■東京都議会文教委員会
  平成17年10月20日(木曜日)

上野委員 私からは、学校経営支援センターについてお伺いいたします。
 教育庁では、平成十七年度の重点事業といたしまして、学校経営支援センターの設置による都立学校の改革を進めていらっしゃるところでございますけれども、この取り組みというのは我が国でも先駆的な取り組みということで、私も高く評価しているところでございます。それだけ期待も大きいものがございます。ぜひとも成功していただきたい、このように思うわけでございますが、何と申しましても、これまでにない機能を持つ新たな組織をつくり出していく、こういうことですから、それなりの大きな効果というものを生み出さなければならない、このように思うわけでございます。
 そこで、どんな効果が期待されていくのか。また、こうした新しい仕組みを導入すると、必ずさまざまな課題というものが伴うものでございます。このあたりも含めまして、幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、改めて基本的な質問でございますが、学校経営支援センターは何のために設置するのか、整備の目的についてお伺いいたします。

沼沢参事 学校経営支援センターは、都立学校において、校長がリーダーシップを発揮し、より自律的な学校経営を行っていけるよう、これまで本庁で行っていました業務の一部を移行し、学校の身近な地域で、学校の実態に応じた機動的できめ細かい支援を行っていくことを目的として整備するものでございます。あわせて、これまで学校で行っていた契約や施設整備などの事務をセンターで集中することによりまして学校の事務量を軽減し、事務室の経営面での機能強化を図ってまいるものでございます。

上野委員 これまで本庁で行っていた人事や教育課程の管理などこういった業務、また、これまで二百六十校の都立学校で行っておりました契約や施設管理などの業務、こういったものを学校経営支援センターに移していく。こういうことになりますと、かなり大がかりな権限の移譲というものが伴うことになるわけでございますが、私は、大事なことは、これらを円滑に移行させて、そしてまた開設と同時にスムーズに業務が実行されること、これが大命題であると、このように思っております。当然そのために今大変な準備をされていると察します。
 そこで、平成十八年度に開設するということでございますが、これまでの準備状況についてお伺いいたします。

沼沢参事 学校経営支援センターの検討に当たりましては、平成十五年の十一月に、教育庁次長を委員長とする検討委員会を設置いたしまして、学校経営支援センターにおける学校支援のあり方、運営組織、業務内容等について検討を進めてまいりました。現在、学校経営支援センターが本庁から移譲される業務や学校事務室から集約する業務につきまして整理をし、具体的なマニュアルを作成するなど、平成十八年四月の開設に向けて準備を進めているところでございます。

上野委員 学校経営支援センターというのが学校の身近な地域で支援するということでございますけれども、これまでは学区という考え方がございました。しかし、学区制度も廃止になりましたので、学校経営支援センターの設置に伴いまして、新しい地区の考え方というのを取り入れていかなければならない、このように思うわけでございます。
 そこで、学校経営支援センターがどういう地域に何カ所配置され、また一カ所当たり何校所管するのか、さらには設置場所は既に決まっているのか、お伺いいたします。

沼沢参事 都内の東部、中部、西部の三つの地域にそれぞれ二カ所ずつ、合計六カ所に学校経営支援センターを配置し、それぞれが都立学校約四十五校ずつを所管する予定でございます。設置場所につきましては、東部は水道橋と深川、中部は新宿と池袋、西部は立川と小平にそれぞれ設置する予定でございます。

上野委員 都内六カ所に設置し、身近なところできめ細かい支援を行うということでございますけれども、その場合、学校側といたしましては、せっかく改革を行ったのに、仮に本庁と学校経営支援センターの両方から指示が来るようなことがあれば、何のための改革かということになりかねません。そうならないようにするためには、本庁と、そして学校経営支援センター、この役割分担というものを明確にする必要があると思います。
 そこで、学校経営支援センターは、都立学校に対して具体的にどのような支援を行おうとしているのか。また、本庁との関係はどうなるのか、それをお伺いいたします。

