■公営企業会計決算特別委員会第二分科会(水道局)
  平成17年10月24日(月曜日)

上野委員 水道局では現在、東京水道経営プラン二〇〇四におきまして、効率経営を主要施策の一つに掲げて事業推進をされておりますけれども、その中で、本年一月には料金値下げを実施されたところでございます。これはまさに経営効率化の効果に裏打ちされたものとして評価しているところでございます。今後もさらなる効率化の着実な実施を期待しております。
 そこで、効率経営の推進につきまして、幾つかお伺いしたいと思います。
 この効率経営の推進には、新たな視点に立ったアウトソーシングの推進、民間的経営手法の活用、企業努力、この三つの柱を立てて取り組むこととされておりますけれども、その主なものといたしましては、新たな視点に立ったアウトソーシング推進の一環として、朝霞浄水場及び三園浄水場常用発電設備等の整備事業へのPFI手法の活用、また、企業努力の一環として、芝給水所における連担建築物設計制度を活用した収入の確保といったものを具体化されておられます。
 このPFIや連担建築物設計制度といった、いわゆる民間の資金やノウハウを活用した経営手法は、効率的な経営に有効なものとして、私は、都のさまざまな事業に取り入れていくべきだと考えております。そういった中で、こういった経営手法を積極的に取り入れている水道局の姿勢を高く評価しているところでございます。
 このうち、朝霞浄水場及び三園浄水場におけるPFI事業におきましては、本年四月に運用を開始したとお聞きしておりますが、それに先駆けまして、平成十一年に金町浄水場において、全国の自治体で初めてPFI手法を活用した事業を実施しているところでございますけれども、この実施に当たっては、我が公明党でも、ぜひ成果を出してもらいたい、こういう思いでさまざまな質疑を行ったところでございます。
 そこでまず、改めて、どのような経緯でこれらのPFI事業を導入したのか、確認の意味でお伺いいたします。

六車設備担当部長 金町浄水場常用発電PFI事業は、平成十一年十月に全国に先駆けてモデル導入したものでございます。経営の効率化及び電源の二系統化による震災時等の対応力向上を図る事業でございます。
 本事業は、平成十二年十月の運用開始以来現在まで、順調に運用されております。また、本事業の実績から、常用発電事業をPFIにより実施することは有効であると確認されたため、朝霞浄水場及び三園浄水場における常用発電事業についてもPFIにより実施することといたしました。
 さらに、朝霞浄水場及び三園浄水場のPFI事業では、より一層コスト縮減を図るため、常用発電事業に加え、次亜塩素酸ナトリウム製造設備の建設、運営並びに発生土の有効利用を一体の事業として実施しているものでございます。

上野委員 常用発電事業のPFI手法による実施は有効である、こういう説明がありましたけれども、金町浄水場のPFIモデル事業のコスト縮減につきましては、導入時の質疑におきまして、約五%のコスト縮減が見込まれるとお答えいただいております。そこで、これまでの実績はどのようになっているのか、お伺いします。

六車設備担当部長 このPFI事業では、PFI事業者との緊密な調整により、円滑かつ効率的な施設運用に努めた結果、直営で実施した場合に比べ、平成十六年度末までの累計で約三億五千万円のコスト縮減効果がございました。コスト縮減率は五・七%と、当初の見込みを〇・七ポイント上回っております。

上野委員 確かに実績を見てもコスト縮減効果が得られているということですので、PFIは経営効率化に非常に有効な手法の一つであるということがわかったわけでございます。朝霞浄水場及び三園浄水場のPFI事業につきましても、一昨年の決算特別委員会におきまして、金町を上回る約一一%のコスト縮減効果を見込んでいると伺っております。こちらについても着実に達成されることを期待しております。
 次に、企業努力の一環であり、収入の確保策といたしまして主要な役割を担っております資産の有効活用についてお伺いしたいと思います。
 水道局の平成十六年度決算を見ますと、土地や建物などの資産を活用することで得た土地物件収益は約七十億円、このようになっております。これは収益的収入の約二%に相当しており、このことは、資産の有効活用を積極的に進めていることが見てとれます。しかし、さきの包括外部監査では、未利用資産の把握が十分ではなく収益獲得の機会を逃している資産があり、有効利用すべきであるといった意見や、合理的な資産活用のシステムをつくるべきであるとの意見が付されておるわけでございます。
 そこでまず、未利用資産をどのように活用しているのか、基本的な考え方をお伺いいたします。

