくならば、この京都議定書の義務を着実に実行することが何より重要でございます。そのためには、我々国民、産業界を挙げての意識改革や革新的な技術開発が不可欠でございます。私は、そうした取り組みの先導役として、ぜひとも東京都がよき模範を示していっていただきたい。特にそのかなめとなるのが下水道局だ、このように強く期待するものでございます。
 東京都は、本年三月、環境確保条例を改正し、これまでの地球温暖化対策計画書制度の強化を図っていくとともに、この八月には都庁全体で新たな削減目標を掲げた地球温暖化対策都庁プランを策定いたしました。このように、温室効果ガス削減に向けて積極的に取り組んでいるということでございますが、その中で下水道事業は、水再生センターやポンプ所といった多くの事業所を抱えているということから、都の事業活動で排出する温室効果ガスのうち、およそ半分が下水道局によるもの、このようにいわれているところでございます。
 そうしたこともあって、下水道局といたしましても、温暖化防止対策を図るに当たりまして、昨年の九月、いち早く、先ほどいいましたようなアースプラン二〇〇四というのを策定して、温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいるということでございますが、そうした取り組み状況などについて、これから幾つかお伺いしたいと思います。
 まず初めに、地球温暖化防止計画アースプラン二〇〇四の初年度に当たる平成十六年度の取り組みの状況についてお伺いいたします。

中村計画調整部長 アースプラン二〇〇四の初年度に当たります平成十六年度でございますが、水処理施設にエネルギー効率の高い散気装置の導入や汚泥消化ガスを利用したバイオマス発電によります再生可能エネルギーの活用、さらには、夜間電力を活用しましたNaS電池導入によります新電源の活用などに取り組んだところでございます。
 これらの取り組みによりまして、初年度で計画しておりました年間約五千トンの二酸化炭素の削減を図ったことによりまして、これはアースプラン二〇〇四の削減目標、十八万五千トンの約四%に当たります。

上野委員 今の答弁の中にもありましたけれども、局の温室効果ガス削減に関連いたしましては、既に昨年の予算特別委員会の一般質問で、我が党の鈴木貫太郎議員が、バイオマスエネルギーを活用した森ケ崎水再生センター常用発電事業の仕組みや事業効果などについては伺っておりますけれども、私も大変注目しておりまして、当選後、七月に早速現地を視察させていただきました。そこで、本事業が下水道事業として国内で初めてのPFI事業であるとともに、この温室効果ガスの削減に寄与するだけではなくて、電力コストの削減にも貢献されている、こういった状況を見ました。なるほど創意工夫を凝らしているんだなということがよくわかりまして、まさに今の時代に合った取り組みであると私は評価しているところでございます。
 そこで、改めてこの事業について幾つかお伺いいたします。
 まず、バイオマス発電の仕組みと平成十六年度の発電状況についてお聞きいたします。

伊藤参事 発電の仕組みでございますが、バイオマスでございます下水道汚泥から発生いたします消化ガスは、メタンガスを主要成分といたしまして、都市ガスの約半分の発熱量を持っております。この消化ガスを燃料といたしましてガスエンジンを駆動させることによって発電させた、そういう仕組みになってございます。
 次に、平成十六年度の発電状況でございますが、一年間で一般家庭で使用する電力量の約五千世帯分に相当いたします一千八百万キロワットアワーを発電しております。このことによります環境効果は、代々木公園の森林が吸収する量の十三倍の量に相当いたします約二千五百トンの二酸化炭素が削減されたことになります。

上野委員 本事業では、新たな制度であるグリーン電力証書システムを導入しているということでございますけれども、その内容についてちょっとお伺いしたいと思います。
 グリーン電力証書システムとはどのようなものなのか、また、下水道局が本システムに参入することでどのような効果があったのか、お伺いいたします。

伊藤参事 グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能なエネルギーによりまして発電された電力のことでございます。二酸化炭素の削減や省エネルギー効果といった環境付加価値を有しているものでございます。グリーン電力証書システムとは、この環境付加価値をグリーン電力証書という形で具体化し、有価で取引するものでございます。
 具体的には、グリーン電力認証機構が認証いたしましたグリーン電力を企業等に販売し、証書を発行いたします。また、発電事業者は、グリーン電力証書の購入者より対価を得ることになります。一方、証書の購入者は社会に環境に配慮したことをアピールすることが可能になり、イメージアップが図れるということになります。
 次に、下水道局が本システムに参入した効果でございます。グリーン電力証書市場の信頼性が向上し、昨年度に比べ取引が約三五%増加しております。今後も需要の拡大が見込まれるというようなことから、市場の普及、拡大に貢献しているものと考えているところでございます。

上野委員 ありがとうございます。下水道局がそういった参加をすることで市場の拡大に先導的役割を果たしているということがわかりました。さらには地球温暖化対策にも有効であるということもわかりました。
 そこで、森ケ崎水再生センター常用発電事業におきます発電量のうち、グリーン電力証書システムとして活用した平成十六年度の実績はどの程度か、お伺いいたします。

中村計画調整部長 平成十六年度では年間で一千八百万キロワットアワーを発電いたしましたけれども、そのうちグリーン電力として活用した電力量は、約一五%に相当いたします二百六十万キロワットアワーでございます。

上野委員 千八百万キロワットの発電量に対して二百六十万キロワット、約一四から一五%ということで、その割合というのは少ないように思いますけれども、初年度ということもあろうかと思いますので、本年度の発電量とグリーン電力証書販売見込みについてお伺いいたします。

中村計画調整部長 本年度は約二千万キロワットアワーを発電する見込みでございますが、現時点で年間発電量の約半分に相当いたします九百万キロワットアワーが、都庁ライトアップなどのイベントとともに、東武鉄道株式会社や日本IBM株式会社などの企業に販売済みでございます。これは昨年度に比べまして約三・五倍となっておりまして、地球温暖化への関心が高まって、契約団体もふえておりますことから、今後も販売の増加が見込まれております。

上野委員 大幅に増加しているということで安心いたしました。東京都庁のライトアップというものも非常に評判がいいということで聞いておりまして、これまで幾つかお伺いしてきましたが、下水道局がグリーン電力証書システムの活用、こういったもの、さまざまな工夫を積み重ねながら、そしてまた努力しながら、この温室効果ガス削減に取り組んでいらっしゃる、いわゆる都の先導的役割を果たしてきているということについて、私もきょうの話を聞いて高く評価するところでございます。今後とも下水道局は都全体の取り組みの牽引役として地球温暖化防止対策に積極的に努めていただきたく期待しております。
 最後に、今後はどのような具体的な施策を実施して地球温暖化対策を進めていくのかお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

中村計画調整部長 今後も、温室効果ガスの削減効果が高い汚泥の高温焼却や省エネルギー型機器の採用、新技術を導入した汚泥の炭化事業など、さまざまな対策を推進するとともに、維持管理上の創意工夫など、日常の業務での努力を一つ一つ積み重ねまして、総合的に地球温暖化対策に取り組んでまいります。


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