沼沢参事 学校経営支援センターでは、第一に学校経営の相談、予算配付などの学校経営支援、第二に教育課程の相談、授業改善のための支援などの教育活動支援、第三に教職員の人事異動や人材育成などの人事管理支援、第四に学校の庶務、経理、施設等の事務を集中処理する業務支援を主に行っていく予定でございます。そのための権限を本庁から移譲し、本庁は基本方針の策定、執行管理、調整等を主に行い、学校経営支援センターでは本庁の方針に基づいた具体的な事業を実施していく予定でございます。

上野委員 これまで本庁が一括して行っていた方法、こういったものに比べまして、学校経営支援センターが設置されることによって、当然、学校にとってのメリットとか、より高い教育的効果が発生しなければならないと、このように思うわけでございます。
 そこで、学校経営支援センターが設置されることにより、これまでと何がどのように変わるのか、また教育の質の面でどのような効果が期待できるのか、お伺いいたします。

沼沢参事 学校経営支援センターは、学校の身近なところで学校訪問をきめ細かく行い、学校の実情に応じて予算、人事などの支援を行ってまいります。これによって、例えば進学率の増加、中途退学者の減少、部活動の加入者の増加などの学校経営上の諸課題の解決が図られ、教育活動の一層の充実に資することができると考えてございます。

上野委員 ぜひとも高い教育的効果が図れるように期待するものでございます。
 次に、学校における業務や組織がどのように影響を受けていくのか、このことについて質問したいと思います。学校経営支援センターでは学校の事務室の業務を集約するということでございますが、学校の事務室の機能はどのように変わっていくのか、お伺いします。

沼沢参事 これまで学校事務室で行ってまいりました契約、施設整備などの業務を学校経営支援センターで集中処理することによりまして、学校事務室における業務を縮減する一方で、企画調整、予算調整、広報活動、渉外など校長の学校経営を支える機能を一層充実させ、学校事務室を経営企画型事務室として位置づけてまいります。

上野委員 学校の事務室の機能や体制が変わっていく、いわゆる業務を縮減するということでございますけれども、これは事務の効率化という視点では大変喜ばしいことではございますが、一方でこのことが、学校の大切な協力者でありますPTA関係者の方々から、実は不安の声も上がっているところでございます。
 これまで学校の事務室はPTAともかかわり、そして保護者にとってはさまざまな学校からの協力というものをいただいている、こういうお互いに協力し合う仲でもあったわけです。幾つかあるわけですけれども、例えば一例を挙げますと、入学、そのときに新たなPTA会員、この方の同意書をとらなきゃいけない。そのときに、入学手続書類の中にその同意書を同封して、そして回収してもらう、こういったこともやっていただく。こうしたことが、事務室の業務の縮減に伴って、PTA活動への学校からの協力に影響が出るのではないかと、こういった声があるわけでございます。
 そこで、この点について、これまでと同様な協力関係というのが保たれるかどうか、お伺いいたします。

沼沢参事 PTAへの対応など保護者の方と直接かかわる業務につきましては、学校経営支援センター設置後も、これまでと同様に学校で行うことになります。
 なお、PTA業務につきましては、保護者と学校とがどのような協力関係を築いていくかについて十分協議し、進めていくことが大切であると考えております。

上野委員 これまで同様に学校で行うというお言葉、皆さんも非常に安心されると思います。
 学校経営支援センターの設置という新しい仕組みを導入するわけでございますが、学校経営支援センターの持つ機能を有効に活用するよう学校に十分に周知し、啓発する必要があると思います。
 そこで、最後に質問になりますけれども、教育庁における学校経営支援センターの開設に向けた今後の進め方について伺いまして、私の質問を終わります。

沼沢参事 今後、学校への説明会や教職員に対する研修等を実施しまして、新しい学校支援の仕組みについて十分に理解を深めていき、学校経営支援センターが学校経営の改善や教育の質的向上を図る機能を十分に果たすよう、教育庁が一丸となって開設に向けた準備を進めてまいります。


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