加藤経理部長 当局では、将来にわたり事業用に使用しないと判断した資産を未利用資産としております。未利用資産は、基本的には中長期的に収益を確保するという観点から、できるだけ資産を保有したまま、共同ビル事業への参画や貸し付けなどにより有効活用を図ることとしております。また、貸し付けなどの活用が難しい場合は売却することとしており、売却に当たりましては、他局や地元自治体からの希望を優先しているところでございます。

上野委員 将来にわたり事業に使用しないと判断した場合に未利用資産とする、このご説明ですけれども、これでは、将来、事業に使う予定であれば、当面使用予定のない資産でも未利用資産とされないということになります。しかし、そのような資産の中には、一時的な貸し付けなどにより活用できるものも含まれていると思われます。そこで、今後、できる限り有効活用を図る視点から資産の状況を把握していく必要があると思いますが、水道局のお考えを伺います。

加藤経理部長 資産の状況把握についてですが、ご指摘のとおり、できる限り有効活用を図る視点から、より詳細な資産の実態を把握していく必要があると考えております。このため、平成十六年度から、使用中のものも含めすべての資産について、利用状況や利活用の可能性を調査しているところでございます。
 今後、容積率などの基本情報に加え、この調査によって把握した情報など、利活用に必要なあらゆる情報をデータベース化した資産バンクシステムを構築してまいります。

上野委員 既に調査を実施しているということでございますけれども、情報は把握するだけでは意味がありませんので、把握した情報を生かして未利用資産の利活用を推進していくことこそが重要であります。
そこで、今後どのように資産の利活用を推進していくのか、お考えを伺います。

加藤経理部長 資産バンクシステムの情報を収益性や将来性などさまざまな視点から分析し、利活用可能な資産を把握した上で、個々の資産の状況に応じた活用を図ってまいります。さらに、活用に当たりましては、委員のお話にもありました連担建築物設計制度や、定期借地権などの民間的手法や民間からの企画提案を積極的に取り入れるなど、柔軟かつ効果的な資産の利活用を推進してまいります。

上野委員 今後の方向性については理解いたしました。ぜひとも柔軟な視点を持って積極的に利活用を進めてもらいたいと思います。
 利活用の中でも土地の売却については、局が努力しても、なかなか期待どおりに進むものではないだろうと思います。そこで、利活用の選択肢をもっと広げてみてはどうか、このように考えます。
 資産の有効活用は、昨年九月に都有財産利活用推進会議を発足するなど、都全体の喫緊の課題でございます。また、包括外部監査報告におきまして、今後の資産活用については、この資産は企業局の所管だから企業局だけで使うという発想ではなく、都全体として取り組んでいくという視点を持って活用を考えていくべきだと監査人から提言されております。
 現在のように案件ごとに各局へ利用希望を照会するのでは非効率でありますし、また各局としましても、より多くの情報の中で利用資産を選択できた方がよいのではないかと思います。さらに、都全体として資産の利活用に取り組んでいくというのは、例えば遊休庁舎などの活用機会が拡大したり、情報の共有により速やかな活用が行われるなど、いろいろなメリットがあるのではないかと考えられます。
 そこで、全庁的な視点に立った資産活用への取り組みに対する考え方についてお伺いいたします。

加藤経理部長 都全体での取り組みについてですが、ご指摘のとおり、資産活用について全庁的な視点から考えた場合、例えば組織の統廃合等によって生ずる遊休化した庁舎を他局と相互に活用できるなど、より一層の有効かつ有益な取り組みが考えられます。
 そこで、当局といたしましても、今後とも都有財産利活用推進会議へ積極的に参加し、当局の所管する資産の情報を提供しながら、都全体の資産の利活用と連携してまいります。

上野委員 ぜひともより広い視野に立って資産の有効活用を図り、収益の確保に努めていただきたいと思います。
 現在、水道局には、震災への対応や、おいしい水対策の一環としての高度浄水処理の導入など、いわゆる水道サービスの質の向上に向けた財政需要が多くあると思います。これらの取り組みを着実に推進していくためにも、さまざまな視点から創意工夫を重ね、これまで同様、積極的な経営の効率化に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、効率経営の推進に向けた局長のご決意を伺って、質問を終わりたいと思います。

御園水道局長 多くの財政需要にこたえつつ、現在のみならず将来にわたりまして水道事業を健全に運営していくためには、効率性の一層の向上を図り、経営基盤を確立することが不可欠であると考えております。このため、これまでも、職員定数の大幅な削減や諸経費の節減など徹底した内部努力を実施するとともに、PFI手法を初めとする民間委託の推進や資産の有効活用など、さまざまな取り組みを積極的に進め、経営の効率化に努めてまいりました。ご指摘を踏まえまして、今後ともより一層の創意工夫を重ね、効率経営の推進に局を挙げて取り組んでまいります。


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